民事執行法 第211条(強制執行及び担保権の実行の規定の準用)
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第三十九条及び第四十条の規定は執行力のある債務名義の正本に基づく第三者からの情報取得手続について、第四十二条(第二項を除く。)の規定は第三者からの情報取得手続について、第百八十二条及び第百八十三条の規定は一般の先取特権に基づく第三者からの情報取得手続について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
強制執行及び担保権の実行の規定の準用とは何ですか?
定義強制執行及び担保権の実行の規定の準用とは、民事執行法第211条に定められた規定で、「第三十九条及び第四十条の規定は執行力のある債務名義の正本に基づく第三者からの情報取得手続について、第四十二条(第二項を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第211条(強制執行及び担保権の実行の規定の準用)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第211条の条文原文は「第三十九条及び第四十条の規定は執行力のある債務名義の正本に基づく第三者からの情報取得手続について、第四十二条(第二項を除く。」で始まります。
- 民事執行法第211条は第四章に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第211条の前の条は民事執行法第210条です。
- 民事執行法第211条の次の条は民事執行法第212条です。
- 民事執行法第211条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第211条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第211条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/211
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法211条は、第三者からの情報取得手続に強制執行の停止・費用負担・先取特権の規定を準用する。判決後に相手の口座や勤務先を裁判所経由で開示させる手続を支える技術的規定である。
Q · 勝訴判決を取ったのに相手の口座が分かりません。裁判所に調べてもらえないの?
第三者からの情報取得手続で銀行に口座を開示させられます
民事執行法211条が支える第三者からの情報取得手続(204条以下)を使えば、裁判所を通じて銀行に預貯金口座を、勤務先に給与を、登記所に不動産を強制的に開示させられます。預貯金情報は財産開示手続の前置が不要で最速(207条)、不動産・給与情報は過去3年以内の財産開示が前提です(205条・206条)。費用は原則相手方負担(42条準用)で、後に債務名義が覆れば手続を止められます(39条・40条準用)。
解説
裁判で勝った。判決文の正本も手にした。それなのに相手は「金なんかない」と開き直り、一円も払わない。あなたは相手がどの銀行に口座を持っているのかすら知らない。かつてはここで詰んでいた。2020年に動き出した第三者からの情報取得手続が、その壁を壊す。銀行に対して相手の預貯金口座を、勤務先の支払者に対して給与を、登記所に対して不動産を、裁判所を経由して強制的に開示させられる。211条はこの手続を裏で支える分電盤だ。手続にかかる費用は相手方に負わせ(42条準用)、後で債務名義が覆れば手続を止める安全弁も備える(39条・40条準用)。そして最大の隠し扉が、給料を払ってもらえない従業員のように一般の先取特権を持つ者は、判決を取っていなくてもこの手続を使えるという点だ(182条・183条準用)。
法的な位置づけ
民事執行法211条は、第三者からの情報取得手続に関する準用規定である。強制執行の停止・取消し(39条・40条)、執行費用の債務者負担(42条第1項)、一般の先取特権に基づく手続(182条・183条)を各々準用し、令和元年改正で新設された同手続(204条以下)の運用を技術的に補完する条文である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債務名義または先取特権を証する文書を確認 確定判決・和解調書・執行証書などの債務名義が手元にあるか確認する。なければ、未払賃金など一般の先取特権を証する文書で代替できるか検討する(204条、211条による182条・183条準用)
- 2.預貯金情報の取得を最優先で申立て 預貯金・株式等の情報取得(207条)は財産開示手続の前置が不要なため、最速ルートとして真っ先に申し立てる。対象金融機関を特定し、管轄裁判所に申立書を提出する
- 3.不動産・給与情報は財産開示の前置を確認 不動産情報(205条)・給与情報(206条)は過去3年以内に財産開示手続を実施済みか確認する。未了なら先に財産開示手続(197条)を申し立ててから3年の窓の内に情報取得を申し立てる
- 4.情報開示後は時効完成前に差押えへ移行 第三者から情報が開示されたら、原債権の消滅時効(確定判決は10年、民法169条1項)が完成する前に速やかに差押えへ移行する。手続費用は42条準用により相手方に請求する
よくある質問 AI による整理
Q1第三者からの情報取得手続とは?
債務名義を持つ債権者が、裁判所を通じて銀行・勤務先・登記所から相手の預貯金・給与・不動産情報を開示させる手続です。2020年4月に施行されました(民事執行法204条以下)。
Q2財産開示手続と情報取得手続の違いは?
財産開示は債務者本人を裁判所に呼び出して財産を陳述させる手続、情報取得は銀行など第三者から直接情報を取る手続です。不動産・給与情報の取得は財産開示の前置が原則必要です。
Q3預貯金情報の取得に財産開示は必要ですか?
不要です。預貯金・株式等の情報取得(207条)は財産開示手続の前置が要件になっていないため、口座を最速で押さえたい実務では最初に打つ定石です。
Q4養育費を払わない相手の勤務先は調べられますか?
調べられます。給与債権の情報取得(206条)は養育費・生命身体損害の債権に手厚く設計され、過去3年以内の財産開示を前提に相手の勤務先を裁判所経由で開示させられます。
Q5情報取得手続の費用は誰が払うのですか?
原則として相手方(債務者)の負担です。民事執行法211条が準用する42条第1項により、手続に要した費用は執行費用として債務者に請求できます。
Q6財産開示手続の3年の期限はいつまでですか?
不動産・給与情報の取得は、財産開示手続が実施された日から3年以内に申し立てる必要があります(205条2項・206条2項)。窓を逃すと財産開示からやり直しです。
Q7情報取得手続は弁護士なしでできますか?
本人申立ても制度上は可能ですが、対象財産の特定や書類の形式要件が厳格なため、実務では弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。
Q8債務名義がなくても情報取得手続は使えますか?
一般の先取特権(未払賃金の従業員など)を持つ者は、判決なしで先取特権を証する文書だけで申し立てられます(204条、211条による182条・183条準用)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1判決を取ったのに相手の口座が分からず差し押さえられません。銀行に聞いても教えてくれないんですが?
銀行は守秘義務を理由に任意には教えません。だからこそ第三者からの情報取得手続があります。裁判所を通じて銀行に預貯金口座の情報提供を命じる手続で、費用は原則相手方の負担です(民事執行法211条による42条準用、207条)。実務のポイント:預貯金情報の取得は、不動産や給与と違い事前の財産開示手続が不要。最速ルートなので、口座さえ掴めれば即差押えに移れる。まずここから攻めるのが実務の定石です
Q2会社が給料を払わないまま潰れそうです。裁判している時間がありません。何かできませんか?
できます。未払賃金の従業員は民法306条の一般の先取特権を持つ債権者なので、判決を取らなくても、先取特権を証する文書だけでこの情報取得手続を申し立てられます(民事執行法204条、211条による182条・183条準用)。実務のポイント:この「判決なしで会社の口座を追える」ルートは、労働者側でも見落とされがち。会社が倒産手続に入る前に口座を特定できれば、他の債権者に先んじて動けます
間違えやすい点 AI による整理
- 相手の口座さえ分かれば差押えできる、そこまでは知っていても、その口座番号を銀行に強制開示させる国家の手続が2020年から存在することを知らず、判決を金庫に眠らせたまま満足してしまう。深刻なのは、この手続を使わないうちに原債権の10年の消滅時効(民法169条1項)が迫っている場合だ
- 「この手続を使うには弁護士を立てて裁判をやり直さなければ」と考える人がいるが、問いの立て方がずれている。すでに手にした債務名義があれば足りる。給料未払いの従業員のように一般の先取特権を持つ者に至っては、そもそも判決自体が要らない(民事執行法204条・211条)
- 「申し立てれば、いきなり相手のあらゆる財産を照会できる」と誤解されがちだが、不動産情報と給与情報については、原則として過去3年以内に財産開示手続を実施していることが前提になる(205条2項・206条2項)。預貯金情報だけは財産開示の前置が不要という違いを、実務家は攻め手として使い分ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取得できる情報 | 211条:準用規定(停止・費用・先取特権)で三類型すべてを下支え | 207条:預貯金・株式等の情報 206条:給与(勤務先)の情報 |
| 財産開示の前置 | 準用規定のため類型ごとに異なる | 不要(最速ルート) 原則必要(過去3年以内) |
| 利用できる債権者 | 182条・183条準用で一般先取特権者も含む | 債務名義保有者+一般先取特権者(204条) 養育費・生命身体損害の債権者に限定 |
| 3年の窓の起点 | —(準用規定) | 前置不要のため3年制限なし 財産開示手続を実施した日から3年 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は執行法院が税捐機関その他の関係機関・団体に対し債務者の財産を職権で照会できる仕組みを持つ。日本のような債権者申立て型・類型別前置の設計とは異なり、法院主導の色彩が強い。
韓国は財産明示手続に加え、公的機関・金融機関等への財産照会制度を整備。日本の第三者からの情報取得手続と機能的に近く、日本の令和元年改正が参照した比較対象の一つとされる。
ドイツは2013年改正で執行官が銀行・年金保険・車両登録機関から債務者情報を取得できる制度を導入。日本の情報取得手続はこの潮流と軌を一にする。
米国は判決後のディスカバリーとして債務者審尋(debtor's examination)や第三者への文書提出命令を広く認める。当事者主導の証拠開示が中心で、大陸法系の類型別手続とは構造が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 貸した300万円、勝訴判決も確定した。だが相手は「口座は空だ」と言い張る。財産開示手続を実施してから、不動産情報の取得を申し立てられる窓はあと何か月残っている? この3年の窓が閉じれば、もう一度財産開示からやり直しになり、その間に相手は財産を動かす。
- あなたは昔の借金の債務名義を放置していた債務者だ。ある日、自分の預貯金口座の情報が債権者に開示されたと裁判所から知らされる。口座を隠したまま逃げ切る前提は、もう通用しない。
- 元夫が養育費を止めて半年。給与情報の取得手続で、彼が転職した新しい勤務先が判明した。給与情報の開示が特に手厚く設計されているのは、まさにこの養育費回収を想定しているからだ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 債務名義(確定判決、和解調書、執行証書等)が手元にあるか確認。なければ先取特権を証する文書で代替できるか検討(204条) 2. 預貯金情報は財産開示前置が不要なので最優先で申立て(207条) 3. 不動産・給与情報は過去3年以内に財産開示手続を実施済みか確認、未了なら先に財産開示を申立て(205条2項・206条2項) 4. 情報が開示されたら時効完成前に速やかに差押えへ移行。手続費用は相手方に請求できる(42条準用)
訴えられた側:債務者側:情報取得命令の前提となる債務名義が無効・失効しているなら、39条・40条の準用により手続の停止・取消しを求められる。原債権の消滅時効が完成していれば時効の援用を検討。第三者(銀行・勤務先)側:提供命令が届いたら対象の特定が正確か、形式要件を満たすかを確認したうえで、法定の範囲で情報を提供する義務がある。安易な拒否は過料等のリスクを負う
時効(請求できる期限):申立て自体に固有の時効はないが、原債権(債務名義)の消滅時効に服する(確定判決で確定した債権は10年、民法169条1項)。不動産情報・給与情報の取得は、財産開示手続が実施された日から3年以内に申し立てなければならない(民事執行法205条2項・206条2項)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:211条は独自の実体的規律を持たず、強制執行に関する既存の諸規定(39条・40条・42条・182条・183条)を第三者からの情報取得手続に読み替えて適用する技術的な準用規定と理解される。手続の停止・費用負担・一般先取特権による起動を制度全体と整合させる役割を担う。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正 第三者からの情報取得手続(第4章、204条から211条)の新設に伴い211条も新設。強制執行の停止・取消し、執行費用の負担、一般の先取特権に基づく担保権実行の各規定を準用する技術的規定として設けられた。手続は令和2年(2020年)4月1日施行
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:第三者からの情報取得手続(第4章、204条から211条)の新設に伴い211条も新設。強制執行の停止・取消し、執行費用の負担、一般の先取特権に基づく担保権実行の各規定を準用する技術的規定として設けられた。
- 2.令和2年(2020年) 改正:令和2年(2020年)4月1日に第三者からの情報取得手続が施行され、211条を含む第4章が実務で運用開始された。
- 民事執行法 第204条申立権者、債務名義保有者と一般先取特権者
- 民事執行法 第207条預貯金・株式等情報、財産開示前置が不要
- 民事執行法 第206条給与債権情報、養育費・生命身体損害の債権に限定
- 民事執行法 第39条本条が準用する強制執行の停止
- 民事執行法 第197条財産開示手続、情報取得の前置要件
- 民法 第306条一般の先取特権の種類、申立権の実体法的根拠
- 民法 第169条判決で確定した権利の10年消滅時効
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