この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。
要点民事保全法 6 条は同法の裁判所の管轄を専属とする規定。仮差押え・仮処分は合意管轄が効かず、本案裁判所または財産所在地の地裁に管轄が固定される(12 条)。
Q · 契約書に「東京地裁で」と書いておけば、仮差押えもそこで申し立てられるの?
できません。保全の管轄は専属で合意管轄は効きません
できません。民事保全法 6 条は同法の管轄をすべて専属管轄と定めており、民事訴訟法 11 条の合意管轄(契約書の管轄条項)は保全命令事件には効きません。仮差押え・仮処分を申し立てられる裁判所は、本案の管轄裁判所か、被差押財産・係争物の所在地を管轄する地方裁判所に固定されます(民事保全法 12 条)。間違った裁判所へ駆け込むと職権で移送され、時間との勝負である保全で致命的な遅れになります。
取引先が倒産寸前で、口座から預金が抜かれる前に差し押さえたい。離婚する配偶者が財産を隠す前に凍結したい。こうした「判決を待っていたら手遅れになる」場面で使うのが民事保全であり、その入口を守る門番が第6条だ。たった一文、「この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする」。地味に見えて決定的な意味を持つ。専属管轄とは、当事者が合意で管轄を動かせないという意味だ。通常の訴訟なら契約書に「東京地裁を管轄とする」と書けばそこで争える(民訴11条)。だが保全では、その合意は効かない。あなたが仮差押えを申し立てられる裁判所は、本案の管轄裁判所か、差し押さえたい財産の所在地を管轄する地方裁判所に法律で固定されている(民事保全法12条)。間違った裁判所へ駆け込めば、移送で貴重な時間を失う。保全は時間との勝負だ。相手が財産を動かす前に正しい裁判所へ、が鉄則になる。
民事保全法 6 条は保全命令事件および保全執行事件の管轄を専属管轄とする規定である。専属管轄とは、当事者の合意(民事訴訟法 11 条)や応訴(同 12 条)によって管轄裁判所を変更できず、裁判所が職権で調査すべき管轄をいう。保全手続の適正・迅速な処理と相手方の手続保障を確保するため、管轄が法律により一元的に固定される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
民事保全法の裁判所の管轄をすべて専属管轄とする規定です。仮差押え・仮処分の管轄は法律で固定され、当事者が合意で変更することはできません。
本案の管轄裁判所、または被差押財産の所在地を管轄する地方裁判所です(民事保全法 12 条)。専属管轄なので自分の住所地というだけでは申し立てられません。
特定の裁判所のみに管轄を認め、合意や応訴での変更を許さない管轄です。裁判所が職権で調査し、当事者の都合で動かせません。
使えません。民事保全法 6 条の専属管轄により、契約書の「東京地裁を管轄とする」といった民訴 11 条の合意管轄は保全命令事件には効きません。
職権で正しい裁判所へ移送されます(民訴 16 条)。専属管轄では便宜の移送(民訴 20 条)の融通も利かず、その間に財産が動くおそれがあります。
はい。仮差押えも仮処分も同じく民事保全法 6 条の専属管轄です。係争物に関する仮処分は本案裁判所か係争物所在地の地裁が管轄します(12 条)。
治りません。専属管轄は職権調査事項で、被告が異議を述べず手続を進めても応訴管轄(民訴 12 条)は成立しません。いつでも管轄違いを指摘できます。
本案裁判所か、その不動産の所在地を管轄する地方裁判所です。夫婦間の取り決めで管轄を動かすことはできません(民事保全法 6 条・12 条)。
できるとは限りません。保全の管轄は専属管轄(第6条)で、本案の管轄裁判所か、差し押さえたい財産の所在地を管轄する地方裁判所に固定されます(12条)。あなたの住所地というだけでは申し立てられません。業界裏話ヒント:実務では「本案の管轄裁判所」を選ぶか「財産所在地」を選ぶかで、その後の本案訴訟をどこでやるかまで事実上決まってくる。急いで近い裁判所に出すより、本案まで見据えて申立先を選ぶ弁護士は二手先を打っている
いいえ。まず相手が使った裁判所が12条の管轄に合っているかを確認します。合っていなければ専属管轄違いで移送を求められます。管轄が正しければ管轄では覆せませんが、保全異議(26条)で被保全権利や必要性を争えます。業界裏話ヒント:管轄違いを突いて移送させると審理が振り出しに戻り、相手の初動の勢いを削げる。ただし専属管轄が守られているケースでそこに固執すると、本丸である権利の有無への反論が遅れて逆効果。管轄で粘るか本案で勝負するかの見極めが勝敗を分ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 管轄の性質 | 民保 6 条:専属管轄(当事者が動かせない) | — |
| 合意で変更できるか | できない(合意管轄は排除) | — |
| 応訴管轄の成否 | 成立しない(職権調査事項) | — |
| 移送の融通 | 民訴 20 条により便宜の移送は制限 | — |
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