要点借地借家法 47 条は、借地非訟事件で借地権価格や承諾料を算定する鑑定委員会を三人以上の委員で組織すると定め、委員は裁判所が事件ごとに指定する。
Q · 借地のもめごとで金額を決める鑑定委員会、自分で委員を選べるの?
原則は裁判所が指定するが、合意で委員を選ぶ余地もある
借地借家法 47 条により、鑑定委員会は三人以上の委員で組織され、裁判所が事件ごとに指定します。原則は地方裁判所があらかじめ選任した名簿(2 項 1 号)からの指定ですが、2 項 2 号で当事者が合意して選定した者も委員に加えられます。借地非訟事件では裁判所が判断前に委員会の意見を聴くため(41 条)、委員が弾く借地権価格や承諾料がそのまま結論を左右します。委員の旅費・日当・宿泊料は最高裁判所規則で定められます。
借地の更新料や、底地を買い取るときの値段でもめて裁判所に持ち込んだとする。あなたは「最後は裁判官が決める」と思っているだろう。ところが借地借家法 47 条が描く現実は少し違う。この章の借地非訟事件では、裁判所は判断を下す前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない(41 条)。そして承諾料や借地権価格といった肝心の金額を実質的に弾き出すのが、この三人以上で組まれる委員会だ。委員には不動産の専門知識を持つ者が入る。さらに見落とされがちなのが 2 項 2 号。当事者が合意で選んだ者を委員に加えられると定めている。つまりあなたは、自分の事件を値踏みする人選そのものに手を出せる。裁判官の心証を動かそうとする前に、数字を作る側に働きかける余地が、この一条に隠れている。
借地借家法 47 条は借地非訟事件における鑑定委員会の組織を定める規定であり、委員会が三人以上の委員で構成されること、各事件ごとに裁判所が委員を指定すること、その候補が地方裁判所選任の名簿または当事者合意による選定者であることを規律する。委員には最高裁判所規則所定の旅費・日当・宿泊料が支給される。
借地非訟事件で借地権価格や承諾料などの専門的な金額を算定するため、裁判所に置かれる三人以上の専門家で組織される委員会です(借地借家法 47 条)。
増改築や賃借権譲渡などで地主の承諾が得られないとき、裁判所が承諾に代わる許可や条件を定める非訟手続です。通常の訴訟とは別の枠組みで進みます。
申立手数料のほか、鑑定委員会の鑑定費用や弁護士費用がかかります。鑑定費用は事案により数十万円規模になることもあり、申立前に見積もりの確認が重要です。
増改築は更地価格の数%、賃借権譲渡は借地権価格の 1 割前後が目安とされますが、最終的には鑑定委員会の意見をもとに裁判所が個別に決定します。
申立て→裁判所による審理→鑑定委員会の意見聴取(41 条)→裁判所の決定、という流れです。委員会の意見が決定の金額を実質的に左右します。
鑑定委員には最高裁判所規則所定の旅費・日当・宿泊料が支給され、これらの手続費用は原則として申立人が負担します(借地借家法 47 条 3 項)。
更地価格に借地権割合を乗じて算定するのが基本で、路線価図の借地権割合も参考になります。借地非訟では鑑定委員会が個別事情を踏まえ評価します。
鑑定委員会の人選や意見書への対応など専門的判断が多いため、不動産に強い弁護士への依頼が有利です。承諾料の額が大きく動くこともあります。
完全に自由ではありませんが、47 条 2 項 2 号で当事者が合意して選定した者を委員にできます。原則は地方裁判所があらかじめ選任した名簿(同項 1 号)からの指定です。業界裏話ヒント:合意による委員選定はほとんど使われていません。代理人すら名簿任せにしがちですが、専門性の高い争点では、こちらから委員候補を提案するだけで相手の出方が変わることがある。
容易ではありません。裁判所は特別の事情がない限り委員会の意見を聴く義務があり(41 条)、実務上その金額を土台に判断します。意見書の算定根拠に誤りがあれば審問で指摘し再考を促す余地はあります。業界裏話ヒント:意見書は『出てから争う』より『出る前に資料を入れる』方が効く。鑑定の基礎資料は当事者の提出物に引っ張られるので、有利な比較事例や地代相場の資料を先に出しておくのが実務の勘所。
| dimension | thisArticle | alternatives |
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| 規律対象 | 47 条:鑑定委員会の組織(三人以上の委員) | — |
| 当事者の関与 | 2 項 2 号で合意による委員選定が可能 | — |
| 金額への影響 | 委員が借地権価格・承諾料を実質的に算定 | — |
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