保険業法 第106条の2(保険会社による保険会社グループの経営管理)
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- 保険会社(子会社対象会社又は外国特定金融関連業務会社を子会社としているものであって、他の保険会社又は保険持株会社の子会社でないものに限る。)は、当該保険会社の属する保険会社グループ(保険会社及びその子会社の集団をいう。次項において同じ。)の経営管理を行わなければならない。
- 2.前項の「経営管理」とは、次に掲げるものをいう。
- 一保険会社グループの経営の基本方針その他これに準ずる方針として内閣府令で定めるものの策定及びその適正な実施の確保
- 二保険会社グループに属する会社相互の利益が相反する場合における必要な調整
- 三保険会社グループの業務の執行が法令に適合することを確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制の整備
- 四前三号に掲げるもののほか、保険会社グループの業務の健全かつ適切な運営の確保に資するものとして内閣府令で定めるもの
この条文の基本情報
保険会社による保険会社グループの経営管理とは何ですか?
定義保険会社による保険会社グループの経営管理とは、保険業法第106条の2に定められた規定で、「保険会社(子会社対象会社又は外国特定金融関連業務会社を子会社としているものであって、他の保険会社又は保険持株会社の子会社でないものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第106条の2(保険会社による保険会社グループの経営管理)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第106条の2の条文原文は「保険会社(子会社対象会社又は外国特定金融関連業務会社を子会社としているものであって、他の保険会社又は保険持株会社の子会社でないものに限る。」で始まります。
- 保険業法第106条の2は第四章 子会社等に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第106条の2の前の条は保険業法第106条です。
- 保険業法第106条の2の次の条は保険業法第107条です。
- 保険業法第106条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第106条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第106条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/106_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法106条の2は、子会社を持ちグループの頂点に立つ保険会社に、グループ経営管理義務を課す規定である。基本方針の策定、利益相反の調整、法令適合体制の整備が中核となる。
Q · 保険会社が子会社を持つと、グループ全体の管理責任まで負うんですか?
負います。頂点に立つ保険会社一社に経営管理義務が課されます
保険業法106条の2により、子会社対象会社または外国特定金融関連業務会社を子会社とし、かつ他の保険会社・保険持株会社の子会社でない保険会社は、グループ全体の経営管理を行わなければなりません。内容はグループ経営基本方針の策定と適正な実施の確保、グループ内会社間の利益相反調整、法令適合体制の整備、内閣府令で定める事項の四つです。訓示規定ではなく、体制不備は報告徴求(128条)や業務改善命令(132条)の対象となり、名宛人は親会社となります。
解説
保険業法106条の2が名指ししているのは、すべての保険会社ではない。子会社対象会社または外国特定金融関連業務会社を子会社として持ち、かつ自分の上に親(他の保険会社や保険持株会社)がいない保険会社、つまりグループの頂点に立つ一社だけである。その一社は、自社の経営に加えてグループ全体の経営管理を「行わなければならない」。中身は四つ。グループの経営基本方針の策定と、その適正な実施の確保。グループ内の会社どうしの利益が衝突したときの調整。グループ全体の業務執行が法令に適合するための体制整備。そして内閣府令で追加される事項。ここであなたが押さえるべきは、これが訓示規定ではないという点だ。体制が不十分と判断されれば、監督当局は報告徴求(128条)から業務改善命令(132条)まで、親である保険会社そのものに向けて動かす。子会社で起きた不祥事の宛先が、なぜか親会社の代表取締役になる法的な配線が、ここにある。
法的な位置づけ
保険業法106条の2は、保険会社グループの経営管理義務を定める規定である。子会社対象会社等を子会社として有し、かつ他の保険会社・保険持株会社の子会社でない保険会社を名宛人とし、グループ経営基本方針の策定と適正な実施の確保、グループ内会社間の利益相反調整、法令適合体制の整備を義務内容とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社が本条の名宛人かを確定する 子会社対象会社または外国特定金融関連業務会社を子会社としているか、かつ自社の上に他の保険会社・保険持株会社がいないかを資本関係図で確認する。上位会社がいれば本条の義務者は上位会社であり、自社は名宛人ではない
- 2.グループ経営基本方針を策定し実施を確保する 第2項1号に基づき、グループ経営の基本方針を策定する。文言を立派にするより、子会社の取締役会議事録・予算配分・KPI に引用される形で運用可能に書く。実施状況を定期的にモニタリングする仕組みまで設計する
- 3.利益相反の調整プロセスを規程化し記録を残す 第2項2号のグループ内会社間の利益相反について、調整の判断主体・手続・記録方法を規程化する。顧客との利益相反管理とは別建てにし、グループ間取引の条件決定プロセスを文書で追跡できるようにする
- 4.法令適合体制を整備し子会社まで実装する 第2項3号に基づく法令適合体制を整備し、子会社の就業規則・情報管理ルール・研修まで落とし込む。内閣府令および保険会社向けの総合的な監督指針の最新版に照らして、体制の欠落部分を洗い出す
- 5.報告徴求が来る前に自主的な是正計画を出す 自主点検で不備を見つけたら、128条の報告徴求を待たずに是正計画を提出する。命令前の自主是正は処分の重さを左右する。買収を予定しているならデューデリジェンス段階で整備コストを見積もり、価格交渉に織り込む
よくある質問 AI による整理
Q1保険会社のグループ経営管理とは何ですか?
保険業法106条の2第2項が定める四つの行為を指します。グループ経営基本方針の策定と適正な実施の確保、グループ内会社間の利益相反調整、法令適合体制の整備、内閣府令で定める事項です。
Q2保険業法106条の2の義務を負うのは誰ですか?
子会社対象会社または外国特定金融関連業務会社を子会社とし、かつ他の保険会社・保険持株会社の子会社でない保険会社です。グループの頂点に立つ一社に限定されます。
Q3保険持株会社がある場合はどうなりますか?
その場合、傘下の保険会社は他の保険持株会社の子会社に当たるため本条の名宛人から外れます。保険持株会社側に別体系の経営管理規定が適用されます。
Q4グループ経営管理義務に違反するとどうなりますか?
体制不備が把握されれば報告徴求(保険業法128条)を受け、改善が不十分なら業務改善命令(同法132条)の対象になります。名宛人は親会社である保険会社です。
Q5外国の子会社も経営管理の対象になりますか?
なります。条文は外国特定金融関連業務会社を子会社とする場合も適用対象に含めており、海外子会社の法令適合体制もグループ管理の射程に入ります。
Q6グループ経営基本方針は作るだけでよいですか?
不十分です。条文は策定に加えて「その適正な実施の確保」まで求めています(第2項1号)。運用実態と整合しない方針は、かえって体制不備の証拠になり得ます。
Q7利益相反の調整とは顧客との利益相反のことですか?
違います。第2項2号は「保険会社グループに属する会社相互の利益が相反する場合」の調整を指し、グループ内会社間の衝突処理を意味します。
Q8銀行グループにも同じような規定はありますか?
あります。銀行法にも銀行グループの経営管理に関する並行規定が置かれており、金融グループ横断で同様の統治責任が設計されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1持株会社を作らなければ、グループ規制からは外れられるんですか?
外れられません。106条の2は、持株会社を挟まずに保険会社自身がグループの頂点に立つ形態を捕まえる条文です。持株会社を作れば271条の18以下の別体系に入るだけで、規制の総量が消えるわけではありません。実務のポイント:形態選択を規制の軽重で決めようとすると必ず失敗します。実務では資本政策、税制、海外展開のしやすさで決め、規制対応はどちらでも発生する固定費として最初から予算に組む。この順番を逆にした会社が、買収後に体制整備で数億円を後出しで払っている
Q2グループの基本方針って、結局きれいごとを書いた紙じゃないんですか?
条文は策定だけでなく「その適正な実施の確保」まで求めています(第2項1号)。方針が現場で運用されていなければ、紙があること自体が不利に働きます。実務のポイント:検査で本当に見られるのは方針の文言ではなく、方針と子会社の取締役会議事録、予算配分、KPI の整合です。立派な方針を掲げながら子会社の議事録に一度も出てこない会社が最も危ない。方針は短く書き、議事録に引用させるほうが実務上は安全である
Q3第2項2号の利益相反の調整って、顧客との利益相反を管理しろという意味ですか?
違います。2号が言うのは「保険会社グループに属する会社相互の利益が相反する場合」、つまりグループ内の会社どうしの衝突の調整です。顧客との利益相反管理は業務運営体制の別の枠組みで手当てされています。実務のポイント:この二つを一つの規程に混ぜて書いている会社が非常に多く、検査で必ず突かれます。社内規程を分けて、グループ間取引の条件決定プロセスと顧客保護の体制を別建てにしておくだけで、説明の手間が桁違いに減る
間違えやすい点 AI による整理
- 「持株会社を作らなければグループ規制は避けられるのでは」という問いの立て方そのものが誤っている。106条の2は、まさに持株会社を挟まずに保険会社が頂点に立つ形態を捕まえるための条文である。避けられるかどうかではなく、どちらの形態でも規制は来る、違うのは名宛人が誰かだけ、という理解に組み替える必要がある
- あなたから見れば子会社は別法人で、財布も取締役会も別である。監督当局から見れば、それは一つのリスクの塊にすぎない。この視点の落差が事故を生む。子会社単体では小さな管理不備でも、グループ全体の経営管理の欠陥として評価された瞬間、処分の相手は親会社になり、影響は保険料収入全体に及ぶ
- 「経営管理」という柔らかい言葉から努力義務だと読む人が多いが、条文は「行わなければならない」と書いている。第2項各号の中身も内閣府令で具体化され、体制不備は監督上の処分に直結する。抽象的な理念条文ではなく、検査で実際に紙とログを突き合わされる義務である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 保険業法106条の2:グループ経営管理の作為義務を課す | 保険業法106条:子会社として保有できる会社の範囲を画する 保険業法132条:義務違反に対する業務改善命令の根拠 |
| 名宛人 | 子会社を持ちグループ頂点に立つ保険会社一社 | 子会社を保有しようとする保険会社 保険業の健全運営に問題がある保険会社 |
| 発動のタイミング | 子会社を保有している限り継続的に発生 | 子会社化・業務範囲の判断時点 体制不備が把握され改善が必要と判断された時点 |
| 違反時の帰結 | 報告徴求(128条)から業務改善命令(132条)へ | 子会社保有自体が認められない/是正を要する 命令違反はさらに重い監督処分に接続する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は金融持株会社法により連結ベースの管理を設計し、保険法側で関係者間取引を規律する。日本のように保険会社自身を頂点として捕まえる条文構成とは立て付けが異なる
韓国は業態横断の支配構造法でグループガバナンスを規律。金融グループの統合監督の枠組みが別途置かれており、日本の業法内個別規定型とは体系が異なる
ドイツは EU の保険グループ監督枠組みを国内法化し、グループレベルのガバナンス・リスク管理要件を体系的に規定する
米国は州法ベースで保険持株会社システムを規律し、ORSA やグループ資本計算を通じてグループ監督を行う。連邦統一法ではない点が最大の違い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 少額短期保険業者を子会社化して三か月。金融庁からグループ経営管理体制について報告徴求(128条)が届き、回答期限まであと二週間。グループ基本方針は買収時の PMI 資料に一行あるだけで、子会社の取締役会議事録との整合は誰も確認していない。ここで整合が取れないと、次に来るのは業務改善命令である
- もし子会社のシステム障害で保険金の支払いが三日止まったら、責任を問われるのは子会社だけだろうか。答えは違う。グループの法令適合体制の整備が足りなかったとして、行政の矛先は親会社である保険会社に向く。子会社に会見させて幕引き、という筋書きは106条の2の下では成立しない
- 子会社に出向したあなたの机に、親会社からグループ基本方針が降りてくる。押しつけだと感じる。だがそれは親会社の法定義務の産物で、拒めば処分を受けるのは親会社の側だ
- 保険会社に自社を売却しようとしている InsurTech の創業者。買い手の法務が異様に細かくガバナンス資料を求めてくる理由が分からない。買収後、あなたの会社は保険会社グループの一員として親会社の経営管理の対象になる。整備コストを誰が負担するかは、価格交渉の材料になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起きている問題が子会社単体の話か、親会社のグループ方針に起因するかを切り分け、基本方針やグループ規程の写しを求める2. 利益相反(第2項2号)の調整記録が残っているかを確認、記録が存在しないこと自体が体制不備の証拠になる3. 是正が進まないなら金融庁の金融サービス利用者相談室へ、事実関係を時系列で整理して提出4. 損害が現実化しているなら、親会社の取締役個人の責任(会社法429条)も選択肢に残る
訴えられた側:1. まず自社が名宛人かを確定、上に他の保険会社や保険持株会社がいれば本条の義務者は上位会社である2. 基本方針、利益相反調整、法令適合体制の三点について、文書の有無ではなく子会社の取締役会議事録との整合を自主点検3. 不備を見つけたら報告徴求を待たず自主的に是正計画を出す、命令前の自主是正は処分の重さを大きく左右する4. 内閣府令と監督指針の最新改正状況を必ず確認する
時効(請求できる期限):継続的な体制整備義務であり、特定の消滅時効はない。違反状態が続く限り監督権限は行使できる。128条の報告徴求には個別に回答期限が指定され、132条の業務改善命令を争う取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)。損害賠償を問う場面では一般消滅時効(民法166条、権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される
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