保険業法 第106条(保険会社の子会社の範囲等)
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- 保険会社は、次に掲げる会社(以下この条及び次条第一項において「子会社対象会社」という。)以外の会社を子会社としてはならない。
- 一生命保険会社
- 二損害保険会社
- 2.2_2 少額短期保険業者
- 三銀行
- 四長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第二条(定義)に規定する長期信用銀行(以下「長期信用銀行」という。)
- 3.4_2 資金決済に関する法律第二条第三項(定義)に規定する資金移動業者(第九号に掲げる会社に該当するものを除く。)のうち、資金移動業(同条第二項に規定する資金移動業をいう。)その他内閣府令で定める業務を専ら営むもの(第二百七十一条の二十二第一項第四号の二において「資金移動専門会社」という。)
- 五金融商品取引業者のうち、有価証券関連業(金融商品取引法第二十八条第八項(通則)に規定する有価証券関連業をいう。以下同じ。)のほか、同法第三十五条第一項第一号から第八号まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲)に掲げる行為を行う業務その他の内閣府令で定める業務を専ら行うもの(第十二号ロ及び第二百七十一条の二十二第一項第五号において「証券専門会社」という。)
- 六金融商品取引法第二条第十二項(定義)に規定する金融商品仲介業者のうち、金融商品仲介業(同条第十一項に規定する金融商品仲介業をいい、次に掲げる行為のいずれかを業として行うものに限る。以下この号において同じ。)のほか、金融商品仲介業に付随する業務その他の内閣府令で定める業務を専ら行うもの(第十二号ロ及び第二百七十一条の二十二第一項第六号において「証券仲介専門会社」という。)
- 一金融商品取引法第二条第十一項第一号に掲げる行為
- 二金融商品取引法第二条第十七項に規定する取引所金融商品市場又は同条第八項第三号ロに規定する外国金融商品市場における有価証券の売買の委託の媒介(ハに掲げる行為に該当するものを除く。)
- 三金融商品取引法第二十八条第八項第三号又は第五号に掲げる行為の委託の媒介
- 四金融商品取引法第二条第十一項第三号に掲げる行為
- 4.6_2 金融サービス仲介業者(金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第十一条第六項(定義)に規定する金融サービス仲介業者をいう。次編及び第三百九条第一項第六号において同じ。)のうち、有価証券等仲介業務(同法第十一条第四項に規定する有価証券等仲介業務をいい、次に掲げる行為のいずれかを行うものに限る。以下この号において同じ。)のほか、有価証券等仲介業務に付随する業務その他の内閣府令で定める業務を専ら営むもの
- 一金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第十一条第四項第一号に掲げる行為
- 二金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第十一条第四項第二号に掲げる行為(前号ロ又はハに掲げる行為に該当するものに限る。)
- 三金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第十一条第四項第三号に掲げる行為
- 七信託会社のうち、信託業務(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項(兼営の認可)に規定する信託業務をいう。第十二号ロにおいて同じ。)を専ら営むもの(同号ロ及び第二百七十一条の二十二第一項第七号において「信託専門会社」という。)
- 八保険業を行う外国の会社
- 九銀行業(銀行法第二条第二項(定義等)に規定する銀行業をいう。以下同じ。)を営む外国の会社(前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
- 十有価証券関連業を行う外国の会社(第八号に掲げる会社に該当するものを除く。)
- 十一信託業(信託業法第二条第一項(定義)に規定する信託業をいう。以下同じ。)を営む外国の会社(第八号に掲げる会社に該当するものを除く。)
- 十二次に掲げる業務を専ら営む会社(イに掲げる業務を営む会社にあっては、当該保険会社、その子会社(第一号、第二号及び第八号に掲げる会社に限る。)その他これらに類する者として内閣府令で定めるものの営む業務のためにその業務を営んでいるものに限る。)
- 一従属業務
- 二金融関連業務(当該保険会社が銀行、長期信用銀行及び銀行業を営む外国の会社のいずれをも子会社としていない場合にあっては銀行専門関連業務を、当該保険会社が証券専門会社、証券仲介専門会社及び有価証券関連業を営む外国の会社のいずれをも子会社としていない場合にあっては証券専門関連業務を、当該保険会社が信託兼営銀行(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けて信託業務を営む銀行をいう。)、信託専門会社及び信託業を営む外国の会社のいずれをも子会社としていない場合(当該保険会社が第九十九条第七項の認可を受けて保険金信託業務を行う場合を除く。)にあっては信託専門関連業務を、それぞれ除く。)
- 十三新たな事業分野を開拓する会社として内閣府令で定める会社(当該保険会社又はその子会社のうち前号に掲げる会社で内閣府令で定めるもの(次号及び第十五号並びに第百七条第七項及び第八項において「特定子会社」という。)以外の子会社が、合算してその基準議決権数(同条第一項に規定する基準議決権数をいう。以下この条において同じ。)を超える議決権を保有していないものに限る。)
- 十四経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社(その事業に係る計画又は当該計画に基づく措置について内閣府令で定める要件に該当しない会社(第百七条第一項及び第七項において「特別事業再生会社」という。)にあっては、当該保険会社又はその特定子会社以外の子会社が、合算してその基準議決権数を超える議決権を保有していないものに限る。)
- 十五地域の活性化に資すると認められる事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社(当該保険会社又はその特定子会社以外の子会社が、合算してその基準議決権数を超える議決権を保有していないものに限る。)
- 十六前各号に掲げる会社のほか、情報通信技術その他の技術を活用した当該保険会社の行う保険業の高度化若しくは当該保険会社の利用者の利便の向上に資する業務若しくは地域の活性化、産業の生産性の向上その他の持続可能な社会の構築に資する業務又はこれらに資すると見込まれる業務を営む会社
- 十七子会社対象会社のみを子会社とする持株会社で内閣府令で定めるもの(当該持株会社になることを予定している会社を含む。)
- 十八子会社対象会社のみを子会社とする外国の会社であって、持株会社と同種のもの又は持株会社に類似するもの(当該会社になることを予定している会社を含み、前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
- 5.前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 一従属業務保険会社又は前項第二号の二から第十一号までに掲げる会社の行う業務に従属する業務として内閣府令で定めるもの
- 二金融関連業務保険業、銀行業、有価証券関連業又は信託業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
- 三銀行専門関連業務専ら銀行業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
- 四証券専門関連業務専ら有価証券関連業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
- 五信託専門関連業務専ら信託業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
- 6.第一項の規定は、子会社対象会社以外の国内の会社が、保険会社又はその子会社の担保権の実行による株式又は持分の取得、保険会社又はその子会社による同項第十三号から第十五号までに掲げる会社の株式又は持分の取得その他内閣府令で定める事由により当該保険会社の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該保険会社は、その子会社となった会社が当該事由(当該保険会社又はその子会社による同項第十三号から第十五号までに掲げる会社の株式又は持分の取得その他内閣府令で定める事由を除く。)の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
- 7.保険会社は、第一項第一号から第十二号まで又は第十六号から第十八号までに掲げる会社(従属業務(第二項第一号に規定する従属業務をいう。)又は保険業に付随し、若しくは関連する業務として内閣府令で定めるものを専ら営む会社を除く。以下この条、第百七条第四項第二号、第百二十七条第一項第三号及び第三百三十三条第一項第三十三号において「子会社対象保険会社等」という。)を子会社としようとするとき(第一項第十六号に掲げる会社(内閣府令で定める会社を除く。)にあっては、当該保険会社又はその子会社が、合算してその基準議決権数を超える議決権を取得し、又は保有しようとするとき)は、第九十六条の十第一項、第百四十二条、第百六十七条第一項又は第百七十三条の六第一項の規定により組織変更(第九十六条の九の二第一項に規定する組織変更株式交付を伴うものに限る。第百七条第四項第一号において同じ。)、事業の譲受け、合併又は会社分割の認可を受ける場合を除き、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
- 8.前項の規定は、子会社対象保険会社等が、保険会社又はその子会社の担保権の実行による株式又は持分の取得その他の内閣府令で定める事由により当該保険会社の子会社(第一項第十六号に掲げる会社(前項に規定する内閣府令で定める会社を除く。)にあっては、当該保険会社又はその子会社が、合算してその基準議決権数を超える議決権を保有する会社。以下この項において同じ。)となる場合には、適用しない。ただし、当該保険会社は、その子会社となった子会社対象保険会社等を引き続き子会社とすることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、当該子会社対象保険会社等が当該事由の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
- 9.保険会社は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第一項の規定にかかわらず、子会社対象会社以外の外国の会社が子会社となった日から十年を経過する日までの間、当該子会社対象会社以外の外国の会社を子会社とすることができる。
- 一当該保険会社が、現に子会社対象会社以外の外国の会社を子会社としている子会社対象外国会社(第一項第八号から第十二号まで及び第十六号に掲げる会社(同項第十二号及び第十六号に掲げる会社にあっては、外国の会社に限る。)、持株会社(子会社対象会社を子会社としている会社に限る。第百七条第一項において「特例持株会社」という。)又は外国の会社であって持株会社と同種のもの若しくは持株会社に類似するもの(子会社対象会社を子会社としているものに限り、持株会社を除く。)をいう。以下この条において同じ。)又は外国特定金融関連業務会社(金融関連業務(第二項第二号に規定する金融関連業務をいう。第九項において同じ。)のうち内閣府令で定めるものを主として営む外国の会社をいい、第一項第十二号に掲げる会社を除く。以下この条及び次条第一項において同じ。)を子会社とすることにより子会社対象会社以外の外国の会社を子会社とする場合
- 二当該子会社対象会社以外の外国の会社が外国特定金融関連業務会社である場合(前号に掲げる場合を除く。)
- 10.第四項の規定は、保険会社が、外国特定金融関連業務会社(当該保険会社が子会社対象保険会社等又は他の外国特定金融関連業務会社を子会社としようとする場合における当該子会社対象保険会社等又は他の外国特定金融関連業務会社が現に子会社としているものを除く。)を子会社としようとするときについて準用する。
- 11.保険会社は、第六項各号のいずれかに該当する場合において、内閣総理大臣の承認を受けたときは、第一項の規定にかかわらず、第六項の期間を超えて当該承認に係る子会社対象会社以外の外国の会社を引き続き子会社とすることができる。
- 12.内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合には、前項の承認をするものとする。
- 一保険会社が現に子会社としている子会社対象外国会社(第一項第八号から第十二号まで及び第十六号に掲げる会社に限る。次号において同じ。)又は外国特定金融関連業務会社の競争力(外国特定金融関連業務会社にあっては、当該外国特定金融関連業務会社の営む金融関連業務における競争力に限る。同号において同じ。)の確保その他の事情に照らして、当該保険会社が子会社対象会社以外の外国の会社(外国特定金融関連業務会社を除く。)を引き続き子会社とすることが必要であると認められる場合
- 二保険会社が現に子会社としている子会社対象外国会社又は外国特定金融関連業務会社の競争力の確保その他の事情に照らして、外国特定金融関連業務会社が引き続き金融関連業務以外の業務を営むことが必要であると認められる場合
- 13.内閣総理大臣は、保険会社につき次の各号のいずれかに該当する場合には、当該保険会社の申請により、一年を限り、第六項の期間又はこの項の規定により延長された期間を延長することができる。
- 一当該保険会社が、現に子会社としている子会社対象会社以外の外国の会社又は当該会社を現に子会社としている子会社対象外国会社の本店又は主たる事務所の所在する国の金融市場又は資本市場の状況その他の事情に照らして、第六項の期間又はこの項の規定により延長された期間の末日までに当該子会社対象会社以外の外国の会社が子会社でなくなるよう、所要の措置を講ずることができないことについてやむを得ない事情があると認められる場合
- 二当該保険会社が子会社とした子会社対象外国会社又は外国特定金融関連業務会社の事業の遂行のため、当該保険会社が現に子会社としている子会社対象会社以外の外国の会社を引き続き子会社とすることについてやむを得ない事情があると認められる場合
- 14.保険会社は、現に子会社としている子会社対象外国会社又は外国特定金融関連業務会社が、子会社対象会社以外の外国の会社(外国特定金融関連業務会社を除く。以下この項において同じ。)をその子会社としようとする場合において、内閣総理大臣の認可を受けたときは、第一項の規定にかかわらず、当該認可に係る子会社対象会社以外の外国の会社を子会社とすることができる。
- 15.第一項、第六項、第七項及び前項の規定は、子会社対象会社以外の外国の会社が、保険会社又はその子会社の担保権の実行による株式又は持分の取得、保険会社又はその子会社による第一項第十三号から第十五号までに掲げる会社の株式又は持分の取得その他内閣府令で定める事由により当該保険会社の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該保険会社は、その子会社となった子会社対象会社以外の外国の会社(当該保険会社の子会社となった子会社対象保険会社等又は他の外国特定金融関連業務会社が現に子会社としている外国特定金融関連業務会社を除く。)を引き続き子会社とすることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、当該子会社対象会社以外の外国の会社が当該事由(当該保険会社又はその子会社による同項第十三号から第十五号までに掲げる会社の株式又は持分の取得その他内閣府令で定める事由を除く。)の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
- 16.第四項の規定は、保険会社が、現に子会社としている第一項各号に掲げる会社を当該各号のうち他の号に掲げる会社(子会社対象保険会社等に限る。)に該当する子会社としようとするとき及び現に子会社としている同項第十六号に掲げる会社(その業務により当該保険会社又は当該同号に掲げる会社の業務に係る顧客の利益が不当に害される著しいおそれがあると認められないことその他の要件を満たす会社として内閣府令で定める会社に限る。)を同号に掲げる会社(当該内閣府令で定める会社を除く。)に該当する子会社としようとするときについて準用する。
- 17.保険会社は、次の各号のいずれかに該当する場合において、内閣総理大臣の承認を受けたときは、第一項の規定にかかわらず、当該承認に係る子会社対象会社以外の外国の会社を引き続き子会社とすることができる。
- 一現に子会社としている第一項第十二号に掲げる会社を外国特定金融関連業務会社としようとする場合
- 二現に子会社としている外国の会社(子会社対象会社に限る。)を子会社対象会社以外の外国の会社としようとする場合(第六項第二号に掲げる場合、第十一項及び第十二項本文に規定する場合並びに前号に掲げる場合を除く。)
- 18.第九項の規定は、前項の承認について準用する。
- 19.保険会社は、当該保険会社又はその子会社が合算してその基準議決権数を超える議決権を保有している子会社対象会社(当該保険会社の子会社及び第一項第十六号に掲げる会社(内閣府令で定める会社を除く。以下この項において同じ。)を除く。)について、同号に掲げる会社となったことその他内閣府令で定める事実を知ったときは、引き続きその基準議決権数を超える議決権を保有することについて内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、これを知った日から一年を経過する日までに当該同号に掲げる会社が当該保険会社又はその子会社が合算してその基準議決権数を超える議決権を保有する会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
この条文の基本情報
保険会社の子会社の範囲等とは何ですか?
定義保険会社の子会社の範囲等とは、保険業法第106条に定められた規定で、「保険会社は、次に掲げる会社(以下この条及び次条第一項において「子会社対象会社」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第106条(保険会社の子会社の範囲等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第106条の条文原文は「保険会社は、次に掲げる会社(以下この条及び次条第一項において「子会社対象会社」という。」で始まります。
- 保険業法第106条は第四章 子会社等に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第106条の前の条は保険業法第105条の3です。
- 保険業法第106条の次の条は保険業法第106条の2です。
- 保険業法第106条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第106条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第106条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/106
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法106条1項は、保険会社が子会社とできる会社を限定列挙し、それ以外を子会社とすることを禁じる。子会社対象保険会社等の子会社化には内閣総理大臣の事前認可が必要である。
Q · 保険会社は好きな会社を子会社にできるんですか?
原則できません。法律が列挙した種類の会社だけです
保険業法106条1項は、保険会社が子会社とできる会社を「子会社対象会社」として限定列挙しており、生命保険会社、損害保険会社、銀行、証券専門会社、信託専門会社、従属業務・金融関連業務の専業会社、新事業分野開拓会社、地域活性化事業会社、保険業高度化等会社、持株会社などが該当します。一般の事業会社はこの列挙に含まれないため、収益性が高くても子会社にはできません。さらに4項により、子会社対象保険会社等を子会社としようとするときは、あらかじめ内閣総理大臣(実務の窓口は金融庁)の認可を受ける必要があります。
解説
保険会社の有価証券報告書を開くと、子会社一覧は銀行・証券・信託・保険関連サービスといった顔ぶれで埋まっている。偶然ではない。保険業法106条1項は、保険会社が子会社にできる会社を号で名指しし、それ以外を正面から禁じる。生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、銀行、長期信用銀行、資金移動専門会社、証券専門会社、信託専門会社、従属業務や金融関連業務を専ら営む会社、新事業分野開拓会社、地域活性化事業会社、保険業高度化等会社、そして持株会社。この名簿に載らない会社は、どれだけ収益性が高くても子会社にできない。さらに4項は、子会社対象保険会社等を子会社にしようとするとき、あらかじめ内閣総理大臣(実務の窓口は金融庁)の認可を受けることを求める。あなたがスタートアップの創業者で保険会社からの資本提案を受けたなら、握手より先に確認すべきは価格ではない。自社が106条1項のどの号に当てはまるか、である。
法的な位置づけ
保険業法106条は、保険会社の子会社の範囲を定める規定である。1項が子会社とすることのできる会社(子会社対象会社)を限定列挙し、4項が子会社対象保険会社等の子会社化について内閣総理大臣の事前認可を要求する。3項・5項・12項は担保権実行等による意図しない子会社化に1年の解消猶予を、6項以下は子会社対象会社以外の外国会社に10年の保有猶予を設ける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社(対象会社)が1項の何号に当たるかを特定する 資本提携や買収の検討に入ったら、価格交渉より先に対象会社の売上構成表と業務範囲を洗い出し、保険業法106条1項の1号から18号のどれに該当するか(該当しないか)を書面で確定させる。「専ら営む」要件がある号は、周辺事業の混在が致命傷になる
- 2.号に当たらない場合のスキーム代替案を並べる どの号にも当たらない場合は、議決権を107条の基準議決権数以下に抑える設計、対象事業を分社して専業会社を作る設計、1項16号(保険業高度化等会社)として整理し認可を取る設計の三択で比較する。クロージング時期の差が数か月単位で出る
- 3.金融庁へ事前相談を入れ、認可スケジュールを逆算する 106条4項は事前認可であるため、正式申請の前段で金融庁への事前相談が実務上不可欠。標準処理期間ではなく、事前相談の開始日からクロージング日までを逆算した工程表を引く。16号の会社では顧客の利益が不当に害されるおそれがないかの整理(13項も参照)を準備する
- 4.認可取得後、127条の届出とグループ管理台帳を整える 認可を得て子会社化した後も、127条の届出、独占禁止法11条など他系統の手続、子会社の業務範囲モニタリングが残る。号該当性は対象会社の事業変更で崩れうるため、号と根拠資料を台帳化して定期的に再確認する
- 5.意図しない子会社化は起算日を即日で台帳に立てる 担保権実行等で子会社対象会社以外の会社が子会社になった場合(3項・5項・12項)、事由の生じた日から1年が解消期限。起算日は株式取得の日であり社内で気付いた日ではないため、取得と同時に期限を台帳へ登録し、残期間から逆算して売却先を探す
よくある質問 AI による整理
Q1子会社対象会社とは何ですか?
保険業法106条1項が号で列挙した、保険会社が子会社にできる会社の総称です。生命保険会社、銀行、証券専門会社、信託専門会社、従属業務・金融関連業務の専業会社、地域活性化事業会社、保険業高度化等会社、持株会社などが含まれます。
Q2保険業法106条の認可は誰に申請しますか?
条文上は内閣総理大臣の認可ですが、権限は金融庁長官に委任されており、実務の窓口は金融庁(監督局保険課)です。申請前の事前相談も同じ窓口で行います。
Q3子会社認可を受けずに子会社化するとどうなりますか?
106条4項違反となり、業務改善命令等の監督上の措置や333条1項の過料の対象となりえます(号番号および過料の額は現行効力をご確認ください)。認可は事後の追認が効かない事前認可です。
Q4「専ら営む」とはどういう意味ですか?
その業務だけを専業として営んでいることを指します。証券専門会社・信託専門会社・従属業務会社などは専業性が号該当の要件であり、周辺事業が混在していると号に当たらず子会社にできません。
Q5保険会社は海外の会社を子会社にできますか?
保険業・銀行業・有価証券関連業・信託業を営む外国会社は1項11号から14号で子会社対象会社です。それ以外の外国会社は6項の要件を満たす場合に限り、子会社となった日から10年間保有できます。
Q6子会社に異動があったら届出は必要ですか?
保険業法127条1項が子会社の異動等について内閣総理大臣への届出を求めています。106条4項の認可とは別の手続であり、認可対象外の子会社化でも届出は必要になりえます。
Q7保険持株会社の子会社の範囲はどこに書かれていますか?
保険業法271条の22が保険持株会社について並行規定を置いています。保険会社本体は106条、持株会社は271条の22と読み分ける必要があり、グループ設計では両方を同時に検討します。
Q8基準議決権数とは何ですか?
保険業法107条1項が定める議決権保有の上限ラインで、これを超える保有は子会社化していなくても規制対象になります。106条1項の新事業分野開拓会社や地域活性化事業会社の号該当要件にも使われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社って本当に何も買えないんですか。IT 企業への出資のニュースはよく見ますけど
制限されているのは子会社にできる会社の種類であって、少数出資は別の話です。106条が捕まえるのは子会社化であり、107条の基準議決権数以下にとどまる出資なら自由度は格段に高い。報道される出資の多くはこの帯にあります。実務のポイント:金融機関の出資リリースで比率が書かれていないときは、10% と50% のどちらの線を意識した設計かをまず疑う。比率非開示は、規制ラインぎりぎりを詰めた痕跡であることが多い
Q2認可ってどれくらい時間がかかるものなんですか
申請から処分までの標準処理期間だけを見ると短く感じますが、106条4項は事前認可なので、実務ではその前段の事前相談に相当の期間を要します。クロージング日から逆算した工程表が必須です。実務のポイント:実質的な審査は、申請書が正式受理される前の事前相談で終わっていることが多い。申請日から認可日までの日数を基準に計画を立てた案件は、ほぼ確実に時間が足りなくなる
Q3うちは保険テックのスタートアップです。保険会社に子会社化してもらえますか
1項16号の会社(情報通信技術等を活用して保険業の高度化や利用者の利便向上に資する業務を営む会社)に当たれば可能性があります。ただし内閣府令の要件充足と、顧客の利益が不当に害されるおそれがないかの整理が必要です(13項も参照)。実務のポイント:この号は近年の改正で広げられてきた比較的新しい受け皿で、当局側も事例の蓄積を望んでいる。前例のない事業ほど、他の号より事前相談の入口は広い
Q4担保に取った株を実行したら子会社になってしまいました。すぐ売らないと違法ですか
直ちに違法にはなりません。106条3項は担保権実行等の事由による子会社化に1項を適用せず、事由の生じた日から1年を経過する日までに子会社でなくなるよう措置を講じる義務を課すにとどめます。外国会社には6項以下の別枠があります。実務のポイント:1年の起算点は株式取得の日であって、取締役会が気付いた日ではない。社内で発見が遅れた分だけ売却交渉の持ち時間が削られる。取得の瞬間に期限を台帳へ立てる金融機関ほど、結果的に高く売り抜けている
間違えやすい点 AI による整理
- 保険会社に業務範囲規制があること自体は知られているが、その網が本体だけでなく資本関係にまで及ぶ深刻さは軽く見られている。100条が本体の他業を禁じ、106条が子会社の範囲を囲い、107条が基準議決権数を超える議決権保有を押さえる。本体・子会社・持分の三重構造であり、一つを回避しても別の層で捕まる
- 「保険会社は事業会社を買えるのか」という問いの立て方そのものがずれている。106条が見るのは相手が何を売っているかではなく、相手が専らどの業務を営んでいるかである。同じ IT 企業でも、保険会社の事務を受託する従属業務の専業会社なら号に当たり、一般消費者向けサービスも併営していれば当たらない。事業の魅力ではなく専業性の線引きが分水嶺になる
- あなたから見れば49% も51% も同じ資本提携だが、法律から見れば前者は原則自由、後者は認可事項、場合によっては違法である。しかも107条の基準議決権数を超える保有は、子会社化していなくても規制対象になる。1% の差が案件の可否を裏返す落差が、ここにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制対象 | 106条:保険会社が子会社とできる会社の種類 | 100条:保険会社本体が営める業務(他業禁止) 107条:保険会社・その子会社が保有できる議決権の数 |
| 引っかかる行為 | 列挙外の会社を子会社にする/認可なく子会社化する | 本体で保険業・付随業務以外の事業を営む 国内会社の議決権を基準議決権数を超えて保有する |
| 必要な手続 | 4項の事前認可(子会社対象保険会社等)+ 127条の届出 | 原則として手続不能(そもそも営めない) 認可・承認による例外処理 |
| 違反・逸脱時の出口 | 3項・5項・12項の1年解消義務、6項の10年猶予、8項の承認、10項の1年延長 | 業務の廃止・分社化 16項の1年以内の議決権引下げまたは認可取得 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は「子会社の種類を列挙する」方式ではなく、保險相關事業への投資は主管機関の核准、非保險相關事業への投資は持株比率の上限(被投資会社の発行済株式の一定割合)で抑える設計。日本の106条+107条を一本化したような構造で、列挙主義ではなく比率主義に近い
韓国も保険会社の子会社所有を金融委員会の承認・申告事項とし、対象業務を下位法令で列挙する。日本の事前認可+内閣府令委任の組み合わせと構造がよく似ており、日本法の影響が読み取れる
ドイツは専業原則(保険外業務の禁止)を本体規制として置き、子会社の類型を細かく列挙する方式は採らない。持分取得は監督当局への届出・監督上の評価で統制される。日本の「号で名簿を作る」方式とは規制技術が異なる
フランスも業務範囲を保険業および関連業務に限定する専業原則型。グループ規制は EU のソルベンシー II 体系(グループ監督)に吸収されており、子会社の種類を法律が列挙する構造ではない
米国は保険持株会社システムを前提に、支配権の取得について州保険当局の事前承認(Form A)を求める枠組み。子会社にできる業種を列挙するのではなく、支配権取得の審査で健全性を確保する発想である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険会社からの出資話が、持株比率51% の設計で来たとしたら何が起きるか。自社が106条1項各号のどれにも当たらなければ、その取引は値段の問題ではなく、法律上そもそも組めない。デューデリの最終週に法務が気付き、スキーム全体が議決権49% の資本業務提携へ組み替えられる。残された交渉時間は2週間、という光景は珍しくない
- 担保に取っていた取引先株式を実行したら、保険会社であるあなたの会社が異業種メーカーの親会社になっていた。106条3項はこれを一時的に許す。ただし事由の生じた日から1年以内に子会社でなくなるよう措置を講じる義務が付いてくる
- 海外の保険グループを買収したら、傘下にリゾート運営会社と広告会社がぶら下がっていた。6項は、この子会社対象会社以外の外国会社を、子会社となった日から10年に限って保有することを認める。10年で片付かなければ8項の承認か10項の1年延長を取りに行くしかない。カウントダウンはクロージング当日から始まっている
- 保険テック の SaaS を売っている側なら、1項16号(保険業高度化等会社)の存在そのものが営業材料になる。保険会社があなたを仕入先ではなく資本を入れる相手として見る根拠が、条文に明記されているからだ
- 認可申請を出したのに、審査で「専ら」の一語が引っかかる。証券専門会社も信託専門会社も、条文は専ら営むものと書いている。周辺事業が混ざった会社は号に当たらない。買収対象の売上構成表の一行が、認可の可否を決める
取るべき行動
被害を受けた側:保険会社から過半数出資の提案を受けたら、自社の主たる業務が106条1項の何号に当たるか(当たらないか)を書面で確認するのが最初の一手。当たらない場合の選択肢は三つ。議決権を基準議決権数以下に抑える設計、対象事業を分社して専業会社を作る設計、1項16号の保険業高度化等会社として整理し認可を取りに行く設計。どれを選ぶかでクロージングまでの期間が数か月単位で動く。相手方が金融庁への事前相談を済ませているかも必ず聞く
訴えられた側:保険会社側として無認可の子会社化を問われそうなときは、まず子会社性の判定(議決権の合算、実質的支配の有無)を洗い直す。担保権実行など106条3項・5項・12項の事由に該当すれば、1項違反ではなく1年以内の解消義務の問題に構造が変わる。該当するなら事由発生日を証拠で固め、解消計画を自ら当局へ報告する。放置すれば333条1項の過料の対象となりうる(過料の額および号番号は最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):4項の認可は事前認可であり、子会社化の前に受ける必要がある(事後の追認ではない)。担保権実行等で意図せず子会社となった場合は、事由の生じた日から1年を経過する日までに解消する義務(3項ただし書、5項ただし書、12項ただし書)。基準議決権数超過の事実を知った場合も、知った日から1年(16項)。子会社対象会社以外の外国会社は子会社となった日から10年(6項)、内閣総理大臣の承認による継続保有(8項)、申請による1年の延長(10項)がある
学説
通説(業務範囲規制の趣旨論):子会社範囲の限定列挙は、異業種の事業リスクが保険契約者の資産へ波及することの防止、金融業と他業の兼営に伴う利益相反の防止、資金供与力を背景とする優越的地位の濫用の防止という三つの趣旨から説明される。100条の本体規制、106条の子会社規制、107条の議決権規制は、この趣旨を三層で担保する構造と理解されている。
白リスト(限定列挙)方式に関する評価論:禁止行為のみを定める黒リスト方式ではなく、許容される類型を列挙する白リスト方式を採ることで、規制の予測可能性は高まるが、新業態への対応が立法を待たなければ進まないという硬直性が生じる。1項16号のような包括的受け皿規定の新設は、この硬直性を緩和する立法技術として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)保険業法全部改正 現行保険業法の制定に伴い、保険会社が子会社とできる会社を列挙する規制として整備された。以後、金融制度改革のたびに号が追加され続けている
- 令和3年(2021年)銀行法等改正 地域活性化に資する事業活動を行う会社や、持続可能な社会の構築に資する業務を営む会社を子会社対象に加えるとともに、子会社対象会社以外の外国会社について子会社となった日から10年の保有猶予(6項以下)の枠組みが設けられた(改正年次は要検証)
- 令和5年(2023年)関連法改称 金融サービス仲介業を定める法律の名称が「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に改められ、1項9号の引用文言も改正された
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)に伴い、保険会社が子会社とすることのできる会社を限定列挙する規制として整備された。金融制度改革における業態別子会社方式の採用を受けた規定である
- 2.令和3年(2021年) 改正:銀行法等の改正に合わせ、地域の活性化に資する事業活動を行う会社などが子会社対象会社に加えられ、情報通信技術等を活用して保険業の高度化や持続可能な社会の構築に資する業務を営む会社の受け皿(現1項16号)が拡充された(各号の配列と施行日は現行効力を要確認)
- 3.令和5年(2023年) 改正:金融サービス仲介業を定める法律の名称が「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に改められたことに伴い、1項9号の引用文言が改正された
- 保険業法 第100条保険会社本体の他業禁止、本条の前提規範
- 保険業法 第98条本体が営める付随業務の範囲画定
- 保険業法 第107条基準議決権数を超える議決権取得の制限
- 保険業法 第127条子会社の異動等に係る届出義務
- 保険業法 第271条の22保険持株会社の子会社範囲の並行規定
- 保険業法 第333条無認可の子会社化等に対する過料(号番号は現行効力を要確認)
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第11条保険会社の議決権保有を別系統で制限(通称 独占禁止法)
- 銀行法 第16条の2銀行の子会社範囲に関する同趣旨規制、業態間の平仄
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第11条1項9号が引用する金融サービス仲介業者の定義
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