保険業法 第124条(事業方法書等に定めた事項の変更の認可)
クイックジャンプ
- 内閣総理大臣は、前条第一項の認可の申請があったときは、次の各号に掲げる事項について、当該各号に定める基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
- 一第四条第二項第二号及び第三号に掲げる書類に定めた事項第五条第一項第三号イからホまでに掲げる基準
- 二第四条第二項第四号に掲げる書類に定めた事項第五条第一項第四号イからハまでに掲げる基準
この条文の基本情報
事業方法書等に定めた事項の変更の認可とは何ですか?
定義事業方法書等に定めた事項の変更の認可とは、保険業法第124条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、前条第一項の認可の申請があったときは、次の各号に掲げる事項について、当該各号に定める基準に適合するかどうかを審査しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第124条(事業方法書等に定めた事項の変更の認可)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第124条の条文原文は「内閣総理大臣は、前条第一項の認可の申請があったときは、次の各号に掲げる事項について、当該各号に定める基準に適合するかどうかを審査しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第124条は第六章 監督に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第124条の前の条は保険業法第123条です。
- 保険業法第124条の次の条は保険業法第125条です。
- 保険業法第124条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第124条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第124条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/124
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法124条は、基礎書類の変更認可申請について、内閣総理大臣が約款は5条1項3号イからホ、算出方法書は同項4号イからハの基準に適合するかを審査すると定める。
Q · 保険会社が約款を変えるとき、行政は何を見て認可を出しているの?
審査項目は法律に列挙され、会社の裁量では決まらない
保険業法124条により、内閣総理大臣は基礎書類の変更認可申請について、事業方法書と普通保険約款に定めた事項は5条1項3号イからホ(契約者等の保護に欠けるおそれがないこと、特定の者に対する不当な差別的取扱いがないこと、公序良俗を害する行為を助長しないこと等)、保険料及び責任準備金の算出方法書に定めた事項は同項4号イからハ(保険数理に基づく合理性・妥当性、不当な差別的取扱いがないこと)の基準に適合するかを審査します。つまり保険料区分の根拠は、一度は数理的合理性として行政に説明されています。
解説
保険証券と一緒に届く「約款の一部を変更します」という案内、あの一行の裏側で何が動いているか。保険会社が事業方法書・普通保険約款・保険料及び責任準備金の算出方法書(まとめて基礎書類と呼ぶ、保険商品の設計図にあたる文書)を変えるときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない(123条1項)。そして124条は、その審査で何を見るかを法律の側から指定している。約款の中身については、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないか、特定の者を不当に差別していないか、公序良俗を害する行為を助長しないか(5条1項3号イからホ)。保険料と責任準備金の計算については、保険数理に基づき合理的かつ妥当か、不当な差別的取扱いがないか(同項4号イからハ)。つまりあなたの保険料区分が「なぜこの金額か」は、会社の営業判断ではなく数理的合理性として一度は行政に説明されている。その説明資料が社内に存在するという前提で、あなたは質問を組める。
法的な位置づけ
保険業法124条は、基礎書類の変更認可申請に対する審査基準を定める規定である。事業方法書および普通保険約款に定めた事項は5条1項3号イからホ、保険料及び責任準備金の算出方法書に定めた事項は同項4号イからハの各基準への適合性が審査対象となり、免許審査と同一水準の実体基準が変更時にも適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.変更案内と現行約款を突き合わせる 改定案内が届いたら、旧約款と並べて変更箇所を特定する。免責条項、給付要件、保険料率のいずれが動いたのかを色分けして記録し、更新日までの残日数を確認する
- 2.認可事項か軽微な変更の届出かを切り分ける 変更が基礎書類(事業方法書・普通保険約款・算出方法書)に及ぶかを確認する。基礎書類の変更なら原則として123条1項の認可事項、内閣府令上の軽微な変更なら届出で足りる
- 3.会社へ書面で三点を照会する コールセンターではなく商品部門宛てに、①基礎書類の変更認可に基づくものか ②認可年月日 ③既契約への適用の有無、の三点を書面で照会する。更新日が来る前に出すことが交渉上の分岐点になる
- 4.審査項目に沿って説明を求める 回答が抽象的な場合、124条が指す5条1項3号イからホ(契約者保護・不当差別の禁止・公序良俗)と4号イからハ(数理の合理性)のどの基準で説明したのかを、項目ごとに尋ね直す
- 5.既契約への適用根拠を検証する 自分の既契約にも適用すると回答された場合、認可とは別に定型約款の変更(民法548条の4)の要件を満たす根拠を示すよう求める。納得できなければ指定紛争解決機関(保険ADR)への申立てを検討する
よくある質問 AI による整理
Q1基礎書類とは何ですか?
事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書などを指します。保険商品の設計図にあたる文書で、変更には原則として認可が必要です(保険業法4条2項、123条1項)。
Q2保険業法124条の審査基準はどこに書いてありますか?
124条自体には基準の中身は書かれず、5条1項3号イからホと4号イからハを参照する形になっています。免許審査で使う基準を変更審査にも流用する構造です。
Q3約款の変更に認可がいらないケースはありますか?
内閣府令で定める軽微な変更は認可ではなく届出で足りるとされています(123条1項ただし書)。どの変更が軽微に当たるかは施行規則の定めによるため、最新版の確認が必要です。
Q4保険料の区分が不公平だと感じたらどうすればいいですか?
5条1項4号ロは不当な差別的取扱いを禁じています。保険会社に対し、その料率区分の保険数理上の根拠を書面で説明するよう求めるのが第一歩になります。
Q5基礎書類の変更認可はどのくらい時間がかかりますか?
法定の審査期限はありませんが、行政手続法6条に基づく標準処理期間が公表されています。商品リリース日は審査終了まで確定できないのが実務上の前提です。
Q6不認可になったら会社はどうしますか?
行政手続法8条により理由の提示を受けられます。その上で審査請求(3か月以内)・取消訴訟(6か月以内)と、指摘に沿った再申請のどちらが早いかを比較検討します。
Q7実際に審査しているのは誰ですか?
条文上の主体は内閣総理大臣ですが、権限委任により実務は金融庁が担っています。照会の際は「監督官庁のどの部署に確認するのか」を具体的に尋ねると精度が上がります。
Q8保険業法124条と123条は何が違いますか?
123条は「変更には認可が必要」という義務を課す規定、124条は「その認可審査で何を見るか」を定める規定です。手続の入口と審査の物差しという関係にあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が勝手に約款を変えて、保険金が出なくなることってありますか?
基礎書類の変更は認可事項で(123条1項)、その審査は124条が5条1項3号・4号の基準に結び付けている。加えて既契約に及ぼすには定型約款の変更(民法548条の4)の要件も要る。実務のポイント:案内文に「変更後の約款は○年○月○日以降に締結される契約に適用」と明記されているかを見る。適用開始の書き方が曖昧な案内は、社内でも整理しきれていない兆候。コールセンターではなく商品部門への確認を求めると回答の精度が上がる
Q2認可を取っている約款なら、裁判でも当然有効なんでしょう?
別の話である。124条の審査は契約者保護・数理的妥当性・不当差別の有無という行政上の観点で、個別条項が私法上有効かは消費者契約法10条や民法548条の2に照らして裁判所が判断する。実務のポイント:条文の主体は内閣総理大臣だが、実際の審査は権限委任により金融庁が担っている。だから「監督官庁の見解を確認したい」と言うと、相手は誰に何を照会するか具体的に答えなければならなくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 約款変更に認可が必要なことは知っている人でも、審査項目が法律に列挙されていることまでは把握していない。124条が指す5条1項3号イからホ、4号イからハを開けば、契約者保護・不当差別の禁止・数理的合理性という具体的な着眼点が並ぶ。項目名が分かると、会社への質問が「なぜ変えたのか」から「どの基準で説明したのか」に変わる
- 「国が認可したのだから中身は適正なはずだ」という問いの立て方そのものが筋を外している。124条の審査は行政上の観点(契約者保護、数理の妥当性、不当差別の有無)であり、個別条項が私法上有効かどうかは裁判所が別に判断する。認可済み約款の条項が消費者契約法10条や民法548条の2で争われる余地は残る
- 約款が変われば自分の契約も自動的に書き換わると思われがちだが、認可は原則として変更後に結ばれる契約に向けたものであり、既契約の内容を一方的に変えるには定型約款の変更(民法548条の4)の要件を別に満たす必要がある。なお既契約への及び方については実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 保険業法124条:認可審査で適合を確認すべき基準を指定 | 保険業法123条:基礎書類の変更には認可が必要という義務 保険業法5条:免許申請時の実体的審査基準の本体 |
| 名宛人 | 内閣総理大臣(審査する側の行為規範) | 保険会社(申請する側の義務) 内閣総理大臣(免許審査の場面) |
| 対象書類 | 4条2項2号・3号の書類と4号の書類を分けて基準を割り当てる | 基礎書類全般の変更 免許申請書に添付される基礎書類 |
| 違反・不適合の効果 | 基準不適合なら不認可(理由の提示は行政手続法8条) | 無認可での変更は監督上の処分対象 基準不適合なら免許が下りない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も主管機関が保険商品の販売前手続と費率・準備金の算定を規律する。签証精算人員(アクチュアリー)の署名を通じた数理的合理性の担保という手法をとる点に特色がある
韓国も日本と同じく「기초서류(基礎書類)」の概念を用い、作成・変更に行政の関与を求める。日本法の継受構造が用語レベルで残っている代表例
公衆の利益に関わる保険種類・強制保険・新開発の生命保険は条項と料率を認可事項とし、その他は届出事項とする二層構造。日本の「認可と軽微変更の届出」の切り分けと発想が近い
ドイツは1994年の EU 第三次保険指令の国内実施により、約款と料率の事前認可制を廃止した。現在はソルベンシー規制と行為規制、および事後的な監督で代替している
米国は州ごとの規制で、prior approval 型、file and use 型、use and file 型が州により分かれる。連邦レベルの統一的な事前認可制は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 更新案内に「来月から約款の一部を変更します」と一行だけ書かれていたら、あなたは何を確認できる? 基礎書類の変更なら会社は認可の事実と適用範囲を答えられる立場にある。更新日まで残り三週間、問うなら更新前である。
- 申請する側に立ってみる。少額短期の新商品で約款の一文を直すだけでも、審査は保険数理の合理性まで降りてくる。リリース予定日は、審査が終わるまで社内の誰も動かせない。
- 入院給付金を請求したら「約款の免責条項に当たる」と断られ、担当者は「この約款は認可を受けています」と付け加えた。その一言を適法のお墨付きと受け取るかどうかで、あなたが次に書く文面は完全に変わる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 改定案内と旧約款を並べ、変更箇所を特定する2. 会社に書面で三点を照会:基礎書類の変更認可に基づくものか、認可年月日、既契約への適用の有無3. 適用範囲が曖昧なら、自分の契約に適用する根拠(民法548条の4の要件充足)の説明を求める4. 不払いの理由に使われた条項については、認可の有無と条項の有効性は別レイヤーであると明記して交渉に入る5. 交渉が詰まれば、保険会社の指定紛争解決機関(保険ADR)への申立てを検討
訴えられた側:1. 変更が認可事項(123条1項)か、内閣府令上の軽微な変更で届出に乗るかを最初に切り分ける2. 認可申請なら、124条が指す5条1項3号イからホ(契約者保護、不当差別の禁止、公序良俗)と4号イからハ(数理の合理性・妥当性)に一項目ずつ対応させた説明資料を作る3. 不当な差別的取扱いを疑われうる料率区分は、数理的根拠を先に固める4. 不認可となった場合は理由の提示(行政手続法8条)を確認し、審査請求・取消訴訟と再申請のどちらが速いかを比較する
時効(請求できる期限):認可申請自体に法定の審査期限はないが、行政手続法6条に基づく標準処理期間が公表されている。不認可処分に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条1項)。軽微な変更の届出期限は内閣府令の定めによる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:124条の審査は、契約者保護・不当差別の禁止・保険数理の合理性という監督行政上の観点からの適合性判断であり、認可を経た約款条項の私法上の効力は別レイヤーで判断されると解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:旧保険業法(昭和14年法律第41号)の全部改正により現行保険業法が制定され、基礎書類の変更認可(123条)とその審査基準(124条)が現在の条文構造として整備された
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める