保険業法 第156条(相互会社の解散の手続等)
クイックジャンプ
相互会社が解散の決議をする場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
この条文の基本情報
相互会社の解散の手続等とは何ですか?
定義相互会社の解散の手続等とは、保険業法第156条に定められた規定で、「相互会社が解散の決議をする場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第156条(相互会社の解散の手続等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第156条の条文原文は「相互会社が解散の決議をする場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。」で始まります。
- 保険業法第156条は第一節 解散に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第156条の前の条は保険業法第155条です。
- 保険業法第156条の次の条は保険業法第156条の2です。
- 保険業法第156条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第156条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第156条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/156
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法156条は、相互会社が解散するには同法62条2項の特別決議、すなわち総社員の半数以上の出席と議決権の4分の3以上の賛成が必要であると定める。
Q · 生命保険の相互会社って、経営陣の判断だけで解散できるんですか?
できません。62条2項の特別決議が必要です
保険業法156条により、相互会社の解散は同法62条2項の特別決議によらなければなりません。具体的には、総社員(実際には総代会の総代)の半数以上が出席し、その議決権の4分の3以上の賛成が必要です。定足数と賛成割合の二段構えであるため、出席者が全員賛成しても定足数割れなら決議は成立しません。なお解散が決議されても保険契約が即座に消滅するわけではなく、保険契約の包括移転(135条以下)や保険契約者保護機構(259条以下)という別のレールで処理されます。
解説
保険会社には二種類ある。株式会社と相互会社だ。かんぽ生命は株式会社、日本生命や明治安田生命は相互会社。あなたが相互会社の保険に入っているなら、あなたは単なる顧客ではなく「社員」(株主に相当する構成員)である。保険業法156条は、その相互会社が解散するときの決議方法を定める。通常の多数決ではなく、62条2項の特別決議、つまり総社員の半数以上(定款で加重可)が出席し、その議決権の4分の3以上の賛成という極めて高いハードルを課す。実際には総代会が社員に代わって議決権を行使する構造だが、この4分の3という数字が意味するのは、経営陣が単独で会社をたたむことはできないということだ。あなたの保険契約の運命が、たった一度の役員会で決まらないための防波堤がここにある。
法的な位置づけ
保険業法156条は、相互会社の解散決議の要件を定める規定である。相互会社が解散する場合には、同法62条2項に定める決議、すなわち総社員の半数以上が出席し、その議決権の4分の3以上をもって行う特別決議によらなければならない。社員総会に代えて総代会を置く相互会社では、総代会がこの決議を行う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の保険会社が相互会社かを商号で確認する 保険証券や公式サイトの商号を見る。「○○生命保険相互会社」なら相互会社で、契約者は法律上の社員として議決権を持つ。「株式会社」なら株主が意思決定者であり、156条は適用されない
- 2.総代会の招集通知と議案の要領を精読する 招集通知に「解散」「組織変更」「合併」の議案があるかを確認し、事業報告書・計算書類・保険計理人の意見書と併せて読む。議案の要領の記載漏れは決議取消事由になりうるため、記載内容も保存する
- 3.62条2項の二段要件を数字で検証する 決議の場では、まず総社員(総代)の半数以上が出席しているかという定足数を確認し、次に出席者の議決権の4分の3以上の賛成があるかを確認する。定足数割れなら全員賛成でも決議は不成立になる
- 4.決議後は契約の行き先を追跡する 解散決議が可決された場合、保険契約の包括移転(保険業法135条以下)の有無と移転先、保険契約者保護機構(259条以下)の関与、清算手続における債権申出期間の公告を順に確認する
- 5.手続に瑕疵があれば提訴期間内に動く 招集手続や決議方法に瑕疵があると考える場合、会社法831条の準用による決議取消しの訴えを検討する。決議の日から3か月以内とされ期間が短いため、証拠を揃えて速やかに弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法156条とは何ですか?
相互会社が解散するときの決議方法を定めた条文です。同法62条2項の特別決議によることを要求し、通常の多数決や取締役会の判断だけでは解散できない仕組みにしています。
Q2相互会社の解散にはどんな決議が必要ですか?
62条2項の特別決議です。総社員(総代会では総代)の半数以上が出席し、その議決権の4分の3以上の賛成が必要で、定足数と賛成割合の両方を満たす必要があります。
Q3保険会社が解散したら契約はどうなりますか?
解散決議は清算手続の入口にすぎません。保険契約は包括移転(保険業法135条以下)や保険契約者保護機構(259条以下)のルートで処理され、即座に無価値になるわけではありません。
Q4相互会社の解散決議に反対することはできますか?
総代であれば総代会で反対票を投じられます。議決権の4分の1を超える反対が集まれば否決できます。一般の社員は総代の選考段階で関与するのが現実的な経路です。
Q5解散と株式会社化(組織変更)の違いは?
解散は会社を清算して終わらせる手続、組織変更は相互会社が株式会社として存続する手続です。必要な決議も契約者に生じる効果も別物なので、報道の見出しだけで判断しないことが重要です。
Q6相互会社の解散決議は何票で否決できますか?
出席総代の議決権の4分の1を超える反対があれば可決要件を満たさず否決されます。また総社員の半数以上が出席していない場合は、賛否を問う以前に決議自体が成立しません。
Q7解散決議の取消しはいつまでに訴えられますか?
会社法831条の準用により、決議の日から3か月以内が目安とされています。期間は短く、経過すると手続の瑕疵を争えなくなるため、疑義があれば早期に弁護士へ相談してください。
Q8相互会社が解散する事由は何がありますか?
保険業法152条が解散事由を列挙しており、社員総会(総代会)の決議のほか、定款所定の事由や合併などが含まれます。156条は、そのうち決議による解散の要件を定める条文です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分の入っている保険会社が相互会社かどうか、どこを見れば分かりますか?
商号を見れば一目で分かる。「○○生命保険相互会社」と書いてあれば相互会社、「○○生命保険株式会社」なら株式会社である。保険証券の発行元名義か、会社の公式サイト下部に必ず記載がある。実務のポイント:相互会社は日本の大手生保に集中しており、外資系や新興のネット生保はほぼすべて株式会社である。配当のある保険を重視するなら相互会社、保険料の安さを重視するなら株式会社という傾向が、この法形態の違いから生まれている
Q2総代会って何ですか? 自分は呼ばれたことがないんですが。
相互会社の社員(契約者)は数百万人規模になるため、全員が集まる社員総会に代えて、社員から選ばれた総代が議決権を行使する機関が総代会である(保険業法42条以下)。156条の解散決議もここで行われる。実務のポイント:総代は数百人程度で、公募や推薦で選ばれる。大手生保の総代会は傍聴制度を設けている場合があり、一般の契約者でも申し込めば議論を直接見られる。会社の健全性を自分の目で確かめたいなら、この制度を使う人はほとんどいない分、情報の非対称性が大きい
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険に入っているだけの自分に、会社の解散なんて関係ない」と多くの人が思っているが、相互会社の保険契約者は法律上「社員」であり、議決権を持つ構成員である。関係ないどころか、あなたは決議の当事者側に立っている。ただしその議決権は総代会を通じて間接的に行使されるため、自覚しないまま一生を終える人がほとんどだ
- 「解散が決まったら保険契約は紙くずになる」と恐れる人がいるが、問いの立て方が間違っている。解散決議は清算手続の開始であり、保険契約は包括移転・責任準備金の引継ぎ・保険契約者保護機構の関与という別のレールで処理される。見るべきは解散決議そのものではなく、契約がどこへ移るかだ
- 決議要件を「出席者の4分の3」と理解している人が多いが、62条2項は定足数として総社員(総代)の半数以上の出席も同時に要求する。定足数割れなら、出席者が全員賛成でも決議は成立しない。この二段構えを見落とすと、決議の有効性を争う場面で足元をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律している事柄 | 156条:解散を決議するときの決議方法 | 152条:相互会社が解散する事由の列挙 135条:保険契約の包括移転 |
| 問題になる場面 | 総代会で解散議案を可決できるかどうか | そもそも解散の原因があるかどうか 契約が他の保険会社へ移るかどうか |
| 必要な手続 | 62条2項の特別決議(半数以上の出席+議決権の4分の3以上) | 列挙された事由の発生 移転契約と所定の決議に加え、内閣総理大臣の認可 |
| 契約者から見た意味 | 清算に進むかどうかの分岐点 | 解散が起きうる原因を把握する手がかり 自分の契約の行き先が決まる場面 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の保険業は株式会社形態が主流で、相互会社に完全対応する形態はない。組合型の保險合作社が機能的に最も近く、解散は構成員の特別決議による
韓国も日本法を参照して相互会社制度を置くが、実務上は株式会社形態の保険会社が圧倒的であり、相互会社の解散が現実に問題となる場面は限られる
日本の相互会社の母法にあたる形態。構成員による重い決議に加え、監督官庁による認可・監督が解散手続に強く関与する点が共通する
連邦法ではなく州法が規律し、mutual insurance company の解散やデミューチュアライゼーションには州保険長官の承認と契約者投票が要求されるのが一般的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが加入している生命保険会社が相互会社で、経営統合や組織再編のニュースが流れた。株式会社化(組織変更)と解散は法的に全く別の手続で、必要な決議要件も、契約がどうなるかも違う。どちらの話なのかを見分けられるかどうかで、あなたが取るべき行動が変わる
- 相互会社の総代に選ばれた。総代会の招集通知に「解散の件」という議案があった場合、あなたの一票は4分の3要件の一部を構成する。反対票を投じれば、4分の1を超える反対が集まれば否決できる
- もし、あなたの保険会社が実質的に経営不振で解散を検討しているとしたら? 解散決議が通っても、保険契約者の保護は保険契約者保護機構(保険業法259条以下)が引き受ける。解散=契約が即座にゼロになる、ではない
- 保険会社の経営破綻が報道され、総代会の開催まであと2週間。あなたが総代であれば、決議前に事業報告書と保険計理人の意見書を精読する時間はこの2週間しかない。決議後に「知らなかった」は通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約している保険会社が相互会社か株式会社かを、保険証券または会社の商号(「○○生命保険相互会社」)で確認する2. 相互会社であれば、毎年送られてくる総代会の資料と事業報告を保管、特に「解散」「組織変更」「合併」の議案に注意3. 解散決議が可決された場合、保険契約者保護機構(保険業法259条以下)の関与の有無と、契約の移転先を確認4. 決議手続に瑕疵があると考える場合、決議の取消しまたは無効確認の訴えを検討、提訴期間が限られるため早期に弁護士へ
訴えられた側:1. 相互会社の役員として解散を提案する立場なら、62条2項の定足数(総社員の半数以上)と議決要件(議決権の4分の3以上)を両方満たす招集手続を設計する2. 解散決議と同時に、保険契約の包括移転(保険業法135条以下)または清算手続の設計を並行、契約者保護を欠く解散は行政処分(役所が会社に直接下す具体的な決定)の対象になりうる3. 内閣総理大臣(金融庁)への届出・認可の要否を事前に確認4. 招集通知の記載漏れは決議取消事由になる、議案の要領を正確に記載する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。解散決議の取消しの訴えは、会社法の規定を準用して決議の日から3か月以内(会社法831条、保険業法による準用、最新の改正状況をご確認ください)。決議後の清算手続における債権申出期間は2か月を下ることができない
学説
通説:保険業法156条が準用する62条2項の要件は、定足数(総社員の半数以上の出席)と可決要件(議決権の4分の3以上の賛成)の二段構えであり、いずれか一方を欠く決議は成立しないと理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:旧保険業法(昭和14年法律第41号)の全部改正により現行保険業法が制定され、相互会社に関する規定が体系的に整備された。解散の決議を特別決議に係らしめる本条もこの際に置かれた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める