民事訴訟法 第132条の13(書面等に記録された事項のファイルへの記録等)
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- 裁判所書記官は、前条第一項に規定する申立て等に係る書面等のほか、民事訴訟に関する手続においてこの法律その他の法令の規定に基づき裁判所に提出された書面等又は電磁的記録を記録した記録媒体に記載され、又は記録されている事項(次の各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)をファイルに記録しなければならない。ただし、当該事項をファイルに記録することにつき困難な事情があるときは、この限りでない。
- 一当該書面等又は当該記録媒体について、これらの提出とともに第九十二条第一項の申立て(同項第二号に掲げる事由があることを理由とするものに限る。)がされた場合において、当該書面等若しくは当該記録媒体に記載され、若しくは記録された営業秘密がその訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に支障を生ずるおそれがあり、これを防止するため裁判所が特に必要があると認めるとき(当該申立てが却下されたとき又は当該申立てに係る決定を取り消す裁判が確定したときを除く。)当該書面等又は当該記録媒体に記載され、又は記録された営業秘密
- 二当該記録媒体を提出する方法により次条第二項の規定による届出があった場合当該記録媒体に記録された事項
- 三当該書面等又は当該記録媒体について、これらの提出とともに第百三十三条の二第二項の申立てがされた場合において、裁判所が必要があると認めるとき(当該申立てが却下されたとき又は当該申立てに係る決定を取り消す裁判が確定したときを除く。)当該書面等又は当該記録媒体に記載され、又は記録された同項に規定する秘匿事項記載部分
- 四第百三十三条の三第一項の規定による決定があった場合において、裁判所が必要があると認めるとき(当該決定を取り消す裁判が確定したときを除く。)当該決定に係る書面等及び電磁的記録を記録した記録媒体に記載され、又は記録された事項
この条文の基本情報
書面等に記録された事項のファイルへの記録等とは何ですか?
定義書面等に記録された事項のファイルへの記録等とは、民事訴訟法第132条の13に定められた規定で、「裁判所書記官は、前条第一項に規定する申立て等に係る書面等のほか、民事訴訟に関する手続においてこの法律その他の法令の規定に基づき裁判所に提出された書面等又は電磁的…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第132条の13(書面等に記録された事項のファイルへの記録等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第132条の13の条文原文は「裁判所書記官は、前条第一項に規定する申立て等に係る書面等のほか、民事訴訟に関する手続においてこの法律その他の法令の規定に基づき裁判所に提出された書面等又は電磁的…」で始まります。
- 民事訴訟法第132条の13は第七章 電子情報処理組織による申立て等に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第132条の13の前の条は民事訴訟法第132条の12です。
- 民事訴訟法第132条の13の次の条は民事訴訟法第133条です。
- 民事訴訟法第132条の13には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第132条の13 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第132条の13(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/132_13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法132条の13は、裁判所書記官に提出書面等の記載事項をファイルに記録する義務を課す。営業秘密・秘匿事項など四類型は除外され、除外申立ては提出と同時が要件となる。
Q · 裁判所に出した書類は、全部そのまま電子データにされてしまうんですか?
原則すべてファイルに記録されるが、四つの除外がある
民事訴訟法132条の13により、裁判所書記官は提出された書面等・記録媒体の記載事項をファイル(電子的訴訟記録)に記録しなければなりません。除外は四つ、営業秘密(92条1項2号の申立てを提出と同時にした場合)、秘匿事項記載部分(133条の2第2項の申立てを提出と同時にした場合)、記録媒体による届出、133条の3第1項の決定に係る事項です。営業秘密と秘匿事項の除外は「これらの提出とともに」申し立てることが条文上の要件で、提出後の申立てでは同じ枠に乗りません。
解説
裁判所に紙の書証を出せば、それは紙のまま記録に綴じられる。その常識が民事訴訟法132条の13で終わる。裁判所書記官は、提出された書面や記録媒体に書かれた事項を「ファイル」(裁判所のサーバー上に置かれる電子的な訴訟記録)に記録しなければならない、と義務づけられたからだ。あなたが出した見積書も、社内メールのプリントアウトも、電子データになって閲覧の射程に入る。ただし本条は四つの穴を空けている。営業秘密(92条1項2号)、秘匿事項記載部分(133条の2第2項)、記録媒体による届出、133条の3第1項の決定。そして最大の落とし穴は、営業秘密と秘匿事項の除外が「これらの提出とともに」申立てをした場合に限られる点である。出してから慌てても、条文の文言上は同じ土俵に乗らない。証拠を封筒に入れる段階で、勝負の半分は終わっている。
法的な位置づけ
民事訴訟法132条の13は、裁判所書記官のファイル記録義務を定める規定である。民事訴訟に関する手続において裁判所に提出された書面等または電磁的記録を記録した記録媒体の記載・記録事項を、原則としてすべてファイルに記録すべきものとし、営業秘密、秘匿事項記載部分、記録媒体による届出、133条の3第1項の決定に係る事項を除外する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提出予定の書証を秘密区分で色分けする 提出予定の書面等・記録媒体を一枚ずつ点検し、営業秘密(92条1項2号)に当たる部分と、住所・氏名などの秘匿事項(133条の2第2項)に当たる部分を分けて特定する。区分がついていない状態で提出日を迎えないことが最重要
- 2.閲覧等制限の申立書を書証と同じ便で提出する 該当部分があれば、92条1項2号または133条の2第2項の申立書を、書証と同一日付・同一の提出便で裁判所に出す。132条の13の除外は「これらの提出とともに」申立てがされた場合を要件とするため、後日提出では同じ枠に乗らない
- 3.相手方当事者への開示制限を別制度で重ねる 閲覧等制限が及ぶ範囲を確認し、相手方当事者本人にも見せたくない営業秘密であれば、秘密保持命令など別制度の併用を検討する。閲覧等制限だけで相手方への開示まで止まると考えないこと
- 4.申立ての帰趨を追跡し、却下・取消しに備える 申立てが却下されたとき、または決定を取り消す裁判が確定したときは除外事由が外れ、書記官の記録義務が及ぶ。却下されたまま放置せず、不服申立ての可否と、記録される前提での対応を確認する
- 5.記録媒体による提出・届出の扱いを事前確認する 記録媒体を提出する方法で132条の14第2項の届出をする場合、その記録媒体に記録された事項は本条の記録義務から除かれる。自分の提出方法がどの類型に当たるかを、提出前に書記官へ確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1民事訴訟法132条の13とは何ですか?
裁判所書記官に、提出された書面等や記録媒体の記載事項をファイル(電子的訴訟記録)へ記録する義務を課す規定です。令和4年改正で新設され、四つの除外事由が置かれています。
Q2訴訟記録の電子化はいつから始まりますか?
本条は令和4年(2022年)改正で新設され、民事裁判 IT 化の一連の規定として段階的に施行されます。施行時期は改正ごとに異なるため、最新の施行状況の確認が必要です。
Q3営業秘密を電子的訴訟記録に載せない方法は?
書面等・記録媒体の提出とともに92条1項2号を理由とする閲覧等制限の申立てを行い、裁判所が特に必要と認めれば、当該営業秘密はファイル記録の対象から外れます。
Q4閲覧制限の申立ては提出後でも間に合いますか?
132条の13の除外は「これらの提出とともに」申立てがされた場合を要件とします。提出後の申立ては同条の除外枠に乗らず、既に記録された部分への別途対応が必要になります。
Q5住所を裁判所の記録に載せない方法はありますか?
133条の2第2項の秘匿事項記載部分に係る申立てを書面等の提出と同時に行い、裁判所が必要と認めた場合、その部分はファイルに記録されません。
Q6申立てが却下されたら記録はどうなりますか?
申立てが却下されたとき、または申立てに係る決定を取り消す裁判が確定したときは除外事由から外れ、書記官のファイル記録義務が及ぶことになります。
Q7ファイルに記録できない事情があるときはどうなりますか?
本条ただし書により、ファイルに記録することにつき困難な事情があるときは記録義務が及びません。大型図面や特殊な媒体など技術的困難を想定した規定です。
Q8電子的訴訟記録は誰でも見られますか?
本条はファイルへの記録義務を定めるだけで、閲覧の可否は別の規定によります。オンライン閲覧は原則として当事者や利害関係を疎明した者に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの営業秘密が入った資料、証拠に出したくないんですが、出さないと負けますよね?
立証責任を負う側であれば出すしかない場面が多い。だから92条1項2号の閲覧等制限を提出と同時に申し立て、本条の除外に乗せるのが基本形になる。実務のポイント:閲覧等制限が止められるのは第三者の閲覧であって、相手方当事者は読める。相手方に見せたくないなら、特許法105条の4の秘密保持命令のような別制度を重ねる必要がある。ここを混同したまま安心している当事者が非常に多い。
Q2裁判の書類がネットで誰でも見られるようになるって本当ですか?
誤解である。電子的訴訟記録をオンラインで閲覧できるのは原則として当事者や利害関係を疎明した者で、無関係の第三者が自宅から自由に読めるわけではない(91条の2参照)。実務のポイント:怖いのは公衆ではなく相手方当事者である。紙時代は謄写申請という手間があったが、電子記録では複写も検索も一瞬。相手方の手元に完全な複製が残る前提で、何を出すかを設計する必要がある。
間違えやすい点 AI による整理
- 訴訟記録が電子化されることは知っていても、その不可逆性の重さを見誤っている人が多い。紙なら「裁判所に行き、順番を待ち、手で書き写す」という手間が事実上の障壁になっていた。電子的訴訟記録では検索も複写も一瞬で終わる。同じ「閲覧できる」でも、実際の露出量は桁が違う。
- 「どうすれば後から記録を消せるか」と問う時点で、問いの立て方がずれている。本条が設計しているのは、そもそもファイルに載せないルートであって、載った後の消去ルートではない。問うべきは削除の方法ではなく、提出の作法である。
- 本条ただし書の「ファイルに記録することにつき困難な事情があるとき」を、裁判所が個別に配慮してくれる余地だと読む向きがあるが、これは大型図面や特殊な媒体など技術的な困難を想定した規定である。秘密を守りたいという当事者側の事情は、ここには入らない。守りたいなら本文の四つの除外事由で勝負するしかない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 132条の13:前条1項の申立て等以外の、提出された書面等・記録媒体の記載事項 | 132条の12:申立て等に係る書面等のファイル記録義務 92条:秘密記載部分の閲覧等の制限 |
| 義務者・申立権者 | 裁判所書記官が記録義務を負う(除外は当事者の同時申立てが起点) | 裁判所書記官が記録義務を負う 当事者が閲覧等制限を申し立て、裁判所が決定する |
| 時間的要件 | 営業秘密・秘匿事項の除外は「これらの提出とともに」申立てがあること | 申立て等の提出時点で記録義務が生じる 訴訟係属中であれば申立て時期に本条のような同時性要件はない |
| 効果が消える場面 | 申立ての却下、または決定を取り消す裁判の確定で除外が外れる | 困難な事情があるときは記録を要しない(ただし書) 決定が取り消されれば制限が消滅する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は訴訟記録の閲覧・謄写と、その制限を同一条で規律する。日本のように「電子化して記録する義務」と「閲覧制限」を分けた条文構成にはなっていない
韓国は秘密保護のための閲覧等制限を定める。電子訴訟は電子소송 관련 법령で別途規律され、日本の132条の13のような記録義務の除外類型とは構成が異なる
ドイツは電子記録(elektronische Akte)への移行を ZPO で規律し、記録の閲覧は § 299が定める。秘密保護は個別の手続規定で対応する
米国連邦民訴規則は電子提出を前提に、社会保障番号・生年月日・未成年者の氏名等の一部マスキングを提出者側の義務として定める。除外の起点が申立てではなく提出者の加工にある点が対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、営業秘密を含む取引先との仕様書を証拠として提出した翌日に閲覧制限を申し立てたら、どうなる? 本条の除外は「提出とともに」が条件であり、書記官のファイル記録義務は止まらない。載った後で制限をかけ直す作業が別途必要になる。
- あなたが被告側で、原告が「これは営業秘密だから電子記録に載せるな」と92条1項2号の申立てを添えてきた。ここで黙って通せば、その部分は電子的訴訟記録に載らないまま審理が進む。申立てが却下され、または決定を取り消す裁判が確定すれば、本条の除外は外れて書記官の記録義務が復活する。争う実益はその一点にある。
- DV を理由に住所を伏せたまま離婚訴訟を起こす日。診断書にも陳述書の添付資料にも、あなたの現住所が印字されている。133条の2第2項の申立てを提出と同時に出さなければ、その紙は電子化される。提出日は数日後に迫っている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 提出予定の書証を一枚ずつ点検し、営業秘密(92条1項2号)と住所・氏名などの秘匿事項(133条の2第2項)を色分けする2. 該当があれば、閲覧等制限の申立書を書証と同じ日付・同じ便で提出する。後日ではなく同時であることが条文上の要件3. 相手方本人にも見せたくない営業秘密であれば、閲覧制限だけでは足りない。秘密保持命令など別制度の併用を弁護士と検討する4. 申立てが却下されたら、そのまま放置せず不服申立ての可否を確認する。却下確定で除外は消える
訴えられた側:1. 相手方の申立てで電子記録に載らない部分があるなら、その範囲が本当に営業秘密や秘匿事項に当たるかを検証する2. 過大な範囲指定であれば、申立ての却下または決定取消しを求める。認められれば本条の除外が外れ、書記官の記録義務が復活する3. 自分が出す書証についても同じ点検を行う。攻めながら自社の秘密を無防備に電子化する事故が最も多い4. 記録媒体で提出する場合は、媒体ごと除外される類型に当たるかを事前に書記官に確認する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。決定的なのは「これらの提出とともに」という同時性の要件であり、書面等を提出した日を過ぎると営業秘密・秘匿事項の除外枠から外れる。なお本条は令和4年(2022年)改正で新設された条文であり、施行時期は段階的であるため、最新の施行状況をご確認ください。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)民事訴訟法等改正 民事裁判手続の IT 化に伴い新設。裁判所書記官に、提出された書面等および記録媒体の記載事項をファイルに記録する義務を課し、営業秘密、秘匿事項記載部分、記録媒体による届出、133条の3第1項の決定に係る事項を除外事由として整理した。段階的施行のため、施行状況は最新情報の確認を要する
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:民事訴訟法等の一部を改正する法律により、民事裁判手続の IT 化の一環として新設。裁判所書記官に提出書面等の記載事項のファイル記録義務を課し、営業秘密、記録媒体による届出、秘匿事項記載部分、133条の3第1項の決定に係る事項を除外事由として整理した。段階的施行のため、最新の施行状況の確認を要する
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