民事訴訟法 第132条の12(書面等による申立て等)
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- 申立て等が書面等により行われたとき(前条第一項の規定に違反して行われたときを除く。)は、裁判所書記官は、当該書面等に記載された事項(次の各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)をファイルに記録しなければならない。ただし、当該事項をファイルに記録することにつき困難な事情があるときは、この限りでない。
- 一当該申立て等に係る書面等について、当該申立て等とともに第九十二条第一項の申立て(同項第二号に掲げる事由があることを理由とするものに限る。)がされた場合において、当該書面等に記載された営業秘密がその訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に支障を生ずるおそれがあり、これを防止するため裁判所が特に必要があると認めるとき(当該同項の申立てが却下されたとき又は当該同項の申立てに係る決定を取り消す裁判が確定したときを除く。)当該書面等に記載された営業秘密
- 二書面等により第百三十三条第二項の規定による届出があった場合当該書面等に記載された事項
- 三当該申立て等に係る書面等について、当該申立て等とともに第百三十三条の二第二項の申立てがされた場合において、裁判所が必要があると認めるとき(当該同項の申立てが却下されたとき又は当該同項の申立てに係る決定を取り消す裁判が確定したときを除く。)当該書面等に記載された同項に規定する秘匿事項記載部分
- 2.前項の規定によりその記載された事項がファイルに記録された書面等による申立て等に係る送達は、当該申立て等に係る法令の規定にかかわらず、同項の規定によりファイルに記録された事項に係る電磁的記録の送達をもって代えることができる。
- 3.前項の方法により行われた申立て等に係る送達については、当該申立て等に関する法令の規定に規定する送達の方法により行われたものとみなして、当該送達に関する法令その他の当該申立て等に関する法令の規定を適用する。
この条文の基本情報
書面等による申立て等とは何ですか?
定義書面等による申立て等とは、民事訴訟法第132条の12に定められた規定で、「申立て等が書面等により行われたとき(前条第一項の規定に違反して行われたときを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第132条の12(書面等による申立て等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第132条の12の条文原文は「申立て等が書面等により行われたとき(前条第一項の規定に違反して行われたときを除く。」で始まります。
- 民事訴訟法第132条の12は第七章 電子情報処理組織による申立て等に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第132条の12の前の条は民事訴訟法第132条の11です。
- 民事訴訟法第132条の12の次の条は民事訴訟法第132条の13です。
- 民事訴訟法第132条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第132条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第132条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/132_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法132条の12は、書面で行われた申立て等の記載事項を裁判所書記官がファイルに記録する義務を定める。除外されるのは営業秘密・届出住所等・秘匿事項記載部分の三つのみである。
Q · 訴状や答弁書を紙で裁判所に出したら、電子データにはならないんですか?
紙で出しても書記官がファイルに記録します
民事訴訟法132条の12第1項により、申立て等が書面等で行われたときは、裁判所書記官がその記載事項をファイルに記録しなければなりません。記録されない例外は、92条1項の申立てとともに提出された営業秘密、133条2項の届出事項、133条の2第2項の申立てに係る秘匿事項記載部分の三つだけです。いずれも書面等の提出と同時に申立てがされていることが前提であり、後から消す構造にはなっていません。さらに同条2項・3項により、ファイル記録された事項に係る送達は電磁的記録の送達で代替でき、それが元の法令上の送達とみなされます。
解説
紙で出したものは紙のまま裁判所の書棚に眠る、そう考えているなら発想が一世代古い。本条により、あなたが窓口に持ち込んだ訴状も答弁書も、裁判所書記官の手でファイル(裁判所のシステム上の電子的な訴訟記録)に取り込まれる。紙で出そうがオンラインで出そうが、記録は最終的に電子データへ一本化される。そこで効いてくるのが、条文が並べた三つの「記録しない」例外だ。営業秘密(92条1項2号の申立てとセット)、住所等の届出(133条2項)、秘匿事項記載部分(133条の2第2項の申立てとセット)。この三つは、あなたが書面提出と同時に申立てを出していなければ、そのまま電子ファイルに載る。載ってから消すのではなく、載る前に止める。それが本条の設計思想であり、あなたが動くべきタイミングを決めている。さらに2項は、ファイル記録された書面の送達を電磁的記録の送達で代替できるとし、3項でそれを元の法令上の送達とみなす。紙で出した書面が、紙ではない形で相手に届く。
法的な位置づけ
民事訴訟法132条の12は、書面等により行われた申立て等について、裁判所書記官に当該書面等の記載事項をファイルへ記録する義務を課す規定である。営業秘密、133条2項の届出事項、秘匿事項記載部分は一定の要件のもとで除外され、ファイルに記録された事項に係る送達は電磁的記録の送達をもって代えることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提出前に「同時申立てが要る書面か」を判定する 提出予定の書面等を一枚ずつ確認し、営業秘密に当たる記載、住所・氏名などの秘匿事項、133条2項の届出事項が含まれていないかを洗い出す。含まれていれば、書面の清書より先に申立書の起案に着手する
- 2.営業秘密は92条1項の申立書を書面と同時に用意する 132条の12第1項1号の除外は、書面等の提出と「とともに」92条1項2号を理由とする申立てがされていることを前提とする。訴訟追行以外の目的での使用・開示により事業活動に支障が生ずるおそれと、防止の必要性を具体的事実で疎明する
- 3.住所等は訴え提起より前に秘匿の申立てを準備する 配偶者からの暴力、ストーカー、性被害などの事情があるときは、133条1項の秘匿の申立てを先に済ませ、133条2項の届出書面で住所等を提出する。届出書面の記載事項は132条の12第1項2号でファイル記録の対象外になる
- 4.提出後にファイル記録の状況と送達方法を確認する 提出した書面がどの範囲でファイルに記録されたか、除外の扱いがどうなっているかを担当書記官に照会する。あわせて132条の12第2項による電磁的記録の送達に切り替わるかを確認し、受領態勢と期間管理を整える
- 5.却下・取消し確定時の代替立証を用意する 92条1項または133条の2第2項の申立てが却下され、あるいは決定を取り消す裁判が確定すると除外は外れ、当該事項はファイル記録の対象に戻る。要旨の陳述や特許法105条の4の秘密保持命令など、書証そのものを出さずに立証する代替手段を並行して検討する
よくある質問 AI による整理
Q1民事訴訟法132条の12とは何ですか?
書面等でされた申立て等について、裁判所書記官がその記載事項をファイルに記録する義務を定めた規定です。令和4年改正で新設され、紙提出でも訴訟記録は電子的に一元化されます。
Q2裁判所の「ファイル」とは何を指しますか?
裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイル、つまり電磁的訴訟記録の保存領域です。ここに記録された事項が閲覧・送達・記録の管理の基礎になります。
Q3ファイルに記録されない事項はありますか?
三つだけです。92条1項の申立てとともに提出された営業秘密、133条2項の届出事項、133条の2第2項の申立てに係る秘匿事項記載部分です。いずれも同時申立てが前提です。
Q4営業秘密の除外はいつまでに申し立てればいい?
書面等の提出と「とともに」です。条文が同時性を前提にしているため、実務上の締切は書面を窓口に出したその瞬間になります。後出しは原則として通りません。
Q592条1項の申立てが却下されたらどうなりますか?
却下されたとき、または決定を取り消す裁判が確定したときは除外事由が消滅し、当該営業秘密はファイル記録の対象に戻ります。不服申立ての可否と期限を早期に確認してください。
Q6「困難な事情があるとき」とはどんな場合ですか?
1項ただし書の例外ですが、困難かどうかを判断するのは裁判所書記官です。大判図面や特殊な体裁でも通常のスキャン対象とされうるため、電子化回避の手段として当てにはできません。
Q7電磁的記録の送達とはどういう意味ですか?
132条の12第2項により、ファイル記録された事項に係る送達は電磁的記録の送達で代替できます。3項でそれが元の法令上の送達とみなされ、期間計算も同じ扱いになります。
Q8132条の12はいつから使われている規定ですか?
令和4年(2022年)法律第48号により新設された民事訴訟手続IT化の一連の規定の一つです。施行は段階的に行われたため、適用時期は最新の施行状況をご確認ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1紙で出せば電子化されないって聞いたんですが、本当ですか?
逆です。132条の12第1項は、申立て等が書面で行われたとき、裁判所書記官がその記載事項をファイルに記録しなければならないと定めています。困難な事情があるときの但書はありますが、困難かどうかを判断するのは書記官です。実務のポイント:紙提出を選ぶ実務上の理由は体裁や添付物の都合であって、電子化回避ではありません。載せたくない事項があるなら、提出方法ではなく同時申立ての有無で勝負する。
Q2営業秘密が入った資料を出してしまったんですが、後から消してもらえますか?
原則として難しい。132条の12第1項1号の除外は、その書面等の提出とともに92条1項の申立て(同項2号の事由)がされていることが前提で、しかも申立てが却下されたり決定を取り消す裁判が確定すれば除外は外れます。実務のポイント:実務では、書証そのものを出さずに立証する道(要旨の陳述、特許法105条の4の秘密保持命令)を先に検討する。出してから守るより、出さずに勝つ設計の方が安い。
間違えやすい点 AI による整理
- 書面がスキャンされてファイルに記録されること自体は知っている人でも、その先の射程までは追えていない。記録された事項は、送達を電磁的記録の送達で代替できる根拠になり(本条2項)、しかもその送達は元の法令が定める方法で行われたものとみなされる(本条3項)。記録は保管の問題ではなく、あなたに届く書類の形と受領態勢の問題でもある
- 「ファイルに記録されてしまったら、後から閲覧制限をかければいい」という問いの立て方自体がずれている。本条の三つの除外は、いずれも申立てがされた場合を前提に組まれている。問うべきは、どう消すかではなく、いつ出すかだ
- 「困難な事情があるときは、この限りでない」という但書を見て、大判の図面や特殊な体裁の書面なら電子化されずに済むと読むのは危うい。困難かどうかを判断するのは裁判所書記官であって、あなたではない。あなたから見れば例外的な一枚でも、書記官から見れば通常のスキャン対象でしかない。この視点の落差が、守れると思っていた情報を記録に載せる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 132条の12:書面等でされた申立て等の記載事項をファイルへ記録する義務 | 132条の11:委任を受けた訴訟代理人等に対するオンラインでの申立て義務 92条:訴訟記録中の秘密記載部分の閲覧等の制限 |
| 誰が動くか | 裁判所書記官が職権で記録する(当事者は事前の申立てで範囲を制御) | 当事者・代理人がオンラインで提出する 当事者の申立てにより裁判所が決定する |
| 情報を守るタイミング | 書面等の提出と同時に申立てをしていなければ記録される(入口で遮断) | 提出方法の選択の問題であり、記録の可否を左右しない 記録された後の閲覧を制限する(出口で遮断) |
| 送達への波及 | 2項・3項:ファイル記録された事項に係る送達を電磁的記録の送達で代替し、元の法令上の送達とみなす | オンライン提出そのものは送達方法を直接定めない 閲覧等の制限であり送達方法には影響しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は科技設備による訴訟文書の伝送を認め、閲覧制限は当事者・第三者のプライバシーや業務秘密を理由に裁判所が裁定する構造で、日本のような提出時の同時申立てを条文上の前提とはしていない
韓国は電子訴訟法で紙文書を電子化文書に変換する仕組みを一般法として整備し、電子訴訟の利用同意を軸に運用する点が、記録義務を民訴法本体に置く日本と異なる
ドイツは電子記録の運用と紙書面の電子文書への変換を規定し、変換後の紙原本の取扱いを含めて手続を定める。営業秘密保護は GeschGehG など別法で処理される
米国は CM/ECF による電子提出を原則としつつ、Rule 5.2で社会保障番号や生年月日等の一部マスキングを提出者の義務とする。守る主体が裁判所書記官ではなく提出者側にある点が対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、元交際相手を相手取る訴訟で、秘匿決定を取らないまま本当の住所を書いた訴状を窓口へ出してしまったら? 書記官はその記載事項をファイルに記録する義務を負う。記録された事項は電磁的訴訟記録として相手方の閲覧対象になりうる。住所を守る勝負は、提出ボタンを押す前、あるいは封筒を閉じる前の数日で決まっている
- 訴えられた側で、答弁書に取引先ごとの単価表を添えて紙で提出した。同時に92条1項の申立てを出さなければ、その単価表の中身は書記官の手でファイルに記録される。紙だから広がらない、というあなたの感覚がここで裏切られる
- あなたが中小メーカーの担当者で、製造条件の一部を証拠として出さざるを得なくなった。本条1項1号の除外は、その書面等の提出と「とともに」92条1項の申立てがされていることを前提にしている。提出が先、申立てが後という順番にすると、記録された後の取消しを求める戦いになる。しかも申立てが却下され、または決定を取り消す裁判が確定すれば、除外は外れてファイル記録の対象へ戻る。証拠提出期限まであと3日という状況で最初に手をつけるべきは、書面の清書ではなく申立書の起案だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 住所や氏名を相手に知られたくない事情(配偶者からの暴力、ストーカー、性被害)があるなら、訴え提起より先に133条1項の秘匿の申立てを準備する。届出書面に記載された事項は本条1項2号でファイル記録の対象外になる2. 営業秘密を含む書証は、提出と同時に92条1項の申立てを出す3. 申立てを付けずに出してしまった書面は、閲覧等の制限とファイル記録の取扱いを担当書記官へ速やかに照会4. 申立てが却下されたら、不服申立ての可否と期限を弁護士に確認する
訴えられた側:1. 答弁書も書証も、中身はすべてファイルに記録される前提で精査し、社内の未整理資料を安易に添付しない2. 除外を求めるなら書面と申立書をセットで提出、後出しは原則として通らない3. 相手方が営業秘密を理由に閲覧制限を主張してきたら、92条1項2号の要件(訴訟追行以外の目的での使用や開示により事業活動に支障を生ずるおそれ、防止の必要性)を争う余地を検討4. 送達が電磁的記録の送達に切り替わる(本条2項)ため、受領態勢と期間管理を先に整える
時効(請求できる期限):本条に固有の期間制限はない。ただし除外の効力は、書面等の提出と申立てが同時であることを前提とするため、実務上の締切は書面を提出したその瞬間である。また92条1項または133条の2第2項の申立てが却下され、あるいは決定を取り消す裁判が確定した時点で除外事由は消滅し、ファイル記録の対象へ戻る。なお本条を含む民事訴訟のIT化関連規定は令和4年(2022年)改正で段階的に施行されているため、最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正(法律第48号) 民事訴訟手続のIT化に伴い新設。書面等でされた申立て等について裁判所書記官のファイル記録義務を定め、営業秘密・住所等の届出・秘匿事項記載部分を除外事由とし、記録された事項に係る電磁的記録の送達による代替(2項)とみなし規定(3項)を置いた。施行は段階的であり、最新の施行状況をご確認ください
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:民事訴訟手続のIT化に伴う改正(法律第48号)により新設。書面等でされた申立て等について裁判所書記官のファイル記録義務を定め、営業秘密・133条2項の届出事項・秘匿事項記載部分を除外事由とし、2項で電磁的記録の送達による代替、3項でみなし規定を置いた。施行は段階的に行われた
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