民事訴訟法 第228条(文書の成立)
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- 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。
- 2.文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する。
- 3.公文書の成立の真否について疑いがあるときは、裁判所は、職権で、当該官庁又は公署に照会をすることができる。
- 4.私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。
- 5.第二項及び第三項の規定は、外国の官庁又は公署の作成に係るものと認めるべき文書について準用する。
この条文の基本情報
文書の成立とは何ですか?
定義文書の成立とは、民事訴訟法第228条に定められた規定で、「文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第228条(文書の成立)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第228条の条文原文は「文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第228条は第五節 書証に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第228条の前の条は民事訴訟法第227条です。
- 民事訴訟法第228条の次の条は民事訴訟法第229条です。
- 民事訴訟法第228条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第228条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第228条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/228
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法228条4項は、私文書に本人又は代理人の署名又は押印があれば真正に成立したと推定すると定める。判例の二段の推定により、立証責任は文書を否定する側へ移る。
Q · 自分のハンコが押された借用書を裁判で出されたら、もう「作っていない」とは言えないの?
印影が実印と一致すれば二段の推定で本物と扱われます
民事訴訟法228条4項により、私文書に本人又は代理人の署名又は押印があれば真正に成立したと推定されます。さらに判例(最判昭和39.5.12)の二段の推定では、第一段で印影が本人の印章と一致すれば本人が押したと推定され、第二段で4項により文書全体の真正が推定されます。この推定が積み上がると、冒用や偽造を立証する責任が文書を否定したい側に移り、抽象的な否認だけでは覆せなくなります。
解説
借用書に押された一個の印影。それがあなたの実印と一致した瞬間、裁判では「あなたがこの書面を作った」と推定される。民事訴訟法228条4項は「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」と定める。さらに判例(最判昭和39.5.12)は二段の推定という仕組みを確立した。第一段、印影があなたの登録印と一致すれば、あなたが押したと推定される。第二段、あなたが押したのなら、4項によって文書全体が真正に成立したと推定される。この二段が積み上がると、「こんな書面に署名も押印もしていない」というあなたの言い分は、あなた自身が冒用や偽造を証明しない限り通らない。立証責任という重い荷物が、一気にあなたの肩へ転がり込む。日本のハンコ文化が、そのまま裁判の攻防構造になっているのだ。
法的な位置づけ
民事訴訟法228条は文書の成立の真正に関する規定であり、文書を証拠とする際の真正立証の原則(1項)、公文書の真正推定(2項)、私文書について本人又は代理人の署名又は押印があるときの真正推定(4項)を定める。私文書の4項と判例上の二段の推定が結合し、文書成立をめぐる立証責任の配分構造を形成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提出された文書の認否方針を切り分けて固める 書証として提出された文書について、印影の一致を認めるのか、押印の事実を認めるのか、文書の成立を認めるのかを切り分ける。安易に「成立を認める」と答えず、争う余地があれば「否認」「不知」を選んで相手に真正の立証負担を残す
- 2.印影が自分のどの印鑑かを特定する 印影が実印か認印か、既製の三文判かを確認する。三文判のように同一印影が複数存在しうる印鑑なら、第一段の推定(本人が押した)の前提を崩しやすい。実印か認印かの指摘が推定を揺るがす最初のてこになる
- 3.二段の推定を破る具体的事情と証拠を集める 印鑑が盗用・冒用された具体的経緯、作成日のアリバイ(その日別の場所にいた等)、貸した目的を限定したやり取りの記録、被害届などを集める。抽象的に「無断で使われた」と述べるだけでは裁判所は動かない
- 4.公文書なら職権照会を促す 公正証書などの公文書の真否に疑いがある場合、228条3項により裁判所が作成官庁・公署へ職権照会できる。私文書より覆すハードルが高いため、疑うなら早期に照会を促す上申を行う
よくある質問 AI による整理
Q1二段の推定とは何ですか?
印影が本人の印章と一致すれば本人が押したと推定され(第一段)、押印があれば228条4項で文書全体が真正と推定される(第二段)仕組みです。判例(最判昭和39.5.12)が確立しました。
Q2文書の成立の真正とは何ですか?
その文書が作成者の意思に基づいて作られた本物であることをいいます。228条1項により、書証として用いるには原則この真正を証明する必要があります。
Q3私文書と公文書で真正の推定はどう違いますか?
公文書は方式と趣旨から職務上作成と認められれば2項で真正推定され、覆すのが困難です。私文書は署名又は押印を前提に4項で推定され、二段の推定で立証責任が移ります。
Q4認否で「成立を認める」と答えるとどうなりますか?
文書の真正を自白したことになり、後から成立を争う道が事実上閉じます。撤回も自白に準じて制限されるため、認否は慎重に行う必要があります。
Q5印影が実印と一致すると裁判で不利になりますか?
不利になります。第一段の推定で本人が押したと扱われ、続いて4項で文書全体が真正と推定されるため、冒用や偽造を自ら立証しない限り覆せません。
Q6二段の推定を破る方法はありますか?
印鑑が盗用・冒用された具体的事情を主張立証する、印影鑑定で同一印影の存在を示す、作成日のアリバイを提示するなどです。抽象的な否認では覆りません。
Q7公文書の真正を争うにはどうすればいいですか?
228条3項により、裁判所は職権で作成官庁や公署へ照会できます。疑いがあるなら早期にこの照会を促すことが有効です。
Q8228条4項の押印は実印でなければ効きませんか?
認印でも押印があれば推定は働きます。ただし三文判は同一印影が多数存在しうるため、第一段の推定の前提を崩しやすい面があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1三文判(100円ショップのハンコ)でも、押してあると不利になりますか?
なります。228条4項は印鑑の種類を問わず、押印があれば推定を働かせます。ただし三文判は同じ印影が大量に存在するため、第一段の推定(本人が押した)を崩しやすい面があります。実務のポイント、実印と印鑑証明書のセットが揃うと二段の推定はほぼ鉄壁になる。だから実務では、重要書類で実印を求められたら、それは相手があなたに立証責任を負わせる布石だと理解しておく
Q2ハンコを貸しただけなのに保証人にされました、覆せますか?
非常に難しいですが不可能ではありません。印影の一致で二段の推定が立つため、あなたが「印鑑を冒用された具体的経緯」を立証する必要があります(最判昭和39.5.12)。実務のポイント、「盗まれた」「無断で使われた」という抽象的主張だけでは裁判所は動かない。貸した相手とのやり取りの記録、被害届、貸した目的を限定した証拠を、押印が問題化する前から残せているかで結論が分かれる
Q3電子契約のクリックも、紙のハンコと同じ効力ですか?
認定された電子署名であれば、電子署名及び認証業務に関する法律3条により、228条4項と同じ真正推定が与えられます。実務のポイント、ただし「メールで合意した」「チャットで OK と送った」レベルでは、この推定は働かない。クラウドサインや DocuSign のような本人確認を伴うサービスかどうかで、裁判での証拠価値が段違いになる。契約の重要度に応じてサービスを選ぶべき
間違えやすい点 AI による整理
- 「印鑑を押しただけ」と軽く考える人が多いが、その押印が裁判で何を引き起こすかまでは知らない。押印は単なる慣習ではなく、228条4項によって文書全体の真正性を推定させる法的な引き金。一個の印影が、契約全体をあなたが作ったことにしてしまう深刻さを、ほとんどの人は体感していない
- 「サインしていないから無効だ」と思い込みがちだが、4項は署名「又は」押印と書く。どちらか一方でも推定は働く。署名がなくても、あなたの印が押されていれば、あなたが作った文書と推定される
- 「偽物だと証明すれば勝てる」と問いを立てる人がいるが、その問いの順序が逆。二段の推定が立つと、相手が真正を証明する必要は消え、あなたが冒用や偽造を証明する側へ回される。本当に立てるべき問いは「どうやってこの推定を破るか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 228条:文書の成立の真正の証明と推定(私文書4項・公文書2項) | 219条:書証の申出(文書を証拠とする入口) 229条:筆跡等の対照による真正の証明 |
| 発動の前提 | 署名又は押印の存在(私文書)、職務上作成の方式・趣旨(公文書) | 文書を特定して提出・送付嘱託・提出命令を申し立てる 対照に適した筆跡・印影の存在 |
| もたらす効果 | 真正の推定(二段の推定で立証責任が否定側へ移る) | 文書が取調べの対象になる 対照によって成立の真正を積極的に証明できる |
| 争った場合の制裁・帰結 | 推定を覆すには冒用・偽造の具体的立証が必要 | 申出が認められれば証拠調べへ移行 230条:成立を争った者に正当な理由なき場合の過料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
私文書に本人又は代理人の署名・押印・指印があれば真正と推定する点で日本228条4項とほぼ同旨。台湾実務でも印鑑をめぐる立証が争点になりやすい。
韓国も私文書の真正成立推定を定め、印章文化を背景に日本の二段の推定に類似した判例理論が展開されている。
ドイツは署名の真正が証明・争われない限り、署名上に記載された本文の真正を推定する。印章ではなく署名中心である点が日本と異なる。
米国は文書を証拠採用する前提として authentication を要求し、一定の公文書等は self-authentication(Rule 902)で証明を要しない。推定の構造より証拠能力の入口要件として規律する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの実印を預けていた親族が、あなたに無断で連帯保証契約書に押印していたら? 債権者が訴えてきたとき、印影が実印と一致する以上、あなたが冒用を立証しない限り保証人にされる。信頼して預けただけ、という言葉では裁判所は守ってくれない
- あなたが貸金返還請求の被告になった。原告が「あなたが署名押印した借用書」を証拠提出。第一回口頭弁論まであと10日。ここで認否を誤り「成立を認める」と答えると、文書の真正性を争う道が事実上閉じる。認否のたった一語が勝敗を分ける
- 退職した会社が、あなたの認印が押された「秘密保持誓約書」を持ち出してきた。認印でも4項の推定は働く。三文判か実印かで争いの難易度は変わるが、押印の事実そのものが推定の起点になる
- 離婚や相続の場で、相手が偽造した公正証書を出してきた。公文書は228条2項でより強く真正が推定され、裁判所は職権で作成官庁へ照会できる(3項)。私文書より覆すハードルが高いため、疑うなら照会を促す手を早く打つ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 身に覚えのない文書を突きつけられたら、まず印影が自分のどの印鑑かを特定、三文判なら同一印影が複数存在しうる点を指摘2. 第一回口頭弁論より前に認否方針を固め、押印の事実や印影の一致を安易に認めない3. 印影鑑定、作成日のアリバイ(その日別の場所にいた等)を集める4. 二段の推定を破るには「印鑑が盗用・冒用された具体的事情」を主張立証する、抽象的な否認では覆らない
訴えられた側:1. あなたが文書を証拠提出する側なら、相手の押印・署名を裏づける状態にしておく、印鑑証明書、立会人、作成時の録画2. 相手が成立を否認したら、印影と印鑑登録証明の一致を示し二段の推定を起動する3. 認印しかない文書はリスクが高い、重要書類は実印と印鑑証明をセットで保管4. 電子契約なら認定された電子署名サービスのログを保全し、電子署名法3条の推定を活用する
時効(請求できる期限):文書の真正性を争うなら、その文書が書証として提出された後の認否の機会(通常は当該期日または次回期日)に「否認」「不知」を述べる必要がある。一度「成立を認める」と陳述すると自白に準じて撤回が制限される。特定の消滅時効はないが、認否の時機を逃すと事実上争えなくなる
学説
通説:228条4項の推定は法律上の推定であり、二段目の前提となる第一段(印影一致から本人押印を導く部分)は事実上の推定と解される。いずれも反証により覆りうるが、否定側が冒用・偽造の具体的事情を立証する必要があるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法326条等から条文番号が整理され、現行228条に。私文書の署名押印による真正推定の枠組みは維持された。なお近年のデジタル化関連改正で本条が修正されたか否かは確信がないため、改正回数は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、旧法の私文書の真正推定規定が現行228条として整理された。署名押印による真正推定の枠組みは維持。
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