民事訴訟法 第231条(文書に準ずる物件への準用)
クイックジャンプ
この節の規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。
この条文の基本情報
文書に準ずる物件への準用とは何ですか?
定義文書に準ずる物件への準用とは、民事訴訟法第231条に定められた規定で、「この節の規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第231条(文書に準ずる物件への準用)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第231条の条文原文は「この節の規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。」で始まります。
- 民事訴訟法第231条は第五節 書証に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第231条の前の条は民事訴訟法第230条です。
- 民事訴訟法第231条の次の条は民事訴訟法第231条の2です。
- 民事訴訟法第231条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第231条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第231条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/231
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法231条は、写真・録音テープ・ビデオテープなど文書でない準文書に書証の規定を準用すると定める。秘密録音も原則として証拠能力が認められる。
Q · スマホの録音や動画って、裁判で証拠として使えるの?
使えます。民訴231条で文書と同じ手続で証拠調べできます。
民事訴訟法231条により、録音テープ、ビデオテープ、写真、図面などの準文書は、書証の規定を準用して証拠提出できます。相手に無断の秘密録音であっても、日本の民事訴訟では原則として証拠能力が認められます。ただし文書と同様に「真正に成立したこと」(編集・改ざんがないこと)の立証が必要で、録音は反訳書(文字起こし)を添えるのが実務です。
解説
上司のパワハラをスマホで録音した。取引先との口頭約束を電話で録った。浮気の証拠にドライブレコーダーの映像を保存した。いざ裁判で出そうとしたとき、「録音や動画は文書じゃないから証拠にならないのでは」と不安になる人は多い。民訴231条がその不安を消す。図面、写真、録音テープ、ビデオテープ、その他情報を表すために作られた物で文書でないものに、文書の証拠調べ規定(書証)を準用すると定めているからだ。つまりあなたのスマホの録音も動画も、文書と同じ手続きで堂々と証拠として提出できる。さらに重要なのは、日本の民事裁判では相手に無断で録音した秘密録音であっても、原則として証拠能力が認められる点だ。「黙って録ったから使えない」は誤解である。ただし、本当の勝負はその先にある。編集や改ざんがされていない、つまり真正性をどう立証するかが次の戦場になる。
法的な位置づけ
民事訴訟法231条は準文書への準用を定める規定であり、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他情報を表すために作成された文書でない物件について、書証に関する規定を準用する。これにより非文書の情報媒体も文書と同じ証拠調べ手続の対象となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠を入手した瞬間に元データを二重保全 録音・動画・写真・スクショは、入手した瞬間に元ファイルのままクラウドと別媒体の二重で保全する。編集アプリで切り取らず原本を残し、撮影日時メタデータやハッシュ値も一緒に保存しておく
- 2.録音・録画は反訳書(文字起こし)を作成 重要部分を時刻つきで示す反訳書を作る。裁判官は長時間の音声を全部聞かないため、立証趣旨に直結する箇所をハイライトし、決定的な発言は秒数を明示する
- 3.証拠説明書を作成し立証趣旨を明記 準文書も書証の手続が準用されるため、証拠説明書に作成者・作成日時・立証趣旨を記載する。真正性を争われそうな証拠ほど、周辺証拠を一緒に固める
- 4.口頭弁論期日までに準文書として申出 民訴231条により書証として申し出る。遅すぎる提出は時機に後れた攻撃防御方法として却下されうる(民訴157条)ため、期日前に準備を整えておく
よくある質問 AI による整理
Q1準文書とは何ですか?
図面・写真・録音テープ・ビデオテープなど、文書ではないが情報を表すために作られた物件です。民訴231条により書証の規定が準用され、文書と同じ手続で証拠調べができます。
Q2録音テープは裁判の証拠になりますか?
なります。民訴231条で書証の規定が準用される準文書だからです。秘密録音でも原則として証拠能力が認められますが、編集・改ざんのない真正なものであることの立証が必要です。
Q3ドライブレコーダーの映像は証拠提出できますか?
できます。映像も準文書として231条の射程に入ります。提出時は撮影日時の正確性や編集の有無を補強し、相手から真正性を争われても対応できるよう元データを保全しておくのが重要です。
Q4準文書を提出するときの手続は?
書証の規定が準用されるため、証拠説明書に作成者・作成日時・立証趣旨を記載して申し出ます。録音・映像は反訳書を添え、必要に応じて原本データを保全しておきます。
Q5録音の反訳書(文字起こし)は必要ですか?
実務上ほぼ必須です。裁判官が長時間の音声を全部聞くことはまれで、重要部分を時刻つきで示す反訳書がないと立証趣旨が伝わりません。決定的な一言は秒数を明示します。
Q6写真や動画は検証と書証のどちらで出しますか?
同じ映像を準文書(231条)として書証で出すことも、検証物(232条)として検証手続で出すこともできます。申出手続や相手の対応が変わるため、事案ごとに有利な方を選びます。
Q7違法に集めた証拠でも使えますか?
原則として証拠能力は認められますが、盗聴器の設置や住居侵入など著しく反社会的な手段で収集したものは例外的に排除される余地があります。手段の悪質性が分水嶺です。
Q8準文書の真正性はどう立証しますか?
民訴228条が準用され、編集・改ざんがないことを示す必要があります。撮影日時メタデータ、元データのハッシュ値、前後の連続性、周辺証拠で本物だと裁判官に信じさせます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手に黙って録音したやつ、裁判で出したら自分が訴えられたりしませんか?
民事訴訟では、秘密録音も原則として証拠能力が認められます(231条が書証の規定を準用)。著しく反社会的な手段で得たものでない限り、提出しても問題ありません。盗聴器の設置など違法な手段だと別ですが、自分が当事者である会話を録るのは通常問題になりません。実務のポイント:弁護士は依頼者に『次の面談、こっそり録っておいてください』と日常的に助言します。ただし口外はせず、録ったこと自体を相手に悟られないのがコツ。相手が身構える前の生の発言ほど価値が高いからです
Q2LINE のスクショって、改ざんできるから証拠として弱いんですよね?
確かにスクショは加工が容易なため、相手から真正性を争われやすい証拠です。ただし、トーク画面の連続性、アカウント名や日時表示の一貫性、相手の返信内容との整合性で本物だと立証できます(民訴228条の準用)。実務のポイント:争われそうな案件では、スクショだけでなく、スマホの画面を上から下までスクロールしながら録画した『動画』で残すのが実務のテクニック。連続性が一目で分かり、切り貼り疑惑をつぶせます。さらに端末そのものを法廷に持参できる準備をしておくと、相手は争いにくくなる
Q3長時間の録音を出すとき、全部聞いてもらえるんですか?
現実には、裁判官が何時間もの音声を全部聞くことはほとんどありません。だからこそ反訳書(文字起こし)の作成が必須で、重要部分を時刻つきで示し、立証趣旨に直結する箇所をハイライトします。実務のポイント:反訳書は相手も作って『こちらの聞き取りでは違う言葉だ』と争ってくることがあります。決定的な一言ほど、音声のその秒数を明示し、必要なら音声鑑定まで視野に入れる。録音は持っているだけでは半分の価値しかなく、聞かせ方の設計まで含めて初めて武器になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「相手に無断で録った秘密録音は違法だから証拠にできない」と信じている人が非常に多い。これは前提から誤っている。日本の民事訴訟では、秘密録音であっても原則として証拠能力が認められる(東京高判昭和52.7.15など)。著しく反社会的な手段で収集した場合に限り例外的に排除されるにすぎない。「黙って録ったか公然と録ったか」は、ほとんどの場面で証拠能力を左右しない
- 「録音や動画さえあれば勝てる」と考えるのも危険だ。ここで見落とされるのは深刻さの度合い。準文書は文書の規定が準用される以上、文書と同じく『真正に成立したこと』、つまり編集・改ざんされていないことの立証が必要になる(民訴228条の準用)。録音があること自体ではなく、その録音が本物だと裁判官に信じさせられるかが、本当の分水嶺である
- 「写真や動画は検証で出すもので、書証とは別物」と整理している人もいるが、実務上は同じ映像を準文書(231条)として書証で出すことも、検証物として検証手続で出すこともできる。どちらを選ぶかで申出の手続や相手の対応が変わる。実務上、この選択は解釈と運用に幅があり、案件ごとに有利な方を選ぶ戦略性がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 231条:準文書(写真・録音・映像など文書でない情報媒体) | 219条:文書(書証の基本) 232条:検証物(物・場所の状態そのもの) |
| 取調べ方法 | 書証の規定を準用して取り調べる | 文書の提出または送付による書証 裁判官が五感で直接観察する検証 |
| 真正性の立証 | 228条が準用され、編集・改ざんのないことの立証が必要 | 文書の成立の真正を228条で立証 検証物の同一性・状態の保全が問題 |
| 実務上の選択 | 同じ映像を書証(231)でも検証(232)でも出せる | 純粋な書面はこちら 現場・物の状態は検証が適する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も文書でない物件で文書と同じ効用をもつものに文書の規定を準用する点で日本231条と構造が酷似する
韓国は図面・写真・録音・ビデオテープ等の証拠調べを明文化。準文書を独立規定として扱う点で日本と近い
ドイツは写真・録音・映像を原則として検証(Augenschein)の枠で扱う。日本が書証準用としたのと整理の仕方が異なる
米国は writings に recordings と photographs を含めて定義し、best evidence rule の下で原本・複製を扱う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、退職を迫る面談で上司が「お前なんか使えない」と怒鳴った瞬間を、あなたがスマホで録音していたとしたら? その録音は231条により書証として提出でき、パワハラの不法行為(民法709条)を立証する決定打になる。問題は、相手側がほぼ確実に「切り貼りした」「前後の文脈が違う」と反論してくること。元データの保全が勝敗を分ける
- 離婚調停・訴訟で、配偶者の暴言や不貞をうかがわせる LINE のスクリーンショットを提出したい。これも準文書として231条の射程に入る。ただしスクショは改変が容易なため、相手から真正性を激しく争われる。トーク画面の連続性、アカウント名、日時表示の一貫性が問われる
- あなたが貸金返還を求める側。「来月返す」と言った相手の電話を録音していた。相手は法廷で「そんなこと言っていない」と言い張る。録音さえあれば、その嘘は崩れる
- 交通事故の相手方になったあなた。相手がドライブレコーダー映像を証拠提出してきた。映像が不利でも諦めるのは早い。撮影角度、時刻の正確性、編集の有無を争う余地がある。映像は強力だが無敵ではない
- 近隣トラブルで、隣人の騒音や恫喝を録音した。提訴を考えているが、証拠の出し方を決めるまであと数日で口頭弁論期日が来る。時機に後れた攻撃防御方法として却下されないよう、今のうちに証拠説明書と一緒に準備しておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 録音・動画・写真・スクショは、入手した瞬間に元ファイルのまま二重保全。編集アプリで切り取らず、原本を必ず残す2. 録音は反訳書(文字起こし)を作成し、原本データと一緒に提出する準備をする。裁判官は長時間の音声を全部聞かないため、反訳書の質が勝負3. 証拠説明書に作成者・作成日時・立証趣旨を明記して提出(準文書も書証の手続が準用される) 4. 相手が真正性を争う可能性が高い証拠ほど、撮影日時メタデータや前後の連続性を補強する周辺証拠を一緒に固める
訴えられた側:1. 相手が録音・映像を出してきたら、まず原本かコピーか、編集痕がないかを確認し、必要なら原本(元データ)の提出を求める2. 録音の前後が切られて文脈が歪められていないか、撮影日時が主張と整合するかを精査し、真正性を具体的に争う3. その証拠がもし著しく反社会的な手段(住居侵入、盗聴器設置など)で得られたものなら、例外的な証拠排除を主張する余地がある4. 映像が不利でも、撮影角度・解像度・死角を指摘し、立証趣旨どおりの事実を証明できていないと反論する
時効(請求できる期限):この条文自体に特定の時効はない。ただし証拠は口頭弁論終結までに提出する必要があり、遅すぎる提出は『時機に後れた攻撃防御方法』として却下されうる(民訴157条)。また、立証しようとする請求権自体には個別の消滅時効(不法行為なら民法724条、債権なら民法166条)があるため、証拠の有無にかかわらず本体の期限管理が前提になる
学説
通説:準文書は書証の規定が準用される結果、文書と同様に真正な成立(編集・改ざんのないこと)の立証を要する。録音・映像は検証物として検証手続で取り調べることも可能で、当事者は事案に応じて書証と検証のいずれか有利な方法を選択できる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 民事訴訟法の全部改正により現行の条文番号・文言に整理され、図面・写真・録音テープ・ビデオテープなど文書でない情報媒体(準文書)について書証の規定を準用することを明文で規定。技術の進展を踏まえた証拠媒体の取り込みを条文上明確化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、図面・写真・録音テープ・ビデオテープなど文書でない情報媒体(準文書)に書証の規定を準用することを明文化。技術進展に対応した証拠媒体の取り込みを条文上明確にした。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める