民事訴訟法 第157条(時機に後れた攻撃防御方法の却下等)
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- 当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。
- 2.攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当事者が必要な釈明をせず、又は釈明をすべき期日に出頭しないときも、前項と同様とする。
この条文の基本情報
時機に後れた攻撃防御方法の却下等とは何ですか?
定義時機に後れた攻撃防御方法の却下等とは、民事訴訟法第157条に定められた規定で、「当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てによ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第157条(時機に後れた攻撃防御方法の却下等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第157条の条文原文は「当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てによ…」で始まります。
- 民事訴訟法第157条は第一節 口頭弁論に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第157条の前の条は民事訴訟法第156条の2です。
- 民事訴訟法第157条の次の条は民事訴訟法第157条の2です。
- 民事訴訟法第157条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第157条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第157条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/157
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法157条は、故意又は重過失で時機に後れた攻撃防御方法を、審理が遅延する場合に裁判所が申立て又は職権で却下できると定める規定です。
Q · 証拠や主張を裁判の後半で出すと、本物でも却下されちゃうの?
必ずではなく、故意・重過失と審理遅延が揃った時だけです
民事訴訟法157条1項により、時機に後れて提出された攻撃防御方法は、(1)提出が遅れたこと、(2)遅れに故意又は重大な過失があること、(3)審理すると訴訟の完結が遅延すること、の三要件がすべて揃ったとき、裁判所が申立て又は職権で却下できます。一つでも欠ければ却下されません。また2項は、主張の趣旨が不明瞭なのに釈明をせず、又は釈明すべき期日に欠席した場合も同様に却下できると定めます。証拠の真偽より、提出の時機が先に問われる点が核心です。
解説
あなたが訴訟の被告で、最初の数回の期日では出さなかった決定的な領収書を、結審間近になって「実はこれもありました」と提出したとする。常識的には、証拠は本物なら見てもらえると思うだろう。だが民事訴訟法157条はそうではない。故意または重大な過失で出すのが遅れ、しかもそれを審理すると訴訟が長引くと裁判所が判断したとき、その証拠も主張も、中身を一切調べないまま却下できる。あなたが握っていた決定打が、提出のタイミングだけで「なかったこと」にされる。これが日本の民事訴訟を貫く適時提出主義(156条)の歯であり、157条はその歯に噛む力を与える条文だ。ポイントは三つ。遅れたこと、遅れに故意か重過失があること、出すと審理が延びること。この三つが揃って初めて却下される。逆に言えば、遅れても「やむを得ない事情があった」「今出しても審理は延びない」と説明できれば、却下は防げる。タイミングは、内容と同じくらい勝敗を左右する
法的な位置づけ
民事訴訟法157条は、時機に後れた攻撃防御方法の却下を定める規定である。当事者が故意又は重大な過失により提出を遅らせ、かつ審理の遅延を生じさせる場合に、裁判所が申立て又は職権でその主張・証拠を却下できる。適時提出主義(156条)の実効性を担保する手続的制裁として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手の提出時期を時系列で整理 相手が出してきた新証拠・新主張が「いつ出せたはずか」を訴訟経過に沿って時系列化し、相手に故意又は重大な過失があったことを示す材料を集める
- 2.審理が遅延する事実を具体化 その新証拠・新主張を取り調べると判決が遅れることを具体的に主張する。証人尋問のやり直し、鑑定の追加、新たな反論準備の必要などを明示する
- 3.提出直後の期日で却下を申し立てる 相手が提出した期日又はその直後の期日において、書面又は口頭で157条1項の却下を申し立てる。実質的に応戦して争点化する前に動くのが鉄則
- 4.趣旨不明瞭なら釈明を促す 相手の主張が趣旨不明瞭なら、裁判所に釈明(149条)を促し、相手が応じず又は期日に欠席すれば157条2項の却下につなげる
よくある質問 AI による整理
Q1時機に後れた攻撃防御方法とは何ですか?
適切な時期を過ぎて提出された証拠や主張を指します。民事訴訟法157条により、故意・重過失があり審理が遅延する場合、裁判所が却下できます。
Q2適時提出主義とは?
攻撃防御方法を訴訟の進行に応じた適切な時期に提出すべきとする原則です。民訴156条が定め、157条の却下がその実効性を担保します。
Q3攻撃防御方法はいつまでに出すべきですか?
口頭弁論終結時まで提出できるのが原則ですが、適時提出主義により早期提出が求められます。遅れると157条で却下される危険があります。
Q4証拠の後出しは違法ですか?
違法ではありませんが、故意・重過失で遅れ審理が延びると157条で却下されます。真正な証拠でも内容審査されないまま弾かれる点が要注意です。
Q5職権による却下と申立てによる却下の違いは?
157条は両方を認めます。相手方が却下を求める申立てによる場合と、裁判所が自ら判断する職権による場合があり、効果は同じく却下決定です。
Q6却下決定に不服があるときはどうすればいいですか?
時機に後れた攻撃防御方法の却下決定は訴訟指揮に関する裁判で、独立した不服申立ては原則できず、終局判決に対する上訴で争うことになります。
Q7本人訴訟で証拠を小出しにするとどうなりますか?
争点を思いついた順に小出しにすると適時提出主義違反とみなされ、後半の主張がまとめて却下される余地が生まれます。本人訴訟ほど陥りやすい落とし穴です。
Q8157条2項の釈明とは何ですか?
主張の趣旨が不明瞭なとき、裁判所が内容を明らかにするよう求めることです。当事者が釈明せず又は期日に欠席すると、その主張は却下されえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証拠を出すのが遅れたら、必ず却下されちゃうんですか?
必ずではない。157条1項は(1)時機に後れたこと、(2)遅れに故意または重大な過失があること、(3)審理が延びること、の三つがすべて揃って初めて却下できる。一つでも欠ければ証拠は採用される。実務のポイント:実務では裁判所は却下にかなり慎重で、特に本人訴訟では救済的に取り調べることが多い。逆に代理人弁護士がついている事件は、プロなら時機を守れたはずとして却下されやすい。弁護士がいる側ほど後出しのリスクは高いという、直感と逆の構図がある
Q2相手の弁護士が結審間際に新しい主張を出してきました。止められますか?
止められる可能性がある。157条1項に基づき、あなたが却下を申し立てればよい。鍵は、その主張を審理すると判決が遅れることを具体的に示すこと、そして相手がもっと早く出せたはずだと指摘することだ。実務のポイント:却下申立ては相手の提出直後の期日で出すのが効く。一度でも実質的に反論してしまうと、裁判所は「審理は遅延していない」と見て却下を認めにくくなる。応戦するより先に、まず却下で門前払いを狙うのが定石
間違えやすい点 AI による整理
- 「本物の証拠なら、いつ出しても裁判官は見てくれる」と信じている人が多いが、157条はその前提を崩す。遅れた理由に故意・重過失があり、審理が延びるなら、真正な証拠でも内容審査されずに却下される。証拠の真偽より、提出の時機が先に問われる
- 却下されるのは証拠だけだと思われがちだが、条文は「攻撃又は防御の方法」と書く。これは証拠だけでなく、主張・抗弁そのものを含む。時効の援用、相殺の抗弁といった勝負を決める主張ごと、遅れれば消える。失うものの大きさを見誤っている
- 「却下されても、もう一度訴え直せばいい」と考える人がいるが、問いの立て方が間違っている。却下された攻撃防御方法は同じ訴訟で二度と使えず、確定すれば既判力で蒸し返せない。157条の却下は手続上の小さなつまずきではなく、その争点での実質的敗北を意味する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 157条:時機に後れた攻撃防御方法の却下(制裁) | 156条:適時提出主義(原則の宣言) 157条の2:審理計画違反の場合の却下(特則) |
| 適用要件 | 時機に後れた + 故意・重過失 + 訴訟完結の遅延 | 攻撃防御方法は訴訟の進行に応じ適切な時期に提出すべき(努力義務) 審理計画が定められた事件で、計画に従った提出をしないこと |
| 効果 | 申立て又は職権で却下決定ができる | 却下効はなく、157条の前提原則として機能 計画違反の主張・証拠を却下できる |
| 発動主体 | 裁判所(申立て又は職権) | 当事者の提出責任 裁判所(申立て又は職権) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も攻撃防御方法を言詞弁論終結前の適当な時期に提出すべきとし、延滞の意図又は重大な過失で遅れ訴訟終結を妨げる場合に却下を認める。日本157条と要件構造が近い。
韓国も実機(時機後れ)の攻撃防御方法について、故意又は重過失と訴訟遅延を要件に却下を認める。日本法の影響を受けた並行規定で要件もほぼ対応する。
ドイツは遅延提出の却下を詳細に規律し、当事者の遅延が手続を遅らせ、かつ帰責性がある場合に却下を認める。日本157条の母法系に当たる法理。
米国は開示義務(disclosure)違反として、期限内に開示しなかった証拠を原則として使用できない(自動排除)構造をとる。却下の入口を裁量より自動制裁に置く点で日本と発想が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが原告で、被告が第一回からずっと黙っていたのに、結審直前になって「実は弁済済みだ」と新証拠を出してきた。このまま審理を続ければ判決が数か月延びる。あなたは157条1項で却下を申し立てられる。相手の後出しを、内容に立ち入らせず門前で止める手がある
- もし、あなたが本人訴訟で、争点を一つずつ思いついた順に小出しにしていったらどうなるか。裁判官は適時提出主義違反とみなし、後半の主張をまとめて却下する余地が生まれる。本人訴訟ほどこの落とし穴にはまりやすい
- あなたの提出した準備書面の趣旨が不明瞭で、裁判官が「この主張はどういう意味か」と釈明を求めたのに、あなたが次の期日を欠席した。157条2項により、その主張は却下されうる。沈黙や欠席が、主張そのものを消す
- 控訴審で逆転を狙い、一審で出さなかった証拠を一気に投入する作戦を立てた。あと一回で結審という局面。だが控訴審は続審とはいえ、一審で出せたのに出さなかった攻撃防御方法は157条(301条で準用される趣旨)で却下される危険が高い。一審の段階で全部出しておくべきだった
取るべき行動
被害を受けた側:相手が時機に後れた攻撃防御方法を出してきた側のあなたへ。1. その新証拠・新主張が「いつ出せたはずか」を時系列で整理し、相手に故意・重過失があったことを示す材料を集める2. それを審理すると判決が遅れることを具体的に主張する(証人尋問のやり直し、鑑定の追加など) 3. 出された期日またはその直後の期日で、書面または口頭で157条1項の却下を申し立てる。応戦して実質的に争点化する前に動くのが鉄則4. 趣旨不明瞭な主張なら、裁判所に釈明(149条)を促し、相手が応じなければ2項の却下につなげる
訴えられた側:あなたが遅れて攻撃防御方法を出す側なら。1. なぜ今になったのか、やむを得ない事情(証拠が最近見つかった、相手の主張で初めて必要になった等)を書面で説明する2. これを取り調べても審理は延びないこと(次回期日で完結できる等)を積極的に主張し、却下要件の一つを否定する3. 故意・重過失がないことを示す。単なる失念ではなく合理的理由があったと位置づける4. 趣旨が不明瞭と指摘されたら、必ず釈明に応じ、期日に出頭する。沈黙と欠席が2項の却下を招く
時効(請求できる期限):攻撃防御方法は口頭弁論終結時まで提出できるのが原則だが、適時提出主義(156条)により早期提出が求められる。157条には固有の出訴期間のような時効はないが、却下を申し立てるなら相手の提出後ただちに行うのが実務上有利。準備的口頭弁論や弁論準備手続を経た場合は、その終結後の提出に別途の説明義務が生じる(167条、174条)
学説
通説:157条1項の却下には、時機に後れたこと、故意又は重大な過失、訴訟完結の遅延の三要件が必要で、いずれを欠いても却下できないと解される。本条は適時提出主義(156条)の実効性を担保する制裁規定と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法139条(時機に後れた攻撃防御方法の却下)を現行157条として再編。同時に随時提出主義から適時提出主義(156条)へ転換し、本条をその実効性を担保する却下規定として位置づけた
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧民訴法139条を現行157条として再編。随時提出主義から適時提出主義(156条)へ転換し、本条をその実効性を担保する却下規定として位置づけた。
- 2.平成15年(2003年) 新設:計画審理の導入に伴い157条の2を新設。審理計画が定められた事件で計画に従わない提出を却下できる特則を加え、本条と役割分担する構造とした。
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