民事訴訟法 第156条(攻撃防御方法の提出時期)
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攻撃又は防御の方法は、訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出しなければならない。
この条文の基本情報
攻撃防御方法の提出時期とは何ですか?
定義攻撃防御方法の提出時期とは、民事訴訟法第156条に定められた規定で、「攻撃又は防御の方法は、訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第156条(攻撃防御方法の提出時期)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第156条の条文原文は「攻撃又は防御の方法は、訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出しなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第156条は第一節 口頭弁論に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第156条の前の条は民事訴訟法第155条です。
- 民事訴訟法第156条の次の条は民事訴訟法第156条の2です。
- 民事訴訟法第156条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第156条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第156条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/156
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法156条は適時提出主義を定め、攻撃防御方法は訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出する必要がある。遅れた提出は157条により却下されうる。
Q · 切り札の証拠を最後までとっておけば、裁判で有利になるんですか?
いつ出すかが値打ちを決める。遅すぎる証拠は却下されうる
民事訴訟法156条は、攻撃防御方法を訴訟の進行状況に応じた適切な時期に提出すべきと定めます(適時提出主義)。ただし遅れただけで自動却下ではなく、却下には157条の要件、すなわち当事者の故意または重過失による遅延であり、かつ訴訟の完結を遅延させることが必要です。逆に相手が終盤に新証拠・新主張を出してきたときは、156条・157条を根拠に却下を申し立てられます。何を持っているかではなく、いつ出すかが勝敗を分けます。
解説
裁判は、出したい証拠や主張を好きなタイミングで出せる場ではない。民訴156条は「攻撃又は防御の方法は、訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出しなければならない」と定める。これを適時提出主義という。旧法時代は弁論終結まで何を出してもよい随時提出主義だったが、後出しの引き延ばし戦術で裁判が長期化したため、平成8年(1996年)の全面改正でこの原則に切り替わった。あなたが知っておくべきは、この条文が二つの顔を持つことだ。一つは武器。相手が終盤になって突然新証拠や新主張を持ち出したとき、156条と次の157条を組み合わせて「時機に後れた」として却下を求められる。もう一つは足枷。あなた自身が決定的な証拠を温存して後出しすると、中身を見てもらえないまま切り捨てられる。何を持っているかではなく、いつ出すかが勝敗を分ける戦術になっている。
法的な位置づけ
民事訴訟法156条が定める適時提出主義とは、当事者が攻撃防御方法(主張・証拠)を、訴訟の進行状況に応じた適切な時期に提出すべきとする原則をいう。平成8年改正前の随時提出主義に代わり、計画的かつ迅速な審理を実現するために導入された。違反した遅延提出は157条による却下の対象となりうる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.決定的な証拠は温存せず早期に出し切る 切り札になると思った証拠ほど、争点整理や弁論準備手続が終わる前に提出する。整理終了後に出すと説明義務(167条・174条)が発生し、相手に却下申立ての口実を与える。同じ証拠でも整理前か後かで採用確率が変わる
- 2.相手の後出しはその期日で即座に異議 相手が終盤に新主張・新証拠を出した期日で、即座に「時機に後れた攻撃防御方法である」と異議を述べ記録に残す。後で何度抗議するより、出された直後の一手が効く
- 3.相手の遅延が故意・重過失かを釈明させる 相手がなぜ早期に提出できなかったのか、その理由(故意・重過失の有無)を裁判官に釈明させるよう求める。157条の却下要件を相手側に立証させる構図をつくる
- 4.却下の申立てと心証面の布石 その提出により審理が遅れること(157条の訴訟完結遅延要件)を具体的に指摘し、書面で却下を申し立てる。認められなくても、相手の遅延を心証面のマイナス材料として記録に残す
よくある質問 AI による整理
Q1適時提出主義とは何ですか?
攻撃防御方法を訴訟の進行状況に応じた適切な時期に提出すべきとする原則です。民事訴訟法156条が定め、平成8年改正で随時提出主義に代わって導入されました。
Q2時機に後れた攻撃防御方法はどうなりますか?
157条により却下されうります。ただし当事者の故意または重過失による遅延で、かつ訴訟の完結を遅延させる場合に限られます。軽過失なら採用余地があります。
Q3随時提出主義と適時提出主義の違いは?
随時提出主義は旧法で弁論終結まで自由に提出できました。適時提出主義は提出時期を適切な時期に縛り引き延ばしを防ぎます。平成8年に転換しました。
Q4157条の却下要件は何ですか?
当事者の故意または重過失による時機に後れた提出であること、かつその提出により訴訟の完結を遅延させることの二つです。両方を満たす必要があります。
Q5適時提出主義はいつ導入されましたか?
平成8年(1996年)の民事訴訟法全部改正で導入されました。旧法の随時提出主義による訴訟の長期化を防ぐためです。
Q6弁論準備手続後に証拠を出すとどうなりますか?
なぜ手続中に提出できなかったかの説明義務が生じます(174条)。説明できなければ時機に後れたとして却下される可能性が高まります。
Q7適時提出主義は控訴審でも適用されますか?
適用されます。控訴審は第一審の続審であり、第一審で提出できた攻撃防御方法を控訴審で出すと、時機に後れたとして却下されうります。
Q8適切な時期はどう判断されますか?
日数による固定基準はなく、審理の進行状況に応じて相対的に決まります。その攻撃防御方法を提出できる状態になった時点が起算の基準です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判の途中で大事な証拠が見つかったら、もう出せないんですか?
出せます。156条は「適切な時期に」と求めますが、遅れただけで自動的に却下されるわけではありません。却下には157条の要件、つまりあなたの故意または重過失による遅れであり、かつ提出で訴訟が遅延することが必要です。実務のポイント:実務では、遅れた証拠をいきなり却下する裁判官は少数です。多くはまず釈明を求め、相手にも反論の機会を与えてから判断する。だから遅れに気付いたら、隠さず「最近知った」「相手の主張で必要になった」と正直に経緯を説明する方が、採用される確率は上がる
Q2相手が結審間際に急に新しい主張を出してきました、これ止められますか?
止められる可能性があります。その場で「時機に後れた攻撃防御方法だ」と異議を述べ、156条・157条に基づき却下を申し立てます。相手がなぜ早く出せなかったかを説明できなければ、却下が認められます。実務のポイント:近年の裁判官は審理計画と争点整理を重んじるため、整理手続を経た後の不意打ち的な後出しに対しては却下のハードルが下がっています(167条、174条)。相手の後出しは、こちらにとって心証を有利にする好機。感情的に抗議するより、いつまでに出せたはずかを冷静に時系列で示すのが効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「後から大事な証拠が見つかれば、いつでも追加で出せる」と知っている人は多いが、その遅れがどれほど致命的になりうるかは知られていない。一度「時機に後れた」と却下されれば、その証拠は二度と審理の俎上に乗らず、控訴審でも同じ理由で排除されうる。出し直しがきかない、それが本当の深刻さだ
- 多くの人は「自分の証拠をいつ出すか」を悩むが、立てるべき問いがそもそもずれている。実務で156条が効くのは、むしろ「相手の後出しをどう封じるか」の場面だ。自分の提出計画より、相手の不意打ちを潰す道具として読む方が、この条文の威力は大きい
- 「適切な時期を過ぎた証拠は必ず却下される」と思われているが、そうではない。却下するには157条の要件、すなわち当事者の故意または重過失による遅れであり、かつ訴訟の完結を遅延させることが必要だ。軽い過失にとどまり、出しても審理が遅れないなら、遅れて出した証拠でも採用される余地は十分にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 156条:適時提出の義務(原則の宣言) | 157条:時機に後れた攻撃防御方法の却下(制裁) 156条の2:審理計画に基づく提出期間の特則 |
| 発動の前提 | 訴訟の進行状況に照らした適切な時期の判断 | 故意・重過失による遅延 + 訴訟完結の遅延 裁判所が審理計画を定めたこと |
| 効果 | 適切な時期の提出を当事者に求める | 申立てまたは職権で当該方法を却下できる 計画上の提出期間経過後は説明義務が生じる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も2000年改正で随時提出主義から適時提出主義へ転換。逾期提出の却下を認める点で日本と構造が近い
韓国も적시제출주의を採用し、시기에 늦은 공격방어방법の却下(제149조)を定める。日本法の影響が色濃い
ドイツは当事者の訴訟促進義務(§ 282)と遅延提出の却下(§ 296)を分け、日本の156条・157条構造の源流にあたる
米国はスケジューリング・オーダー(Rule 16)と開示義務違反の証拠排除(Rule 37(c)(1))で時機を統制。原則制裁型で日本より硬直的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが本人訴訟で、切り札になると思った証拠を「ここぞ」という終盤まで温存していた。いざ第四回期日で提出したら、裁判官は「なぜもっと早く出せなかったのか」と説明を求め、納得のいく理由がないと判断して却下した。中身を読まれることすらない。温存が裏目に出る典型がこれだ
- もし相手方が、結審が見えてきた段階で突然これまで一度も触れなかった新しい主張を持ち出してきたら、どうなるか。あなたは156条の適時提出義務違反を指摘し、157条で却下を申し立てられる。相手の不意打ちを、手続のルールそのもので跳ね返す道がある
- 弁論準備手続が終わり、残る期日はあと一回。その段階で新証拠を出すには、なぜ準備手続中に出せなかったかを説明する義務がある(167条、174条)。あと一回で説明しきれなければ、証拠は採用されない
取るべき行動
被害を受けた側:相手に後出しされた側のとき。1. 相手が新たな主張・証拠を出した期日で、即座に「時機に後れた攻撃防御方法である」と異議を述べ、記録に残す2. 相手がなぜ早期に提出できなかったのか、その理由(故意・重過失の有無)を裁判官に釈明させるよう求める3. その提出により審理が遅れること(157条の「訴訟の完結を遅延させる」要件)を具体的に指摘する4. 書面で却下の申立てをし、認められなければ少なくとも相手の遅延を心証面のマイナス材料として残す
訴えられた側:自分が証拠の提出に遅れた側のとき。1. なぜその時期になったのか、合理的な理由(証拠の存在を最近知った、相手の主張で初めて必要になった等)を文書で説明する2. 遅れが故意でも重過失でもないこと、出しても審理は遅れないことを主張し、157条の却下要件を満たさないと反論する3. 争点整理や弁論準備手続が終わる前であれば、説明義務(167条)が軽くなるので、可能な限り早い期日で出し切る4. 却下された場合に備え、その証拠が結論を左右する重要性を記録に残し、控訴審での主張余地を確保する
時効(請求できる期限):特定の日数による時効はない。「適切な時期」は審理の進行状況によって相対的に決まる。目安として、争点整理手続(準備的口頭弁論は167条、弁論準備手続は174条)が終了した後に提出すると、なぜそれより前に出せなかったかの説明義務が生じ、説明できなければ却下されうる。起算の基準は「その攻撃防御方法を提出できる状態になった時点」であり、その時点から漫然と遅らせた分が遅延と評価される
学説
通説:156条の適時提出主義は理念規定であり、それ自体に直接の制裁はない。実際の却下は157条が担い、故意・重過失と訴訟遅延の二要件をともに満たす場合に限られる。軽過失や審理を遅らせない遅延提出までは排除されない、とするのが通説的理解。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧法の随時提出主義(弁論終結まで自由に提出可能)を廃し、適時提出主義を新設。訴訟の引き延ばしによる長期化を防ぎ、争点整理と計画的審理を可能にする基礎条文として導入された
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正(平成8年法律第109号)。旧法の随時提出主義を廃し適時提出主義を新設。争点整理と計画的審理を可能にする基礎条文として導入された
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