民事訴訟法 第297条(第一審の訴訟手続の規定の準用)
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前編第一章から第七章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。ただし、第二百六十九条の規定は、この限りでない。
この条文の基本情報
第一審の訴訟手続の規定の準用とは何ですか?
定義第一審の訴訟手続の規定の準用とは、民事訴訟法第297条に定められた規定で、「前編第一章から第七章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。ただし、第二百六十九条の規定は、この限りでない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第297条(第一審の訴訟手続の規定の準用)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第297条の条文原文は「前編第一章から第七章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。ただし、第二百六十九条の規定は、この限りでない。」で始まります。
- 民事訴訟法第297条は第一章 控訴に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第297条の前の条は民事訴訟法第296条です。
- 民事訴訟法第297条の次の条は民事訴訟法第298条です。
- 民事訴訟法第297条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第297条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第297条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/297
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法297条は、控訴審の訴訟手続に第一審の規定を準用すると定める。これにより日本の民事控訴は続審制を採り、控訴審でも新証拠を追加できる。
Q · 一審で負けたら、もう新しい証拠は出せないんですか?
出せます。控訴審は続審なので新証拠を追加できます
出せます。民事訴訟法297条が第一審の手続規定を控訴審に準用するため、日本の民事控訴は続審制を採ります。一審で提出した証拠・主張はそのまま生き続け、その上に控訴審で新しい証拠・証人・主張を積み増しできます。ただし無制限ではなく、準用される157条の『時機に後れた攻撃防御方法』として却下される危険があり、提出のタイミングを誤ると証拠がその場で没収されます。
解説
控訴とは『第一審のやり直し』でも『判決ミスの再点検』でもない。民事訴訟法297条は、第一審の手続規定(訴え、口頭弁論、証拠調べ、判決まで)を、控訴審にそっくり準用すると定める。これが意味するのは、日本の民事控訴が『続審制』だということ。第一審で提出した証拠や主張はそのまま生き続け、その上に控訴審で新しい証拠、新しい証人、新しい主張を積み増しできる。第一審で言い忘れた決定的な事実を、控訴審で初めて持ち出すことすら原則として許される。多くの人は『一審で負けたら証拠は出し尽くした、もう終わり』と思って控訴を諦める。だがこの一文を知る人は、控訴審を『第二の戦場』として設計し直す。ただし無制限ではない。準用される157条の『時機に後れた攻撃防御方法』として却下される危険があり、出すタイミングを誤れば、握っていた武器がその場で没収される。
法的な位置づけ
民事訴訟法297条は控訴審への準用を定める規定であり、特別の定めがある場合を除き、第一審の訴訟手続(前編第一章から第七章まで)を控訴審に準用する旨を規定する。この準用により日本の民事控訴は続審制を採り、第一審の訴訟資料に控訴審の新資料を合算して事件全体を再審理する構造をとる。ただし269条(大規模訴訟の合議体)は準用から除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.控訴期限を最優先でカレンダーに記入 判決送達日を確認し、控訴提起期間2週間(285条の不変期間)を最優先で記入する。1日でも過ぎると判決が確定し、どれだけ強力な新証拠も続審で出す舞台そのものが永久に消える
- 2.一審で出さなかった証拠・証人をリスト化 続審だから追加可能だが、各証拠について『なぜ一審で出さなかったか』の正当理由も同時に整理する。後出しと見られた瞬間に157条準用で証拠が死ぬため、理由の準備が生死を分ける
- 3.控訴理由書を『新証拠の主戦場』として設計 一審判決の批判だけでなく、新証拠と新主張を主戦場に据えて書く。新証拠は控訴理由書の提出と同時か第一回口頭弁論の前に一括提出し、時機後れの却下を避ける
- 4.相手の附帯控訴リスクを試算してから控訴を最終判断 自分が控訴したことで、勝っていた相手が附帯控訴(293条)で逆に上積みを狙う藪蛇リスクを試算する。不利益変更禁止(304条)は自分だけが控訴した場合に限られる点に注意
よくある質問 AI による整理
Q1続審制とは何ですか?
一審の資料に控訴審の新資料を合算し、事件全体をもう一度審理する制度です。日本の民事控訴は297条の準用により続審制を採ります。
Q2控訴審で新しい証人を申請できますか?
原則できます。控訴審は続審なので新証人の取調べを請求できます。ただし『なぜ一審で出さなかったか』を説明できないと157条準用で却下されます。
Q3控訴審はやり直しですか?
やり直し(覆審)ではなく続審です。一審を白紙にせず、一審の上に新証拠・新主張を積み増す構造です。刑事控訴の事後審とも異なります。
Q4民事訴訟法297条の準用とは何を準用するのですか?
前編第一章から第七章までの第一審手続(訴え・口頭弁論・証拠調べ・判決等)を控訴審に準用します。ただし269条は準用から除外されます。
Q5控訴審で却下される証拠とはどんな証拠ですか?
準用される157条の『時機に後れた攻撃防御方法』に当たる証拠です。審理が進んでから小出しにすると後出しと見なされ却下されます。
Q6一審で行った訴訟行為は控訴審でも有効ですか?
有効です。298条により第一審でした訴訟行為は控訴審でも効力を持ちます。続審なので無駄に蒸し返す必要はありません。
Q7控訴審で新たな主張を追加できますか?
続審制なので追加できます。一審で言い忘れた決定的事実も控訴審で初めて持ち出せます。ただし提出時期を誤ると157条準用で却下されます。
Q8297条のただし書(269条除外)とは何ですか?
269条は大規模訴訟の合議体構成に関する規定で、控訴審には準用されません。準用の一般原則に対する例外を定めるただし書です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴審って、新しい証拠を出してもいいんですか?それとも一審の書類だけで判断されるんですか?
出せます。日本の民事控訴は続審制で、297条により第一審の証拠手続が準用されるため、新証拠、新証人、新主張を追加できます。ただし無制限ではなく、準用される157条の『時機に後れた攻撃防御方法』として却下される場合があります。実務のポイント:新証拠は控訴理由書と同時か早期に出し、『一審で出せなかった正当な理由』を添えるのが実務の定石。後出しと見られた瞬間、裁判官の心証も証拠の採否も一気に不利へ傾く
Q2刑事の控訴と民事の控訴って同じですか?
違います。刑事控訴は原則『事後審』で一審判断の当否を審査する建前ですが、民事控訴は『続審制』で、一審の資料に控訴審の新資料を合算し事件全体を審理します(297条)。実務のポイント:この違いを知らずに刑事のイメージで『控訴は再審査だけ』と思い込み、民事控訴で新証拠を準備せず臨むと、出せたはずの逆転材料を自ら捨てることになる
Q3控訴したら、一審よりさらに不利な判決が出ることはありますか?
あなただけが控訴した場合、原則として一審より不利な判決は出ません(不利益変更禁止、304条)。ただし相手も控訴や附帯控訴(293条)をしてくれば別で、双方の不服申立ての範囲で判決が変動します。実務のポイント:附帯控訴は控訴期間後でも出せる。あなたが控訴したことで、勝っていたはずの相手が附帯控訴で逆に上積みを狙う藪蛇のリスクを、控訴前に必ず試算する
間違えやすい点 AI による整理
- 『控訴審は第一審のミスだけを審査する場』と思っている人が多いが、その問いの立て方自体が誤っている。日本の民事控訴は続審制であり、第一審の資料に控訴審の新資料を合算して事件全体をもう一度審理する。審査の対象は『一審判決の当否』だけでなく『事件そのもの』だ
- 『控訴審で新証拠を出せる』ことは何となく知っていても、その自由が準用される157条によって『時機に後れた攻撃防御方法』として一刀両断され得る深刻さを知らない人が多い。出せる、はいつ出してもいい、を意味しない。後出しと見られた瞬間に証拠は死ぬ
- あなたから見れば控訴は『敗者復活戦』だが、裁判所から見れば『第一審の続行』だ。この落差を見誤り、一審でサボった主張を控訴審で初めてぶつけると、反訴のように相手方の同意が要る場面(300条)に阻まれたり、裁判官の心証で不利に作用したりする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 297条:第一審手続を控訴審に準用(続審制の入口) | 298条:第一審でした訴訟行為が控訴審でも有効 296条:控訴審の口頭弁論の範囲 |
| 新証拠・新主張 | 続審なので追加可能(157条準用で時機後れは却下) | 一審の行為は維持され蒸し返し不要 不服申立ての限度で弁論 |
| 審理範囲の変動要因 | 準用の一般原則(269条は除外) | 293条:附帯控訴で範囲拡張 304条:不利益変更禁止で範囲限定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も第二審手続に第一審手続を準用する点で日本と同じ続審的構造をとる。第二審での新証拠提出にも一定の制限がある
韓国も控訴審に第一審手続を準用し続審制をとる。新証拠の提出可能性と適時提出義務の緊張関係も日本に類似
ドイツも控訴審に第一審手続規定を準用するが、2001年改正以降は事後審的要素が強化され、新主張・新証拠の提出は § 529・§ 531で厳格に制限される
米国の上訴は原則として誤審審査であり、新証拠の提出を認めない。続審制をとる大陸法系とは構造が根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一審で証人を呼び忘れて負けた。控訴審で今からその証人を申請できるのか? 答えは原則イエス。控訴審は続審だから新証人の取調べを請求できる。ただし『なぜ一審で出さなかったのか』を説明できないと、準用される157条で却下される
- あなたは一審で勝った。安心していたら相手が控訴し、控訴審で見たこともない新証拠を出してきた。続審制では当然に起こりうる。一審勝訴は確定ではない。控訴審で新証拠に反論する準備を怠れば、足元から逆転される
- 貸金返還訴訟で一審敗訴。続審だから新たな振込明細を追加投入できる。控訴審はゼロからの再戦ではなく、一審の上への積み増しだ
- 判決送達からあと10日で控訴期限。この2週間(285条)を逃すと判決が確定し、どれだけ強力な新証拠を握っていても、続審で出す舞台そのものが永久に消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決送達日を確認し、2週間の控訴期限(285条)をカレンダーに最優先で記入2. 一審で出さなかった証拠と証人をリストアップ、続審だから追加可能だが『なぜ一審で出さなかったか』の正当理由も同時に整理3. 控訴理由書では一審批判だけでなく新証拠の主張を主戦場に据える4. 新証拠は早期に一括提出し、準用される157条の時機後れ却下を避ける5. 相手の附帯控訴(293条)で逆に上積みを狙われる藪蛇リスクを試算してから控訴の是非を最終判断
訴えられた側:1. 相手が控訴したら、続審制ゆえ新証拠が出てくる前提で防御を再構築2. 一審の勝因となった証拠と主張を改めて固め、相手の新証拠への反論を準備3. 相手の控訴範囲が一部に留まるなら、自分も附帯控訴(293条)で上積みを狙えるか検討4. 控訴審は一審の続きなので、一審でした訴訟行為は原則そのまま有効(298条)、無駄に蒸し返さない5. 早期和解の打診は、相手の新証拠の威力を見極めてから判断
時効(請求できる期限):第297条自体に固有の期間はない。ただし続審で新証拠を出す舞台に立つには、まず控訴提起が必要で、控訴は第一審判決の送達を受けた日から2週間の不変期間内(民事訴訟法285条)。この期間を1日でも過ぎると判決が確定し、どれだけ強力な新証拠も提出の機会を永久に失う
学説
通説:297条の準用構造により日本の民事控訴は続審制を採るとするのが確立した解釈。第一審の弁論・証拠資料は当然に控訴審の判断資料となり、当事者は新たな攻撃防御方法を提出できるが、157条の準用による時機後れの却下という歯止めが働く
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正(要検証) 現行民事訴訟法は平成8年法律第109号として全部改正され、本条もこの際に現行の条番号・文言に整理されたと見られる。ただし、ただし書(269条の準用除外)の追加時期および以降の改正履歴は確信が持てないため人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:現行民事訴訟法(平成8年法律第109号)として全部改正され、本条も現行の条番号・文言に整理されたと見られる。ただし書(269条の準用除外)の沿革および以降の改正履歴は人的検証が必要
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