民事訴訟法 第300条(反訴の提起等)
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- 控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。
- 2.相手方が異議を述べないで反訴の本案について弁論をしたときは、反訴の提起に同意したものとみなす。
- 3.前二項の規定は、選定者に係る請求の追加について準用する。
この条文の基本情報
反訴の提起等とは何ですか?
定義反訴の提起等とは、民事訴訟法第300条に定められた規定で、「控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第300条(反訴の提起等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第300条の条文原文は「控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第300条は第一章 控訴に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第300条の前の条は民事訴訟法第299条です。
- 民事訴訟法第300条の次の条は民事訴訟法第301条です。
- 民事訴訟法第300条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第300条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第300条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/300
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法300条は、控訴審での反訴提起に相手方の同意を要すると定める。相手方が異議なく本案について弁論すれば同意が擬制される。審級の利益を守るための規定である。
Q · 控訴審になってから相手が反訴してきたら、ふつうに中身に反論すればいいの?
相手方の同意が要件で、黙って反論すると同意したとみなされます
控訴審での反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り認められます(民訴300条1項)。さらに、相手方が異議を述べずに反訴の本案について弁論をすると、提起に同意したものとみなされます(同条2項、擬制同意)。つまり反訴をぶつけられた側がうっかり中身に反論を始めた瞬間、審級の利益を自ら手放すことになります。中身を争う前に、まず反訴の提起そのものへ異議を述べるか同意するかを決める必要があります。第3項は選定者に係る請求の追加にこれらを準用します。
解説
一審で負けた。控訴して逆転を狙うとき、ついでにこちらからも相手へ請求をぶつけたくなる。それが反訴だ。だが控訴審では、一審のように自由には出せない。本条は「相手方の同意がある場合に限り」反訴を提起できると縛りをかける。理由は相手の審級の利益(その請求について一審から順に審理を受けられる利益)を守るためだ。控訴審でいきなり新しい請求を出されたら、相手は一審での審理機会を一つ飛ばされてしまう。さらに恐ろしいのが第2項。相手が反訴に異議を述べないまま中身(本案)に反論したら、同意したとみなされる。つまり、反訴をぶつけられた側が何も考えず「その請求は理由がない」と反論を始めた瞬間、審級の利益を自ら手放したことになる。順番を間違えると、守れたはずの盾が消える。
法的な位置づけ
民事訴訟法300条は控訴審における反訴の要件を定める規定であり、控訴審での反訴提起には相手方の同意を要すること、および相手方が異議なく反訴の本案について弁論した場合に同意が擬制されることを規定する。第3項は選定者に係る請求の追加にこれらを準用する。第一審の反訴(146条)と異なり、審級の利益保護のため同意要件が加重されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.反訴が届いたら中身より先に「異議か同意か」を決める 控訴審で相手から反訴状が届いたら、本案の中身に反論する前に、提起そのものへ異議を述べるか同意するかを必ず先に決める。順番を逆にすると擬制同意が成立する
- 2.審級の利益を守るなら最初の期日で異議を述べる 審級の利益を守りたい場合、最初の準備書面または口頭弁論期日で、反訴の提起そのものへ明確に異議を述べる。本案について弁論する前であることが要件
- 3.こちらから反訴したいなら書面で同意を求める 控訴審でこちら側が反訴したい場合は、まず反訴状を提出し相手方の同意を求める(300条1項)。争点が現在の事件と密接に重なるタイミングを狙う
- 4.同意が得られない見込みなら別訴へ切り替える 相手の同意が得られそうにない場合、その請求は別訴として一審の管轄裁判所に起こす準備に切り替える。二重対応のコストと時効を踏まえて段取りする
よくある質問 AI による整理
Q1控訴審の反訴とは何ですか?
控訴審で、被控訴人など相手方に対して新たな請求をぶつける反訴のことです。民訴300条により、第一審と違って相手方の同意がなければ提起できません。
Q2反訴に同意しないとどうなりますか?
相手方が同意しなければ控訴審で反訴は提起できず、その請求は別訴として一審の管轄裁判所に起こすしかありません。時間も費用も二重になります。
Q3民事訴訟法300条の擬制同意とは?
相手方が異議を述べずに反訴の本案について弁論すると、提起に同意したものとみなされる制度です(300条2項)。無意識に審級の利益を手放す落とし穴です。
Q4一審の反訴と控訴審の反訴の違いは?
一審の反訴(146条)は関連性などの要件で出せますが、控訴審の反訴(300条)は相手方の同意が加重要件になります。審級の利益を守るためです。
Q5反訴に異議を述べるタイミングはいつですか?
反訴の本案について弁論をする前に述べる必要があります。最初の準備書面・口頭弁論期日が分水嶺で、それを過ぎると同意が擬制されます。
Q6選定当事者でも控訴審の反訴に同意が必要ですか?
必要です。民訴300条3項が選定者に係る請求の追加に1項・2項を準用するため、団体でまとめて戦っていても同意ルールは同じく及びます。
Q7反訴の同意を拒否されたらどうすればいいですか?
その請求を別訴として一審から起こします。争点が密接に重なる場合は『別々に争うコストの無駄』を示して同意を促す交渉も有効です。
Q8審級の利益とは何ですか?
ある請求について第一審から順に審理を受けられる利益のことです。控訴審でいきなり新請求を出されると一審の審理機会が奪われるため、同意要件で保護されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴審になってから反訴したいんですが、相手が同意してくれなかったら無理なんですか?
原則無理です。民訴300条1項で相手方の同意が要件です。同意が得られなければ、その請求は別訴として一審から起こすしかありません。実務のポイント:実務では、相手が別訴の二重対応を嫌って同意することもある。争点が今の事件と密接なら『別々にやる方が双方損だ』と持ちかけると、同意を引き出せる場合がある。
Q2相手が控訴審で反訴してきました。とりあえず中身に反論しておけばいいですよね?
それが最も危険な対応です。民訴300条2項で、異議を述べずに本案について弁論すると同意したとみなされます(擬制同意)。中身に反論する前に、まず反訴の提起そのものへ異議を述べる必要があります。実務のポイント:異議は本案の弁論より前、というタイミングが命。準備書面で先に中身を争ってしまうと、後から『同意していない』と言っても通らない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴審でも一審と同じように反訴は自由に出せる」と思っている人が多いが、控訴審では相手方の同意が要件になる(300条1項)。一審の感覚のまま反訴状を出しても、同意がなければ門前払いになる
- 「同意なんて簡単にはしない」と高をくくっている人ほど危ない。同意するつもりがなくても、異議を述べずに本案へ反論しただけで擬制同意が成立する(300条2項)。同意の重みは知っていても、それがどれほど無意識に成立してしまうかを知らない人が、防げたはずの反訴を背負い込む
- あなたから見れば「反訴の中身に反論しただけ」でも、法律から見れば「反訴の提起に同意した」。この認識の落差が、審級の利益を一つ失わせる。やっていることは反論でも、法的に起きていることは権利放棄だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用審級 | 控訴審(民訴300条) | 第一審(民訴146条) 第一審・控訴審(民訴143条 訴えの変更) |
| 中核要件 | 相手方の同意(異議なき本案弁論で擬制) | 本訴請求等との関連性・著しい遅滞なし 請求の基礎に変更がない・著しい遅滞なし |
| 相手方同意の要否 | 必要(審級の利益保護のため加重) | 不要 不要 |
| 趣旨 | 相手方の審級の利益の保障 | 関連紛争の一回的解決 同一手続での請求調整・紛争解決 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も第二審での反訴提起に他造(相手方)の同意を要件とする点で日本300条と構造が共通する。
韓国も항소심(控訴審)での반소(反訴)に原則として相手方の同意を要する。審級の利益保護の発想が日本と類似する。
ドイツは控訴審での反訴・訴え変更を、相手方の同意または裁判所が事案に資する(sachdienlich)と認める場合に許す。同意を中核に据える点で近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが一審で貸金返還請求に勝ったが、相手が控訴。その控訴審で相手が突然「実はあの取引で損害を受けた、賠償しろ」と反訴をぶつけてきた。ここで黙って「そんな損害はない」と反論を始めたら、あなたは反訴の提起に同意したとみなされる。本来なら同意を拒んで別訴に追い出せたはずの請求を、自分から土俵に上げてしまう
- もし控訴審の途中で、こちら側が新たに気付いた相手の債務を反訴で請求したくなったら、どうなる? 相手が同意しなければ提起できない。同意を断られたら、その請求は別の裁判として一審からやり直すしかなく、時間も費用も二重になる
- 選定当事者の仕組みで複数人がまとめて訴えている事件。控訴審で選定者の一人が新たな請求を追加したい。これも3項で同じ同意ルールに服する。代表訴訟だから自由にできる、というわけではない
- 相手の保険会社が控訴審で反訴を提起してきて、次回期日まであと10日。期日で本案について弁論する前に異議を述べないと、同意したとみなされる。中身の検討より先に「異議を述べるか同意するか」を決めなければ間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 控訴審で反訴したいなら、まず書面で反訴状を提出し相手の同意を求める(300条1項) 2. 同意が得られない見込みなら、その請求は別訴として一審の管轄裁判所に起こす準備へ切り替える3. 争点が現在の控訴審と密接に関連するなら、相手に『別々に争うコストの無駄』を示して同意を促す4. 選定者の請求追加(3項)も同じ同意ルールなので、団体での追加請求も同様に段取りする
訴えられた側:1. 反訴状が届いたら、本案の弁論をする前に、提起そのものへ異議を述べるか同意するかを必ず先に決める2. 審級の利益を守りたいなら、最初の準備書面・口頭弁論期日で明確に異議を述べる3. 異議より先に中身へ反論すると擬制同意(300条2項)が成立し、後戻りできない4. 一回で決着させた方が得な場面もあるので、異議と同意のどちらが有利かを戦略的に判断する
時効(請求できる期限):反訴提起そのものに法定の期間制限はないが、相手方の異議は「反訴の本案について弁論をする」前に述べなければならない(民訴300条2項)。本案の弁論を始めた時点が分水嶺で、それを過ぎると同意したものとみなされる
学説
通説:控訴審での反訴に相手方の同意を要求する300条は、相手方の審級の利益を保護する趣旨に基づく。2項の擬制同意は、異議なく本案に応じた者は審級の利益を放棄したと扱い、手続の安定を確保するものと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の控訴審における反訴の規律を引き継ぎ、条文番号が現行300条に整理された。相手方の同意要件と擬制同意の構造が明文として置かれている。3項(選定者に係る請求の追加への準用)の追加時期を含め、改正経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法の控訴審における反訴の規律を引き継ぎ、相手方の同意要件と擬制同意の構造を現行300条として整理。3項の選定者に係る請求の追加への準用を含め、詳細な改正経緯は人的検証を要する。
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