民事訴訟法 第146条(反訴)
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- 被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
- 一反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するとき。
- 二反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき。
- 2.本訴の係属する裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、反訴の目的である請求が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項第一号の規定は、適用しない。
- 3.日本の裁判所が反訴の目的である請求について管轄権を有しない場合には、被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と密接に関連する請求を目的とする場合に限り、第一項の規定による反訴を提起することができる。ただし、日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により反訴の目的である請求について管轄権を有しないときは、この限りでない。
- 4.反訴については、訴えに関する規定による。
この条文の基本情報
反訴とは何ですか?
定義反訴とは、民事訴訟法第146条に定められた規定で、「被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第146条(反訴)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第146条の条文原文は「被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただ…」で始まります。
- 民事訴訟法第146条は第一章 訴えに置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第146条の前の条は民事訴訟法第145条です。
- 民事訴訟法第146条の次の条は民事訴訟法第147条です。
- 民事訴訟法第146条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第146条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第146条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/146
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法146条は、被告が本訴の請求または防御方法と関連する請求について、口頭弁論の終結まで同じ裁判所に反訴を提起できると定める。専属管轄や著しい遅延の場合は不可。
Q · 訴えられたら、別の裁判を起こさず同じ法廷で相手を訴え返せるの?
できる。本訴と関連する請求なら反訴で訴え返せる
民事訴訟法146条により、被告は本訴の請求または防御方法と関連する請求について、口頭弁論の終結までに本訴の係属する裁判所へ反訴を提起できます。同じ裁判官・同じ期日で審理され、追加手数料は請求額の差額分のみです。ただし反訴の請求が他の裁判所の専属管轄に属するとき、または反訴で著しく訴訟が遅滞するときは提起できません。第一審の口頭弁論終結を過ぎると、控訴審での反訴には相手方の同意が必要になります(同300条)。
解説
貸した金を返せと訴えられた。だがよく思い出せば、相手はあなたから預かった敷金をまだ返していない。普通の発想なら「まず今の裁判で守って、敷金は別に訴える」となる。それは時間も費用も二重にかかる悪手だ。民事訴訟法146条が用意しているのは、同じ裁判の中で相手を逆に訴え返す道、反訴である。本訴の請求や防御方法と関連する請求であれば、口頭弁論が終わるまで、今あなたを裁いている同じ裁判所に反訴を起こせる。同じ裁判官、同じ証拠、追加で払う手数料は請求額の差額分だけ。守る側だったあなたが、その瞬間に攻める側へ回る。ただし条件がある。相手の請求と無関係な話は持ち込めず、反訴で審理が著しく遅れる場合や、その請求が他の裁判所の専属管轄に属する場合は使えない。攻めの一手には、撃てるタイミングと撃てる的がある。
法的な位置づけ
反訴とは、本訴の被告が、本訴の目的である請求または防御の方法と関連する請求について、本訴の係属する裁判所に対し口頭弁論の終結までに提起する訴えをいう。民事訴訟法146条が定め、関連する紛争を同一手続で一回的に解決する訴訟経済の制度として位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.本訴が届いたら相手への請求を棚卸し 訴状を受け取ったら防御の検討と同時に、相手との取引・関係全体を洗い直し、未払い金・損害賠償・債務不存在確認など自分が持つ請求がないかを棚卸しする
- 2.本訴との関連性を構成 棚卸しした請求が、本訴の目的である請求または防御の方法と関連していることを構成する。同じ契約・同じ取引から生じた紛争なら関連性は比較的緩やかに認められる
- 3.口頭弁論の終結前に反訴状を提出 本訴の係属する裁判所に反訴状を提出する。口頭弁論の終結までが提起できる窓であり、第一審で出し損ねると控訴審では相手方の同意が必要になる
- 4.専属管轄・著しい遅延に触れないか確認 反訴の請求が他の裁判所の専属管轄に属さないか、反訴により著しく訴訟手続を遅滞させないかを事前に確認する。該当すると反訴は不適法となる
よくある質問 AI による整理
Q1反訴とは何ですか?
本訴の被告が、本訴と関連する請求を同じ裁判所に提起する訴えです。民事訴訟法146条が根拠で、口頭弁論の終結までに提起する必要があります。
Q2反訴と別訴の違いは何ですか?
反訴は同じ裁判所・同じ期日で進み手数料は差額分のみ。別訴は裁判所も期日も手数料も二重になります。関連請求なら反訴が経済的に有利です。
Q3反訴はいつまでに提起できますか?
本訴の口頭弁論の終結に至るまでです(146条1項)。第一審の終結後は、控訴審での反訴に相手方の同意が必要になります(300条)。
Q4反訴に相手の同意は必要ですか?
第一審では不要です。要件を満たせば被告は単独で提起できます。ただし控訴審で反訴する場合は被控訴人の同意が必要です。
Q5本訴と無関係な請求でも反訴できますか?
できません。146条は本訴の請求または防御方法と関連する請求に限ると定めます。無関係な別件は別訴で起こす必要があります。
Q6反訴の手数料はいくらかかりますか?
反訴請求の額に応じて算定されます。別訴を二件立てるより総コストは抑えられます。最新額は民事訴訟費用等に関する法律をご確認ください。
Q7海外企業に日本で反訴できますか?
146条3項により、日本の裁判所が本来管轄を持たない請求でも、本訴と密接に関連すれば反訴できます。ただし専属管轄の規定に触れる場合は不可です。
Q8離婚訴訟で反訴できますか?
できます。人事訴訟法18条が特則を定め、離婚を求められた配偶者が同じ裁判で逆に離婚や慰謝料を反訴できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1反訴って、本訴と全然関係ない話でも出せるんですか?
出せません。146条は『本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求』に限ると定めています。貸金返還の訴えに対し、同じ取引から生じた損害賠償を反訴するのは通りますが、全く別件の交通事故の賠償は持ち込めません。実務のポイント:関連性は意外と緩やかに認められ、『同じ契約・同じ取引から生じた紛争』ならまず通る。弁護士は本訴が来た瞬間、相手との取引全体を洗い直して反訴のネタを探す。あなたが『これは別件かな』と思った請求も、関連性ありと構成できることは多い
Q2反訴を起こすと、訴訟費用(手数料)はまた一から全額かかるんですか?
いいえ。反訴の申立手数料は反訴請求の額に応じて算定されますが、別訴を二件立てるより総コストは抑えられます。同じ裁判所・同じ期日で進むので、弁護士費用や出廷の負担も二重になりません(最新の手数料額は民事訴訟費用等に関する法律をご確認ください)。実務のポイント:別訴と反訴で迷ったら、ほとんどのケースで反訴が経済的に有利。それでも別訴を勧められたら、管轄や審理遅延以外に合理的な理由があるのか必ず確認する
Q3第一審で反訴を出しそびれた。控訴審でもう一度チャンスはありますか?
あります。ただし控訴審での反訴は、相手方(被控訴人)の同意が必要です(民事訴訟法300条)。相手が同意しなければ、その請求は別訴で起こすしかなくなります。実務のポイント:だからこそ反訴は第一審の口頭弁論終結前に出し切るのが鉄則。『とりあえず守ってから考える』と先延ばしにすると、攻めの一手をまるごと失う。訴えられた段階で、守りと攻めを同時に設計するのがプロの動き方
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴えられたら、相手の主張をどう崩すかの防御に徹するしかない」と思い込んでいる人が多い。だが本訴と関連する請求があれば、同じ裁判の中で逆に相手を訴え返せる。攻守は固定されていない
- 「反訴できるのは知っているが、別訴とどう違うのか」で止まっている人が多い。実際の差は大きい。反訴なら同じ裁判所・同じ期日・手数料は差額分のみ、別訴なら裁判所も期日も手数料も全部二重になる。経済性の差を知らないと、わざわざ高い道を選んでしまう
- 「反訴なら何でも持ち込める」と思い、本訴と無関係な請求まで出そうとする人がいる。だが関連性のない請求は反訴として認められない。問うべきは『出せるか』ではなく『本訴の請求または防御方法と関連しているか』である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の趣旨 | 146条 反訴:被告が本訴と関連する請求を訴え返す | 143条 訴えの変更:原告が請求を変更・追加する 145条 中間確認の訴え:訴訟内で先決的法律関係を確認する |
| 提起できる当事者 | 被告 | 原告 原告・被告の双方 |
| 時的限界 | 口頭弁論の終結まで(控訴審は相手方の同意要) | 口頭弁論の終結まで(著しい遅延がない限り) 口頭弁論の終結まで |
| 対象 | 本訴の請求または防御方法と関連する独立の請求 | 請求の基礎に変更がない範囲の請求 訴訟の進行中に争いとなる先決的法律関係 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も本訴と牽連関係のある請求に限り反訴を認める点で日本と共通。言詞弁論終結前という時的限界も類似する
韓国も本訴の請求または防御方法と関連する請求について反訴を認め、構造は日本とほぼ同一
ドイツは反訴の管轄を § 33で規律し、本訴の対象または防御方法との牽連性を要件とする。日本法の母法に当たる
米国は強制反訴(compulsory counterclaim)と任意反訴(permissive counterclaim)を区別し、同一取引から生じる請求は同一訴訟で提起しないと失権する点が大陸法系と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 貸した金を返せと訴えられた。だが相手はあなたから借りた別の金を返していない。これも訴え返せるのか? 同じ取引や密接に関連する貸借なら、反訴で同じ裁判に乗せられる。別訴より速く、追加手数料も差額分だけで済む
- 売買代金を払えと訴えられたが、納品された商品には欠陥があった。あなたは反訴で損害賠償を請求できる。同じ裁判官が代金請求と損害賠償を並行して判断するので、相殺的な決着や有利な和解に持ち込みやすくなる
- 口頭弁論の終結が次回期日に迫っている。反訴を出すなら、この期日までが勝負だ。それを過ぎたら、控訴審では相手の同意がなければ反訴できなくなる。
- 友人が「取引先から訴えられた、もう守って負けるしかない」と相談してきた。あなたは反訴という選択肢を示せる。相手の請求と関連する未払い分や損害があれば、守りから攻めへ盤面ごと反転できる
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが原告で、被告から反訴を起こされた側の動き方。1. その反訴が本訴と本当に関連しているか確認。無関係なら不適法として却下を求められる2. 反訴によって審理が著しく遅れる、または他の裁判所の専属管轄に属するなら、その点を主張して反訴の却下や移送を促す3. 関連性が認められる反訴なら、別訴に分けるより同じ手続で防御した方が効率的なケースも多い。本訴の取下げで反訴を消せるかは相手の同意次第になるので、安易な取下げは避ける
訴えられた側:あなたが訴えられた被告で、反訴を検討する側の動き方。1. 本訴が届いた段階で、相手との取引・関係全体を洗い直し、関連する請求(未払い金、損害賠償、債務不存在確認など)がないか棚卸しする2. その請求が本訴の請求または防御方法と関連していることを構成する3. 口頭弁論の終結前に反訴状を本訴係属裁判所へ提出。期日を逃さないことが最優先4. 反訴で審理が著しく遅れないか、相手の専属管轄に触れないかを事前に確認する
時効(請求できる期限):反訴は本訴の口頭弁論の終結に至るまで提起できる(民事訴訟法146条1項)。第一審の口頭弁論終結を過ぎると、控訴審での反訴は相手方の同意が必要になる(同300条)。特定の時効ではないが、撃てる窓は審理の進行とともに閉じていく
学説
通説:反訴は本訴との関連性、口頭弁論終結までの時的限界、専属管轄・著しい遅延の除外という要件を満たせば適法であり、関連する紛争を同一手続で一回的に解決する訴訟経済の制度として理解される。関連性は緩やかに解される傾向にある。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法から条文番号が変わり現行146条に。反訴の要件(本訴との関連性、口頭弁論終結まで、専属管轄・著しい遅延の除外)を整理して明文化した
- 平成23年(2011年)国際裁判管轄法制の整備 国際裁判管轄に関する規定の新設に伴い、第3項を追加。日本の裁判所が本来管轄権を持たない請求でも、本訴の請求または防御方法と密接に関連すれば反訴を提起できる旨を定めた(平成24年施行)
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧法から条文番号が現行146条に移行。反訴の要件(本訴との関連性、口頭弁論終結まで、専属管轄・著しい遅延の除外)を整理して明文化
- 2.平成23年(2011年) 改正:国際裁判管轄法制の整備に伴い第3項を追加。日本の裁判所が本来管轄権を持たない請求でも、本訴と密接に関連すれば反訴を提起できる旨を定めた(平成24年施行)
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