民事訴訟法 第147条(裁判上の請求による時効の完成猶予等)
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訴えが提起されたとき、又は第百四十三条第二項(第百四十四条第三項及び第百四十五条第四項において準用する場合を含む。)の書面が裁判所に提出されたときは、その時に時効の完成猶予又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求があったものとする。
この条文の基本情報
裁判上の請求による時効の完成猶予等とは何ですか?
定義裁判上の請求による時効の完成猶予等とは、民事訴訟法第147条に定められた規定で、「訴えが提起されたとき、又は第百四十三条第二項(第百四十四条第三項及び第百四十五条第四項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第147条(裁判上の請求による時効の完成猶予等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第147条の条文原文は「訴えが提起されたとき、又は第百四十三条第二項(第百四十四条第三項及び第百四十五条第四項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 民事訴訟法第147条は第一章 訴えに置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第147条の前の条は民事訴訟法第146条です。
- 民事訴訟法第147条の次の条は民事訴訟法第147条の2です。
- 民事訴訟法第147条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第147条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第147条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/147
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法147条は、訴えの提起時に時効の完成猶予のための裁判上の請求があったものとみなす。基準は送達時ではなく、裁判所への提出時である。
Q · 時効ぎりぎりで訴状を出したけど、相手に届くのは時効完成の後。もう手遅れですか?
手遅れではありません。時効は訴え提起の時点で止まります。
民事訴訟法147条により、訴えを提起した「その時」に、時効の完成猶予に必要な裁判上の請求があったものとみなされます。基準は相手方への送達時ではなく、裁判所へ訴状を提出した時点です。送達が遅れても、相手が受領を拒んでも、所在不明で公示送達に切り替わっても、完成猶予の効力はすでに発生しています。ただし効力は「更新(リセット)」ではなく「完成猶予(一時停止)」であり、訴えを取り下げると終了時から6か月で猶予が切れる点に注意が必要です。
解説
貸した100万円の返済期限から、もうすぐ消滅時効の5年が来る。あなたは焦って訴状を書き、期限ぎりぎりで裁判所に提出した。だが相手に訴状が届くのは数週間後。間に合わなかったのか。いや、間に合っている。民事訴訟法147条は、訴えを提起した「その時」に、時効の完成猶予のために必要な裁判上の請求があったものとみなす。つまり時効を止めるのは、相手があなたの訴えを知った瞬間ではなく、あなたが裁判所の窓口に訴状を差し出した瞬間だ。送達が遅れても、相手が受け取りを拒んでも、あなたの権利は守られている。訴えの変更で新しい請求を追加したとき(143条2項)も、その書面を出した時点で時効が止まる。この一日の差が、数百万円の債権の生死を分ける。
法的な位置づけ
民事訴訟法147条は、裁判上の請求による時効の完成猶予等の効力が生じる時点を定める規定であり、訴えの提起の時、または訴えの変更等に係る書面が裁判所に提出された時を基準時とする。相手方への送達の時点ではなく、裁判所への提出の時点で完成猶予の効力が発生する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.時効完成日を正確に計算する 起算点に時効期間を加えて完成日を特定する。一般債権は権利を行使できると知った時から5年または行使できる時から10年(民法166条)。起算点の認定が曖昧なときは早い方の日付で安全側に逆算する
- 2.催告で6か月の猶予を確保する 完成日が目前なら、まず内容証明郵便による催告(民法150条)で6か月の完成猶予を得る。この間に訴え提起の準備を進める。配達証明付きで送付し、到達日を証拠化する
- 3.最低限の記載で訴えを提起する 完璧な訴状を待たず、当事者・請求の趣旨・請求の原因の最低限を記載して受付印をもらうことを最優先にする。147条の効力は提起の時に生じ、不備は後から補正できる
- 4.受付印のある控えを保管する 提起日の控え(受付印のある副本)を必ず保管する。これが時効を止めた証拠になる。窓口が閉まっていれば夜間受付ポストの利用可否を電話で確認し、その日の日付で受け付けてもらう
よくある質問 AI による整理
Q1時効の完成猶予とは何ですか?
一定事由が生じている間、時効が完成しない仕組みです。訴えの提起や催告で発生し、本来の時効期間が満了しても権利が消えません。更新(リセット)とは区別されます。
Q2訴え提起で時効はいつ止まりますか?
訴状を裁判所に提出した時点で止まります(民訴147条)。相手方への送達日ではないため、送達が遅れても完成猶予の効力は提起の時に発生しています。
Q3時効の完成猶予と更新の違いは何ですか?
完成猶予は時効の進行を一時停止するだけ、更新は経過をゼロにリセットします。訴え提起は猶予を生じ、確定判決が出ると更新に転じます(民法147条)。
Q4催告と訴え提起はどちらが強いですか?
催告(民法150条)は6か月だけ完成を猶予する弱い手段、訴え提起は判決確定まで完成させない強い手段です。催告でつなぎ、その間に訴えるのが定石です。
Q5支払督促でも時効は止まりますか?
止まります。支払督促の申立ても裁判上の請求に準じ、申立て時に完成猶予の効力が生じます。仮執行宣言まで進めば時効は更新されます。
Q6時効完成日はどう計算しますか?
起算点に時効期間を加えます。一般債権は権利行使を知った時から5年、または行使できる時から10年(民法166条)。起算点の特定が計算の鍵です。
Q7訴状が送達されないと時効は止まりませんか?
そんなことはありません。完成猶予は提起時に発生済みで、送達不能で公示送達に切り替わっても効力は維持されます。相手の雲隠れで権利は失われません。
Q8時効を止めた後、また時効は進みますか?
完成猶予中は進みません。ただし訴えを取り下げると終了時から6か月で猶予が切れ、再び進行します。確定判決があれば更新され、改めて10年が起算します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1時効ぎりぎりで訴えたいんですが、裁判所の受付が混んでいて翌日になったら間に合わないですよね?
提出した日が基準なので、その日のうちに受付窓口へ出せば(郵送なら到達した日)、147条で時効は止まります。心配なら完成日の数日前に余裕を持って提出を。実務のポイント:多くの裁判所は執務時間外の夜間受付ポストを設けており、窓口が閉まったあとでもその日付で受け付けられる場合があります。本当にぎりぎりなら、夜間受付の有無を電話で確認する価値があります
Q2訴えを起こしたあとで取り下げたら、止まっていた時効はどうなるんですか?
訴えの取下げや却下で訴訟が終わると、裁判上の請求による完成猶予の効力は失われますが、その終了時から6か月間は時効が完成しない猶予が残ります(民法147条1項括弧書)。実務のポイント:この6か月の安全網を知らずに取下げ直後に放置し、時効を完成させてしまう人がいます。取り下げるなら、その6か月以内に再訴か別の完成猶予措置を必ず打つことです
間違えやすい点 AI による整理
- 時効を止めるには相手に訴状が届かないとダメだと思われているが、民訴147条は「訴え提起の時」に効力が生じると定める。送達はあとからでよく、相手が知らないうちに時効は止まっている
- 「訴えれば時効は止まる」ことは知っていても、その効力が「更新(リセット)」ではなく「完成猶予(一時停止)」にすぎないことを見落としている人が多い。訴えを途中で取り下げると、完成猶予の効力は原則として終了時から6か月で切れる(民法147条1項)。止めたつもりが、放置でまた完成してしまう
- 「訴状をいつ書き上げたか」を気にする人が多いが、法律が見るのは「いつ裁判所に提出したか」だ。あなたの机の上で完成した訴状には何の効力もない。窓口に出して受付印が押された瞬間が、唯一意味を持つ時刻である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効力の種類 | 民訴147条:訴え提起による完成猶予(基準時の固定) | 民法150条:催告による完成猶予 民法147条:確定判決等による更新(リセット) |
| 基準時点 | 訴状を裁判所に提出した時(送達時ではない) | 催告が相手方に到達した時 裁判が確定した時 |
| 効力の長さ | 訴訟係属中は完成しない(判決確定で更新へ転化) | 到達から6か月のみ 更新後、時効期間が新たに進行(判決債権は10年) |
| 失敗・終了時 | 取下げ・却下なら終了時から6か月で猶予が切れる | 6か月内に訴え等をしなければ完成 更新後に再び進行し、放置で再完成 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は起訴を消滅時効の中断事由とする。日本の旧法と同様「中断」概念を用い、現行日本法の『完成猶予/更新』二分法とは構成が異なる。
韓国も재판상 청구を時効中断事由とし、訴え提起時に中断の効力を認める点で日本と類似する。
ドイツは Klageerhebung による時効の『停止(Hemmung)』を定める。提訴により時効進行が停止する構造は日本の完成猶予に近い。
米国では訴訟提起(commencement of action)により時効が tolling される。連邦は提訴日基準だが、州により送達基準を採る場合もあり一様でない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 未払いの売掛金、取引先が「もう時効だ」と開き直ってきた。時効完成まであと5日。今から内容証明を送っても6か月の猶予しか得られないが、訴えを提起すれば判決確定まで時効は完成しない。今日中に訴状を窓口へ出せるかどうかが分水嶺になる
- もし、あなたが訴状を出したのに相手が住所不明で送達できなかったら、時効はどうなる? 答えは「すでに止まっている」。送達ができず公示送達に切り替わっても、完成猶予の効力は訴え提起の時点で生じている。相手が雲隠れしても、あなたの権利は守られる
- あなたが債務者の側で、「もう時効だから払わない」と高をくくっていたら、相手が時効完成日の前日に裁判所へ駆け込んでいた。あなたに訴状が届いたのは完成日の後。それでも時効は完成していない。あなたの時効援用は通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず時効完成日を正確に計算(起算点 + 期間)。一般債権は権利を行使できると知った時から5年または行使できる時から10年(民法166条) 2. 完成日が目前なら、内容証明での催告(6か月の猶予、民法150条)で一旦止めつつ、その間に訴えを提起3. 訴状は完璧でなくてよい、最低限の記載で受付印をもらうことを最優先にし、不備は後で補正4. 提起日の控え(受付印のある副本)を必ず保管、これが時効を止めた証拠になる
訴えられた側:1. 相手の請求に時効の可能性を感じたら、相手がいつ訴えを提起したかを訴訟記録で確認、基準は送達日ではなく提起日2. 提起が時効完成後なら時効援用(民法145条)で対抗できる3. ただし提起が完成日前なら、送達が後でも時効は完成しておらず援用は通らない4. 自分が過去に一部弁済や債務承認をしていないか確認、承認があれば時効は更新されており援用できない(民法152条)
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はなく、保護する対象が時効の完成猶予そのもの。一般債権は権利を行使できると知った時から5年または行使できる時から10年(民法166条)、不法行為は損害と加害者を知った時から3年、人身は5年(民法724条、724条の2)。訴え提起の時が完成猶予の基準時点となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:裁判上の請求による時効の効力は、訴えの提起時に「完成猶予」として生じ、確定判決等により権利が確定した時に「更新」へ転化する。取下げ・却下で終了した場合は更新に至らず、終了時から6か月の完成猶予のみが残る(民法147条1項括弧書)。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から条文構成が刷新され、訴え提起による時効中断等の時的基準を定める規定として現行147条に整理された
- 平成29年(2017年)債権法改正の整備 民法の時効制度改正に合わせ、「時効の中断」という文言が「時効の完成猶予」へと改められ、実体法(民法147条)の新しい完成猶予・更新の枠組みと整合させた
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法から条文構成が刷新され、訴え提起等による時効中断等の時的基準を定める規定として現行147条に整理された。
- 2.平成29年(2017年) 改正:債権法改正に伴う整備により、「時効の中断」の文言が「時効の完成猶予」へ改められ、民法147条の新しい完成猶予・更新の枠組みと整合させた。
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