民事訴訟法 第145条(中間確認の訴え)
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- 裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。ただし、その確認の請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するときは、この限りでない。
- 2.前項の訴訟が係属する裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、前項の確認の請求が同条第一項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。
- 3.日本の裁判所が管轄権の専属に関する規定により第一項の確認の請求について管轄権を有しないときは、当事者は、同項の確認の判決を求めることができない。
- 4.第百四十三条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による請求の拡張について準用する。
この条文の基本情報
中間確認の訴えとは何ですか?
定義中間確認の訴えとは、民事訴訟法第145条に定められた規定で、「裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。ただし、その確…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第145条(中間確認の訴え)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第145条の条文原文は「裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。ただし、その確…」で始まります。
- 民事訴訟法第145条は第一章 訴えに置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第145条の前の条は民事訴訟法第144条です。
- 民事訴訟法第145条の次の条は民事訴訟法第146条です。
- 民事訴訟法第145条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第145条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第145条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/145
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法145条は、訴訟中に争いとなった前提の法律関係について、請求を拡張して確認判決を求める中間確認の訴えを定める。土台にも既判力が及び蒸し返しを防げる。
Q · 裁判に勝っても、その勝因になった所有権や契約の有効性は確定しないって本当ですか?
本当です。前提を確定させるのが中間確認の訴えです
既判力は判決主文にしか生じません(民訴114条1項)。土地明渡しの判決を勝ち取っても、その前提だった「土地はあなたの所有」という判断には既判力がつかず、相手は別訴で蒸し返せます。民事訴訟法145条の中間確認の訴えを使えば、訴訟中に争いとなった前提の法律関係そのものの確認判決を請求でき、土台にも既判力が及びます。事実審の口頭弁論終結前に請求を拡張して提起する必要があります。
解説
裁判で勝った。だがその判決が確定させたのは、判決主文に書かれた結論だけだ(民訴114条1項)。土地の明渡しを命じる判決を勝ち取っても、その前提だった「土地はあなたの所有」という判断には既判力(判決の蒸し返しを封じる効力)がつかない。つまり相手は、別の訴訟で「あの土地は自分のものだ」ともう一度争える。これが多くの人の知らない落とし穴だ。民訴145条の中間確認の訴えは、この穴をふさぐ工具である。訴訟の進行中に、勝敗の土台になっている法律関係(所有権の有無、契約の成立、債権の帰属など)が現実に争いになったとき、あなたは請求を拡張して、その法律関係そのものの確認判決を求められる。そうすれば土台にも既判力が及び、相手は二度と蒸し返せない。一回の訴訟で、争いの根っこごと決着させる手だ。
法的な位置づけ
民事訴訟法145条の中間確認の訴えは、訴訟の進行中に争いとなった前提の法律関係について、当事者が請求を拡張してその成立又は不成立の確認判決を求める制度である。判決理由中の判断にとどまり既判力を生じない前提の法律関係を主文に引き上げ、既判力を及ぼす手段として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.本案の勝敗を左右する前提の法律関係を特定 所有権の有無、契約の成立・有効性、債権の帰属など、本案請求の土台になっている法律関係を洗い出す。主文では確定しないが、争いの根っこになっている法律関係を見極める
- 2.確認の利益(前提が現実に争われているか)を確認 特定した前提の法律関係が訴訟中に現実に争いになっているかを確認する。相手が「契約は無効」「所有者はそちらでない」と踏み込んでいれば確認の利益が認められやすい。争いがなければ提起できない
- 3.専属管轄の制約を確認 確認請求が他の裁判所の専属管轄(特許権等は民訴6条)に属しないか確認する。属する場合は原則提起できない(145条1項ただし書)。日本の裁判所に専属管轄がないときも提起不可(3項)
- 4.事実審の口頭弁論終結前に請求を拡張して提起 訴えの変更の手続(143条2項・3項準用)に従い、書面で請求を拡張して中間確認の訴えを提起する。争点が見えた第一審の早い段階で出すほど、手続遅滞による却下リスクを避けられる
よくある質問 AI による整理
Q1中間確認の訴えとは何ですか?
訴訟中に争いとなった前提の法律関係について、請求を拡張してその確認判決を求める訴えです(民訴145条)。判決理由にとどまる判断を主文に引き上げ、既判力を及ぼせます。
Q2既判力は判決主文と判決理由のどちらに生じますか?
原則として判決主文にのみ生じます(民訴114条1項)。判決理由中の所有権や契約の有無の判断には既判力がつかず、別訴で蒸し返される余地があります。
Q3中間確認の訴えと反訴の違いは何ですか?
中間確認は本案の前提となる法律関係の確認に限られ原告も被告も使えます。反訴(民訴146条)は被告が独立の請求を立てるもので、対象が前提に限定されません。
Q4中間確認の訴えはいつまでに提起できますか?
固有の期限はありませんが、事実審(第一審または控訴審)の口頭弁論終結までに提起する必要があります。遅れて手続を著しく遅滞させると却下されえます。
Q5中間確認の訴えに確認の利益は必要ですか?
必要です。前提の法律関係が訴訟中に現実に争いになっていることが要件で、争いがなければ確認の利益が認められず提起できません。
Q6中間確認の訴えが認められない場合はありますか?
確認請求が他の裁判所の専属管轄に属する場合は原則認められません(145条1項ただし書、合意管轄は除く)。日本の裁判所に専属管轄がない場合も提起できません(3項)。
Q7被告でも中間確認の訴えを起こせますか?
起こせます。被告は原告が主張する法律関係の不存在確認を中間確認で求められ、受け身の防御を確定的な決着に変えられます。
Q8中間確認の訴えに訴え提起の手数料はかかりますか?
請求の拡張として扱われ、確認請求の訴額に応じた手数料が必要です。手続は訴えの変更の規定(143条2項・3項)が準用されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1普通に裁判に勝てば、その理由も含めて全部確定するんじゃないんですか?
いいえ。既判力は判決主文だけに生じます(民訴114条1項)。判決理由で「あなたが所有者だ」と書かれても、それ自体は確定せず、相手は別訴で蒸し返せます。これを防ぐのが中間確認の訴え(145条)です。実務のポイント:弁護士は訴訟の入口で「この事件の土台になる法律関係に既判力を付けておくべきか」を判断します。付けないまま勝った数年後、同じ相手に同じ土地で再び訴えられて初めて、依頼者は穴の存在を知る。最初の設計がすべてです
Q2訴えられた側でも、この中間確認って使えるんですか?
使えます。被告も請求を拡張して、原告が主張する法律関係の不存在確認を求められます。受け身の防御を、確定的な決着に変えられる。実務のポイント:被告側がこれを出すと、原告は「負けたら土台ごと既判力で固定される」というリスクを背負う。これが心理的なてこになり、強気だった原告が和解に応じやすくなる。反訴(146条)と並ぶ、被告の隠れた攻撃カードです
Q3いつまでに出せばいいんですか、期限はあるんですか?
固有の期限はありませんが、事実審の口頭弁論終結までに出す必要があります。遅れて手続を著しく遅滞させると却下されえます(143条4項準用)。実務のポイント:控訴審の結審間際に思いついて出しても、裁判所は嫌がります。土台を確定させたいなら、争点整理が進む第一審の早い時期に決断するのが定石。遅く出すほどカードの威力が落ちます
間違えやすい点 AI による整理
- 「勝訴判決をもらえば、その理由になった事実関係はもう争えない」という前提でいる人が多い。だがその問いの立て方そのものが誤っている。既判力は判決主文にしか生じない(民訴114条1項)。所有権や契約の有無は、どれだけ詳しく判決理由に書かれても確定しない。確定させたければ、自分から中間確認の訴えを起こすしかない
- 中間確認の訴えという制度の存在は知っていても、使わなかったときの代償の深刻さを知らない人が多い。同じ土地、同じ契約をめぐって相手が別訴で蒸し返せば、あなたは証拠集めから弁護士費用から、すべてやり直しになる。一度目に数十万円かけて勝った争いを、二度三度繰り返す羽目になる
- 「中間確認の訴えは原告だけの武器」と思われがちだが、被告も起こせる。被告が原告の主張する法律関係の不存在確認を求めれば、ただの防御が確定的な決着に変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 民訴145条:本案の前提となる法律関係の確認に限定 | 民訴143条:請求そのものの変更(追加・交換) 民訴146条:被告が立てる独立の反対請求 |
| 提起できる当事者 | 原告・被告の双方 | 原則として原告 被告のみ |
| 主な狙い | 前提の法律関係に既判力を及ぼし蒸し返しを封じる | 請求内容を事案に合わせて修正・追加する 被告側から積極的に独立の請求を立てる |
| 時的限界 | 事実審の口頭弁論終結前(手続を著しく遅滞させると却下) | 事実審の口頭弁論終結前 事実審の口頭弁論終結前 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も訴訟係属中に争いとなった前提の法律関係について中間確認の訴え(中間確認之訴)を認める。確認の利益を要する点で日本と共通する
韓国も中間確認の訴え(중간확인의 소)を明文で規定。事実審の口頭弁論終結前に提起し、専属管轄の制約がある点で日本と類似する
本制度の母法。係属中の本案の前提となる法律関係について確認判決を求める Zwischenfeststellungsklage を認め、前提(präjudiziell)であることを要件とする
米国は独立の確認判決訴訟(declaratory judgment)を広く認めるが、ドイツ・日本のような『本案の前提に限る中間確認』という枠組みではなく裁量的に運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、賃料未払いで借家人を訴えている最中に、相手が「そもそも賃貸借契約は無効だ」と言い出したら? 未払い分の請求に勝っても契約の有効性そのものは確定しない。中間確認の訴えで契約の有効を確認しておけば、来月分・再来月分の取り立てで同じ争いを繰り返さずに済む
- あなたが土地の明渡しを求められた被告。原告が主張する所有権そのものに疑いがあるなら、受け身で否認するだけでなく、あなたの側から中間確認の訴えを起こして「原告は所有者ではない」ことの確認を求められる。守りから攻めへ、立場を逆転させる一手
- 貸金返還で訴えている。被告は「その貸金債権はもう第三者に譲渡された」と債権の帰属を争う。債権が誰のものかを中間確認で固めれば、判決後の蒸し返しを断てる
- 中間確認の訴えを出せるのは、原則として事実審(第一審または控訴審)の口頭弁論終結まで。控訴審の結審が近づいているなら、残された時間で土台を確定させるか、それとも別訴で蒸し返されるリスクを抱えたまま終わるか、今週中に弁護士と決める必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 本案の勝敗を左右する「前提の法律関係」を特定する。所有権か、契約の有効性か、債権の帰属か2. その前提が訴訟中に現実に争いになっているか確認、争いがなければ確認の利益が認められず提起できない3. 事実審の口頭弁論終結前に、請求を拡張して中間確認の訴えを提起(143条2項準用の書面で行う)4. その確認請求が他の裁判所の専属管轄に属しないか確認、属するなら原則として出せない(145条1項ただし書、合意管轄は除く)
訴えられた側:1. 原告の請求の土台に疑いがあるなら、受け身で否認するだけでなく、自分から法律関係の不存在確認を中間確認で求められる2. 例えば原告の所有権に疑義があるなら「原告は所有者でない」ことの確認を取りにいき、防御を確定的な決着に変える3. ただし確認請求が特許権等の専属管轄(145条2項、6条1項)に絡む場合は管轄の制約に注意4. 出すタイミングは早いほど良い、遅れて手続を遅滞させると却下リスクが上がる
時効(請求できる期限):中間確認の訴えに固有の出訴期間はないが、事実審(第一審または控訴審)の口頭弁論終結までに提起する必要がある。提起が遅れて訴訟手続を著しく遅滞させる場合は却下されうる(民訴143条4項準用)。確認の利益の有無は口頭弁論終結時を基準に判断される
学説
通説:中間確認の訴えは、既判力が判決主文に限定される原則(114条)の下で、前提の法律関係を審判対象に引き上げて確定する制度であると解する。提起には前提の法律関係が現実に争われている確認の利益が必要であり、原告・被告いずれも提起できる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、旧法下の中間確認の訴えの規律を整理して現行145条に編成。専属管轄に関するただし書・準用規定を含む現在の構成が定められた。
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