民事訴訟法 第269条(大規模訴訟に係る事件における合議体の構成)
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- 地方裁判所においては、前条に規定する事件について、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。
- 2.前項の場合には、判事補は、同時に三人以上合議体に加わり、又は裁判長となることができない。
この条文の基本情報
大規模訴訟に係る事件における合議体の構成とは何ですか?
定義大規模訴訟に係る事件における合議体の構成とは、民事訴訟法第269条に定められた規定で、「地方裁判所においては、前条に規定する事件について、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第269条(大規模訴訟に係る事件における合議体の構成)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第269条の条文原文は「地方裁判所においては、前条に規定する事件について、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第269条は第七章 大規模訴訟等に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第269条の前の条は民事訴訟法第268条です。
- 民事訴訟法第269条の次の条は民事訴訟法第269条の2です。
- 民事訴訟法第269条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第269条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第269条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/269
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法269条は、地方裁判所が大規模訴訟について5人の裁判官の合議体で審理・裁判する旨を、合議体自身の決定で定められると規定する。
Q · 原告が何千人もいる大型訴訟は、何人の裁判官が担当するの?
大規模訴訟では通常の3人でなく5人合議になる場合があります
民事訴訟法269条により、地方裁判所は大規模訴訟(民訴268条)について、5人の裁判官の合議体で審理・裁判する旨を合議体自身が決定できます。ただし当事者が請求すれば必ず5人になるわけではなく、移行は合議体の裁量決定です。また判事補は同時に3人以上加わることも裁判長になることもできず(同条2項)、最も重い事件には経験ある裁判官が厚く配置される仕組みになっています。
解説
民事裁判の判決を下すのは、裁判官1人か3人。多くの人の理解はそこで止まっている。だが日本の地方裁判所には、もう一段上の体制がある。5人の裁判官による合議体だ。それが発動しうるのが、269条の定める大規模訴訟。当事者が著しく多く、尋問すべき証人も著しく多い、社会を揺るがす規模の事件である。水俣病、薬害肝炎、アスベスト、こうした歴史的訴訟がその典型だ。さらにこの条文は、経験の浅い判事補が同時に3人以上加わることも、裁判長になることも禁じている。最も重い事件には、最も経験ある裁判官の目を注ぐという思想だ。あなたがもし数千人規模の集団訴訟に名を連ねたとき、その判決の重みは、法廷に座る裁判官の人数にも静かに刻まれている。
法的な位置づけ
民事訴訟法269条は大規模訴訟の審理体制を定める規定であり、地方裁判所が5人の裁判官による合議体で審理及び裁判をする旨を、その合議体自身の決定によって選択できる旨を規定する。あわせて判事補の人数および裁判長就任を制限し、合議体の構成に経験的厚みを確保する特則として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1五人合議体はどんな事件で使われますか?
水俣病・薬害肝炎・アスベストなど、当事者と証人がともに著しく多数で社会的影響の大きい大規模訴訟が典型です。賠償額だけでなく審理体制にも事件の重みが表れます。
Q2五人合議体への移行は誰が決めるのですか?
合議体自身が裁量で決定します(民訴269条1項)。当事者の申立てで自動的に切り替わる制度ではなく、事件の社会的重大性と争点の複雑さを踏まえて裁判所が判断します。
Q3通常の地方裁判所の合議体は何人ですか?
原則は単独制(1人)または合議制(3人)です(裁判所法26条)。5人合議体は大規模訴訟限定の特則で、いわば第三の審理体制にあたります。
Q4五人合議体への移行はいつまでに求めるべきですか?
争点が膨らむ前の早い段階が効果的です。証拠調べが進んだ後では、新たに加わる裁判官が記録を把握する負担が重く、事実上移行しにくくなります。
Q5五人合議体の判決は通常の判決と効力が違いますか?
法的効力は同じです。人数が多いから判決が強くなるわけではなく、審理の充実と慎重さを確保するための体制であり、社会的な重大性のシグナルとして読み取られます。
Q6当事者は五人合議体を請求できますか?
直接「5人にせよ」と請求する制度はありません。代理人は移行を申し立てるのではなく、事件の社会的重大性と争点の複雑さを主張して合議体の判断を促す形をとります。
Q7五人合議体は控訴審にもありますか?
民訴269条は地方裁判所(第一審)についての規定です。控訴審である高等裁判所の合議体構成は別の規律によります。本条の5人合議は第一審の特則です。
Q8五人合議体の事件はニュースでどう見分けますか?
原告が数千人規模の集団訴訟、公害・薬害など社会的影響の大きい事件が候補です。裁判長の名の後ろにあと四人の陪席裁判官がいる事件、と捉えると理解しやすいです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1原告がたくさんいる訴訟なら、必ず5人の裁判官が担当してくれるんですか?
いいえ、自動ではありません。前提として民事訴訟法268条の大規模訴訟(当事者が著しく多数で、かつ尋問すべき証人等も著しく多数)に当たる必要があり、その上で5人にするかは合議体自身の裁量決定です(269条1項)。実務のポイント:当事者が直接「5人にしろ」と請求する制度ではないので、代理人は申立てではなく、事件の社会的重大性と争点の複雑さを早期に主張して合議体の判断を促す形をとります。タイミングが遅いほど通りにくくなります
Q2判事補って普通の裁判官と違うんですか? なぜ人数制限があるんですか?
判事補は任官10年未満の若手裁判官で、原則として一人では裁判ができません(裁判所法27条)。269条2項は、5人合議体に判事補が同時に3人以上加わること、裁判長になることを禁じています。実務のポイント:これは最も重い事件ほど経験ある裁判官を厚く配置するための品質保証装置です。逆に言えば、5人合議の事件は若手中心では運用できない、司法が最も慎重に扱う領域だと条文の構造が物語っています
間違えやすい点 AI による整理
- 「合議体は3人」と覚えている人は多いが、その知識は半分しか正確ではない。地方裁判所には1人の単独制と3人の合議制に加えて、大規模訴訟限定の5人合議という第三の体制がある。この一段上の存在を知らないと、なぜ特定の事件だけ特別扱いされるのかが見えない
- 「原告がたくさんいれば自動的に5人合議になる」という前提そのものが誤っている。269条が前提とする大規模訴訟は、当事者が著しく多数で、かつ尋問すべき証人または当事者本人も著しく多数である事件(民事訴訟法268条)に限られる。しかも5人にするかどうかは合議体自身の裁量決定であり、当事者が請求すれば必ず通るものではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 裁判官の人数 | 5人の合議体(大規模訴訟の特則) | 原則1人(単独制)または3人(合議制) 5人の合議体(特許権等の訴え) |
| 対象事件 | 当事者・証人がともに著しく多数の大規模訴訟(民訴268条) | 一般の民事事件 特許権・実用新案権等に関する訴え |
| 移行・構成の決定 | 合議体自身の裁量決定 | 事件類型・裁判所の定めによる(法定) 合議体の決定 |
| 判事補の制限 | 同時に3人以上加われず、裁判長にもなれない(2項) | 原則として単独で裁判できない(裁判所法27条) 同種の構成上の制限あり |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の地方法院の合議は裁判官3人制であり、大規模訴訟専用の五人合議に直接対応する制度は存在しない
中国は合議庭を3人以上の奇数で構成し、重大・複雑な事件では5人・7人の拡大合議が認められる点で、事件の重大性に応じた人数増強という発想を共有する
米国は大規模訴訟をパネル人数の拡大ではなく、事件の統合移送(MDL)という別の手法で処理する。同種の課題への異なるアプローチ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが原告3000人の薬害集団訴訟に加わったとしたら、その審理を担当するのは何人の裁判官だと思うだろうか。269条は、当事者と証人がともに著しく多いこうした事件で、通常の3人ではなく5人の合議体に切り替える道を開いている。誰が、何人で裁くのか。それ自体が、事件の社会的重みを映す鏡になる
- 弁護士が大型訴訟の記録を初めて開いたとき、まず確認するのが審理体制だ。5人合議体への移行決定が出ていれば、裁判所がこの事件を社会的重大事案と評価したサインと読む。たった一行の決定が、上級審と世論への強いメッセージになる
学説
通説:民訴269条の五人合議体は、社会的影響の大きい大規模訴訟において審理の充実と判断の慎重さを確保するための制度と理解される。移行を義務でなく合議体の裁量決定とし、対象を268条の大規模訴訟に限定することで、有限の司法資源との均衡を図っていると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法の全部改正に伴い、大規模訴訟の特則として五人合議体に関する規定が整備された。当事者・証人がともに著しく多数の事件に対応する審理体制の選択肢を明文化したもの。
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