民事訴訟法 第157条の2(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)
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第百四十七条の三第三項又は第百五十六条の二(第百七十条第五項において準用する場合を含む。)の規定により特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間が定められている場合において、当事者がその期間の経過後に提出した攻撃又は防御の方法については、これにより審理の計画に従った訴訟手続の進行に著しい支障を生ずるおそれがあると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。ただし、その当事者がその期間内に当該攻撃又は防御の方法を提出することができなかったことについて相当の理由があることを疎明したときは、この限りでない。
この条文の基本情報
審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下とは何ですか?
定義審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下とは、民事訴訟法第157条の2に定められた規定で、「第百四十七条の三第三項又は第百五十六条の二(第百七十条第五項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第157条の2(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第157条の2の条文原文は「第百四十七条の三第三項又は第百五十六条の二(第百七十条第五項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 民事訴訟法第157条の2は第一節 口頭弁論に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第157条の2の前の条は民事訴訟法第157条です。
- 民事訴訟法第157条の2の次の条は民事訴訟法第158条です。
- 民事訴訟法第157条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第157条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第157条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/157_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法157条の2は、審理計画で定めた提出期間を過ぎた攻撃防御方法を、計画進行に著しい支障があるとき裁判所が却下できると定める。相当の理由の疎明があれば却下を免れる。
Q · 審理計画の提出期限を過ぎた証拠は、もう裁判で使えないんですか?
原則却下されうるが、相当の理由を疎明できれば提出できます
民事訴訟法157条の2により、審理計画で定めた提出期間(147条の3第3項・156条の2)を過ぎて出した攻撃防御方法は、計画に従った訴訟進行に著しい支障を生ずるおそれがあるとき、裁判所が申立てまたは職権で却下できます。ただし、ただし書により、期間内に提出できなかった相当の理由を疎明できれば却下されません。通常の時機に後れた却下(157条)と違い、相当の理由を証明する責任が遅れた当事者の側にある点が決定的です。
解説
大型の契約紛争や知財訴訟で、裁判所が「この論点はこの期日までに主張・立証を出してください」と審理計画上の提出期限を設定したとする。その期限を過ぎてから、あなたの会社の海外支社が決定的なメールを見つけた。普通の感覚なら「証拠が出たのだから当然採用される」と思う。ところがこの条文は違う。期限後に出した攻撃防御方法(あなたが主張や証拠を提出する手段のこと)が、計画どおりの審理進行に著しい支障を生じさせると裁判所が判断すれば、相手の申立てにより、あるいは職権で、その主張や証拠を却下できる。しかも通常の「時機に後れた却下」(157条)と決定的に違うのは、立証の重さが逆転している点だ。あなたの側が「期限内に出せなかった相当の理由」を疎明(一応確からしいと裁判官に思わせる程度の説明)できなければ、決定的な一通も法廷の外に置き去りにされる。審理計画の期限は、ただの目安ではなく本物の締切なのだ。
法的な位置づけ
民事訴訟法157条の2は、計画審理における失権的却下を定める規定である。審理計画に基づく提出期間(147条の3第3項・156条の2)の経過後に提出された攻撃防御方法について、計画的な訴訟進行に著しい支障を生ずるおそれがあるときは、裁判所は申立てまたは職権で却下することができる。ただし、相当の理由の疎明があるときはこの限りでない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審理計画の提出期限を期日表で真っ先に確認 弁護士から渡された審理計画の期日表を、論点ごとの「提出期限」という観点で読み直す。各期限が証拠の生死を決める締切だと理解し、収集スケジュールを逆算する
- 2.間に合わないと判明したら期限到来前に提出期間の変更を申し出る 証拠が期限に間に合わないと見たら、期限が来る前に裁判所へ追加調査の必要を申し出て提出期間の変更を求める。後追いの疎明より事前申出のほうが圧倒的に通りやすい
- 3.期限後提出は相当の理由の疎明資料を同時に添付 やむを得ず期限後に提出する場合、提出と同時に「なぜ期間内に出せなかったか」を時系列で示す疎明資料を添付する。あわせて審理計画への支障が小さいことも主張する
- 4.相手の期限後提出には却下の申立てで対抗 相手が期限後にまとめて書面を出してきたら、速やかに却下の申立てを行い、審理計画のどの段取りにどう著しい支障が出るかを具体的に書面化する
よくある質問 AI による整理
Q1計画審理とは何ですか?
複雑な事件で、裁判所と当事者が論点ごとの審理日程・提出期限をあらかじめ計画する手続です。民事訴訟法147条の3が審理計画の策定根拠です。
Q2攻撃防御方法とは何ですか?
当事者が自己の主張を基礎づけ、または相手の主張を排斥するために提出する主張・抗弁・証拠などの訴訟上の手段の総称です。
Q3審理計画はどんな事件で立てられますか?
知財訴訟、大型のシステム開発紛争、医療過誤、建築紛争など、争点が多く審理が長期化しやすい複雑事件で立てられるのが一般的です。
Q4提出期間は誰がどう定めますか?
裁判所が審理計画(147条の3第3項)や提出期間の裁定(156条の2)として、特定の事項ごとに攻撃防御方法を提出すべき期間を定めます。
Q5民事訴訟法156条の2とは何ですか?
裁判所が特定事項について攻撃防御方法を提出すべき期間を定める根拠規定です。157条の2の却下は、この期間の経過を前提とします。
Q6却下の決定に不服がある場合はどうしますか?
却下決定は訴訟指揮に関する裁判で、独立に不服を申し立てることは原則できません。終局判決に対する控訴の中で違法を争うことになります。
Q7相当の理由とは具体的にどんな場合ですか?
証拠が期間経過後に初めて判明した、相手の主張変更で初めて反論が必要になった、鑑定人の都合で結果が遅れたなど、当事者を責められない事情です。
Q8職権で却下されることもありますか?
あります。本条は「申立てにより又は職権で」却下できると定めており、相手の申立てがなくても裁判所が自ら却下を決定できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審理計画の期限を過ぎたら、もうその証拠は絶対に使えないんですか?
絶対ではありません。157条の2ただし書により、期限内に出せなかった相当の理由を疎明できれば、期限後でも提出できます。後から判明した事実や、相手の主張が変わって初めて必要になった反論は救済される余地があります。実務のポイント:裁判官は計画の遅延を嫌いますが、合理的な経緯を早い段階で口頭でも伝えておくと、いざ書面で疎明するときの心証がまるで違ってきます
Q2普通の「時機に後れた却下」(157条)と、これは何が違うんですか?
決定的に違うのは立証責任の向きです。157条は裁判所の側が「当事者の故意または重過失」と「訴訟の遅延」を認定して初めて却下できますが、157条の2では当事者の側が「相当の理由」を疎明できなければ却下されます。実務のポイント:計画審理が敷かれた事件で、ベテラン弁護士が157条より157条の2を警戒するのはこのためです。守りに回る側の負担が一段重い条文だと知っておくべきです
Q3相手がわざと期限ギリギリや期限後に書面を出してきます。対抗できますか?
できます。本条は「申立てにより」却下できると定めているので、あなたから却下の申立てが可能です。鍵は、審理計画のどの段取りにどう著しい支障が出るかを具体的に主張することです。実務のポイント:申立ては早く、かつ具体的に。漠然と「遅い」と言うだけでは弱く、計画上の次回期日が崩れる、争点整理がやり直しになる、といった実害をピンポイントで示すと通りやすくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 期限後でも証拠さえ良ければ採用される、と多くの人が思っている。確かに採用されることもある。だが計画審理では、採否の判断基準が「証拠の価値」から「あなたが相当の理由を疎明できたか」へ移る。良い証拠を持っているだけでは足りず、遅れた経緯の説明責任を果たせるかが分水嶺になる。その重さに気付いていない人が多い
- 「157条と157条の2は似たようなもの」と問いを立てる人がいるが、その問いの立て方自体がずれている。157条は当事者の故意・重過失を裁判所の側が認定する構造、157条の2は当事者が相当の理由を自ら疎明する構造。誰が何を証明するかが正反対で、適用される土俵(計画審理かどうか)も違う。同じ「却下」でも中身は別物だ
- 「却下されたら終わり」と思われがちだが、ただし書で逃げ道が残されている。後から判明した事実、相手の主張が変わって初めて必要になった反論など、正当な遅れは相当の理由として救済される。問題は、その理由をきちんと疎明資料で示せるかどうかにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 157条の2:審理計画で提出期間が定められた計画審理事件 | 157条:計画審理に限らない通常の訴訟一般 156条の2:裁判所が提出期間を定める段階(却下の前提) |
| 立証責任の向き | 当事者が「相当の理由」を疎明できなければ却下 | 裁判所が「故意・重過失」と「訴訟の遅延」を認定して却下 ―(期間を定める規定で却下要件ではない) |
| 却下要件 | 審理計画に従った進行に著しい支障を生ずるおそれ | 当事者の故意または重過失 + 訴訟の遅延 ― |
| 制度趣旨 | 審理計画の実効性確保(計画を絵に描いた餅にしない) | 訴訟遅延の一般的防止 争点ごとの提出期間の明確化 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も適時提出主義を採り、争点整理手続後に提出された攻撃防御方法に失権効を認める。計画的進行を担保する構造が日本と類似する。
韓国は裁定期間(재정기간)経過後の攻撃防御方法を却下でき、実기한(時機に後れた)攻撃防御方法の却下制度も併存する。日本の157条・157条の2の二段構えに近い。
ドイツは遅延した攻撃防御方法を、訴訟遅延を生じさせ当事者に過失があるとき却下できる。集中審理(Konzentrationsmaxime)の思想が日本の計画審理に影響している。
米国はスケジューリング・オーダーで開示期限を定め、期限内に開示しなかった証拠を Rule 37(c)(1) により自動的に排除する。期限管理の厳格さは日本以上とされる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大型のシステム開発紛争で、あなたの会社が発注側。裁判所が審理計画で「契約の解釈に関する主張は次回期日まで」と期限を切った。その後、当時のプロジェクトマネージャーが退職時に保管していた議事録が見つかった。決定的な証拠だが、提出は期限後になる。相当の理由を疎明できなければ、この議事録は審理から締め出される。期限管理を弁護士に丸投げしていたかどうかが、ここで効いてくる
- もし審理計画の提出期限を過ぎてから、相手の主張を根底から覆す鑑定結果が出たとしたら、その鑑定書は法廷に出せるのか。答えは「鑑定が遅れた相当の理由を疎明できれば出せる、できなければ却下される」。鑑定人のスケジュールが詰まっていたという事情を、いつ、どう裁判所に伝えていたかが勝負を分ける
- 相手の代理人が期限後に分厚い準備書面をどっと提出してきた。審理を引き延ばす狙いが透けて見える。あなたは却下の申立てで対抗できる
- 提出期限まであと3日、海外支社からの証拠がまだ届かない。今すぐ動くべきは、期限の延長を裁判所に求めるか、間に合う範囲で出して残りは相当の理由とともに後追いするか、その判断だ。迷っている間に締切は来る
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが重要な主張・証拠を期限後に出さざるを得ない立場の場合。1. 提出と同時に「相当の理由」の疎明資料を添付する。なぜ期限内に出せなかったか(証拠が後で判明した経緯、相手の主張変更で必要になった反論など)を時系列で具体的に示す2. 審理計画への支障が小さいことを併せて主張、次回期日で処理できる範囲だと説明する3. 間に合わないと事前に分かったら、期限到来前に提出期間の変更を申し出る。後追いの疎明より事前申出が安全
訴えられた側:相手が期限後に攻撃防御方法を出してきた場合。1. 却下の申立てを速やかに行う(本条は申立てによる却下を認める) 2. 「審理計画のどの部分に、どう著しい支障が出るか」を抽象論でなく具体的に書面化する3. 相手の疎明が弱い点(期限内に出せたはずだ、という事情)を突く4. 仮に却下されなくても、相手の遅延を心証面で印象づけ、後の訴訟運営で有利な地歩を築く
時効(請求できる期限):特定の消滅時効の問題ではなく、審理計画で定められた提出期間がそのまま期限となる(147条の3、156条の2)。期間経過後の提出には相当の理由の疎明が必要。却下の申立ては、相手の期限後提出を知った後できるだけ速やかに行うのが実務上有利(最新の審理計画の内容をご確認ください)
学説
通説:157条の2は適時提出主義(156条)と計画審理(147条の3・156条の2)の実効性を担保する失権規定であり、157条と違い「相当の理由」の疎明責任が遅延した当事者に課される点に特色があると解される。ただし書による救済の範囲が当事者の手続保障の要となる。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)民事訴訟法改正 計画審理制度の導入に伴い新設。審理計画(147条の3)と提出期間(156条の2)を実効化するため、期間経過後の攻撃防御方法を、相当の理由の疎明がない限り却下できる制裁規定として設けられた
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:計画審理制度の導入に伴い新設。審理計画(147条の3)と提出期間(156条の2)を実効化するため、期間経過後の攻撃防御方法を、相当の理由の疎明がない限り却下できる制裁規定として設けられた。
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