民事訴訟法 第158条(訴状等の陳述の擬制)
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原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。
この条文の基本情報
訴状等の陳述の擬制とは何ですか?
定義訴状等の陳述の擬制とは、民事訴訟法第158条に定められた規定で、「原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第158条(訴状等の陳述の擬制)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第158条の条文原文は「原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事…」で始まります。
- 民事訴訟法第158条は第一節 口頭弁論に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第158条の前の条は民事訴訟法第157条の2です。
- 民事訴訟法第158条の次の条は民事訴訟法第159条です。
- 民事訴訟法第158条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第158条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第158条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/158
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法158条は、最初の口頭弁論期日に欠席しても、提出済みの訴状・答弁書に記載した事項を陳述したものとみなす規定。ただし陳述擬制が働くのは第一回期日に限られる。
Q · 訴状が届いたけど第一回期日に仕事で行けない。欠席したら負けるの?
答弁書を出していれば、第一回は欠席しても陳述擬制が働きます
民事訴訟法158条により、最初の口頭弁論期日に出頭しなくても、期日前に提出した訴状・答弁書・準備書面に記載した事項は「陳述したものとみなす」とされます。つまり答弁書さえ出しておけば、法廷にいなくても言い分は記録に残り、裁判は進みます。ただし陳述擬制が働くのは第一回期日に限られ、二回目以降の欠席は擬制自白(159条3項)になります。また答弁書を出さずに欠席すれば何も陳述しなかったことになり、相手の主張が通りやすくなります。
解説
裁判所から訴状が届いた。第一回の期日は平日の昼、あなたは仕事を休めない。多くの人はここで「行けないなら負ける」と諦める。それが最大の誤解だ。民事訴訟法158条は、原告でも被告でも、最初の口頭弁論期日に出頭しなくても、あらかじめ提出した訴状や答弁書に書いた内容を「陳述したものとみなす」と定める。つまり、答弁書さえ期日前に出しておけば、あなたが法廷にいなくても、あなたの言い分は記録に残り、裁判は進む。ただし注意すべき罠が二つある。第一に、この擬制が効くのは最初の期日だけ。二回目以降に欠席すると、相手の主張を認めたとみなされる擬制自白(159条3項)が待っている。第二に、答弁書を出さずにただ欠席すれば、何も陳述しなかったことになり、相手の言い分が通りやすくなる。出頭しない自由には、書面という前提条件がついている。
法的な位置づけ
民事訴訟法158条は陳述擬制を定める規定であり、当事者が最初にすべき口頭弁論期日に出頭せず、または出頭しても本案の弁論をしないとき、提出済みの訴状・答弁書・その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなす旨を規定する。口頭主義(民訴87条)の例外として、出頭困難な当事者の手続保障と訴訟の進行を両立させる機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訴状と期日呼出状を開封し提出期限を確認 届いた書類のうち「第一回口頭弁論期日呼出状」と答弁書の提出期限を真っ先に確認する。期日に出頭できるか、できない場合に答弁書をいつまでに出すべきかを逆算する
- 2.答弁書を作成(請求の趣旨に対する答弁+認否) 「請求の趣旨に対する答弁」と「請求原因に対する認否」を必ず記載する。認める部分と争う部分を明確に書き分け、空欄や曖昧表現を残さない。間に合わなければ『請求を争う、詳細は追って主張する』の一行答弁でも擬制自白を防げる
- 3.提出期限までに提出し到達を確認 答弁書を郵送・FAX・所定のオンライン方式で提出する。期日ぎりぎりではなく余裕を持って送り、FAX なら送信記録を保管し書記官に到達確認の電話を入れる。届いていなければ陳述擬制が効かない欠席扱いになる
- 4.続行期日への対応を準備 陳述擬制が効くのは第一回期日のみ。続行期日が入ったら出頭または追加の準備書面提出を欠かさない。地裁では二回目以降の欠席は擬制自白の危険があり、簡裁(277条準用)かどうかで戦い方を切り替える
よくある質問 AI による整理
Q1陳述擬制とは何ですか?
当事者が最初の口頭弁論期日に欠席しても、提出済みの訴状・答弁書に書いた内容を陳述したものとみなす制度です。民事訴訟法158条が根拠で、第一回期日に限られます。
Q2答弁書はいつまでに提出すればいいですか?
陳述擬制を得るには第一回口頭弁論期日までに裁判所へ到達している必要があります。実務上は期日呼出状に記載された提出期限(期日の約一週間前など)が起算点です。
Q3第一回口頭弁論期日に欠席するとどうなりますか?
答弁書を出していれば158条の陳述擬制で言い分が記録に残ります。答弁書を出さずに欠席すると擬制自白(159条3項)で相手の主張が通りやすくなります。
Q4擬制自白と陳述擬制の違いは何ですか?
陳述擬制(158条)は提出書面を陳述したとみなす制度、擬制自白(159条3項)は争わなかった事実を認めたとみなす制度です。書面を出したか否かで結末が分かれます。
Q5簡易裁判所の続行期日でも陳述擬制は使えますか?
使えます。簡裁では民訴277条により続行期日にも陳述擬制が準用されるため、二回目以降の欠席でも準備書面で戦えます。地裁にはこの準用がありません。
Q6訴状が届いたら最初に何をすべきですか?
同封の期日呼出状と答弁書の提出期限を真っ先に確認します。出頭できなくても期限までに答弁書を出せば、158条の陳述擬制で言い分を残せます。
Q7答弁書に書き忘れた反論は後から主張できますか?
欠席して陳述擬制に頼る場合、記録に残るのは書面に書いた事項だけです。書いていない反論は続行期日で準備書面を出すまで主張に現れないため、答弁書段階での記載が重要です。
Q8遠方の裁判所に訴えられて出頭できないときはどうすればいいですか?
距離を理由に泣き寝入りする必要はありません。答弁書を郵送または FAX で提出すれば158条の陳述擬制が働き、出頭しなくても言い分を記録に残せます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1答弁書を出さずに第一回期日も欠席したら、どうなりますか?
原告の主張を争わなかったことになり、擬制自白(民訴159条3項)が成立して、ほぼ原告の請求どおりの判決が出ます。158条の陳述擬制は書面を出した人だけを守る制度で、何も出さない欠席は守りません。実務のポイント:答弁書は完璧でなくてよい。まず「請求を争う、詳細は追って主張する」という一行の答弁書(追って主張型)だけでも出しておけば擬制自白を防げる。内容の作り込みは続行期日までに間に合わせればいい
Q2答弁書は FAX で送ってもいいんですか?
FAX での提出は実務上広く認められています(民事訴訟規則による)。ただしメール提出は裁判所の対応状況によるので、原本の郵送や持参を求められる場合もあり、期日呼出状の指示に従ってください(最新の手続 IT 化の状況をご確認ください)。実務のポイント:FAX で答弁書を送ったら、必ず送信記録を保管し、書記官に到達確認の電話を入れる。出したつもりが届いておらず陳述擬制が効かない欠席扱いになる事故が、実は少なくない
Q3二回目の期日も仕事で行けません。一回目と同じで大丈夫ですか?
地方裁判所では大丈夫ではありません。158条の陳述擬制は第一回期日限定で、続行期日の欠席は擬制自白の危険があります。ただし簡易裁判所の事件なら277条で続行期日にも陳述擬制が準用されます。実務のポイント:自分の事件が地裁か簡裁かで戦い方が根本から変わる。訴額140万円以下は原則簡裁。簡裁なら準備書面を出し続けるだけで欠席のまま戦えるが、地裁では二回目以降は出頭か代理人選任を本気で考える
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判を欠席したら自動的に負ける」と思い込んでいる人が多いが、第一回期日に限っては答弁書を出しておけば陳述擬制が働き、欠席しても負けない。負けるのは欠席そのものではなく、書面を出さずに欠席したときだ
- 陳述擬制があることは知っていても、それが「最初の期日だけ」という限定を見落としている人が多い。二回目以降の欠席は擬制自白(159条3項)になり、相手の主張を全部認めたことにされる。一回目の安心が二回目の油断を生み、そこで足をすくわれる
- 「答弁書は形式的な書類だから適当でいい」と考える人がいるが、視点を変えると恐ろしい。あなたが欠席する場合、その答弁書こそが法廷であなたの口の代わりになる。あなたは何も話せず、書面に書いたことだけが陳述として記録される。書いていない反論は、最初から存在しなかったことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効果 | 158条:提出した訴状・答弁書を陳述したものとみなす | 159条3項:欠席により相手の主張を自白したものとみなす 277条:簡裁で続行期日にも158条を準用 |
| 前提条件 | 期日前に書面を提出していること | 書面を出さず争わないこと 簡易裁判所の事件であること |
| 適用される期日 | 最初にすべき口頭弁論期日に限る | 期日一般(第一回・続行期日問わず) 簡裁の続行期日 |
| 当事者への影響 | 欠席しても言い分が記録に残る(守りの制度) | 欠席が不利益に直結(攻めを受ける制度) 簡裁では書面戦のみで継続可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は出頭した一方の申立てにより欠席当事者を相手に弁論・判決できる一造辯論判決制度を採り、書面陳述擬制とは構成が異なるが、欠席への対応という機能は共通する
韓国も提出書面を陳述したものとみなす진술간주を採用し、日本の陳述擬制とほぼ同趣旨の規律を持つ
ドイツは当事者の欠席時に記録に基づく裁判(Entscheidung nach Aktenlage)または欠席判決(Versäumnisurteil)を選択でき、提出書面を基礎に審理を進める点で機能的に近い
米国は応答を怠った当事者に対し欠席判決(default judgment)を認めるが、提出書面を陳述とみなす日本型の擬制とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 貸金返還の訴状が届いた。第一回期日は来週、でも出張と重なって行けない。どうなる? 答弁書を期日前の指定期限までに郵送か FAX で出しておけば、158条で陳述擬制が働き、欠席しても言い分は残る。出さずに休めば、相手の主張がそのまま通る。分かれ目は出席か欠席かではなく、書面を出したか出さないかだ
- あなたが原告で、相手(被告)が答弁書を出して第一回期日を欠席した。あなたは「来なかったから勝ち」と思うが違う。裁判所は被告の答弁書を陳述擬制し、あなたに弁論をさせて、争いは続行期日へ。一回で終わると思っていた手続が、何ヶ月も伸びる
- 簡易裁判所の事件。被告が答弁書だけ出して二回目も欠席。地裁なら擬制自白で危ういが、簡裁は277条で続行期日も陳述擬制が準用される。同じ欠席でも結末が逆になる
- 賃貸の原状回復で大家から訴えられた。第一回期日に仕事で行けないが、答弁書に「通常損耗は借主負担ではない」と書いて提出。158条で陳述擬制が働き、欠席のまま争点を次回へ持ち越せる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴状が届いたら、同封の「第一回口頭弁論期日呼出状」と答弁書の提出期限を真っ先に確認2. 期日に出頭できなくても、期限までに答弁書を提出すれば158条で陳述擬制が働く。認める部分と争う部分を明確に書き分ける3. 答弁書には「請求の趣旨に対する答弁」と「請求原因に対する認否」を必ず記載、空欄や曖昧表現は擬制自白のリスク4. 陳述擬制が効くのは第一回だけ。続行期日が入ったら出頭または追加の準備書面提出を欠かさない(簡裁事件は277条で続行期日も準用される)
訴えられた側:1. 被告が答弁書を出して第一回期日を欠席しても、その場で勝訴判決は出ない。裁判所は答弁書を陳述擬制し、争点整理の続行期日に入る2. 被告が答弁書すら出さず欠席した場合は、擬制自白(159条3項)で早期の勝訴判決が見込める3. 一回結審を狙うなら、訴状の段階で請求原因を立証資料込みで固めておく4. 双方が出頭も弁論もしない欠席が続けば、訴えの取下げ擬制(263条)にも注意し、自分が期日を空転させない
時効(請求できる期限):陳述擬制に固有の時効はないが、答弁書はその効果を得るために第一回口頭弁論期日までに裁判所へ提出されている必要がある(実務上は期日の一週間前など裁判所指定の提出期限あり)。間に合わないと擬制されず、欠席が不利に働く。期日呼出状に記載された提出期限を起算点として逆算する
学説
通説:158条の陳述擬制は口頭主義(民訴87条)の例外であり、出頭困難な当事者の手続保障と訴訟進行の調和を図る規定と解される。陳述擬制は最初にすべき口頭弁論期日に限られ、続行期日には及ばないのが原則だが、簡裁では277条により準用される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から条文を再編し、陳述擬制の規定を現行158条として整理。最初にすべき口頭弁論期日における訴状・答弁書・準備書面の陳述擬制を明文化した
改正の年表
- 1.明治23年(1890年) 新設:ドイツ帝国民事訴訟法を母法とする旧民事訴訟法が制定され、欠席当事者の提出書面を扱う規律が置かれた
- 2.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により条文を再編し、最初にすべき口頭弁論期日における訴状・答弁書・準備書面の陳述擬制を現行158条として明文化した
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