民事訴訟法 第159条(自白の擬制)
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- 当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。
- 2.相手方の主張した事実を知らない旨の陳述をした者は、その事実を争ったものと推定する。
- 3.第一項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
自白の擬制とは何ですか?
定義自白の擬制とは、民事訴訟法第159条に定められた規定で、「当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったもの…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第159条(自白の擬制)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第159条の条文原文は「当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったもの…」で始まります。
- 民事訴訟法第159条は第一節 口頭弁論に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第159条の前の条は民事訴訟法第158条です。
- 民事訴訟法第159条の次の条は民事訴訟法第160条です。
- 民事訴訟法第159条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第159条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第159条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/159
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法159条は、口頭弁論で相手方の主張を争わない事実を自白したとみなす擬制自白を定める。期日に欠席した場合も準用され、答弁書を出さなければ相手の主張が認定される。
Q · 訴状を無視して裁判に行かなかったら、相手の言い分は全部認めたことになるの?
はい、欠席すると相手の主張を認めたとみなされます
民事訴訟法159条により、口頭弁論で相手方の主張した事実を争わないと、その事実を自白したものとみなされます(擬制自白)。3項はこれを期日に出頭しない場合にも準用するため、答弁書を出さず欠席すれば相手の主張する事実が全て「認めた」ものとして扱われ、ほぼそのまま敗訴判決が出ます。ただし公示送達による呼出しを受けた被告には適用されません。防ぐには、答弁書で請求原因事実を一つずつ認否することが必要です。
解説
裁判で相手の言い分に「それは違う」と言わなかったら、それは「その通りです」と認めたのと同じ扱いになる。これが民事訴訟法159条、擬制自白(ぎせいじはく)のルールだ。あなたが知っておくべきは、民事裁判が「沈黙=同意」で動いているという事実である。相手が訴状で「100万円貸した」と主張し、あなたが答弁書でその点に一言も触れなければ、裁判官はその100万円を「争いのない事実」として証拠調べもせず認定できる。さらに恐ろしいのは3項だ。あなたが期日に出頭しないだけで、相手の主張する事実を全部認めたものとみなされる。訴状を「面倒だから」と放置して欠席すれば、相手は証拠が薄くても満額勝訴する。逆に2項を使えば防御になる。身に覚えのない事実に「知りません」と答えれば、それは「争った」と推定される。沈黙は敗北、認否は武器。この一条が、本人訴訟で勝つか負けるかの分水嶺になる。
法的な位置づけ
擬制自白とは、当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合に、その事実を自白したものとみなす制度をいう(民事訴訟法159条1項)。期日への不出頭にも準用され(3項)、相手方の主張した事実を知らない旨の陳述は争ったものと推定される(2項)。弁論主義の帰結として、争いのない事実は証明を要しない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訴状を受け取ったら答弁書の提出期限を真っ先に確認 封筒を開けたら本文より先に、同封の呼出状に記載された答弁書の提出期限と第一回口頭弁論期日を確認する。この二つの日付が擬制自白を防ぐ生命線になる
- 2.請求原因事実を一つずつ個別認否 訴状の『請求の原因』を番号ごとに引き写し、各事実に「認める・否認する・不知」を付ける。「全部争う」の一行で済ませず、触れない事実を作らないことで擬制自白を確実に塞ぐ
- 3.身に覚えのない事実には「不知」を明言 自分が関与していない相手方の内部事情などには黙らず「知りません(不知)」と陳述する。これにより争ったものと推定され(2項)、立証責任を相手方に残せる
- 4.期日に出られなくても答弁書を期限内に提出 第一回期日に出頭できない場合でも、答弁書を期限までに提出すれば陳述擬制(158条)でその内容を陳述したものと扱われ擬制自白を防げる。提出が間に合わない緊急時は裁判所に期日変更を連絡
- 5.反論資料が未収集でも先に否認だけは記載 証拠が手元になくても、まず否認を答弁書に書いて擬制自白を止め、具体的な証拠は後日の準備書面(161条)で補う。書面提出の有無が結果の大半を決める
よくある質問 AI による整理
Q1擬制自白とは何ですか?
民事訴訟法159条1項に基づき、口頭弁論で相手方の主張した事実を争うことを明らかにしないと、その事実を自白したものとみなす制度です。争いのない事実として証拠調べなしに認定されます。
Q2擬制自白と裁判上の自白はどう違いますか?
裁判上の自白(179条)は当事者が積極的に認める陳述、擬制自白は争わない不作為を自白とみなすものです。証明を要しない効果は同じですが、成立する過程が逆になります。
Q3欠席判決が出たら取り消せますか?
判決送達から2週間以内なら控訴で争えます。ただし第一審で成立した擬制自白を覆すのは困難で、控訴審で新たな主張立証が制限される場合もあるため、早期の対応が重要です。
Q4認否の「否認」と「不知」はどう使い分けますか?
自分が関与した事実で内容が違うものは「否認」、自分が関与していない相手方の内部事情などは「不知」を使います。不知の陳述は争ったものと推定されます(159条2項)。
Q5陳述擬制とは何ですか?
民事訴訟法158条の制度で、答弁書を提出していれば第一回期日に欠席してもその内容を陳述したものとみなされます。これにより擬制自白を防げます。
Q6公示送達でも擬制自白は成立しますか?
成立しません。159条3項但書により、公示送達による呼出しを受けた当事者が欠席しても擬制自白は適用されません。相手の所在不明時の防御規定です。
Q7擬制自白はいつ成立しますか?
口頭弁論で相手方の主張を争わないと明らかにしたとき、または答弁書を出さず期日に欠席したときに成立します。各期日ごとに争わなかった事実について積み上がります。
Q8支払督促を放置するとどうなりますか?
2週間以内に督促異議を出さないと仮執行宣言が付き、強制執行に進みます。159条の「無視=不利益確定」と同じ構造で、日本の民事手続は放置した側が負ける設計です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訴状が来たけど、無視してたらどうなるんですか?
答弁書も出さず期日にも出頭しなければ、相手の主張した事実を全部認めたとみなされ(159条3項)、ほぼそのまま相手勝訴の判決が出ます。証拠が薄い相手でも、あなたの欠席だけで勝ててしまう。実務のポイント:欠席判決が確定しても、控訴期間(判決送達から2週間)内なら控訴で争える余地が残ります。ただし第一審で擬制自白が成立した事実をひっくり返すのは至難。最初の答弁書を出すかどうかが、結果の8割を決めると弁護士は分かっているが、無視する被告にわざわざ忠告はしてくれない
Q2答弁書に「請求を争う」って一行書けば、それで守れますか?
不十分なことがあります。相手の主張する事実を個別に認否しないと、触れなかった事実が擬制自白として固まる可能性が残るからです(159条1項)。請求原因の各事実を「認める・否認する・不知」と分けて書くのが安全です。実務のポイント:実務では訴状の『請求の原因』を番号ごとに引き写し、それぞれに認否を付ける形式が定着しています。本人訴訟でこの個別認否ができていると、相手方代理人は『この被告は分かっている』と判断し、強気の主張を控える。書式の精度そのものが交渉力になる
Q3知らない事実を聞かれたら、何て答えるのが正解ですか?
「知りません」と陳述すれば、その事実を争ったものと推定されます(159条2項)。沈黙すると1項で認めたとみなされかねないので、黙るのではなく『不知』と明言するのが防御になります。実務のポイント:『否認』は『その事実は違う』、『不知』は『知らないから相手に証明させる』という意味で、効果が微妙に違う。自分が関与していない事実(相手の内部事情など)は『不知』、自分が関与した事実で内容が違うものは『否認』と使い分けるのが実務の作法。ここを取り違えると、立証責任の所在がずれる
Q4離婚裁判で相手が全部認めたら、すぐ離婚成立しますか?
人事訴訟(離婚・認知・嫡出否認など)では擬制自白の規定が適用されません(人事訴訟法19条1項が民訴159条1項を除外)。当事者が認めても裁判所が職権で事実を調べます。実務のポイント:身分関係は当事者の合意だけで動かせないという建前があるため、人事訴訟は通常の民事と別ルールで動く。『相手が認めたから勝ち』が通じないのはここ。逆に言えば、相手が口裏を合わせて虚偽の離婚原因を作ろうとしても、裁判所の職権調査で崩れる。協議離婚と裁判離婚の壁はここにある
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判に出なければ判決も出ないだろう」と思っている人が多いが、これは前提から間違っている。欠席は審理を止めるどころか、相手の主張を全部認めたとみなして相手を勝たせる方向に働く(3項)。出ない=中立、ではなく、出ない=敗北だ
- 「答弁書に『争う』と書けば守れる」と知っている人でも、その一行で全部守れると誤解している。相手の主張する事実を一つずつ認否しないと、触れなかった個別の事実が擬制自白として固まりうる。守りの精度が足りないと、争ったつもりの点が認定で抜け落ちる
- 「相手が認めれば必ず勝てる」と思いがちだが、離婚・認知・嫡出否認などの人事訴訟では、この擬制自白のルールが適用されない(人事訴訟法19条)。相手が認めても裁判所が職権で真実を調べる。あなたから見れば「相手が認めた=決着」だが、法律から見れば「身分関係は当事者の自白で動かせない」。この落差を知らないと、家事の裁判で足元をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 成立のしかた | 159条 擬制自白:争わない不作為を自白とみなす | 179条 裁判上の自白:当事者が積極的に認める陳述 158条 陳述擬制:答弁書提出者の欠席を陳述とみなす |
| 証明との関係 | 争いのない事実として証拠調べ不要 | 自白した事実は証明を要しない(179条) 答弁書記載内容で争点が形成され証明対象が画定 |
| 欠席時の効果 | 答弁書なしで欠席すれば全面的に擬制自白(3項) | 欠席そのものを自白とはしない 答弁書ありで欠席なら擬制自白を回避できる |
| 例外・防御 | 公示送達による呼出しでは不適用、人事訴訟でも除外 | 錯誤・反真実の場合は撤回可 答弁書を期限内に提出することが前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
当事者が言詞弁論で他造の主張事実を争わなければ自認とみなす点で日本159条と同型。日本同様、知らない旨の陳述による例外も置かれる。
韓国も争わない事実を自백간주とし、不出頭への準用を定める。日本法を経由して継受した構造で内容はほぼ一致する。
明示的に争われない事実は自白したものとみなされる(als zugestanden)。日本159条の母法的位置にあり、欠席は別途 § 331の欠席判決が規律する。
応答訴答が必要な主張で否認しなかったものは自白とみなす。損害額に関する主張は例外。擬制自白の機能は共通だが訴答(pleading)段階で完結する点が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 通販の代金を請求する訴状が届いた。「買ったのは事実だが金額が違う」と思いつつ、面倒で答弁書を出さず第一回期日も欠席。それだけで相手が主張する金額が全部「認めた」ことになり、満額の支払判決が出る。あと答弁書提出期限まで10日、ここで動かなければ証拠を出す機会すら来ない
- もし訴状の「貸金100万円、利息年15%」という主張に対し、答弁書で「全部争う」とだけ書いて個別の認否を書かなかったら? 触れていない事実が擬制自白と扱われるリスクが残る。請求原因の事実を一つずつ「認める・否認する・不知」と書き分ける意味がここにある
- 身に覚えのない事実に「知りません」と陳述した。これは争ったものと推定される(2項)。黙っているのとは法的に正反対の効果を生む、立派な防御の一手だ
- あなたが貸した金を取り戻す訴訟で、被告が一度も出頭してこない。公示送達による呼出しでなければ、被告は擬制自白で全面敗訴になる。あなたの手元の証拠が完璧でなくても、相手の欠席そのものが勝因になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが原告で、被告が答弁書も出さず期日にも来ないなら、それは追い風だ。公示送達による呼出しでないことだけ確認する(公示送達だと3項の擬制自白は働かない) 2. 訴状の請求原因事実を整理し、擬制自白で固まる事実と、それでも証拠が要る事実(損害額など)を分けて準備3. 第一回期日で被告欠席なら、裁判所に弁論終結と判決を求める。多くは即日結審し、後日判決4. 判決確定後、相手の財産(給与・預金・不動産)に強制執行をかける段取りを並行で進める
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、何を措いても答弁書の提出期限を確認する。ここが第一の生命線2. 請求原因事実を一つずつ「認める・否認する・不知」と個別認否する。「全部争う」だけで終わらせない3. 期日に出頭できない日でも、答弁書を期限までに出せば陳述擬制(158条)で争った扱いになる。提出が間に合わない緊急時は期日変更を裁判所に連絡4. 身に覚えのない事実には「不知」(2項)を使い、争ったものと推定させる5. 反論の根拠資料が手元になくても、まず否認だけは答弁書に書いて擬制自白を止め、証拠は後の準備書面で補う
時効(請求できる期限):答弁書の提出期限は訴状とともに送られる呼出状に記載され、通常は第一回口頭弁論期日の1週間前程度。この期限と第一回期日の二つを過ぎると擬制自白のリスクが現実化する。特定の消滅時効の問題ではなく、各期日ごとに「争わなければ認めたとみなされる」効果が積み上がる手続的タイムリミットである(最新の運用は受訴裁判所の呼出状をご確認ください)
学説
通説:159条の擬制自白は弁論主義の帰結であり、当事者が争わない事実は裁判所の真実発見の対象外となる。ただし無知・手続不慣れの当事者保護のため、1項但書(弁論の全趣旨)と2項(不知の推定)が安全弁として機能すると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の擬制自白規定(旧257条)を引き継ぎつつ条文番号を現行159条へ整理。1項の擬制自白、2項の不知の陳述による争った推定、3項の欠席への準用と公示送達の例外という現行の三層構造に整備した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法の擬制自白規定を引き継ぎつつ条文番号を現行159条へ整理し、1項の擬制自白、2項の不知の陳述による争った推定、3項の不出頭への準用と公示送達の例外という三層構造に整備した。
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