民事訴訟法 第160条(口頭弁論に係る電子調書の作成等)
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- 裁判所書記官は、口頭弁論について、期日ごとに、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をするためにこの法律その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。)を作成しなければならない。
- 2.裁判所書記官は、前項の規定により電子調書を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。
- 3.前項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に当事者その他の関係人が異議を述べたときは、最高裁判所規則で定めるところにより、その異議があった旨を明らかにする措置を講じなければならない。
- 4.口頭弁論の方式に関する規定の遵守は、第二項の規定によりファイルに記録された電子調書によってのみ証明することができる。ただし、当該電子調書が滅失したときは、この限りでない。
この条文の基本情報
口頭弁論に係る電子調書の作成等とは何ですか?
定義口頭弁論に係る電子調書の作成等とは、民事訴訟法第160条に定められた規定で、「裁判所書記官は、口頭弁論について、期日ごとに、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をする…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第160条(口頭弁論に係る電子調書の作成等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第160条の条文原文は「裁判所書記官は、口頭弁論について、期日ごとに、最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日又は期日外における手続の方式、内容及び経過等の記録及び公証をする…」で始まります。
- 民事訴訟法第160条は第一節 口頭弁論に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第160条の前の条は民事訴訟法第159条です。
- 民事訴訟法第160条の次の条は民事訴訟法第160条の2です。
- 民事訴訟法第160条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第160条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第160条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/160
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法160条は、書記官が期日ごとに口頭弁論調書を作成する義務を定める。口頭弁論の方式の遵守は調書によってのみ証明でき、調書に記載のない手続違反は立証できない。
Q · 法廷で手続が飛ばされたと感じたら、後でそれを証明できるの?
調書に記載がなければ手続違反は証明できません
民事訴訟法160条により、口頭弁論の方式に関する規定の遵守は「調書によってのみ証明することができる」(3項)。つまり手続がきちんと踏まれたかは書記官の調書だけが証拠になり、当事者の記憶や録音は使えません(調書が滅失した場合を除く)。ただし2項により、その場で異議を述べれば調書にその旨が記載され、後の上訴で手続違反を主張する根拠が残ります。閉廷前に声を上げるかどうかが、証拠の有無を分けます。
解説
法廷で裁判官が手続を飛ばした、あなたの発言が無視された。そう感じても、後でそれを証明する手段は実は一つしかない。それが調書だ。民事訴訟法160条は、裁判所書記官が口頭弁論の期日ごとに調書を作ることを義務付け、さらに3項で決定的なことを定める。口頭弁論の方式、つまり手続がきちんと踏まれたかは「調書によってのみ証明できる」。逆に言えば、調書に書かれていない手続違反は、いくらあなたが本当だと叫んでも、法的には証明できない。書かれたものが、あなたの記憶を上書きする。だからこそ2項が効いてくる。あなたがその場で異議を述べれば、その旨が必ず調書に記載される。声を上げるか黙るか、その一瞬の選択が、後の上訴であなたの武器が残るかどうかを決める。
法的な位置づけ
民事訴訟法160条は口頭弁論調書に関する規定であり、裁判所書記官に期日ごとの調書作成を義務付ける。同条3項は口頭弁論の方式に関する規定の遵守を調書によってのみ証明できると定め、調書に排他的証明力を付与する。当事者その他の関係人の異議は2項により調書に記載される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.法廷で手続に違和感を覚えたら、その場で異議を述べる 手続が飛ばされた、発言が無視されたと感じた瞬間に、閉廷前に口頭で異議を述べる。これにより160条2項で調書にその旨が記載され、後の上訴の武器が残る。閉廷後では遅い
- 2.期日後すみやかに訴訟記録を閲覧する 期日が終わったら速やかに訴訟記録の閲覧・謄写を請求し(民訴91条)、自分の異議や手続の経過が正しく調書に記載されているか確認する。記憶が新しいうちに動くのが鉄則
- 3.記載漏れ・誤りは書記官に訂正を申し立てる 調書の記載が事実と違う、または異議の記載が漏れている場合、書記官に訂正を申し立てる。時間が経つほど通りにくくなるため、期日直後に動く
- 4.応じない場合は書記官の処分に対する異議を出す 書記官が訂正に応じない場合は、書記官の処分に対する異議(民訴121条)を申し立て、裁判所の判断を仰ぐ
- 5.手続違反を控訴・上告で主張する 手続違反が判決に影響する場合、調書の記載を根拠に控訴・上告で主張する。口頭弁論の公開規定違反などは絶対的上告理由(民訴312条)になりうる。控訴期間は判決書送達から2週間
よくある質問 AI による整理
Q1口頭弁論調書とは何ですか?
裁判所書記官が口頭弁論の期日ごとに作成する公的記録です。誰が出席し、どの手続が行われたかを記載し、後の手続違反の有無を判断する唯一の証拠になります(民訴160条1項)。
Q2調書の証明力とは何ですか?
口頭弁論の方式に関する規定が守られたかは調書によってのみ証明できる、という排他的証明力です(民訴160条3項)。調書と現実が食い違っても、原則として調書が優先します。
Q3録音は手続違反の証拠になりますか?
口頭弁論の方式の遵守については使えません。3項が証明手段を調書に限定しているためです。録音や自分のメモでは、手続が飛ばされたことを法的に証明できません(調書滅失時を除く)。
Q4調書に異議を述べるとどうなりますか?
その旨が必ず調書に記載されます(民訴160条2項)。記載が残ることで、後の控訴・上告で手続違反を主張する土台ができます。異議を述べないと記録に何も残りません。
Q5調書が滅失したらどうなりますか?
3項但書により排他的証明力は及ばず、他の証拠でも手続を証明できます。火災・紛失など例外的な場合に限られ、通常は調書が唯一の証明手段です。
Q6手続違反を上訴で主張するには何が必要ですか?
原則として第一審の調書に手続違反や異議の記載があることが必要です。記載がなければ3項により証明不能となり、上告理由(民訴312条)として立証できません。
Q7本人訴訟でも調書は重要ですか?
むしろ本人訴訟こそ重要です。弁護士が当然行う『その場の異議』を知らないと、調書の沈黙によって手続違反の主張ができなくなります。期日後の記録閲覧も有効な自衛策です。
Q8電子調書とは何ですか?
令和4年の IT 化改正により、民事訴訟手続のデジタル化に伴って調書を電子的に作成・管理する整備が段階的に進んでいます。証明機能そのものは従来の調書と同じ枠組みで考えられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調書って、後から自分で見せてもらえるんですか?
見られます。当事者と利害関係人は訴訟記録の閲覧・謄写を請求できます(民訴91条)。調書もその一部です。実務のポイント:当事者の大半は自分の事件の調書を一度も読みません。だが弁護士は、次回期日の前に前回調書を確認し、記載漏れや手続の経過をチェックします。記載が事実と違えば早めに訂正を求められる。閲覧するだけで、相手より一歩先に立てる
Q2調書に書かれている内容が間違っていたら、直してもらえますか?
直せます。調書の記載に異議があれば、その旨を調書に記載させることができ(160条2項)、記載自体の訂正も書記官に申し立てられます。応じなければ書記官の処分に対する異議(民訴121条)で裁判所の判断を仰げます。実務のポイント:訂正は時間が経つほど通りにくくなります。期日直後、記憶が新しく他の関係者も確認できるうちに動くのが鉄則。数か月後に「あれは違った」と言っても、もう覆せないことが多い
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「法廷で確かにそう言った」だが、法律から見れば「調書に記載がなければ言っていない」。この落差が、上訴の場であなたの手続違反の主張を空振りさせる
- 調書に異議を述べられること自体は知っていても、その異議が記載されなければ上訴の根拠が丸ごと消えるという深刻さまでは、多くの当事者が気付いていない。知識の有無ではなく、重大さの実感が抜けている
- 「録音しておけば証拠になる」と考える人は多いが、口頭弁論の方式が守られたかの証明については録音は使えない。3項が証明手段を調書に限定している(調書が滅失した場合を除く)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の機能 | 160条:調書の作成義務・異議の記載・方式遵守の排他的証明力 | 91条:訴訟記録の閲覧・謄写(調書を確認する権利) 121条:書記官の処分に対する異議(記載への不服申立て) |
| 当事者ができること | 期日内に異議を述べて調書に記載させる(2項) | 記録の閲覧・謄写を請求し内容を確認する 書記官の処分・拒否に対し裁判所の判断を求める |
| 効果が及ぶ範囲 | 口頭弁論の『方式の遵守』の証明(発言内容の真偽には及ばない) | 記録の内容確認・証拠保全の前提 調書記載の是正・救済 |
| タイミング | 原則として当該期日内(閉廷前の異議) | 随時(係属中・確定後一定範囲) 処分を知った後すみやかに |
他国ではどう定めているか 4 か国
「關於言詞辯論所定程式之遵守,專以筆錄證之」と規定し、日本160条3項とほぼ同一の排他的証明力を定める。継受関係が明確に表れる条文
変論方式に関する規定の遵守は調書によってのみ証明できると定め、日本法と同型。植民期の日本法継受の名残が手続法にも見られる
「弁論について定められた方式の遵守は調書によってのみ証明できる」と規定する祖型。日本・台湾・韓国の関連条文の源流にあたる
court reporter による公式記録(official transcript)を定めるが、排他的証明力という大陸法型の技術ではなく、記録作成と認証の枠組みで運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし第一審で、相手方の準備書面がまだ陳述されていないのに証拠調べが進められたとしたら、あなたはそれをどう証明する? 答えは調書だけだ。あなたの記憶も、こっそり録ったメモも、口頭弁論の方式違反の証明には使えない(3項)。閉廷前に異議を述べ、調書に記載させなければ、その違反は最初から無かったことになる
- あなたが弁護士を付けず本人で訴訟をしている。裁判官が早口で手続を進め、何かおかしいと感じたが、その場では何も言えなかった。後日、判決に不服で控訴したくても、手続違反を裏付ける調書の記載がない。沈黙が、証拠そのものを消した
- 次回期日まであと数日。前回の調書を閲覧したら、あなたが述べたはずの異議が記載されていない。書記官に訂正を求める時間はもうわずかしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 法廷で手続に違和感を覚えたら、その場で口頭で異議を述べる。これで160条2項により調書に記載される2. 期日後は速やかに訴訟記録を閲覧(民訴91条)し、自分の異議や手続の経過が正しく記載されているか確認3. 記載漏れや誤りがあれば書記官に訂正を申し立て、応じない場合は書記官の処分に対する異議(民訴121条) 4. 手続違反が判決に影響するなら、控訴・上告で調書を根拠に主張する
訴えられた側:1. 相手が後から『手続が違法だった』と主張してきても、調書に記載がなければ160条3項により証明不能、慌てず調書を確認2. 自分に有利な手続経過は、その場で異議や陳述をして調書に残しておく3. 調書の証明力は方式の遵守に及ぶが、発言内容そのものの真偽には及ばないことを理解し、争点を切り分ける4. 調書が滅失した例外的場合(3項但書)は他の証拠も使えるため、記録の保全状況も確認する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。ただし口頭弁論の方式への異議は当該期日内に述べて調書に記載させること、これを逃すと証明手段が消える。書記官の処分に対する異議は民訴121条、控訴期間は判決書送達から2週間(民訴285条)
学説
通説:160条3項の排他的証明力は、口頭弁論の『方式の遵守』という形式的事項に限って調書に絶対的な証明力を認める趣旨であり、当事者の発言内容そのものの真偽には及ばない。手続の経過を早期に確定し訴訟の安定を図る制度的技術と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法から条文を整理し、現行160条として口頭弁論調書の作成義務、異議の記載、方式遵守の排他的証明力を明文化した
- 令和4年(2022年)IT 化改正(法律第48号) 民事訴訟手続のデジタル化に伴い、調書を電子調書とする整備が段階的に施行されている。本文掲載の文言は改正前の版にあたる可能性があり、最新の改正状況をご確認ください
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法の規定を整理し、現行160条として調書の作成義務、異議の記載、方式遵守の排他的証明力(但書の調書滅失例外を含む)を明文化した
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化改正(法律第48号)に伴い、調書を電子的に作成・管理する整備が段階的に施行されている。掲載文言は改正前の版にあたる可能性があり、最新の改正状況の確認を要する
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