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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第179条(証明することを要しない事実)

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裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。

この条文の基本情報

証明することを要しない事実とは何ですか?

定義証明することを要しない事実とは、民事訴訟法第179条に定められた規定で、「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第179条(証明することを要しない事実)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第179条の条文原文は「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第179条は第一節 総則に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第179条の前の条は民事訴訟法第178条です。
  7. 民事訴訟法第179条の次の条は民事訴訟法第180条です。
  8. 民事訴訟法第179条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第179条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第179条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/179

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法179条は、当事者が自白した事実と顕著な事実は証明を要しないと定める。裁判上の自白が成立すると裁判所は拘束され、原則として撤回できない。

Q · 裁判で一度『認めます』と言った事実は、もう証明しなくていいの?

はい。証明不要になり、原則として撤回もできません

民事訴訟法179条により、当事者が自白した事実(裁判上の自白)と顕著な事実は証明を要しません。裁判上の自白が成立すると裁判所はその事実に拘束され、原則として撤回できません。撤回が認められるのは、相手方の同意がある場合、刑事上罰すべき他人の行為による場合、自白が真実に反しかつ錯誤に基づくことを自分で立証できた場合の三つだけです。準備書面や法廷での『認める』の一語が、証拠調べを経ずに勝敗を決めることがあります。

解説

民事裁判では、争いのある事実を主張する側が証拠で証明しなければならない。だが二つだけ、その証明がいらない事実がある。一つは相手も認めた事実、もう一つは誰でも知っている事実だ。この『相手も認めた』が曲者である。あなたが法廷や準備書面で『はい、その通りです』と一度認めてしまうと、それは裁判上の自白となり、裁判官はもうあなたに不利なその事実を動かせなくなる。たとえ後から『あれは事実と違った』と気付いても、原則として撤回できない。証明することを要しない、という一見やさしい条文の裏に、一度口にした言葉が証拠調べもなしに敗訴の決め手へ変わる仕組みが隠れている。相手の主張に対して安易に『認めます』と書くか『争います』と書くか、その一語の選択が、証人尋問にすら進まずに勝敗を決めることがある。

法的な位置づけ

民事訴訟法179条は不要証事実を定める規定であり、裁判所において当事者が自白した事実(裁判上の自白)及び顕著な事実(公知の事実・裁判所に職務上顕著な事実)については証明を要しないものとする。弁論主義の下、当事者間に争いのない事実をそのまま判決の基礎とする原則を画する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.相手の主張を一項目ずつ『認める・否認・不知』に仕分け 訴状や準備書面の主張を主要事実ごとに分解し、争う実益があるかを見極めてから認否を決める。面倒だからと『認める』を機械的に並べると、本来争えた事実まで証明不要で確定する
  2. 2.不利な事実・不確かな事実は安易に認めない 自分に不利な事実は撤回困難な自白になる。少しでも疑義があれば『否認』または『不知』を選ぶ。誠実さのつもりの『認める』が、争う機会の自発的放棄として記録される点に注意する
  3. 3.答弁書を提出期限内に必ず出す 相手の主張を明確に争わず第一回期日を欠席すると、擬制自白(民訴159条3項)が成立し全面敗訴の判決が出る。身に覚えがなくても無視せず、答弁書で『争う』姿勢を記録に残す
  4. 4.既に自白した場合、撤回三要件を検討 相手方の同意、刑事上罰すべき他人の行為、または自白が真実に反しかつ錯誤に基づくことの立証、のいずれかを満たせるか弁護士と検討する。事実審の口頭弁論終結時までに行う必要がある

よくある質問 AI による整理

Q1裁判上の自白とは何ですか?

口頭弁論または弁論準備手続で、相手方の主張する自己に不利な事実を認める旨の陳述です。成立すると証明不要となり、裁判所も当事者も原則として拘束されます(民訴179条)。

Q2証明することを要しない事実とは?

裁判上の自白が成立した事実と、顕著な事実(公知の事実・裁判所に職務上顕著な事実)の二つです。これらは証拠を出さずに判決の前提にできます。

Q3裁判上の自白と裁判外の自白の違いは?

裁判上の自白は法廷・準備書面での陳述で拘束力があり撤回も制限されます。裁判外の自白は単なる証拠の一つにすぎず、自由に争え証明力も裁判官の判断に委ねられます。

Q4認否で『不知』と答えるとどうなりますか?

知らないと述べた事実は争ったものと推定されます(民訴159条2項)。安易に『認める』とせず、確信のない事実は『不知』としておくと立証責任を相手に残せます。

Q5自白が成立するのはどの書面ですか?

答弁書・準備書面の認否欄や、口頭弁論・弁論準備期日での陳述です。準備書面に『認める』と記載し陳述すれば裁判上の自白が成立します(民訴161条)。

Q6顕著な事実と公知の事実の違いは?

公知の事実は誰もが知る事実(大災害の発生日など)。顕著な事実はこれに加え、裁判所が職務上当然に知る事実(自庁の別判決の存在など)も含む広い概念です。

Q7自白は判決にどのくらい影響しますか?

自白された主要事実は争点から外れ、証拠調べなしで判決の基礎になります。残るのは自白されていない事実だけとなり、勝敗の土俵そのものが縮小します。

Q8間接事実を認めても自白になりますか?

原則なりません。拘束力ある裁判上の自白は主要事実についてのみ成立し、間接事実・補助事実の自認には拘束力が及ばないとするのが通説です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判で一度『認めます』と言ったら、もう絶対に取り消せないんですか?

原則として撤回できませんが、例外が三つあります。相手方が撤回に同意した場合、自白が他人の詐欺・脅迫など刑事上罰すべき行為でなされた場合、そして自白が真実に反しかつ錯誤に基づくと自分で立証できた場合です(判例の確立した三要件)。実務のポイント: 実務で一番使えるのは三つ目だが、『真実に反する』証拠と『勘違いだった』ことの両方を立証せねばならず、ハードルは高い。だから弁護士は最初の認否で『安易に認めない』を鉄則にする。認めるより争う方が、後で身動きが取れる

Q2答弁書を出さずに放っておいたら、どうなりますか?

相手の主張を争わないまま第一回期日に欠席すると、擬制自白(民事訴訟法159条3項)が成立し、相手の主張をすべて認めたものと扱われ、そのまま敗訴判決が出ることがあります。実務のポイント: 『訴状が来たけど身に覚えがないから無視した』が一番危ない。無視は全面自白とみなされ、争えば勝てたはずの事件で欠席判決を食らう。訴状が届いたら、内容に納得いかなくても必ず答弁書を出して『争う』姿勢を記録に残す

Q3『顕著な事実』って具体的に何のことですか?

誰でも知っている公知の事実(大地震が起きた日付、著名な歴史的事件など)と、裁判所がその職務上当然に知っている事実(同じ裁判所が出した別の判決の存在など)の二つです。これらは証拠を出さなくても裁判の前提にできます。実務のポイント: 何が『公知』かは時代と地域で変わる曖昧な概念で、争いになることがある。相手が『これは公知の事実だ』と証明を省こうとしたら、『その地域・その時点で本当に周知だったか』を突けば、証明の負担を相手へ戻せる場合がある

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば『正直に事実を認めた』だけだが、裁判所から見れば『証明を要しない事実が確定した』ことになる。誠実さのつもりが、争う機会の自発的な放棄として記録される。この落差に気付かず自白して敗れる本人訴訟は珍しくない
  • 『認めた事実でも、後で証拠が出れば覆せる』と思いがちだが、裁判上の自白の撤回は厳しく制限される。相手が撤回に同意するか、自白が真実に反しかつ錯誤に基づくことを自分で立証できない限り、覆らない(判例の確立した撤回三要件)
  • 『黙っていれば認めたことにはならない』と思っている人は、擬制自白(民事訴訟法159条)の怖さを知らない。相手の主張を明確に争わなければ、沈黙や曖昧な応答が『認めた』と扱われる。何も言わないことが、最大の自白になりうる
比較の観点この条文ほかの条文
規律する場面民訴179条:明示的に認めた自白・顕著な事実は証明不要民訴159条:争わない事実を認めたと擬制(擬制自白)
民訴247条:証拠の評価を裁判官の自由心証に委ねる
当事者の行為積極的に『認める』と陳述する明確に争わない・沈黙・欠席
証拠を提出し心証形成を争う
裁判所への効果事実に拘束され証拠調べ不要自白したものとみなされ拘束
拘束されず自由に評価(179条が例外を画す)
覆せる手段撤回三要件(同意・刑事行為・反真実かつ錯誤)期日に出頭し明確に争えば回避
反証提出で心証を覆す

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第279条・第278条

台湾も当事者の自認(自白)と顕著事実を不要証事実とする。自認の撤回制限も日本と同様に厳格

韓国
대한민국 민사소송법 제288조

韓国も裁判上の自白と顕著な事実を証明不要とし、自白の撤回を真実に反しかつ錯誤に基づく場合等に限る点で日本と類似

ドイツ
ZPO § 288・§ 291

ドイツでは裁判上の自白(gerichtliches Geständnis)と明白な事実(offenkundige Tatsachen)が証明不要。日本法の母法であり構造が共通

アメリカ
Federal Rules of Evidence Rule 201・judicial admissions

米国では judicial admission が拘束力を持ち、judicial notice により公知の事実は証明不要。陪審制を前提とする点で運用が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 相手の準備書面に『被告は令和5年4月に借金を返済すると約束した』とあり、あなたが認否で『認める』と書いてしまったら、どうなる? その約束の有無はもう争点から外れ、あとは返したか返していないかだけの勝負になる。約束そのものを後から否定するのは、ほぼ不可能になる
  • あなたが原告で貸金の返還を求めている。被告が答弁書で『借りたことは認めるが、もう返した』と書いた。この瞬間、貸した事実は自白で確定し、あなたは貸した証明から解放される。あとは被告が返済の証拠を出せるかどうか、立証の重荷は全部相手に移る
  • 本人訴訟で出廷したあなたは、裁判官に『この点はお認めになりますか』と聞かれ、つい『はい』と答えた。その一言が調書に残る。次回期日で取り消そうとしても、もう遅い
  • 答弁書の提出期限まであと3日。相手の主張16項目に一つずつ『認める・否認する・知らない』を書き分けねばならない。ここで面倒だからと安易に『認める』を並べると、本来争えた事実まで証明不要で確定する

取るべき行動

被害を受けた側:1. 主張する事実を、相手が認めそうなものと争いそうなものに分けて戦略を立てる。相手が認めれば証明不要となり、その分の証拠準備を省ける2. 相手の認否書面が届いたら、どの事実が自白で確定したかを真っ先にチェックし、確定した事実は二度と争点に戻さない3. 自分の準備書面では不利な事実をうっかり認めない、不確かなものは安易に認めず『不知』と書く

訴えられた側:1. 答弁書・準備書面の認否は一項目ずつ慎重に。安易な『認める』は撤回困難な自白になる、少しでも疑義があれば『否認』または『不知』にする2. 既に自白した事実は、相手の同意・真実に反し錯誤に基づくことの立証・相手の刑事上罰すべき行為、いずれかの撤回要件を満たせるか弁護士と検討3. 第一回期日を欠席しない、擬制自白による全面敗訴を避ける

時効(請求できる期限):自白の撤回に固有の出訴期間はないが、事実審の口頭弁論終結時までに行う必要がある。それを過ぎると撤回の機会自体が消える。擬制自白を避けるための答弁書提出は、裁判所が指定する提出期限(通常は第一回期日の1週間前など)が起算点となる

学説

通説(弁論主義説):179条の自白の拘束力は弁論主義の第二テーゼに基づき、当事者の処分権と自己責任の尊重に制度趣旨が求められる。拘束力ある裁判上の自白は主要事実についてのみ成立し、間接事実・補助事実の自認には原則として拘束力が及ばないとするのが通説である。

改正沿革 AI による整理

  • 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法第257条を現代語(口語体)に改め、現行179条へ移動した。証明することを要しない事実(裁判上の自白・顕著な事実)の規律自体は旧法から実質変更なく維持された

改正の年表

  1. 1.明治23年(1890年) 新設:旧民事訴訟法制定。ドイツ ZPO を範として弁論主義と不要証事実(裁判上の自白・顕著な事実)の規律を導入
  2. 2.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧民事訴訟法257条を現代語(口語体)に改め現行179条へ移動。証明することを要しない事実の規律自体は旧法から実質変更なく維持された

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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