民事訴訟法 第161条(準備書面)
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- 口頭弁論は、書面で準備しなければならない。
- 2.準備書面には、次に掲げる事項を記載する。
- 一攻撃又は防御の方法
- 二相手方の請求及び攻撃又は防御の方法に対する陳述
- 3.相手方が在廷していない口頭弁論においては、次の各号のいずれかに該当する準備書面に記載した事実でなければ、主張することができない。
- 一相手方に送達された準備書面
- 二相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出された場合における当該準備書面
- 三相手方が第九十一条の二第一項の規定により準備書面の閲覧をし、又は同条第二項の規定により準備書面の複写をした場合における当該準備書面
この条文の基本情報
準備書面とは何ですか?
定義準備書面とは、民事訴訟法第161条に定められた規定で、「口頭弁論は、書面で準備しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第161条(準備書面)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第161条の条文原文は「口頭弁論は、書面で準備しなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第161条は第二節 準備書面等に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第161条の前の条は民事訴訟法第160条の2です。
- 民事訴訟法第161条の次の条は民事訴訟法第162条です。
- 民事訴訟法第161条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第161条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第161条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/161
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法161条は口頭弁論を書面で準備する義務を定める。相手方が欠席した期日では、事前に送達した準備書面に記載した事実しか主張できない(同条3項)。
Q · 法廷で口頭で言えば、準備書面に書いていない主張も通りますか?
口頭で言えば足りるわけではなく、紙に書いて送達するのが本体です
民事訴訟法161条1項は口頭弁論を書面で準備することを義務づけます。とりわけ3項では、相手方が在廷しない期日において、事前に相手方へ送達された準備書面に記載した事実でなければ主張できません。口頭でその場で足した新事実は調書に載らず、判決の基礎になりません。準備書面は法廷の事前メモではなく、主張できる範囲そのものを画定する設計図です。本人訴訟では、勝てる事実を期限内に紙に落とし送達まで完了させる段取りが勝敗を分けます。
解説
口頭弁論という名前から、法廷では口で何でも自由に主張できると思われがちだ。だが民事訴訟法161条はその常識を裏切る。第1項は「口頭弁論は、書面で準備しなければならない」と命じる。つまり主張の本体は、あなたが事前に提出する準備書面という紙の上にある。法廷での発言は、その紙をなぞる確認作業にすぎない。本当の急所は第3項だ。相手が法廷に来ていない期日では、あなたは事前に相手へ送達された準備書面に書いた事実しか主張できない。口頭で思いついた新しい有利な事実を、その場で足しても、法的にはなかったことになる。本人訴訟であなたが「言えば伝わる」と思って準備書面を軽視すると、相手の欠席という絶好の場面で、書いていない主張が全部空振りする。あなたが握るべきは、勝てる事実を全部、期限内に紙に落として送達まで完了させる段取りだ。法廷の口は、紙の写しでしかない。
法的な位置づけ
準備書面とは、口頭弁論で主張する攻撃防御方法および相手方の主張に対する陳述を、期日前に裁判所へ提出する書面をいう。民事訴訟法161条は口頭弁論を書面で準備する義務を定め、相手方が在廷しない期日においては、送達済みの準備書面に記載した事実に限り主張を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.主張したい事実をすべて洗い出す 法廷で口頭補足すればいいという前提を捨て、主張したい事実を漏れなく洗い出して準備書面に文章化する。各事実に対応する証拠(書証番号)も紐づける
- 2.相当期間前に提出する 提出は口頭弁論期日の相当期間前に行う(民訴162条)。直前提出は時機に後れた攻撃防御方法として却下される余地がある(157条)。相手が再反論できる時間を残す
- 3.相手方への送達完了を確認する 相手が在廷しない期日で事実を主張するには、その準備書面が事前に相手へ送達済みであることが絶対条件(161条3項)。書記官に送達状況を確認する
- 4.相手の準備書面に認否で応答する 相手の準備書面を受け取ったら、各主張事実を認める・否認する・不知で一つずつ整理し、自分の準備書面で応答する。沈黙は自白擬制(159条)を招く
- 5.欠席が予想される期日でも最終確認 相手の欠席を好機と油断せず、その期日までに主張したい事実が全部送達済みの準備書面に載っているか最終確認する。書き漏らした事実は次回期日まで持ち越しになる
よくある質問 AI による整理
Q1準備書面とは何ですか?
口頭弁論で主張する攻撃防御方法や相手方の主張への陳述を、期日前に提出する書面です。民事訴訟法161条が根拠で、口頭弁論は書面で準備する義務があります。
Q2準備書面はいつまでに提出すればいいですか?
口頭弁論期日の相当期間前に提出する必要があります(民訴162条)。直前提出は時機に後れた攻撃防御方法として却下される余地があります(157条)。
Q3相手が欠席した期日では何でも主張できますか?
できません。相手が在廷しない期日では、事前に送達した準備書面に記載した事実しか主張できません(161条3項)。口頭で足した新事実は無効です。
Q4準備書面に対する認否を怠るとどうなりますか?
争わない事実は自白したものとみなされる余地があります(159条 自白擬制)。相手の主張は一つずつ認める・否認する・不知で応答すべきです。
Q5期日に出席できないときはどうすればいいですか?
提出済み準備書面の陳述擬制(158条)が使える場合があります。出席できなくても、書面に書いた主張が陳述したものと扱われる制度です。
Q6口頭で述べた主張だけで足りますか?
相手在廷時は整理されにくく、相手欠席時は161条3項で完全に封じられます。新たな主張は必ず準備書面に明記し送達まで済ませる必要があります。
Q7準備書面の記載事項は決まっていますか?
攻撃防御方法、相手方の請求や攻撃防御方法に対する陳述を記載します(161条2項)。記載方式の詳細は民事訴訟規則79条が定めます。
Q8本人訴訟でも準備書面は必要ですか?
必要です。本人訴訟で勝てる事案が落ちる主因の一つが準備書面の不備です。証拠が裏づける事実を正確に紙へ書き起こすことが勝敗を分けます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1準備書面って、結局ただの事前提出メモですよね。法廷で言えば同じでは?
違います。161条1項は口頭弁論を書面で準備する義務を定め、3項は相手が欠席した期日では事前に送達した準備書面に書いた事実しか主張できないと定めます。つまり書いていない主張は、相手不在の場面で完全に封じられる。実務のポイント:実務では準備書面の記載が主張の範囲そのものになり、法廷での口頭発言は「準備書面のとおり陳述します」の一言で終わることが多い。弁護士が紙にこだわるのは、紙に書いた事実だけが判決の基礎になると知っているからです
Q2相手が裁判に来なければ、こっちの言い分は全部通るんじゃないんですか?
通るのは、事前に相手へ送達した準備書面に記載した事実だけです(161条3項)。口頭でその場で足した新しい事実は、相手が反論する機会を奪うため主張できません。実務のポイント:相手の欠席を有利と感じても、準備書面に書き漏らした決定的事実はその期日では主張できず、次回期日まで持ち越しになる。欠席を待つより、主張したい事実を全部送達済みの準備書面に載せておく段取りが先。これを知らない本人訴訟当事者が、好機を取りこぼします
間違えやすい点 AI による整理
- 「準備書面はただの事前メモで、本番は法廷での発言だ」と思っている人が多いが、前提から間違っている。161条1項は口頭弁論を書面で準備することを義務づけ、3項は相手不在の期日で主張できる事実を準備書面の記載に限定する。法廷の口頭発言は紙の確認にすぎず、紙に書いていない主張は宙に消える
- 「相手が欠席すれば、こちらの言い分が全部通る」という理解は、161条3項の存在を知らないがゆえの誤解だ。欠席は確かに有利だが、有利になるのは事前に送達した準備書面に書いた事実だけ。準備書面の出来が悪ければ、欠席という好機をそのまま取りこぼす。欠席を待つより、紙を完璧にする方が先だ
- 準備書面さえ提出すれば安心、と考える人は提出の「時期」の重みを見落としている。期日直前に出した準備書面は、相手に反論の機会を与えないとして時機に後れた攻撃防御方法(157条)で却下されうる。出した事実と、却下されずに採用される事実は別物だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 161条:口頭弁論を書面で準備する義務と相手不在期日の主張制限 | 158条:出頭しない当事者の準備書面の陳述擬制 162条:準備書面等の提出期間 |
| 効果が及ぶ場面 | 相手方が在廷しない期日での主張可能範囲を画定 | 当事者本人が欠席した期日で書面を陳述扱い 提出が遅れた場合の却下判断の前提 |
| 怠った場合のリスク | 書かない事実は欠席期日で主張できず宙に消える | 陳述擬制が使えず期日が空転する 時機に後れた攻撃防御方法として却下(157条) |
| 本人訴訟での要点 | 勝てる事実を期限内に紙へ落とし送達まで完了させる | 欠席時に備え主張を書面化しておく 締切から逆算して早期に提出する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も準備書狀の事前提出を定め、相当時期前の提出を求める点で日本と同じ系譜。記載事項も類似する
韓国も準備書面(준비서면)の提出義務を定める。日本法を継受した経緯があり構造が近い
ドイツは準備書面制度の源流。口頭弁論を書面で準備する構造が日本法に継受された
米国は pleadings(訴答)と pretrial brief を区別。日本の準備書面に最も近いのは争点を事前に書面化する pretrial の運用
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし相手方が第二回期日に欠席したら、あなたは何でも主張し放題になると思っていないか。実際は逆だ。事前に相手へ送達した準備書面に記載した事実しか主張できない(161条3項)。書いていない決定的な事実をその場で口頭で足しても、調書には載らず、判決の基礎にならない。相手の欠席は好機どころか、準備不足の側には落とし穴になる
- 被告のあなたが反論の準備書面を期日の前日に提出した。原告は当日まで内容を知らない。裁判所は「相手の準備が間に合わない」として、その準備書面に基づく主張を時機に後れた攻撃防御方法(157条)として却下する余地が出る。準備書面は出せばいいのではなく、相手が読んで反論できる時間を残して送ることに意味がある
- 本人訴訟で、あなたは法廷で熱く語れば裁判官に伝わると信じている。だが準備書面に書いていない主張は、相手が在廷していても整理されず、相手が欠席していれば161条3項で完全に封じられる。口頭の熱量はゼロカウント、紙に書いた事実だけが勝負を決める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 主張したい事実を漏れなく洗い出し、すべて準備書面に文章化する。法廷で口頭補足すればいい、という前提を捨てる2. 提出は期日の相当期間前に行い、相手方への送達が完了しているかを書記官に確認する。相手不在の期日で主張するには送達済みが絶対条件(161条3項) 3. 各事実に対応する証拠を準備書面内で引用し、書証番号と紐づける4. 相手の欠席が予想される期日でも油断せず、その期日までに主張したい事実が全部送達済みの準備書面に載っているか最終確認する
訴えられた側:1. 相手の準備書面を受け取ったら、各主張事実を認否(認める・否認する・不知)で一つずつ整理し、自分の準備書面で応答する(161条2項2号)。沈黙は自白の擬制(159条)を招く2. 反論は期日直前ではなく、相手が再反論できる時間を残して提出する。直前提出は時機に後れた攻撃防御方法(157条)として却下されうる3. 期日に出席できないときは、提出済み準備書面の陳述擬制(158条)が使えるか書記官に確認する4. 新たな抗弁は必ず準備書面に明記、口頭だけで足さない
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。手続上の期限として、準備書面は口頭弁論期日の相当期間前に提出する必要があり(162条)、相手方が在廷しない期日で事実を主張するには、その準備書面が事前に相手へ送達済みであることが要件となる(161条3項)。期限を過ぎた主張は時機に後れた攻撃防御方法として却下される場合がある(157条)
学説
通説:161条1項の書面準備義務と3項の主張制限は、口頭主義・直接主義を建前としつつ、書面による準備で争点を整理し相手方の防御権を保障する装置と解される。準備書面の記載が事実上の主張範囲を画定する。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法から条文番号・体系が再編され、現行161条として準備書面の義務と相手不在期日での主張制限が整理された。近年の IT 化改正(令和4年法律第48号)による準備書面の電子化・オンライン提出に関する条文変動の有無は人的検証を要する
改正の年表
- 1.明治23年(1890年) 新設:旧民事訴訟法がドイツ ZPO を継受し、口頭弁論の書面準備の枠組みを導入
- 2.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により条文体系が再編され、現行161条として準備書面の義務と相手不在期日での主張制限が整理された
- 3.令和4年(2022年) 改正:IT 化改正(令和4年法律第48号)。準備書面の電子提出・オンライン化に関連する手続が整備された。本条への影響の細部は人的検証を要する
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