民事訴訟法 第107条(書留郵便等に付する送達)
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- 前条の規定により送達をすることができない場合(第百九条の二の規定により送達をすることができる場合を除く。)には、裁判所書記官は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場所に宛てて、書類を書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして最高裁判所規則で定めるもの(次項及び第三項において「書留郵便等」という。)に付して発送することができる。
- 一第百三条の規定による送達をすべき場合同条第一項に定める場所
- 二第百四条第二項の規定による送達をすべき場合同項の場所
- 三第百四条第三項の規定による送達をすべき場合同項の場所(その場所が就業場所である場合にあっては、訴訟記録に表れたその者の住所等)
- 2.前項第二号又は第三号の規定により書類を書留郵便等に付して発送した場合には、その後に送達すべき書類は、同項第二号又は第三号に定める場所に宛てて、書留郵便等に付して発送することができる。
- 3.前二項の規定により書類を書留郵便等に付して発送した場合には、その発送の時に、送達があったものとみなす。
この条文の基本情報
書留郵便等に付する送達とは何ですか?
定義書留郵便等に付する送達とは、民事訴訟法第107条に定められた規定で、「前条の規定により送達をすることができない場合(第百九条の二の規定により送達をすることができる場合を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第107条(書留郵便等に付する送達)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第107条の条文原文は「前条の規定により送達をすることができない場合(第百九条の二の規定により送達をすることができる場合を除く。」で始まります。
- 民事訴訟法第107条は第二款に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第107条の前の条は民事訴訟法第106条です。
- 民事訴訟法第107条の次の条は民事訴訟法第108条です。
- 民事訴訟法第107条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第107条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第107条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/107
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法107条の付郵便送達は、補充送達等ができないとき届出住所等へ書留郵便等で書類を発送する方法で、発送の時に送達があったものとみなされる。
Q · 受け取っていない訴状でも、裁判は進んで負けてしまうことがあるんですか?
あります。発送した時点で送達完了とみなされます
民事訴訟法107条の付郵便送達では、裁判所書記官が届出住所などに書留郵便等で書類を発送した時点で、送達があったものとみなされます(同条3項)。あなたが封筒を受け取らなくても、郵便が配達不能で裁判所に戻っても、発送の事実があれば送達は完了します。その結果、何も知らないまま第一回期日が過ぎ、答弁書も出せず欠席判決が確定することがあります。後から気付いた場合は、自分の責めに帰せない事由を示して訴訟行為の追完(民訴97条)を申し立てる余地があります。
解説
引っ越したあと郵便の転送届を出し忘れた。あるいは、見覚えのない差出人からの封筒を、どうせ請求書か広告だろうと開けずに積み上げた。その小さな油断が、ある日突然あなたの銀行口座を凍らせる。民事訴訟法107条は、裁判所書記官が通常の送達(前条106条の補充送達など)をできないとき、あなたの届出住所などに宛てて書類を書留郵便で発送できると定める。恐ろしいのは第3項だ。「その発送の時に、送達があったものとみなす」。つまり、あなたが封筒を一度も受け取らなくても、郵便局が配達に失敗して裁判所へ返送しても、裁判所が投函したその瞬間、訴状はあなたの手に渡ったことにされる。あなたが何も知らないまま第一回期日が過ぎ、答弁書も出さず、欠席のまま判決が確定していく。これが「付郵便送達」だ。住所を放置することの本当の代償が、この一条に隠れている。
法的な位置づけ
民事訴訟法107条にいう付郵便送達とは、前条の補充送達等による送達ができない場合に、裁判所書記官が届出住所等に宛てて書類を書留郵便又はこれに準ずる信書便役務に付して発送する送達方法をいう。その発送の時に送達があったものとみなされ、名宛人の現実の受領は要件とされない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.身に覚えのない通知が来たら事件を特定する 差押えや判決の通知が突然届いたら、まず事件番号と裁判所名を特定し、訴訟記録の閲覧(民訴91条)を申請して、いつ何が起きたか時系列を把握する
- 2.付郵便送達が使われたか確認する 送達報告書を確認し、付郵便送達(107条)が使われていれば、発送日・あて先・前提となった補充送達の不能状況を記録する。発送日が控訴期間の起算点となる
- 3.自分の責めに帰せない事由を整理する 転居や登記未更新で旧住所宛てに発送されていた経緯、原告が現住所を知っていた可能性などを時系列で整理し、書面・メール・返戻郵便など裏付け資料を集める
- 4.訴訟行為の追完を申し立てる 障害が消滅した時から1週間以内に、訴訟行為の追完(民訴97条)を申し立て、欠席判決に対する控訴等の機会回復を求める。期間が極めて短いため弁護士へ早急に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1付郵便送達とは何ですか?
補充送達等ができない場合に、裁判所書記官が届出住所等へ書留郵便等で書類を発送する送達方法です。民事訴訟法107条が根拠で、発送した時に送達があったものとみなされます。
Q2付郵便送達はいつ送達の効力が生じますか?
発送の時です(民訴107条3項)。郵便を受け取った時ではなく、裁判所書記官が書留郵便等に付して投函した瞬間に送達があったものとみなされます。
Q3付郵便送達と公示送達はどう違いますか?
付郵便送達は届出住所等が分かる場合に郵便で発送する方法、公示送達(民訴110条)は住所が全く不明な場合に裁判所掲示場へ掲示する最終手段です。順序として付郵便送達が先です。
Q4付郵便送達された判決にはもう反論できませんか?
自分の責めに帰せない事由で期間を守れなかったと示せれば、障害消滅から1週間以内に訴訟行為の追完(民訴97条)を申し立てられます。送達自体の効力を争える場合もあります。
Q5原告は付郵便送達をどうやって使えますか?
書記官が職権で行いますが、被告の届出住所・就業場所の資料を提出すると手続が進みやすくなります。補充送達が不能であることが前提です。
Q6就業場所への付郵便送達は可能ですか?
可能です。民訴104条の届出や就業場所への送達が前提となる場合、その場所宛てに書留郵便等で発送できます。自宅で受け取らない相手にも効きます。
Q7付郵便送達は電子データでもできますか?
発送する書類は書留郵便又はこれに準ずる信書便役務に付して発送します。あて先の根拠には電磁的記録による届出が含まれ得ますが、発送自体は書留郵便等の物理的な郵便で行われます。
Q8付郵便送達が無効になるのはどんな場合ですか?
前条の補充送達等を尽くしていない場合、あて先が103条・104条所定の場所でない場合、原告が現住所でないと知りながら旧住所へ送らせた場合などに、効力が争われる余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1引っ越したあとに前の住所へ届いた訴状って、効力あるんですか?
届出住所や住民票・登記上の住所への付郵便送達は、あなたが実際にそこに住んでいなくても、原則として有効です(107条)。発送の時に送達完了とみなされます(同条3項)。実務のポイント:ただし原告が『現在そこに住んでいないと知りながら』旧住所へ送った場合、送達の効力が否定された裁判例があります。差押えで初めて気付いたなら、原告が転居を知っていた証拠(過去のやり取りや返戻された郵便の記録)を探すと、送達無効を争える余地が出てきます
Q2相手に居留守を使われて訴状が渡せないとき、どうすればいいですか?
住所への補充送達(106条)が無理でも、届出住所や就業場所への付郵便送達(107条)に切り替えられます。書記官が職権で行いますが、原告が住所や勤務先の資料を出すと進みやすい。実務のポイント:相手が自宅で受け取らなくても、勤務先が分かれば就業場所への送達が効きます。それも無理なら最後は公示送達(110条)。多くの人は『相手が受け取らないと訴えられない』と諦めますが、実際には段階的な突破口が法に用意されています
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴状を受け取らなければ裁判は進まない」と多くの人が信じている。実際は逆だ。107条3項により、受け取らなくても発送の時に送達完了とみなされ、欠席のまま判決が出る。郵便を無視することは防御ではなく、自滅の最短ルートである
- 「自分は訴えられる覚えがないから関係ない」という問いの立て方が、そもそも誤っている。付郵便送達が刺さるのは、訴えられた覚えのない人こそだ。身に覚えのない請求、別れた相手の連帯保証、相続した借金。あなたの知らないところで紛争はすでに組み上がっている
- あなたから見れば「届いていない郵便」だが、裁判所から見れば「送達済みの書類」。この認識の落差が、あなたの控訴期間を気付かぬうちに食い潰す。受け取ったか否かという事実より、発送されたという記録のほうが優先される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 送達方法 | 107条:届出住所等へ書留郵便等で発送(付郵便送達) | 106条:補充送達・差置送達(同居者等への交付・差置き) 110条:公示送達(裁判所掲示場への掲示) |
| 適用前提 | 前条の補充送達等ができないこと | 送達場所で本人不在だが受領能力のある同居者等がいる 住所・居所・就業場所いずれも不明で他の送達が不能 |
| 効力発生時点 | 発送の時に送達があったものとみなす(3項) | 現実の交付・差置きの時 掲示から原則2週間経過の時 |
| 現実の受領 | 不要(受領拒否・返戻でも送達完了) | 同居者等への交付・差置きが必要 不要(掲示による擬制) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は受領が困難な場合に書類を地方自治体・警察等へ寄存し通知を貼付する寄存送達を採る。発送時擬制ではなく寄存・通知を基礎とする点で構造が異なる。
韓国の発送送達も、通常の送達が困難な場合に発送をもって送達の効力を認める点で日本の付郵便送達と類似する。
ドイツは一定の場合に郵便への発送(Aufgabe zur Post)によって送達を擬制し、発送時に書類が送達されたものとみなす。日本の107条3項と発想を共有する。
米国は人的送達を原則としつつ、郵便送達や代替送達(substituted service)を州法・連邦規則で認める。受領擬制の範囲は法域により異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが数年前に引っ越し、旧住所のままの登録を放置していた。元の貸主が未払い家賃を理由に訴えを起こす。裁判所は旧住所に付郵便送達し、発送した時点で送達は完了する。あなたは何も知らないまま欠席判決を受け、給与が差し押さえられて初めて訴訟の存在を知る
- ある日、不在票に気付かず書留を受け取り損ねたら、どうなる。再配達を頼まなければ郵便は裁判所へ戻る。それでも送達は完了している。控訴できる期間は判決送達から2週間。気付いたときには反論の扉が閉じかけている
- 相手が居留守を使い、訴状をどうしても受け取らない。あなたは八方塞がりに見える。だが107条がある。届出住所や就業場所への付郵便送達で、相手の受領拒否を突破できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 身に覚えのない差押えや判決通知が届いたら、まず事件番号と裁判所を特定し、訴訟記録を閲覧(民訴91条)して何がいつ起きたかを把握する2. 付郵便送達が使われていたら、自分の責めに帰せない事由で期日を守れなかったと主張し、訴訟行為の追完(民訴97条)を申し立てる3. あわせて、届出住所が実態とずれた経緯(転居、登記未更新)を時系列で整理する4. 原告が現住所でないと知りながら旧住所へ送っていた疑いがあれば、送達の効力自体を争う余地もある
訴えられた側:1. あなたが原告で相手が受領を拒む場合、まず補充送達(106条)の可否を尽くし、不能なら付郵便送達(107条)への切替えを裁判所に促す2. 被告の届出住所、住民票・登記上の住所、就業場所の資料を用意すると手続が進みやすい3. それも不能なら最終手段として公示送達(110条)を検討する4. 後日相手から追完で争われる余地を減らすため、転居の有無を可能な範囲で確認した記録を残しておく
時効(請求できる期限):付郵便送達は「発送の時」に送達があったとみなされる(107条3項)、受領の有無は問わない。判決に対する控訴は判決送達から2週間(民訴285条)。気付くのが遅れた場合は、障害が消滅した時から1週間以内に訴訟行為の追完を申し立てる必要がある(民訴97条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:付郵便送達は前条の補充送達等が不能な場合の補充的手段であり、103条・104条所定の場所への発送をもって送達を擬制する。手続保障とのバランスは、あて先の限定と、公示送達(110条)・訴訟行為の追完(97条)による事後救済で確保されると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、旧法下の規律を整理して付郵便送達を現行107条として明文化。発送の時に送達があったものとみなす擬制を規定した。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続のデジタル化に関する改正の一環として、信書便役務に関する文言等が整備された(施行状況は要確認)。
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