民事訴訟法 第97条(訴訟行為の追完)
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- 当事者が裁判所の使用に係る電子計算機の故障その他その責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後一週間以内に限り、不変期間内にすべき訴訟行為の追完をすることができる。ただし、外国に在る当事者については、この期間は、二月とする。
- 2.前項の期間については、前条第一項本文の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
訴訟行為の追完とは何ですか?
定義訴訟行為の追完とは、民事訴訟法第97条に定められた規定で、「当事者が裁判所の使用に係る電子計算機の故障その他その責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後一週間…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第97条(訴訟行為の追完)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第97条の条文原文は「当事者が裁判所の使用に係る電子計算機の故障その他その責めに帰することができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消滅した後一週間…」で始まります。
- 民事訴訟法第97条は第三節 期日及び期間に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第97条の前の条は民事訴訟法第96条です。
- 民事訴訟法第97条の次の条は民事訴訟法第98条です。
- 民事訴訟法第97条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第97条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第97条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/97
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法97条は、責めに帰さない事由で不変期間を守れなかった場合、その事由が消滅した後一週間以内に控訴等を追完できると定める。外国在住者は二月で、この期間は伸長できない。
Q · 控訴期間の二週間を過ぎてしまったら、もうどんな判決でも覆せないの?
自分のせいでなければ一週間だけ復活できる
民事訴訟法97条により、自分の責めに帰することができない事由で不変期間(控訴なら二週間)を守れなかった場合、その事由が消滅した後一週間以内に限り、本来すべきだった控訴等の訴訟行為を追完できます。公示送達で訴訟を知り得なかった、災害、重篤な入院などが典型です。外国在住者は二月。ただしこの期間は一日も伸長できず(97条2項)、起算点は原則として判決の存在を現実に知った時です。
解説
判決が届いたとき、控訴できる期間はわずか二週間。この壁を越えたら、どんなに不当な判決でも確定し、覆せなくなる。多くの人がここで人生を変えられてしまう。だが、あなたが知らない非常口がある。判決が公示送達(裁判所の掲示板に貼り出すだけの送達)で行われ、あなたが訴えられていたことすら知らないまま二週間が過ぎた。入院していて郵便を受け取れなかった。災害で家ごと連絡が途絶えた。こうした「あなたのせいではない事情」で不変期間を守れなかった場合、民訴97条はあなたに復活戦を与える。その事情が消滅した後、つまり判決の存在を現実に知った後、一週間以内であれば、本来やるべきだった控訴などの訴訟行為を「追完」できる。外国に住んでいるなら二か月。ただし、この一週間は一日も伸ばせない(2項)。気づいた瞬間から砂時計が落ち始める。
法的な位置づけ
訴訟行為の追完とは、当事者が自己の責めに帰することができない事由により控訴期間等の不変期間を遵守できなかった場合に、その事由の消滅後一定期間内に限り、本来その期間内にすべきであった訴訟行為を事後的に有効になし得ることを認める民事訴訟法上の救済制度をいう。期間の画一性を維持しつつ、帰責性のない期間徒過者を例外的に救済する機能を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決等を「現実に知った日」を即座に証拠化する 差押通知や判決の存在を知ったら、その通知の受領日を真っ先に固める。封筒の消印、配達記録、メールやアプリの受信時刻のスクリーンショットを保存する。この日が追完一週間の起算点であり生命線になる
- 2.責めに帰さない事由を裏づける資料を集める 遅れた原因が自分の外側にあったことを示す資料を収集する。公示送達の経緯、入院記録・診断書、罹災証明、海外赴任の辞令や出入国記録など、事情に応じた客観資料を揃える
- 3.知った日から一週間以内に控訴と追完を同時提出 本来すべきだった控訴等の訴訟行為と、追完の理由を疎明した申立てを同時に裁判所へ提出する。外国在住なら二月。期間は一日も伸びないため、知った当日のうちに弁護士相談を行う
- 4.並行して強制執行の停止を申し立てる 追完による控訴とは別に、強制執行停止の申立てを行う。これが認められて初めて差押えや競売が一時凍結される。追完と執行停止をワンセットで動かし、財産流出を止める
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟行為の追完とは何ですか?
自分の責めに帰さない事由で不変期間を守れなかったとき、事由消滅後一週間以内に本来すべきだった控訴等を事後的に有効に行える制度です(民訴97条)。
Q2追完が認められる「責めに帰することができない事由」の例は?
公示送達で訴訟を知り得なかった、災害で連絡が途絶えた、本人の重篤な入院など、本人にはどうにもできなかった事情に限られます。多忙やうっかりは含みません。
Q3追完の起算点はいつになりますか?
原則として判決等の存在を現実に知った時です。差押通知の受領日や封筒の消印などで、いつ知ったかを証拠化しておくことが重要になります。
Q4外国に住んでいる場合の追完期間は何日ですか?
外国に在る当事者の追完期間は二月です(民訴97条1項ただし書)。国内の一週間より長く設定されています。
Q5公示送達で判決が出ていた場合でも追完できますか?
訴訟自体を知り得なかったといえる典型例で、追完が認められやすい類型です。送達方法が公示送達だったかを記録で確認することが第一歩になります。
Q6追完の一週間は延長できますか?
できません。97条2項により期間伸長の規定(96条1項本文)は適用されず、裁判所も伸長できません。一日も猶予がない不変の期間です。
Q7追完による控訴と通常の控訴は何が違いますか?
通常の控訴は二週間の不変期間内に行いますが、追完による控訴は期間経過後に、事由消滅から一週間以内に追完の理由を疎明して提起する点が異なります。
Q8追完が認められないとどうなりますか?
追完は不適法として却下され、もとの判決が確定します。控訴の道は閉ざされ、原則として再審など別の例外的手段を検討するほかなくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1判決が来てたのを全然知らなかったんですけど、それでも控訴期間って過ぎたら終わりですか?
知らなかった原因が何かで分かれます。公示送達で訴訟自体を知り得なかった等、あなたの責めに帰さない事由なら、97条の追完で知った後一週間以内に控訴を起こせます。単なる見落としや多忙は通りません。実務のポイント:弁護士はこの種の相談で真っ先に『いつ、どうやって知りましたか』と聞く。その日が一週間の起算点だからで、相談が一日遅れるだけで間に合わなくなることがある。だから『手遅れかも』と思っても、その日のうちに動くのが鉄則
Q2「責めに帰することができない事由」って、忙しくて見られなかったとかでも認められますか?
ほぼ認められません。実務のハードルは高く、本人にどうにもできなかった事情、たとえば訴訟を一切知り得ない公示送達、災害、本人の重篤な入院などが必要です。多忙やうっかりは帰責性ありとされます。実務のポイント:逆に言えば、相手が公示送達で欠席判決を取っていた場合は追完が認められやすい類型。身に覚えのない判決で差し押さえられたら、まず送達方法が公示送達だったかを記録で確認する。これが追完成功の分かれ目になる
Q3追完の申立てをすれば、その間は財産の差押えは止まりますか?
自動では止まりません。追完による控訴とは別に、強制執行停止の申立てを行う必要があります。これが認められて初めて差押えや競売が一時凍結されます。実務のポイント:追完だけ出して安心していると、審理中に財産を回収されて勝っても意味がなくなる。経験のある代理人は追完と執行停止を必ずワンセットで出す。この二段構えを知っているかどうかで、実際に守れる財産が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴期間を過ぎたら、もう何をしても無駄」と思い込んで諦める人が大半だが、それは追完という制度の存在を知らないだけ。問題はあなたが知っているかどうかではなく、遅れた原因が誰にあるか。原因があなたの外側にあるなら、期間経過後でも戦線は残っている
- 「自分のせいじゃないと言えば追完が通る」と軽く考えている人がいるが、実務の『責めに帰することができない事由』のハードルは想像よりはるかに高い。多忙、うっかり、郵便の見落とし、これらはまず通らない。公示送達で訴訟を一切知り得なかった、災害、重病といった、本人にどうにもできなかった事情でなければ認められない。ここの認識の甘さが命取りになる
- 追完さえすれば一週間まるまる猶予がある、と誤解されがちだが、この一週間は『事由が消滅した後』、つまりあなたが判決の存在を現実に知った時から数える。しかも一日も伸長できない(97条2項)。気づいた日をいつと認定されるかで、間に合うか否かが決まる。記録のない『なんとなく知った』は最も危険
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 民訴97条:責めに帰さない期間徒過者を事後救済する追完 | 民訴96条:裁判所の裁量による期間の伸長・短縮 民訴285条:控訴提起の不変期間(二週間)そのもの |
| 不変期間との関係 | 不変期間を徒過した後に訴訟行為を追完する | 不変期間は伸長・短縮できない(96条1項ただし書) 不変期間であり伸長できない |
| 期間の伸長可否 | 追完期間(一週間)は伸長不可(97条2項) | 通常の法定期間は裁量で伸長可 伸長不可 |
| 典型的な場面 | 公示送達で訴訟を知り得なかった、災害、重病 | 遠隔地等で準備期間が不足する場合 判決送達を受けた当事者の不服申立て |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も『回復原状』として、不変期間を不可抗力等で守れなかった当事者の救済を認め、原因消滅後の短期間内に申立てを要する点で日本と共通する。
韓国も『추후보완』として、当事者の責めに帰さない事由による期間徒過を救済する。要件・短期間制限の構造は日本と類似する。
ドイツの原状回復制度は本条の沿革上の源流にあたり、帰責事由のない期間徒過者を救済しつつ短期間内の申立てを要する点で共通する。
米国連邦民訴規則は『excusable neglect』を要件に救済を認めるが、期間制限・判断基準は柔軟で、不変期間という概念の硬直性は日本より弱い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ある日突然、給与が差し押さえられた。調べると、半年前にあなた名義で訴えられ、住所不明として公示送達で判決が出ていた。あなたは訴状も判決も一度も見ていない。差押通知でようやく知ったこの日が、追完の起算点になる。ここから一週間が勝負
- もし、入院中に届いた判決書を退院後に開封し、控訴期間がすでに三日過ぎていたら? 入院という事情が「責めに帰することができない事由」と認められれば追完の余地がある。ただし、家族が代わりに受け取れた状況だと帰責性ありとされ、扉は閉じる
- あなたが原告で勝訴した側。相手が今さら『判決を知らなかった』と追完による控訴を申し立ててきた。相手の主張する事情が本当に帰責性のないものか、いつ現実に知ったのか、その一点を崩せば追完は不適法として却下される。確定したはずの勝訴を守る戦いがここで始まる
- 海外赴任中、日本の自宅に判決が届いていた。あなたが帰国して知ったとき、すでに一か月。国内なら手遅れだが、外国に在る当事者の追完期間は二か月。残された時間を正確に数えれば、まだ間に合う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決や訴訟の存在を『現実に知った日』を即座に証拠化(通知の消印、配達記録、受信時刻のスクショ)。これが起算点であり生命線2. 遅れた原因が自分の責めに帰さないことを示す資料を集める(入院記録、罹災証明、公示送達の経緯、転居の事実関係) 3. 知った日から一週間以内(外国在住は二か月)に、本来すべきだった控訴等の訴訟行為と追完の申立てを同時に提出4. 並行して強制執行停止を申し立て、財産流出を止める。一週間は伸びないので、当日中に弁護士相談を
訴えられた側:相手から追完を申し立てられた側(確定したはずの判決で利益を得ている側)の防御:1. 相手の主張する『責めに帰することができない事由』の弱点を突く。郵便を受け取れる状況だった、家族が代わりに受領できた、住所変更を怠った帰責性があった等2. 相手が『現実に知った日』はもっと前だと立証し、一週間の起算を前倒しさせて期間徒過を主張3. 追完が不適法なら却下を求め、判決の確定を維持する
時効(請求できる期限):その事由が消滅した後(=判決等の存在を現実に知った後)一週間以内。外国に在る当事者は二月。この期間は不変期間に準じ、裁判所も伸長できない(97条2項、96条1項本文不適用)。起算点は『知り得た時』ではなく原則『現実に知った時』だが、認定は事案により分かれる(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:97条の『責めに帰することができない事由』は厳格に解され、本人がおよそ回避し得なかった事情に限られる。多忙・失念・郵便の見落としは帰責性ありとされ、公示送達による訴訟の不知、災害、重篤な疾病などが典型的に該当するとされる。起算点は原則として当事者が現実に判決等を知った時と解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法の追完規定を継承しつつ条文番号を現行97条に整理。訴訟行為の追完の要件と、追完期間が伸長できない旨を現行の文言で明文化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、旧法の訴訟行為の追完規定を継承しつつ条文番号を現行97条に整理。要件と、追完期間が伸長できない旨を現行の文言で明文化した。
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