民事訴訟法 第104条(送達場所等の届出)
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- 当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、書類の送達を受けるべき場所(日本国内に限る。)を受訴裁判所に届け出なければならない。この場合においては、送達受取人をも届け出ることができる。
- 2.前項前段の規定による届出があった場合には、書類の送達は、前条の規定にかかわらず、その届出に係る場所においてする。
- 3.第一項前段の規定による届出をしない者で次の各号に掲げる送達を受けたものに対するその後の書類の送達は、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める場所においてする。
- 一前条の規定による送達その送達をした場所
- 二次条後段の規定による送達のうち郵便の業務に従事する者が日本郵便株式会社の営業所(郵便の業務を行うものに限る。第百六条第一項後段において同じ。)においてするもの及び同項後段の規定による送達その送達において送達をすべき場所とされていた場所
- 三第百七条第一項第一号の規定による送達その送達において宛先とした場所
この条文の基本情報
送達場所等の届出とは何ですか?
定義送達場所等の届出とは、民事訴訟法第104条に定められた規定で、「当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、書類の送達を受けるべき場所(日本国内に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第104条(送達場所等の届出)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第104条の条文原文は「当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、書類の送達を受けるべき場所(日本国内に限る。」で始まります。
- 民事訴訟法第104条は第二款に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第104条の前の条は民事訴訟法第103条です。
- 民事訴訟法第104条の次の条は民事訴訟法第105条です。
- 民事訴訟法第104条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第104条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第104条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/104
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法104条は、当事者が送達を受ける場所を裁判所に届け出る義務を定める。届出があればその場所で送達され、届出を怠ると最初に送達を受けた場所が以後の送達場所に固定される。
Q · 引っ越したのに裁判所に届け出ないと、裁判の書類はどこに送られるの?
原則として古い場所へ送り続けられ、欠席判決のリスクがあります
民事訴訟法104条により、当事者は送達を受けるべき場所(日本国内に限る)を受訴裁判所に届け出る義務があります。届出があればその場所で送達されますが(同条2項)、届出をしないまま一度どこかで送達を受けた者は、その場所が以後の送達場所として固定されます(同条3項)。引っ越し後も裁判所は旧場所へ送り続け、受け取らなくても付郵便送達(107条)で送達済みとみなされ、知らないうちに欠席判決が確定する危険があります。
解説
訴訟の当事者になると、裁判所に「書類はここへ送ってください」という場所を届け出る義務が生じる。これが104条の送達場所の届出だ。一見、ただの事務手続に見える。だが、ここにあなたの裁判の生死を分ける仕掛けが隠れている。一度この場所を届け出るか、あるいは一度どこかで書類を受け取ると、その後の書類はすべてそこへ送られる。問題は、あなたが引っ越したあとも、裁判所は古い場所へ送り続けるという点だ。届け出ていなければ、最初に書類が届いた場所が「あなたの住所」として固定される。相手はそこへ付郵便送達(107条)をかける。書留を出した瞬間、あなたが受け取らなくても「送達済み」とみなされる。あなたは裁判が進んでいることすら知らないまま、欠席判決で負ける。気づくのは、給料や口座が差し押さえられた日だ。104条は、その引き金の手前に立つ手続なのである。
法的な位置づけ
民事訴訟法104条は送達場所の届出を定める手続規定であり、当事者・法定代理人・訴訟代理人に対し、日本国内の送達を受けるべき場所を受訴裁判所へ届け出る義務を課す。届出があれば103条の原則に優先してその場所で送達され、届出のない者には最初に送達を受けた場所が以後の送達場所となる。送達受取人を併せて届け出ることもできる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訴訟係属後すぐ送達場所を届け出る 訴状の送達を受けたら、最初の答弁書や期日前の書面で「送達を受けるべき場所」を受訴裁判所へ届け出る。確実に書類を受け取れる自宅・勤務先・代理人事務所を指定する
- 2.送達受取人を併せて届け出る 104条1項後段により、本人に加えて送達受取人(弁護士・家族など)を届け出る。出張・入院・転居があっても受取人へ確実に届き、擬制送達で足をすくわれる隙が消える
- 3.引っ越し時は裁判所にも変更届を出す 係争中に転居・事務所移転をするときは、役所・郵便局の転居届と同じタイミングで受訴裁判所へ送達場所変更を届け出る。郵便の転送サービスは送達の効力判定とは別物である点に注意
- 4.擬制送達で徒過したら追完を急ぐ 知らない間に判決が出ていた場合、判決の存在を現実に知った日を証拠化し、自分の責めに帰さない事由なら障害消滅後1週間以内に訴訟行為の追完(97条)で控訴する
よくある質問 AI による整理
Q1送達場所の届出とは何ですか?
訴訟当事者が、裁判書類を受け取る場所(日本国内に限る)を裁判所に届け出る手続です。民事訴訟法104条が根拠で、送達受取人も併せて届け出られます。
Q2送達場所を届け出ないとどうなりますか?
最初に送達を受けた場所が以後の送達場所として固定されます(104条3項)。引っ越しても旧場所へ送られ続け、欠席判決のリスクが生じます。
Q3送達場所は日本国外でも届け出られますか?
できません。104条1項は送達を受けるべき場所を日本国内に限定しています。海外在住でも国内の受取場所を指定する必要があります。
Q4送達受取人とは誰を指定できますか?
弁護士・家族・勤務先の同僚など、書類を確実に受け取れる人を指定できます。本人が出張・入院・転居しても受取人へ届くため擬制送達を防げます。
Q5送達場所を変更したいときはどうしますか?
係属中の受訴裁判所へ送達場所変更の届出を提出します。郵便局の転送届とは別物で、転送だけでは送達の効力判定には影響しません。
Q6付郵便送達とは何ですか?
送達場所へ書留郵便を発送した時点で送達済みとみなす方法です(107条)。本人が受け取らなくても効力が生じるため、欠席判決につながります。
Q7知らないうちに判決が出ていたら取り消せますか?
自分の責めに帰さない事由で期間を守れなかった場合、追完(97条)で控訴できる余地があります。送達に重大な瑕疵があれば再審も検討できます。
Q8送達場所の届出に期限はありますか?
明文の法定期限はありませんが、訴訟係属後は遅滞なく届け出る義務があります。怠ると不利益な擬制送達を受ける危険が高まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1引っ越して住所が変わったのに、裁判所に言わなかったらどうなりますか?
前の場所への送達が原則として有効に続きます。一度そこで書類を受け取っているか届出をしていれば、移転後も同じ場所へ送られます(104条2項3項)。受け取れなくても付郵便送達(107条)で送達済みとみなされ、欠席判決のリスクが生じます。実務のポイント:郵便局の転送サービスは出せても、それは郵便の話で送達の効力判定とは別物です。裁判所には別途、送達場所変更の届出を出さないと意味がない。転送だけで安心している人が一番危ない
Q2知らないうちに裁判で負けていた、もう取り返しがつかないんですか?
諦めるのは早い。あなたの責めに帰さない事由で期間を守れなかったなら、訴訟行為の追完(民訴97条)で控訴できる余地があります。送達に重大な瑕疵があれば再審(民訴338条)の道も。実務のポイント:鍵は『判決の存在を現実に知った日』を証明できるかどうかです。差押通知や信用情報で初めて知ったなら、その通知書や開示記録を真っ先に確保する。この日付が追完の起算点になり、そこから1週間の勝負が始まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「書類が手元に届かなければ、自分が被告だと知らないのだから裁判は無効だ」と問いを立てがちだが、その問いそのものが誤っている。法は、あなたが実際に読んだかではなく、法が定める場所へ正しく送られたかで「送達済み」を判定する。一文字も読んでいなくても、手続は完了する
- 送達場所の届出が要ることは知っていても、その効力の重さを知らない人が多い。一度届け出ると、あなたが何も言わない限り全書類がそこへ流れ続ける。届出先の管理を怠れば、引っ越し・廃業・事務所移転のたびに、あなたは自分宛ての書類を取りこぼしていく
- 「公示送達は裁判所の掲示板に貼るだけだから、自分が見るわけがなく無効になる」と思われがちだが、逆だ。掲示から2週間で送達の効力が生じる(110条、112条)。誰も見なくても、法律上はあなたに届いたことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 送達場所の決まり方 | 104条:当事者の届出によりその場所で送達 | 103条:原則として住所・居所・営業所等で送達 107条:付郵便送達、発送時に送達擬制 |
| 適用の前提 | 当事者の能動的な届出(日本国内に限る) | 送達すべき場所が判明している 届出場所・現住所等への送達が困難なこと |
| 本人が受け取らない場合 | 届出場所への送達は原則有効に進行 | 補充送達・差置送達(106条)で処理 発送した時点で送達済みとみなされる |
| 救済手段 | 追完(97条)・再審(338条) | 追完(97条) 追完(97条)・送達の瑕疵を争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も送達代収人の届出と送達場所の規律を持ち、日本と同様に当事者の届出を前提とする運用が見られる
韓国は送達を受けるべき場所の届出制度を明文で持ち、日本の104条と機能的にほぼ対応する
ドイツは送達受取人(Zustellungsbevollmächtigter)の指定制度を持ち、本条の系譜的源流にあたる
米国は service of process を Rule 4・5で規律し、当事者の届出よりも送達主体の手続適正に重点を置く点で構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが貸金の回収側に立ったとき。相手が夜逃げ同然に引っ越しても、最後に判明している住所へ訴状を送り、付郵便送達(107条)に持ち込めば、相手が現れなくても判決が取れる。送達場所の仕組みを使いこなす側に回れば、回収率はまるで変わってくる
- もし、半年前に引っ越したあなたの旧住所宛てに、身に覚えのない訴状が付郵便送達されていたら? あなたが気づくのは判決確定後、控訴期間の2週間はとっくに過ぎている。残された道は追完か再審、いずれも時間との戦いだ
- 事務所を移転した。古い事務所宛ての裁判書類は、もう誰も受け取らない。それでも送達は有効に進んでいく
- 離婚調停から訴訟へ移ったあと、あなたは実家に身を寄せた。裁判所に送達場所を届け出ていなければ、重要な期日呼出状が前の住所へ送られ、あなたは出頭できないまま欠席扱いになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず判決正本と事件記録を裁判所で閲覧し、いつ・どこへ・どの方法で送達されたかを確認する(付郵便送達か公示送達か)。2. あなたの責めに帰さない事由で期間を守れなかったなら、その事由が消滅した後1週間以内に訴訟行為の追完(民訴97条)で控訴を試みる。3. 送達自体に重大な瑕疵があれば再審事由(民訴338条1項3号)も検討。4. 並行して差押えには請求異議や執行抗告で対抗。すべて時間勝負なので、判決を現実に知った日を必ず証拠化しておく
訴えられた側:1. 訴え提起時、被告の現住所を住民票や調査で固め、送達場所を正確に特定する。2. 訴状が不送達で戻ったら、就業場所への送達や調査嘱託で現住所を追う。3. 所在不明でも安易に公示送達へ飛ばさず、付郵便送達(107条)の要件を満たす調査記録を残す。4. 送達の瑕疵は後の再審リスクになるため、相手に「知らなかった」と争われないよう、送達の適法性を手続的に固めておく
時効(請求できる期限):送達場所の届出自体に法定の期限はないが、義務として遅滞なく行う。届出を怠ったまま送達された判決の控訴期間は送達の日から2週間(民訴285条)。知らずに徒過した場合、追完は障害が消滅した後1週間以内(民訴97条)が勝負どころ(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:104条の送達場所の届出は、当事者に対する手続保障と訴訟進行の確実性を調和させる規定と解される。届出をしない当事者に最初の送達場所を固定する3項は、当事者の自己責任を前提とする一方、擬制送達に進む際には相当な調査が尽くされていることが要請される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法下の送達規定を整理し、送達場所の届出義務と送達受取人の届出、届出なき者への送達場所固定ルールを104条として明文化
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