民事訴訟法 第103条(送達場所)
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- 書類の送達は、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所又は事務所(以下この款において「住所等」という。)においてする。ただし、法定代理人に対する書類の送達は、本人の営業所又は事務所においてもすることができる。
- 2.前項に定める場所が知れないとき、又はその場所において送達をするのに支障があるときは、書類の送達は、送達を受けるべき者が雇用、委任その他の法律上の行為に基づき就業する他人の住所等(以下「就業場所」という。)においてすることができる。送達を受けるべき者(次条第一項に規定する者を除く。)が就業場所において書類の送達を受ける旨の申述をしたときも、同様とする。
この条文の基本情報
送達場所とは何ですか?
定義送達場所とは、民事訴訟法第103条に定められた規定で、「書類の送達は、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所又は事務所(以下この款において「住所等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第103条(送達場所)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第103条の条文原文は「書類の送達は、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所又は事務所(以下この款において「住所等」という。」で始まります。
- 民事訴訟法第103条は第二款に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第103条の前の条は民事訴訟法第102条の2です。
- 民事訴訟法第103条の次の条は民事訴訟法第104条です。
- 民事訴訟法第103条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第103条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第103条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/103
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法103条は、送達を住所・居所・営業所・事務所(住所等)でするのが原則と定め、これらが知れないまたは支障があるときは就業場所(勤務先)でも送達できる。
Q · 裁判所の訴状って、どこに届けば「届いた」ことになるの?
原則は住所等、届かなければ勤務先にも送達できる
民事訴訟法103条により、送達は送達を受けるべき者の住所・居所・営業所・事務所(まとめて住所等)でするのが原則です。これらが分からない、または送達に支障があるときは、雇用や委任などに基づいて就業する勤務先(就業場所)でも送達できます(2項)。重要なのは、あなたが実際に中身を読んだかではなく、適法な場所に届いたかで「送達」が成立する点です。引っ越して住所を移し忘れると、旧住所への送達で手続が進み、知らぬ間に欠席判決を受けるリスクがあります。
解説
裁判所からの訴状は、あなたが実際に手に取って読んだかどうかではなく、「送達場所」に適法に届けられた時点で、法的に「届いた」ことになる。民事訴訟法103条は、その場所を住所、居所、営業所、事務所(住所等)と定める。ここに落とし穴がある。引っ越して住民票を移していない、あるいは旧住所のままにしていると、訴状はその旧住所へ送られ、同居者が受け取れば補充送達(106条)、誰もいなければ書留郵便で発送した時点で届いたとみなす付郵便送達(107条)によって、あなたが一度も中身を見ないまま手続が進む。気付いたときには欠席判決が確定している。逆にあなたが誰かを訴える側なら、相手の正しい送達場所を押さえることが訴訟の出発点になる。家に届かなければ勤務先(就業場所)へ送る道(2項)も用意されている。
法的な位置づけ
民事訴訟法103条は送達場所を定める規定であり、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所または事務所(住所等)においてするのを原則とし、これらが知れないまたは送達に支障があるときは就業場所においてもすることができる旨を規定する。送達制度における場所の基準を画する手続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訴える前に相手の送達場所を確定する 相手を訴える側なら、訴状を送る前に住民票や戸籍の附票を取得して相手の現住所を確定する。個人事業者なら営業所、勤務先が分かれば就業場所(103条2項)も把握し、送達不能で手続が止まるのを防ぐ
- 2.訴訟が始まったら送達場所等の届出を出す 自分が当事者になったら、民訴104条の送達場所等の届出を係属裁判所に提出する。以後の送達がその場所宛てに固定され、住所変更による受け漏れを防げる
- 3.身に覚えのない判決が来たら送達方法を確認 知らない判決や差押えが届いたら、まず送達がどこに、どの方法(補充送達・付郵便送達等)でされたかを記録から確認する。旧住所への付郵便送達など現実に受け取れない場所への送達なら瑕疵を主張する余地がある
- 4.送達の瑕疵があれば控訴の追完を申し立てる 現実に受け取れず欠席判決を受けた場合、責めに帰すことのできない事由が消滅した後1週間以内に控訴の追完(97条)を申し立てる。確定後でも送達が無効と評価できれば再審(338条1項3号)の検討余地がある
よくある質問 AI による整理
Q1送達場所とは何ですか?
裁判書類を法的に届ける場所のことです。民事訴訟法103条は、住所・居所・営業所・事務所(住所等)を原則の送達場所と定めています。
Q2訴状が住所に届かないとどうなりますか?
住所等で送達できないときは就業場所(勤務先)へ送達でき(103条2項)、それでも届かなければ付郵便送達(107条)や公示送達(110条)に移行します。
Q3就業場所への送達はどんなときにできますか?
住所等が知れないとき、または住所等での送達に支障があるときに、雇用・委任等に基づき就業する勤務先で送達できます(103条2項)。
Q4送達場所等の届出はどこに出しますか?
係属している事件の裁判所に対し、民訴104条の届出を提出します。これを出すと以後の送達はその届出場所宛てになり、受け漏れを防げます。
Q5付郵便送達とは何ですか?
送達場所で送達できないとき、書留郵便等で発送した時点で送達があったとみなす方法です(107条)。中身を見ていなくても効力が生じます。
Q6公示送達とはどんな制度ですか?
相手の送達場所が不明な場合の最終手段で、裁判所の掲示等で送達したとみなす制度です(110条)。一定期間の経過で効力が生じます。
Q7係争中に引っ越したらどうすればよいですか?
必ず民訴104条の送達場所等の届出を提出します。郵便の転送設定だけでは裁判書類は新住所まで追いかけてこず、旧住所への送達が有効に進みます。
Q8送達が無効になるのはどんな場合ですか?
現実に受領できない場所への送達、受送達者と利害が対立する同居者による補充送達など、防御の機会を奪う瑕疵があるときは無効を争える余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訴状を家族が代わりに受け取ってしまった、自分は中身を見ていないのに「届いた」ことになるんですか?
なります。同居の家族や同居人が受け取れば『補充送達』(106条)として、本人が受け取ったのと同じ効力が生じ、渡し忘れても送達は有効です。実務のポイント:受け取った同居者が訴訟であなたと利害対立する立場(例えば離婚相手)だった場合、その補充送達を無効とした最高裁判例があります。家族が受け取ったから終わりと諦める前に、その人があなたの敵側でなかったかを確認する価値がある
Q2引っ越したのに、前の住所に裁判所の書類が送られてきたらどうなりますか?
旧住所でも、そこがまだ住所と扱われれば送達は有効です。誰も受け取らなければ、裁判所は書留郵便で発送した時点で届いたとみなす『付郵便送達』(107条)を使え、中身を見なくても手続は進みます。実務のポイント:訴訟中に引っ越すなら『送達場所等の届出』(104条)を出すのが鉄則。怠ると旧住所での付郵便送達で欠席判決を食らう。郵便局の転送設定だけでは、裁判書類は新住所まで追いかけてこない
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分が直接受け取って中身を読まなければ送達は成立しない」と思い込んでいる人は多い。だが補充送達(106条)や付郵便送達(107条)があり、同居者の受領や書留郵便の発送だけで、あなたが一文字も読まなくても法的には「届いた」ことになる。あなたの認識と法律の認定の間にこの落差があり、それがそのまま欠席判決のリスクになる
- 「送達される場所は自分の住所しかない」と考えがちだが、103条2項は住所等で送達できないとき就業場所、つまり勤務先への送達を認めている。自宅で居留守を使えば逃げ切れるという発想は、この一項で崩れる
- 「引っ越したことは郵便局に転送届を出せば裁判所にも伝わる」と誤解している人がいる。郵便の転送設定と、裁判手続上の『送達場所等の届出』(104条)はまったくの別物。転送設定をしても、係属中の事件で届出を怠れば旧住所への送達が有効に進む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 103条:送達をする「場所」(住所等・就業場所) | 106条:本人不在時の「受領者」(補充送達・差置送達) 107条:場所で届かないときの「擬制」(付郵便送達) |
| 適用の前提 | 送達を受けるべき者の住所等が判明している | 送達場所に本人がいないが同居者等がいる 住所等でも就業場所でも送達できない |
| 効力発生時点 | 現実の交付時 | 同居者等への交付時または差置時 書留郵便等を発送した時 |
| 場所不明のときの帰結 | 就業場所(2項)へ移行 | — なお不明なら公示送達(110条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も住居所・事務所・営業所での送達を原則とし、就業場所送達に類する規定を置く点で日本と近い
韓国も住所等を送達場所とし、勤務場所での送達を認める。日本法の影響を強く受けた構造
ドイツは住居・営業所での補充送達を詳細に規律。日本の送達制度の母法的位置にある
米国は本人への直接交付のほか、住居または通常の居所での同居者交付を認める。場所概念は日本の住所等に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが半年前に引っ越した。賃貸の貸主が原状回復費用をめぐって、契約書に書かれた旧住所宛てに訴状を送る。誰も受け取らないため裁判所は付郵便送達に切り替え、発送した時点であなたに届いたことになる。あと数週間で第一回口頭弁論。あなたはその存在すら知らないまま、欠席判決のカウントダウンが始まっている
- もし、あなた宛ての訴状を同居の家族が代わりに受け取り、渡し忘れていたとしたら、あなたが中身を見ていなくても「届いた」ことになるのか? 答えはなる。補充送達(106条)が成立し、本人が受領したのと同じ効力が生じる
- 家に届かない。何度配達しても不在。すると裁判所はあなたの勤務先(就業場所)へ送達できる(2項)。職場の受付や上司が受け取れば、それで送達は完了する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手を訴える側なら、まず相手の現住所を住民票・戸籍の附票で確定し、103条の送達場所を押さえる2. 個人事業者なら営業所、勤務先が分かれば就業場所(2項)も把握しておく3. 住所が不明で送達不能なら、調査嘱託や、最終手段として公示送達(110条)を検討する4. 訴訟が始まったら自分の『送達場所等の届出』(104条)を必ず提出し、書類の受け漏れを防ぐ
訴えられた側:1. 身に覚えのない判決や差押えが来たら、まず送達がどこに、どの方法でされたかを記録から確認する2. 旧住所への付郵便送達など、現実に受け取れない場所への送達なら、その瑕疵を主張する余地がある3. 欠席判決を後から知った場合は、責めに帰せない事由が消滅した後1週間以内に控訴の追完(97条)を申し立てる4. 確定後でも、送達が無効と評価できれば再審(338条1項3号)の検討余地がある。気付いた瞬間に弁護士へ
時効(請求できる期限):送達場所の指定そのものに特定の時効はない。ただし送達の瑕疵により欠席判決を受けた場合、控訴期間は判決送達から2週間(285条)、責めに帰すことのできない事由で徒過したときは、その事由が消滅した後1週間以内に控訴の追完が可能(97条)。確定後は再審(338条1項3号、再審事由を知った日から30日)の余地がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:103条は送達の確実性と名宛人の受領機会保障の調和を図る規定であり、原則は住所等、補充的に就業場所とする。形式的な場所要件を満たしても、現実の受領機会を著しく欠く送達は無効を争う余地があると解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から全面改正され現行の送達規定に再編。特に第2項の就業場所送達(勤務先等への送達)が整備され、住所等で送達できない場合の受け皿が明文化された。それ以降の改正回数を網羅的に確認できていないため、要人的検証
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧法の送達規定を再編。第2項の就業場所送達が整備され、住所等で送達できない場合の勤務先への送達が明文化された
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正。送達制度全体の電子化が進む中で、本条の場所規定が現行運用の基礎として維持された(改正範囲の詳細は要人的検証)
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