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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第19条(必要的移送)

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  1. 第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又はその申立てが、簡易裁判所からその所在地を管轄する地方裁判所への移送の申立て以外のものであって、被告が本案について弁論をし、若しくは弁論準備手続において申述をした後にされたものであるときは、この限りでない。
  2. 2.簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。

この条文の基本情報

必要的移送とは何ですか?

定義必要的移送とは、民事訴訟法第19条に定められた規定で、「第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第19条(必要的移送)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第19条の条文原文は「第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送…」で始まります。
  3. 民事訴訟法第19条は第二節 管轄に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第19条の前の条は民事訴訟法第18条です。
  7. 民事訴訟法第19条の次の条は民事訴訟法第20条です。
  8. 民事訴訟法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第19条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/19

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法19条は必要的移送を定め、当事者の合意がある場合(1項)や簡裁の不動産訴訟で被告の申立てがある場合(2項)、裁判所は事件を他の裁判所へ移送しなければならない。

Q · 訴えられた裁判所が遠い・不向きなとき、別の裁判所に移してもらえるの?

合意があれば移送、不動産訴訟の被告は申立てで地裁へ移せる

民事訴訟法19条は必要的移送を定めます。1項は、当事者の申立てと相手方の同意があれば、本来管轄のある裁判所でも事件を他の地裁・簡裁へ移送しなければならないとします(著しい遅滞を招く場合などは但書で例外)。2項は、簡易裁判所に係属する不動産に関する訴訟で被告が申し立てれば、その所在地を管轄する地方裁判所へ移送しなければならないとします。いずれも被告が本案について弁論をした後は原則申し立てられません。

解説

訴訟がいったん始まった後でも、戦う場所を動かす扉が二つ用意されている。民訴19条はその両方を定める。第一の扉は当事者の合意による移送。あなたと相手が「この裁判所でやりたい」と申立てと同意をそろえれば、本来管轄のある裁判所であっても、別の地裁・簡裁へ事件を動かさなければならない(裁判所に裁量はない、これが必要的移送だ)。第二の扉は、簡易裁判所で不動産がらみの訴訟の被告になったとき。あなたが申し立てれば、事件はその所在地の地方裁判所へ引き上げられる。なぜこの扉があるか。不動産の権利関係は複雑で、訴額140万円以下を簡易・迅速に裁く簡裁の手続では足りないことがあるからだ。ただし両方とも落とし穴がある。被告が本案について弁論した後では、原則この扉は閉じる。タイミングを逃せば、不利な土俵で戦い続けることになる。

法的な位置づけ

民事訴訟法19条は必要的移送を定める規定であり、当事者の申立てと相手方の同意がある場合(1項)、および簡易裁判所に係属する不動産に関する訴訟で被告の申立てがある場合(2項)に、受訴裁判所が事件を他の裁判所へ移送する義務を負う旨を規定する。遅滞回避等のための裁量移送(17条・18条)と異なり、要件を充足すれば移送の可否に裁判所の裁量が認められない点に特色がある。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.訴状で裁判所の種別と争点を確認 届いた訴状で、係属しているのが簡易裁判所か地方裁判所か、事件が不動産に関する訴訟かを真っ先に確認する。簡裁 + 不動産なら2項の引き上げ権が使える可能性がある
  2. 2.移送のカードを選ぶ 相手方と「この裁判所が双方便利」で一致できそうなら1項の合意移送、簡裁の不動産訴訟の被告なら2項の必要的移送を選ぶ。両者は要件と添付資料が異なる
  3. 3.申立ての根拠資料を準備(疎明) 2項なら登記事項証明書などで「不動産に関する訴訟であること」を疎明する。1項なら相手方の同意書面を用意し、移送先で審理がスムーズに進む見通しも示す
  4. 4.第一回口頭弁論で本案を語る前に申立てを提出 移送申立書を、第一回口頭弁論期日で本案について弁論をする前に提出する。一度本案について弁論・申述すると19条の移送申立権は原則として失われるため、この順番を守る
  5. 5.却下時は即時抗告も検討 移送の申立てが却下された場合や、相手の移送決定に不服がある場合は、即時抗告の可否と期限を弁護士に確認する。タイミングを逃すと審理が固定される

よくある質問 AI による整理

Q1必要的移送とは何ですか?

要件を満たせば裁判所が必ず移送しなければならない移送です。民事訴訟法19条が根拠で、合意による移送(1項)と不動産訴訟の被告申立てによる移送(2項)があります。

Q2民事訴訟法19条の合意移送の要件は?

当事者の申立てと相手方の同意が必要です。著しく訴訟手続を遅滞させる場合や、被告が本案について弁論した後の申立ては但書で認められません。

Q3不動産訴訟で簡裁から地裁へ移送できるのはなぜ?

不動産の権利関係は複雑で、訴額140万円以下を簡易・迅速に裁く簡裁の手続では適正な審理が難しいためです。被告に地裁への引き上げ権を保障しています。

Q4移送の申立てはいつまでにすればいい?

実質的な期限は第一回口頭弁論で本案について弁論する前です。本案弁論や弁論準備手続での申述の後は、原則として移送を申し立てられなくなります。

Q5必要的移送と裁量移送の違いは?

必要的移送(19条)は要件充足で裁判所に裁量がなく必ず移送します。裁量移送(17条・18条)は遅滞回避等のため裁判所の判断で移送するものです。

Q6本案について弁論するとはどういう意味ですか?

請求の当否そのものについて主張・立証することです。管轄や手続の問題ではなく中身を争い始めると、19条の移送申立権は原則消滅します。

Q7移送が認められると訴訟はどうなりますか?

事件は移送先の裁判所へ引き継がれ、その裁判所で審理が続きます。すでに行われた手続の効力は原則維持され、最初からやり直しにはなりません。

Q8移送の申立てが却下されるのはどんな場合ですか?

1項では移送により著しく訴訟手続が遅滞する場合、被告が本案弁論後にした申立ての場合などです。2項でも被告が本案弁論をした後は申し立てられません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1簡易裁判所と地方裁判所って、何がそんなに違うんですか?

簡裁は訴額140万円以下の比較的小さな事件を簡易・迅速に扱う裁判所です(裁判所法33条)。手続が柔軟な反面、複雑な不動産の権利関係をじっくり審理するには向きません。だから19条2項は不動産訴訟の被告に地裁への引き上げ権を与えています。実務のポイント:簡裁は司法委員が関与したり和解志向が強かったりと、地裁より「ゆるい」審理になりがち。複雑な争点を本気で詰めたい被告には、地裁へ移すこと自体が戦略になる。逆に早期決着狙いなら簡裁に残す判断もある

Q2移送を申し立てたら、必ず認められるんですか?

19条は「移送しなければならない」とする必要的移送なので、要件を満たせば裁判所に拒否権はありません。ただし1項には但書があり、移送で著しく訴訟手続が遅滞する場合などは例外です。実務のポイント:「必要的」とはいえ、申立てのタイミングを外すと但書で蹴られる。とくに被告が本案について弁論した後の申立ては原則アウト。弁護士は受任直後、まず「移送の窓がまだ開いているか」を確認する。窓が閉じる前に動けるかが、その後の土俵を決める

間違えやすい点 AI による整理

  • 「訴えられた裁判所で戦うしかない」と問いを立てがちだが、その問いそのものが半分間違っている。管轄があっても、合意か不動産被告の申立てで戦場は動かせる。問うべきは「動かせるか」ではなく「いつまでに動かすか」だ
  • 移送できること自体は知っていても、その期限の厳しさを甘く見ている人が多い。被告が本案について一言でも弁論すれば、2項の引き上げ権は原則消える。「次回までに考えます」が命取りになる
  • 「移送は裁判所のさじ加減」と思われているが、19条は「移送しなければならない」と書く必要的移送。要件さえ満たせば裁判所に拒否権はない。遅滞回避のための裁量移送(17条)とは別物だ
比較の観点この条文ほかの条文
移送の性質民訴19条:必要的移送(要件充足で裁判所に裁量なし)民訴17条:遅滞回避等のための裁量移送
民訴18条:簡易裁判所の裁量移送(地裁へ)
発動の要件1項:合意+同意/2項:簡裁の不動産訴訟で被告の申立て訴訟の著しい遅滞回避、当事者・証人の便宜等
相当と認めるとき、簡裁の裁量判断
相手方の同意1項は相手方の同意が必須/2項は被告の単独申立てで可原則不要(裁判所の職権・申立て)
不要(簡裁の裁量)
時間的限界被告が本案について弁論・申述した後は原則不可(但書)明文の弁論前制限はない
明文の弁論前制限はない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第28条

管轄違いや便宜による訴訟の移送を定める。当事者申立てを契機とする点で日本の移送制度と機能が近い。

韓国
대한민국 민사소송법 제34조·제35조

管轄違いの移送と、損害・遅延を避けるための移送を規定。日本の16条・17条に対応する手続を備える。

ドイツ
ZPO § 281

管轄違いの場合に原告の申立てに基づき管轄裁判所へ移送(Verweisung)する。当事者申立てを前提とする点が共通する。

アメリカ
28 U.S.C. § 1404(a)

当事者・証人の便宜と正義のための venue transfer を定める。裁判所の裁量が広く、要件充足で裁量を認めない必要的移送とは性質が異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 簡裁から「土地の明渡し」で訴えられた。第一回口頭弁論はあと10日。ここで本案について弁論する前に移送を申し立てれば地裁へ引き上げられるが、うっかり中身を話してしまえば、その権利は消える。今夜動くか、簡裁の土俵に残るか?
  • 遠方の裁判所で訴えが起きたが、双方とも「地元のあの裁判所が便利」で一致した。19条1項の合意移送なら、出廷の交通費・休業損害を二人とも下げられる。対立が深まる前に合意書面を整えるのが鍵だ。
  • あなたが貸した土地の境界をめぐり、相手が簡裁に提訴。和解志向の強い簡裁の審理では、複雑な測量や登記の争点を詰めきれないと感じる。被告として2項の移送を申し立て、地裁の本格的な審理に持ち込む選択がある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 訴えを起こした後でも、相手と「この裁判所が双方便利」で一致できるなら、19条1項の合意移送を申し立てる。相手方の同意書面を添えること2. 申立ては早期に、相手が本案について弁論する前が安全3. 移送で著しく手続が遅れると但書で却下されうるので、移送先で審理がスムーズに進む見通しも示す4. 合意が取れないなら、遅滞回避のための裁量移送(17条、相手の同意不要)も検討する

訴えられた側:1. 簡裁で不動産がらみの訴訟の被告になったら、第一回口頭弁論で本案について弁論する前に、19条2項の移送を申し立てる2. 申立書に「不動産に関する訴訟であること」を明記し、登記事項証明書などで疎明(一応確からしいと裁判官に思わせる程度の証明)する3. 一度本案について弁論・申述すると2項の権利は原則消えるので、それまでに動く4. 1項の合意移送なら、原告と合意できればより自由に移送先を選べる

時効(請求できる期限):1項本文の合意移送(簡裁からその所在地の地裁への移送を除く)および2項の不動産移送は、被告が本案について弁論をし、または弁論準備手続で申述をした後は原則申し立てられない(19条1項但書、2項但書)。実質的な期限は「第一回口頭弁論で本案を語る前」。特定の年数による時効ではなく、手続上の一回的タイミングである

学説

通説:19条の移送は要件充足により裁判所に裁量を認めない必要的移送であり、遅滞回避等のための裁量移送(17条・18条)と性質を異にする。1項但書および2項但書の「本案について弁論をした後」という時的限界は、移送制度の手続濫用・蒸し返しを防ぐ趣旨と解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 現行民訴法への全部改正に伴い移送の規律が整理され、現行19条として合意による移送(1項)と不動産訴訟の必要的移送(2項)が定められた。新設された弁論準備手続に対応する文言も置かれた

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法の移送規律を整理し、現行19条として合意による移送(1項)と不動産訴訟の必要的移送(2項)を定め、新設の弁論準備手続に対応する文言を置いた。
  2. 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正の一環として手続規定が整備された。移送の基本構造は維持されている。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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