受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第16条(管轄違いの場合の取扱い)

クイックジャンプ
  1. 裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。
  2. 2.地方裁判所は、訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、前項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。ただし、訴訟がその簡易裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合は、この限りでない。

この条文の基本情報

管轄違いの場合の取扱いとは何ですか?

定義管轄違いの場合の取扱いとは、民事訴訟法第16条に定められた規定で、「裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第16条(管轄違いの場合の取扱い)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第16条の条文原文は「裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第16条は第二節 管轄に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第16条の前の条は民事訴訟法第15条です。
  7. 民事訴訟法第16条の次の条は民事訴訟法第17条です。
  8. 民事訴訟法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第16条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/16
裁判例 3件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法16条は、訴訟が管轄に属しないとき、裁判所が申立て又は職権で管轄裁判所へ移送すると定める。訴えは却下されず、最初の提訴日が維持される。

Q · 裁判所を間違えて訴えたら、却下されてやり直しになるの?

却下されず、職権で正しい裁判所へ移送され提訴日も維持されます

民事訴訟法16条1項により、裁判所は訴訟が自らの管轄に属しないと認めるとき、申立て又は職権で管轄裁判所へ移送します。訴えは却下されず、最初の提訴日が維持されるため、時効の完成猶予や出訴期間の遵守も提訴日で確定します。さらに2項では、地方裁判所が相当と認めれば、簡易裁判所の管轄事件でも自ら審理・裁判できる自庁処理の裁量が認められています。

解説

訴状を出す先の裁判所を一つ間違えた。普通の感覚なら、これでやり直し、訴えた日もリセットされて時効に引っかかる、と青ざめるだろう。だが民事訴訟法16条がその不安を打ち消す。裁判所は自分に管轄がないと気付いたとき、訴えを却下せず、当事者の申立てがなくても職権で正しい裁判所へ事件を移送する。決定的なのは、移送されても最初に訴えを起こした日がそのまま維持されるという点だ。つまり時効の完成猶予も、出訴期間の遵守も、最初の提訴日で確定する。さらに2項では、本来は簡易裁判所が扱う事件であっても、地方裁判所が相当と認めれば自分で審理してよいという「自庁処理」の裁量まで認めている。管轄のミスは、あなたが思うほど致命傷ではない。法はあらかじめ、その一手を用意している。

法的な位置づけ

民事訴訟法16条は管轄違いの移送を定める規定であり、受訴裁判所が訴訟の全部又は一部について管轄権を有しないと認めるとき、申立て又は職権でこれを管轄裁判所へ移送する旨を規律する。2項は地方裁判所が簡易裁判所の管轄事件を自ら審理・裁判する自庁処理の裁量を定める。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.期限が迫るならまず提訴日を確保する 時効や出訴期間が迫っているときは、管轄の完璧な精査に時間を使いすぎず、合理的に見込める裁判所へまず訴状を提出して提訴日を押さえる。後で管轄違いと分かっても16条1項で移送され提訴日は維持される
  2. 2.訴状に管轄原因を一行添える 慌てて提出するときほど、訴状に管轄の根拠(被告住所地・契約書の管轄合意など)を明記しておく。実務では裁判所が職権で即移送せず原告に意見を求めることが多く、無用な移送の往復を避けられる
  3. 3.被告は本案弁論の前に移送を申し立てる 訴状を受け取ったら受訴裁判所に管轄があるか(民訴11条の管轄合意も含め)を真っ先に確認し、管轄違いなら第一回口頭弁論で本案について弁論する前に移送の申立てを行う。逃すと応訴管轄が成立する
  4. 4.決定に不服なら即時抗告する 移送の決定または移送申立却下の決定に不服があれば、告知を受けた日から1週間以内に即時抗告を提起する(民訴21条、332条)。期間を過ぎると確定して争えなくなる

よくある質問 AI による整理

Q1管轄違いの移送とは何ですか?

受訴裁判所に管轄がない場合、訴えを却下せず管轄裁判所へ事件を送る制度です。民事訴訟法16条1項が根拠で、申立てでも職権でも行われ、提訴日は維持されます。

Q2訴える裁判所を間違えたらどうなりますか?

却下されず、16条1項により正しい管轄裁判所へ移送されます。訴え自体は生き続け、最初に訴えた日もそのまま維持されるため、時効や出訴期間で不利になりません。

Q3移送されても提訴日は維持されますか?

維持されます。移送は訴えの効果を最初の提訴時にさかのぼらせるため、時効の完成猶予も出訴期間の遵守も最初の提訴日で確定します。

Q4自庁処理とは何ですか?

16条2項で、本来簡易裁判所の管轄事件でも、地方裁判所が相当と認めれば自ら審理・裁判できる裁量です。争点が複雑な事案で使われます。

Q5移送の申立てはいつまでにすればいいですか?

移送申立て自体に期間はありませんが、管轄違いの抗弁は第一回口頭弁論で本案弁論をする前に行わないと応訴管轄が成立します(民訴12条)。

Q6移送の決定に不服がある場合はどうすればいいですか?

移送の決定または申立却下の決定には、告知を受けた日から1週間以内に即時抗告ができます(民訴21条、332条)。

Q7専属管轄でも移送されますか?

専属管轄違いなら16条1項で管轄裁判所へ移送されます。一方、専属管轄が定められた事件の17条等による裁量移送は20条で制限されます。

Q8管轄違いの抗弁を出さないとどうなりますか?

被告が第一回口頭弁論で管轄違いを主張せず本案弁論をすると、応訴管轄(民訴12条)が成立し、管轄違いでもその裁判所で争うことになります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判所を間違えて訴えたら、移送されるまでにどれくらい時間や費用が無駄になりますか?

移送は決定で行われ、確定すると記録ごと正しい裁判所へ送られます(民訴22条で移送先は拘束される)。数週間から数か月の遅れは生じますが、訴え自体は生き続け、提訴日も維持されます。実務のポイント:実務では、明らかな管轄違いでも裁判所が職権で即移送せず、まず原告に意見を求めることが多い。だからこそ訴状段階で管轄原因をきちんと書いておくと、無用な移送の往復を避けられる。慌てて出すときほど、管轄の根拠を一行添えておく価値がある

Q2相手が移送を申し立ててきたら、こちらは止められないんですか?

止める余地はあります。移送するかどうかは裁判所の判断で、当事者は意見を述べられ、移送の決定にも却下にも即時抗告(民訴21条)ができます。専属管轄でない限り、裁判の便宜や当事者の事情も考慮されます。実務のポイント:管轄合意(民訴11条)による専属管轄は16条2項ただし書の例外から外れており、合意があれば地裁の自庁処理にも一定の制約がかかる。契約書の管轄条項一行が、後の移送の攻防を左右する

Q3簡易裁判所に出したのに、地方裁判所が自分で裁くって言い出すことがあるんですか?

あります。16条2項の自庁処理で、地裁が相当と認めれば、本来簡裁の事件でも自ら審理・裁判できます。争点が複雑な事案で使われます。実務のポイント:自庁処理されると手続が簡裁の簡易さから地裁の本格仕様に変わり、書面や争点整理の負担が増える。少額・簡裁前提で本人訴訟を組んでいた人は、ここで弁護士の要否を再検討することになる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「管轄を間違えて訴えたら門前払い(却下)される」と思い込んでいる人が多いが、16条1項は却下ではなく移送を命じる。あなたの訴えは捨てられず、正しい裁判所へ引き継がれる。出発点の認識が違えば、期限直前の行動が変わる
  • 移送される事実は知っていても、その「移送されても提訴日が維持される」という効果の重さを分かっていない人がほとんどだ。これは単なる手続の付け替えではない。時効完成の直前に駆け込んだ訴えが、たとえ管轄違いでも、最初の提訴日で時効をせき止める。この一点を知る人と知らない人では、期限管理の戦い方がまるで違う
  • 「どの裁判所に出すかを完璧に当てなければならない」という問いの立て方そのものがずれている。実務で本当に死活的なのは『正しい裁判所を当てること』ではなく『期限内に、とにかく訴えを起こすこと』だ。管轄は後から移送で直せるが、提訴の遅れだけは取り返しがつかない
比較の観点この条文ほかの条文
発動の前提民訴16条:受訴裁判所に管轄がない(管轄違い)民訴17条:管轄はあるが著しい遅滞・当事者間の衡平のため
民訴20条:専属管轄が法定されている
提訴日の扱い移送されても最初の提訴日が維持される移送されても提訴日は維持される
原則として移送自体が制限される
発動の主体申立て又は職権の双方申立て又は職権の双方
20条により裁量移送が制限される
制度の主眼管轄秩序の是正と当事者の出訴利益の保護審理の便宜・遅滞回避
専属管轄の尊重

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第28条

台湾も無管轄の場合は却下せず、申立て又は職権で管轄裁判所へ裁定移送する点で日本16条1項と同趣旨

韓国
대한민국 민사소송법 제34조

韓国も管轄違反の場合に管轄裁判所へ移送する制度を持ち、移送の拘束力も同様に規律する

ドイツ
ZPO § 281

ドイツは原告の申立てに基づき管轄裁判所へ Verweisung(移送)する。移送決定は拘束力を持ち、提訴の効果も維持される点で類似する

アメリカ
28 U.S.C. § 1406, § 1631

米国連邦法は管轄・venue を欠く場合、却下に代えて適切な裁判所へ transfer できる。裁判所の裁量で訴えの存続を図る点で機能的に対応する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 時効完成まであと3日、慌てて近所の地方裁判所に訴状を出した。だが、その事件は本当は別の裁判所の管轄だった。却下されたら時効が完成してすべて消える。どうなるのか。答えは移送、しかも提訴日が維持されるので時効はギリギリ間に合う。管轄を完璧に当てられなくても、提訴日さえ押さえれば負けない
  • あなたが被告として訴状を受け取った。原告は自分の地元の裁判所に訴えてきたが、契約書には別の裁判所の専属管轄が書いてある。あなたは移送の申立てをして、審理の舞台そのものを正しい場所へ動かせる。ただし第一回口頭弁論で本案について話してしまうと応訴管轄が成立し、この手は使えなくなる
  • 簡易裁判所の管轄に収まる100万円の貸金請求。だが争点が複雑で、地方裁判所が「これは自分で裁いた方がよい」と判断した。2項の自庁処理で、簡裁ではなく地裁が審理する
  • もし相手が、あなたを困らせる目的で、わざと遠方かつ管轄違いの裁判所に訴えてきたら? あなたは移送の申立て一本で、その戦術を無効化できる。裁判所には正しい管轄へ送る義務があるからだ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 期限(時効・出訴期間)が迫っているなら、管轄の精査に時間を使いすぎず、まず合理的に見込める裁判所へ提訴日を確保する2. 後で管轄違いと分かっても、16条1項により職権または申立てで正しい裁判所へ移送される、提訴日は維持される3. 自分から正しい管轄を主張したいときは移送の申立書を提出4. 移送の決定や申立却下に不服があれば、即時抗告(民訴21条)で争える

訴えられた側:1. 訴状が届いたら受訴裁判所に管轄があるか、契約書の管轄合意(民訴11条)も含めて真っ先に確認2. 管轄違いなら、第一回口頭弁論で本案について弁論する前に移送の申立てを行う、これを逃すと応訴管轄(民訴12条)が成立して争えなくなる3. 移送が認められれば、より近い、または合意した裁判所で戦える4. 申立てが却下されたら即時抗告(民訴21条、1週間以内)を検討

時効(請求できる期限):移送の申立て自体に特定の出訴期間はないが、管轄違いの抗弁は第一回口頭弁論期日で本案について弁論をする前に行わなければ応訴管轄が成立する(民訴12条)。移送に関する決定への即時抗告は告知を受けた日から1週間以内(民訴21条、332条)

学説

通説:16条1項の移送は訴え却下を回避して当事者の出訴利益を保護する制度であり、移送によって訴え提起の効果は最初の提訴時に維持される。これにより時効の完成猶予・出訴期間の遵守が最初の提訴日で確定すると解されている。2項の自庁処理は審理の効率を優先する裁量規定と位置づけられる

改正沿革 AI による整理

  • 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の管轄違い移送規定が再編され、現行16条として整理された。1項で職権移送、2項で地方裁判所による自庁処理の裁量を明文化し、専属管轄でも当事者の管轄合意による場合を例外から除く構造とした

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、旧法の管轄違い移送規定が再編され現行16条として整理。1項で職権移送、2項で地方裁判所による自庁処理の裁量を明文化し、専属管轄でも当事者の管轄合意による場合を例外から除く構造とした

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 管轄

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›