受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第20条(専属管轄の場合の移送の制限)

クイックジャンプ
  1. 前三条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。
  2. 2.特許権等に関する訴えに係る訴訟について、第十七条又は前条第一項の規定によれば第六条第一項各号に定める裁判所に移送すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第十七条又は前条第一項の規定を適用する。

この条文の基本情報

専属管轄の場合の移送の制限とは何ですか?

定義専属管轄の場合の移送の制限とは、民事訴訟法第20条に定められた規定で、「前三条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第20条(専属管轄の場合の移送の制限)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第20条の条文原文は「前三条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第20条は第二節 管轄に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第20条の前の条は民事訴訟法第19条です。
  7. 民事訴訟法第20条の次の条は民事訴訟法第20条の2です。
  8. 民事訴訟法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第20条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/20

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法20条は、専属管轄の訴訟に移送規定(17〜19条)を適用しないと定める。ただし11条の合意管轄は除外され、特許権等は東京・大阪地裁へ移送される。

Q · 遠くの裁判所に訴えられたら、近くに移送してもらえないの?

原則できない。専属管轄の事件は便宜移送が封じられる

民事訴訟法20条により、専属管轄に属する訴訟には移送の規定(17条から19条)が適用されません。会社の組織に関する訴訟(会社法835条)や人事訴訟のような法定専属管轄では、便宜を理由に裁判所を動かせません。ただし二つの例外があり、当事者が11条で合意した専属的合意管轄は移送制限の対象外、特許権等の専門訴訟は逆に東京・大阪地裁へ移送されます(2項)。申し立てる前に、事件がそもそも動かせる種類かを見極めることが重要です。

解説

訴訟を起こされたあと、相手が「この裁判所は遠いから近くに移してほしい」と申し立ててくることがある。普通の事件なら、裁判所は当事者の便宜や審理の都合を考えて別の裁判所へ移送できる(民訴17条から19条)。ところが、その事件が法律で「この裁判所でしか審理できない」と決められた専属管轄に当たる場合、20条はこの移送のルールをまるごと止める。会社の組織をめぐる訴訟は本店所在地、特許の侵害訴訟は専門の裁判所、というように、法が場所を固定している事件では、いくら遠くても便宜を理由に動かせない。ただし二つの抜け道がある。一つは当事者が契約で合意した専属的合意管轄(11条)、これは移送の対象として残る。もう一つは特許権など知財の専門訴訟で、東京・大阪地裁へ集約する場合(2項)。あなたが移送を申し立てる前に確かめるべきは、その事件がそもそも動かせる種類なのか、という一点だ。

法的な位置づけ

民事訴訟法20条は、専属管轄に属する訴訟について移送に関する規定(17条から19条)の適用を排除する規定である。ただし11条の合意による専属的合意管轄は移送制限の対象外とされ、特許権等の専門訴訟については2項により東京・大阪地裁への移送が例外的に認められる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.訴状が届いたら、まず事件が専属管轄か確認 移送できるかを考える前に、訴訟物が法定専属管轄に当たるかを確認する。会社の組織に関する訴えは会社法835条、特許権等は民訴6条、離婚など人事訴訟は人事訴訟法4条が専属管轄を定める。専属なら20条で便宜移送が封じられる
  2. 2.専属でなければ移送を申し立てる 専属管轄に当たらない通常の事件なら、17条(遅滞回避等)または19条(申立てによる移送)で近くの裁判所への移送を申し立てる。第一回口頭弁論期日前に申立書を提出する
  3. 3.合意管轄なら20条かっこ書きで移送を狙う 契約書に専属的合意管轄(11条)が定められている事案では、法定専属と異なり20条かっこ書きで移送制限の対象外となる。合意が専属的か付加的かを精査し、移送の余地を主張する
  4. 4.法定専属で動かせないなら戦略を切り替える 会社訴訟や人事訴訟のように法定専属で移送できない場合、移送に時間を費やさず、出張コストを織り込んだ和解方針、ウェブ会議による期日参加、本人訴訟の検討へ早期に切り替える

よくある質問 AI による整理

Q1民事訴訟法20条をわかりやすく言うと?

専属管轄の事件では、便宜を理由にした移送(17〜19条)ができないという規定です。合意による専属管轄と特許訴訟だけは例外として移送の道が残ります。

Q2専属管轄だと移送できないのはなぜ?

専属管轄は会社訴訟なら本店所在地、特許なら専門裁判所というように制度目的で場所を固定しています。便宜移送を認めると固定の趣旨が崩れるため20条が封じています。

Q3特許の侵害訴訟はどこの裁判所で行われる?

東京地裁・大阪地裁の専属管轄です(民訴6条)。地方で訴えられても20条2項により専門裁判所へ移送され、東日本は東京、西日本は大阪に集約されます。

Q4会社の株主総会決議を争う訴訟はどこで起こす?

会社の本店所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄です(会社法835条)。20条により便宜移送が封じられるため、株主は本店所在地まで通う前提になります。

Q5移送の申立てはいつまでに出せばいい?

原則として第一回口頭弁論期日前です。専属管轄事件では20条で便宜移送自体が封じられるため、提訴前に管轄の性質を確定しておく必要があります。

Q6契約で決めた専属管轄なら移送できる?

できます。20条かっこ書きが11条の専属的合意管轄を移送制限の対象から外しており、法定専属と違い当事者合意由来なら17条等で動かせる余地があります。

Q7民訴13条と20条はどう違う?

13条は専属管轄の事件に管轄規定(応訴管轄など)の適用を除外し、20条は移送規定の適用を除外します。両者がセットで専属管轄の場所固定を支えています。

Q8専属管轄になる事件にはどんなものがある?

会社訴訟(会社法835条)、特許権等の訴え(民訴6条)、人事訴訟(人事訴訟法4条)などです。これらは制度目的から審理の場所が法律で固定されています。

この条文についての質問 AI による整理

Q1遠くの裁判所に訴えられたんですが、近くの裁判所に移してもらえないんですか?

事件の種類によります。普通の金銭トラブルなら17条・19条で移送を申し立てられますが、会社の組織に関する訴訟(会社法835条)や特許訴訟(民訴6条)のような専属管轄事件は、20条が便宜移送を封じます。実務のポイント:近年はウェブ会議によるオンライン期日が拡大し、遠方でも出張せず参加できる場面が増えた。移送が無理でも、期日のオンライン化を裁判所に求める手はある(最新の運用状況をご確認ください)。

Q2契約書に『東京地裁を専属管轄とする』と書いてあったら、絶対に動かせないんですか?

法定の専属管轄とは違います。20条のかっこ書きは、当事者の合意による専属的合意管轄(11条)を移送制限の対象から外しており、移送のルール(17条等)が使えます。つまり動かせる余地があります。実務のポイント:契約書の管轄条項が『専属的』か『付加的(専属とは書かれていない)』かで、後の移送の自由度が変わる。付加的合意なら他の法定管轄裁判所にも訴えられる。サインする前にこの一語を確認する人は少ない。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「遠い裁判所に訴えられたら移送を申し立てればいい」と考える人が多いが、その問いの立て方自体がずれている。先に決めるべきは『移送できるか』ではなく『この事件は専属管轄か』だ。専属なら便宜移送の申立てそのものが空振りになり、期日前の限られた時間を空費する
  • 専属管轄なら一切移送できないと思われがちだが、例外が二つある。当事者の合意による専属的合意管轄(11条)は移送制限の外に置かれ、特許等の専門訴訟は逆に専門裁判所へ移送される(20条2項)。専属だからすべて固定、ではない
  • 専属管轄の存在は知っていても、それが便宜移送だけでなく、応訴や合意による管轄の補正まで封じることは見落とされやすい。13条と20条がセットで働き、専属管轄の事件は当事者の都合で場所を動かす道がほぼ全面的に塞がれている
比較の観点この条文ほかの条文
規律の内容民訴20条:専属管轄では移送規定を適用しない民訴17条:遅滞回避等のための移送(裁量)
民訴19条:合意・申立てによる移送
専属管轄での可否原則移送不可(便宜移送を封じる)専属管轄では不適用(20条で排除)
専属管轄では不適用(20条で排除)
例外11条の合意管轄は除外、特許等は2項で専門裁判所へ移送—
—
姉妹規定13条(専属管轄での管轄規定の適用除外)と一体で機能6条(特許権等の専属管轄)
835条会社法(会社訴訟の専属管轄)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第26条・第28条

台湾も専属管轄では合意管轄を認めず(26条)、管轄違いは移送による(28条)。専属管轄を便宜で動かさない構造は日本と共通する。

韓国
대한민국 민사소송법 제31조・제34조

韓国も専属管轄(31条)を定め、移送(34条)の一般規定を持つ。専属管轄事件で当事者の便宜による移送が制限される点は日本と類似する。

ドイツ
ZPO § 40 Abs. 2, § 281

ドイツは専属的法定管轄では管轄合意を認めず(§ 40 Abs. 2)、管轄違いの移送は § 281による。専属管轄の趣旨を当事者処分から守る発想が日本法の母法となった。

アメリカ
28 U.S.C. § 1404(a)

米国は venue の変更を裁量で広く認めるが、専属管轄という大陸法的な場所固定の観念は薄く、forum non conveniens 法理で柔軟に処理する点で発想が異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 遠方の裁判所に訴えられ、第一回期日まであと10日。移送を申し立てれば近くに移せるはずだと弁護士に相談したら、「この事件は専属管轄だから動かせない」と言われたらどうする。会社の役員責任や株主総会決議を争う訴訟(会社法835条)は本店所在地の地裁に固定され、20条が便宜移送の道を閉ざす。残された時間で取るべきは移送の申立てではなく、出張前提の戦略の組み直しだ
  • あなたが特許侵害で地方の地裁に訴えられた。だが特許訴訟は東京・大阪地裁の専属。20条2項により、専属管轄であっても専門裁判所への移送だけは生きる。事件は東京地裁へ移る
  • 契約書に「東京地裁を専属的合意管轄とする」と書いてあり、大阪在住のあなたは移送を申し立てたい。この場合、20条のかっこ書きが効いて、当事者の合意による管轄は移送制限の外に置かれる。法定の専属と違い、合意由来なら動かせる余地が残る

取るべき行動

被害を受けた側:1. 訴状が届いたら、まず訴訟物が専属管轄事件か確認する(会社訴訟は会社法835条、特許等は民訴6条、人事訴訟は人事訴訟法4条)。2. 専属でなければ17条(遅滞回避等)または19条(申立て)で移送を申し立てる、第一回口頭弁論期日前に。3. 専属でも合意由来(11条の専属的合意管轄)なら、20条かっこ書きで移送の余地が残る。4. 法定専属なら便宜移送は諦め、出張コストを織り込んだ和解、本人訴訟、ウェブ会議による期日参加の活用へ切り替える

訴えられた側:1. あなたが原告で専属管轄の利点(自分に近い、相手に遠い)を活かしたいなら、訴訟物が法定専属に当たることを主張し、相手の便宜移送の申立てを20条で封じる。2. 相手が合意管轄を理由に移送を求めてきたら、その合意が専属的か付加的かを精査する。3. 特許等の事件では、20条2項で東京・大阪地裁へ移送される点を見越し、最初から専門裁判所に提訴する方が手戻りが少ない

時効(請求できる期限):移送の申立ては第一回口頭弁論期日前が原則(民訴17条等)。専属管轄に当たる場合は20条により便宜移送の申立てが封じられるため、提訴前に管轄の性質を確定しておく必要がある。特定の時効はないが、応訴により管轄が固まる前(第一回期日)が実務上の分水嶺

学説

通説:専属管轄は公益的要請から審理の場所を固定する制度であり、便宜による移送(17条等)はその趣旨と相容れないため20条が適用を排除する。もっとも11条の合意管轄は当事者の処分に委ねられた専属であるから、移送制限の例外とされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法から現行20条として整備。専属管轄に属する訴訟には17条から19条の移送規定を適用しないという制限を明文化し、合意管轄(11条)をその例外とした
  • 平成15年(2003年)改正(平成16年施行) 知的財産訴訟の専門化・管轄集中に伴い、特許権等に関する訴えについて、専属管轄であっても東京・大阪地裁(6条1項各号)への移送を認める第2項を新設した

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧民訴法から現行20条として整備し、専属管轄に属する訴訟には17条から19条の移送規定を適用しない旨を明文化、11条の合意管轄をその例外とした。
  2. 2.平成15年(2003年) 改正:知的財産訴訟の専門化・管轄集中に伴い、特許権等に関する訴えについて、専属管轄であっても東京・大阪地裁(6条1項各号)への移送を認める第2項を新設した(平成16年施行)。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 管轄

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›