民事訴訟法 第56条(個別代理)
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- 訴訟代理人が数人あるときは、各自当事者を代理する。
- 2.当事者が前項の規定と異なる定めをしても、その効力を生じない。
この条文の基本情報
個別代理とは何ですか?
定義個別代理とは、民事訴訟法第56条に定められた規定で、「訴訟代理人が数人あるときは、各自当事者を代理する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第56条(個別代理)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第56条の条文原文は「訴訟代理人が数人あるときは、各自当事者を代理する。」で始まります。
- 民事訴訟法第56条は第四節 訴訟代理人及び補佐人に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第56条の前の条は民事訴訟法第55条です。
- 民事訴訟法第56条の次の条は民事訴訟法第57条です。
- 民事訴訟法第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第56条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/56
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法56条は、訴訟代理人が数人あるとき各自が単独で当事者を代理できると定める。委任者が課した内部制限は、裁判所・相手方に対して効力を生じない。
Q · 弁護士を二人つけたら、和解には二人そろっての合意が必要ですか?
いいえ。各代理人が単独で代理でき、一人の和解も有効です。
民事訴訟法56条1項により、訴訟代理人が数人いるときは各自が単独で当事者を代理できます。複数代理は合議制ではなく、一人が法廷で和解・取下げ・請求放棄をすれば、その訴訟行為は有効に成立し本人を拘束します。さらに2項により、本人が「重要判断は二人そろってから」と内部で取り決めても、その制限は裁判所・相手方に対して効力を生じません。内部ルールはあくまで委任契約上の問題にとどまります。
解説
離婚訴訟でも会社の貸金回収でも、弁護士を二人つけることはよくある。大きな事件で「メインの先生」と「若手の先生」を頼むときだ。ここであなたが見落としているのが民事訴訟法56条である。訴訟代理人が複数いるとき、各代理人はそれぞれ単独で、あなたを代理できる。二人の合意は要らない。一人が法廷で和解に応じれば、あなたはその和解に縛られる。さらに恐ろしいのは2項だ。あなたが「重要な判断は二人そろってから」と内部で取り決めても、その取り決めは裁判所に対して効力を生じない。つまり、あなたが弁護士 A に「和解は B と相談してから」と念押ししても、A が単独でサインした和解は有効に成立する。あなたの内部ルールは、相手方や裁判所には一切通用しない。複数の代理人を立てるという行為は、それぞれに独立した全権を渡すという意味なのだ。
法的な位置づけ
民事訴訟法56条は訴訟代理人が複数いる場合の各自代理を定める規定であり、各代理人が単独で当事者を代理できる原則(1項)と、委任者が課した内部的制限は裁判所・相手方に対して効力を生じない旨(2項)を規定する。複数代理は合議制ではなく、各人が独立して全訴訟行為を行える点に特徴がある。
手順
- 1.委任前に主任代理人と決裁ルールを決める 複数の弁護士に委任する前に、各人が単独で全権を行使できる事実(56条1項)を前提に、誰を主任とし、和解・取下げ・請求放棄などの重大行為を誰の承認で行うかの社内決裁ルールを文書で定める
- 2.委任契約・委任状に権限分配を明記 委任契約書と各訴訟委任状に、主任・副任の役割と重大行為の事前承認フローを明記する。対外的に縛れない以上、内部文書で指揮系統を固めることが暴走防止の唯一のてこになる
- 3.方針対立が表面化したら一方を速やかに解任 代理人間で請求の維持・放棄など方針が割れた場合、矛盾する訴訟行為がともに有効になる前に、一方の委任を解除して権限の重複を解消する。放置すると相手方に足並みの乱れを突かれる
- 4.想定外の単独行為には委任契約上の責任で対応 一人の代理人の単独行為で和解等が成立した場合、対外的には有効で覆せない。委任契約上の善管注意義務違反として、当該代理人への損害賠償を別途検討する
よくある質問 AI による整理
Q1個別代理とは何ですか?
訴訟代理人が複数いても各自が単独で当事者を代理できる原則です。民事訴訟法56条1項が根拠で、合議制ではなく各人が独立して全訴訟行為を行えます。
Q2訴訟代理人は何人までつけられますか?
法律上の人数制限はありません。ただし何人つけても56条により各自が単独で代理権を持つため、人数を増やすほど対外的な権限の重複が生じます。
Q3共同代理と個別代理はどう違いますか?
共同代理は全員そろわないと行為できませんが、日本の訴訟代理は56条で個別代理が原則です。複数選任しても「二人そろって」は対外的に成立しません。
Q4委任契約で「全員一致でないと和解しない」と決めれば有効ですか?
委任者と代理人の内部関係では有効ですが、56条2項により裁判所・相手方には効力を生じません。一人の単独和解は対外的に成立してしまいます。
Q5複数の弁護士のうち一人だけを解任できますか?
できます。委任は代理人ごとに成立しているため、一方のみ解任して権限の重複を解消することが可能です。方針対立時の実務上の定石です。
Q6委任状は代理人ごとに必要ですか?
原則として各代理人について訴訟委任状が必要です。各自が単独で代理権を行使するため、誰に何を委任したかを書面で明確にしておくことが重要です。
Q7個別代理は会社や法人だけの問題ですか?
いいえ。離婚訴訟や相続紛争で複数の弁護士を頼む個人にも及びます。複数選任した時点で、各人が単独で和解できる構造は同じです。
Q8主任弁護士を窓口に指定すると他の代理人を縛れますか?
対外的には縛れません。56条2項で内部制限は無効だからです。ただし委任契約・社内決裁ルールとして文書化すれば、内部の暴走防止には機能します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士を二人頼んだのに、片方が勝手に和解してしまった。これって取り消せませんか?
原則として取り消せません。民事訴訟法56条1項により各代理人は単独であなたを代理でき、その訴訟行為は対外的に有効に成立します。56条2項で、あなたが内部で課した制限は裁判所・相手方に効力を生じません。実務のポイント:弁護士は依頼者から「重要事項は事前承認」と言われても、それは委任契約上の内部義務にすぎず、訴訟法上の権限は無制限のままだと理解しています。だからこそ実務では委任契約書に決裁フローを明記し、主任弁護士に窓口を一本化する運用をとる。依頼者側がこれを求めるかどうかで、暴走リスクが大きく変わる
Q2複数の弁護士で意見が割れたら、どちらの行為が有効になるんですか?
両方とも有効です。56条は各自代理を定めるため、どちらの訴訟行為も裁判所は有効として扱い、矛盾する場合は原則として後にされた行為が効力を持ちます。事前にどちらかを制限することはできません(同条2項)。実務のポイント:方針が割れたまま放置すると、相手方にこちらの足並みの乱れを突かれます。実務では、対立が表面化した段階で一方の委任を解除し、権限の重複を解消するのが定石。複数代理は合議制ではないという前提を、依頼者が早期に理解しているかが分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士を二人つければ、重要な決定には二人の合意が要る」と思い込んでいる人が多い。これは前提そのものが誤っている。56条1項は各自代理が原則で、複数代理は合議制ではない。あなたが期待している「二人のチェック機能」は、法律上は存在しない。各人が単独で全権を行使できる
- 「自分が依頼者なんだから、代理人に条件をつければそれが優先する」と考えがちだが、56条2項はその逆を定める。あなたの内部的な制限は、裁判所と相手方に対しては無効。あなたは依頼者として代理人を選べるが、いったん複数選任すれば、各人の単独権限を対外的に縛ることはできない
- 複数代理人の「内部の取り決めが無意味」だと知っている人でも、その深刻さを見落としている。一人の代理人の単独行為で訴訟が終わるということは、和解・請求放棄・訴えの取下げまで、訴訟の生死を分ける判断を一人に委ねたのと同じ。誰に何を任せるかの社内ルールは、対外的に効かないからこそ、依頼者側の管理が一層重い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 民訴56条:複数代理人の各自代理 | 民訴55条:訴訟代理権の範囲 民訴58条:訴訟代理権の不消滅 |
| 各代理人が単独でできること | 全訴訟行為を単独で行使(和解・取下げ含む) | 法定の範囲内(一定の重大行為は特別委任が必要) 本人死亡・資格喪失等でも代理権は存続 |
| 本人による制限の効力 | 内部制限は裁判所・相手方に対し無効(2項) | 特別の委任で個別事項の授権を調整可 代理権の安定を優先し本人側事情で消滅させない |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も「訴訟代理人が二人以上のときは各自が単独で当事者を代理し、これに反する委任は相手方に効力を生じない」と定め、日本56条とほぼ同一の構造を採る
韓国も各自代理を原則とし、当事者が異なる定めをしてもその効力を生じないとする。日本56条と1項・2項の構成まで一致する
ドイツは複数の訴訟代理人が共同でも単独でも行為できると定める。各自代理を許容する点で日本の母法にあたる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが大手の弁護士事務所に依頼し、パートナー弁護士と若手弁護士の二人が代理人についた。ある期日に若手だけが出廷し、その場で相手の和解案を受諾。あなたは「パートナーと相談してから決めるはずだった」と抗議したが、56条により若手単独の訴訟行為は有効。和解は成立済みで覆らない
- もし、あなたの会社が顧問弁護士と訴訟専門弁護士の二人を立てたとして、二人の方針が食い違ったらどうなる? 一方が請求の一部を放棄し、他方が全額請求を維持しようとする。裁判所はどちらの訴訟行為も有効として扱う。最後にした行為が効力を持つため、社内の指揮系統を明確にしておかないと収拾がつかない
- 相手方に複数の代理人がついている案件。あなたは「主任弁護士としか交渉しない」と決めていたが、別の代理人から直接、譲歩を引き出せる場面がある。相手方の代理人は各自が単独で和解権限を持つため、誰と話すかが交渉戦略になる
- あと3日で控訴期限。あなたのメイン弁護士が急病で連絡が取れない。だが共同代理人がもう一人いれば、その一人が単独で控訴を提起できる。複数代理は、こうした緊急時のバックアップ機能でもある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 複数の弁護士に委任する前に、各人が単独で全権を行使できる事実(56条1項)を前提に、誰を主任とし、和解・取下げ・請求放棄などの重大行為の社内決裁ルールを文書で定める2. 委任状の交付・解任の管理を一元化し、方針が割れたら直ちに一方の委任を解除して権限の重複を解消する3. 万一、想定外の単独行為で和解が成立した場合、対外的には有効なので覆せない。委任契約上の善管注意義務違反として、代理人への損害賠償を別途検討する
訴えられた側:1. 相手方に複数代理人がついている場合、各自が単独で和解できることを利用し、最も譲歩余地のある代理人に交渉を集中させる2. こちらが複数代理を立てる場合も、相手・裁判所に対しては内部制限が効かないため、対外行為の窓口と権限を明確に整理しておく3. 相手方代理人間で方針の不一致が見える場合は、後にされた訴訟行為が効力を持つ構造を踏まえ、確定的な書面(和解条項案)で固める
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし複数代理人の単独行為(和解、訴えの取下げ等)はその時点で確定的に効力を生じる。代理人の不適切な訴訟行為に基づく委任契約上の損害賠償請求権は、一般消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される
学説
通説:民訴56条の各自代理は、複数代理人がいても各人が単独で全訴訟行為を行える原則を定めるものと解される。本人による対外的な制限は2項で否定され、内部関係(委任契約)の問題にとどまる。手続の安定と相手方の信頼保護を優先した規律と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の個別代理規定(旧82条)を引き継ぎ、現行56条として条文番号を整理。各自代理の原則と、本人による制限の対外的無効を現代語で明文化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧民訴法の個別代理規定(旧82条)を引き継ぎ、現行56条として条文番号を整理。各自代理の原則と、本人による制限の対外的無効を現代語で明文化した
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