受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第59条(法定代理の規定の準用)

クイックジャンプ

第三十四条第一項及び第二項並びに第三十六条第一項の規定は、訴訟代理について準用する。

この条文の基本情報

法定代理の規定の準用とは何ですか?

定義法定代理の規定の準用とは、民事訴訟法第59条に定められた規定で、「第三十四条第一項及び第二項並びに第三十六条第一項の規定は、訴訟代理について準用する。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第59条(法定代理の規定の準用)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第59条の条文原文は「第三十四条第一項及び第二項並びに第三十六条第一項の規定は、訴訟代理について準用する。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第59条は第四節 訴訟代理人及び補佐人に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第59条の前の条は民事訴訟法第58条です。
  7. 民事訴訟法第59条の次の条は民事訴訟法第60条です。
  8. 民事訴訟法第59条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第59条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第59条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/59

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法59条は、補正命令・追認・代理権消滅通知を定める34条1項2項・36条1項を訴訟代理に準用する。代理権の不備は補正で修復され、解任は相手方への通知まで効力を生じない。

Q · 裁判の途中で弁護士を解任したら、それまでの手続はやり直しになりますか?

なりません。代理権の不備は補正で修復され、解任は通知で効力が生じます。

民事訴訟法59条は、法定代理の34条1項・2項と36条1項を訴訟代理に準用します。代理権に不備があっても裁判所は直ちに却下せず期間を定めて補正を命じ(34条1項)、無権代理行為も本人が追認すれば行為時にさかのぼって有効になります(34条2項)。弁護士を解任しても、その消滅を相手方に通知するまでは相手との関係で効力を生じません(36条1項)。だから手続のやり直しは原則として避けられますが、解任の通知を怠ると知らない場所で手続が進む不利益を受けます。

解説

裁判の途中で弁護士を解任した。あるいは委任状の押印が漏れていた。多くの人は「手続が無効になって最初からやり直しか」と青ざめる。だが民訴法59条は別の結論を用意している。法定代理について定めた34条1項・2項と36条1項を、訴訟代理(あなたが委任した弁護士や代理人)にも準用すると、この条文は一行で宣言する。意味は三つ。第一に、代理権に不備があっても裁判所はいきなり訴えを却下せず、期間を定めて補正を命じる(34条1項)。第二に、権限のない代理人がした訴訟行為も、あなたが後から追認すれば行為の時にさかのぼって有効になる(34条2項)。第三に、あなたが代理人を解任しても、その消滅を相手方に通知しなければ、相手との関係では効力を生じない(36条1項)。たった一行の準用が、あなたの裁判をやり直しの崖から救い、同時に「黙って解任」の落とし穴を仕掛けている。

法的な位置づけ

民事訴訟法59条は、法定代理について定める34条1項・2項および36条1項の規定を訴訟代理に準用する旨を定める規定である。これにより、訴訟代理人の代理権の欠缺に対する補正命令、無権代理行為の追認による遡及的有効化、代理権消滅の通知による効力発生という三つの仕組みが、委任による訴訟代理にも及ぶ。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.自分側の代理権の不備を補正命令で修復する 委任状の不備や押印漏れが発覚しても慌てない。裁判所の補正命令(34条1項準用)が出たら、定められた期間内に正しい委任状を提出する。期間内に応じれば、それまでの主張・立証はすべて有効に残る
  2. 2.過去の無権代理行為を追認・拒否で取捨選択する 権限を超えた代理人の行為があれば、自分に有利なものは速やかに追認し(34条2項準用)、不利なものは追認を拒否する。追認は行為時にさかのぼるため、和解戦略への影響を計算してから判断する
  3. 3.代理人の解任通知を内容証明で相手方へ送る 弁護士を交代・解任したら、解任の通知を本人から相手方へ内容証明郵便で直接送る。元代理人任せにすると感情的なもつれで遅れ、通知到達まで(36条1項準用)知らない場所で手続が進む余地を残す
  4. 4.相手方代理人の授権の範囲を早期に精査する 相手方代理人の委任状と特別授権欄を早期に確認する。和解・請求の放棄などに授権がないのに行われた行為は、本人の追認が固まる前に授権の欠缺を争点化すれば、相手の手続を一時的に止められる

よくある質問 AI による整理

Q1民事訴訟法59条とは何ですか?

法定代理の補正命令(34条1項)、無権代理行為の追認(34条2項)、代理権消滅の通知(36条1項)を訴訟代理にも準用する規定です。代理権の不備を救う安全網として働きます。

Q2訴訟代理権の欠缺は補正できますか?

できます。34条1項の準用により、裁判所はいきなり却下せず期間を定めて補正を命じます。期間内に正しい委任状を提出すれば、それまでの主張・立証はすべて有効に残ります。

Q3無権代理人の訴訟行為は追認できますか?

できます。34条2項の準用で、本人が追認すれば行為の時にさかのぼって有効になります。有利なら追認、不利なら拒否と、結果を見てから選べる立場になります。

Q4弁護士解任の通知はどこに出しますか?

相手方へ出します。36条1項の準用により、解任は相手方への通知が到達するまで相手との関係で効力を生じません。元弁護士任せにせず本人から内容証明で送るのが確実です。

Q5本人が死亡したら訴訟代理権はどうなりますか?

消滅しません。58条により、本人の死亡や訴訟能力の喪失があっても訴訟代理人の代理権は消滅せず、手続は中断せずに進みます。59条の通知ルールとは場面が異なります。

Q6訴訟代理権の範囲はどこまでですか?

55条が法定しています。一般の訴訟行為は包括的にできますが、和解・請求の放棄・上訴など重要事項は委任状の特別授権欄に記載がなければできません。

Q7委任状の押印漏れがあると訴訟は無効ですか?

直ちに無効にはなりません。34条1項の準用で裁判所は補正を命じるため、修復が原則です。やり直しではなく期間内の補正で手続を救えます。

Q8追認の遡及効とは何ですか?

追認の効果が追認した時点ではなく、無権代理行為がされた当初の時点にさかのぼって生じることです。期間計算や効力の起算点が当初の行為時を基準に動く点に注意が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判の途中で弁護士を変えたら、これまでの裁判はやり直しになりますか?

なりません。訴訟代理人を交代しても、それまでの主張・立証・証拠調べは有効なまま引き継がれ、新しい弁護士は途中から入ります。ただし旧弁護士の代理権消滅は、相手方に通知しなければ相手との関係では効力を生じません(59条が準用する36条1項)。実務のポイント:解任の通知を旧弁護士に任せると、感情的なもつれで遅れることがある。代理権消滅の通知は本人から相手方へ直接、内容証明で送るのが確実。通知前に元弁護士のもとへ届いた書類は、あなたに効力が及ぶ

Q2頼んでいない範囲のことを勝手に弁護士がやってしまったら、私は縛られますか?

授権の範囲を超えた行為は、あなたが追認しない限り効力を生じません(59条が準用する34条2項)。逆に、あなたに有利なら追認すれば行為の時にさかのぼって有効になります。つまり結果を見てから選べる立場にいます。実務のポイント:訴訟代理権の範囲は民訴法55条で法定されており、和解・請求の放棄・上訴など重要事項は特別の授権が必要。委任状の特別授権欄に何が書かれているかで、弁護士が単独でできる範囲が変わる。サインする前にこの欄を必ず確認する

間違えやすい点 AI による整理

  • 「代理権に不備があれば手続は全部無効でやり直し」と思われているが、34条1項の準用で裁判所はまず補正を命じる。やり直しではなく修復が原則であり、訴えが即却下される場面は限られる
  • 無権代理人の行為が追認で有効になることは知られているが、その追認が「行為の時にさかのぼる」深刻さは見落とされがちだ。期間計算や効力の起算点が、追認した時点ではなく当初の行為時点を基準に動く。さかのぼる、という二文字の重さを甘く見ると足をすくわれる
  • 「弁護士を解任すれば、その瞬間から相手との関係でも代理権は消える」と考えるのは、前提が誤っている。36条1項の準用では、相手方に通知するまで、あなたと相手の間では代理権は消えていない。あなたの内心や委任契約の終了と、訴訟手続上の効力は別物だ
比較の観点この条文ほかの条文
規律する内容59条:補正命令・追認・代理権消滅通知の規定を訴訟代理に準用58条:本人の死亡・能力喪失でも訴訟代理権は消滅しない
55条:訴訟代理権の範囲と特別授権事項
効果が働く場面代理権の欠缺・無権代理行為・代理人の解任があったとき訴訟係属中に本人側の身分・能力に変動が生じたとき
代理人が和解・上訴など重要行為をしようとするとき
本人が取るべき行動補正に応じる・追認の取捨選択・解任は通知で確定させる手続は中断しないので承継・受継の手続を確認
委任状の特別授権欄に必要事項を記載しておく

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第75条・第69条以下

台湾も訴訟代理権の欠缺について審判長が期間を定めて補正させる仕組みを持ち、補正による手続維持の発想は日本と共通する

韓国
대한민국 민사소송법 제97조

韓国も法定代理に関する規定を訴訟代理に準用する条文を置き、無権代理行為の追認・代理権消滅の扱いは日本と類似する

ドイツ
ZPO §§ 78 ff., 89

ドイツは弁護士強制を前提に訴訟代理権を規律し、§89で無権代理人の行為と追認・費用負担を定める。準用ではなく直接規定する点が日本と異なる

アメリカ
各州手続規則・代理法理(attorney of record / ratification)

米国は成文の準用条文ではなく、attorney of record の交代手続や代理法理上の追認(ratification)で同種の問題を処理する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、第一審の判決直前に委任状の不備が発覚したら、裁判所はあなたの訴えをその場で却下するのか。しない。34条1項の準用で、まず期間を定めた補正命令が出る。期間内に正しい委任状を出せば、それまでの主張も立証も全部生きる
  • あなたが被告。原告側の代理人が、実は授権の範囲を超えて和解に応じていた。原告本人がそれを追認すれば、和解は行為時にさかのぼって有効になる。追認しなければ宙に浮く。相手方代理人の授権の有無は、あなたが突ける弱点になりうる
  • 弁護士を解任した。だが相手方に通知していない。その間に元弁護士のもとへ届いた書類は、あなたに効力が及ぶ。通知が一日遅れるごとに、知らない場所で手続が進む
  • 会社の訴訟で、代表権を争われている取締役が選んだ代理人。その代理人の訴訟行為は、後に正当な代表者が追認すれば有効、しなければ無効。社内の権限争いが、法廷の一手一手の効力に直結する

取るべき行動

被害を受けた側:1. 自分側の代理権に不備が見つかっても慌てない。裁判所の補正命令(34条1項準用)に期間内で応じれば、それまでの手続は生きる2. 過去に権限を超えた代理人の行為があれば、自分に有利なものは速やかに追認(34条2項準用)、不利なものは追認を拒否3. 代理人を交代・解任したら、相手方への通知(36条1項準用)を確実に、できれば内容証明で行い、到達記録を残す

訴えられた側:1. 相手方代理人の委任状と授権の範囲を早期に精査、疑義があれば授権の欠缺を主張2. 相手が無権代理人の行為を追認するか否かを見極める。追認前なら効力は確定していない3. ただし追認は行為時にさかのぼるため、追認されれば過去に戻って有効になる点を計算に入れ、和解戦略を組む

時効(請求できる期限):補正は裁判所が定める期間内に応じる必要がある(34条1項準用)。追認自体に固有の期間制限はないが、無権代理人の相手方は本人に催告でき、期間内に確答がなければ追認を拒絶したものとみなされうる(民法114条参照)。代理権消滅の通知は相手方への到達時に効力を生じる

学説

通説:59条が準用する34条・36条の趣旨は、代理権の軽微な瑕疵による訴訟全体の無効を避けて手続経済と相手方の信頼を守りつつ、追認という本人の選択を残すことにある。補正・追認・通知の三つで手続の安定と本人の意思尊重を均衡させると解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により旧民訴法から現行法へ移行。法定代理の補正・追認・消滅通知の規定を訴訟代理へ準用する構造が現行59条として整理された。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第四節 訴訟代理人及び補佐人

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›