民事訴訟法 第36条(法定代理権の消滅の通知)
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- 法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。
- 2.前項の規定は、選定当事者の選定の取消し及び変更について準用する。
この条文の基本情報
法定代理権の消滅の通知とは何ですか?
定義法定代理権の消滅の通知とは、民事訴訟法第36条に定められた規定で、「法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第36条(法定代理権の消滅の通知)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第36条の条文原文は「法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。」で始まります。
- 民事訴訟法第36条は第一節 当事者能力及び訴訟能力に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第36条の前の条は民事訴訟法第35条です。
- 民事訴訟法第36条の次の条は民事訴訟法第37条です。
- 民事訴訟法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法36条は、法定代理権の消滅は本人または代理人から相手方に通知しなければ効力を生じないと定める。通知前は旧代理人の訴訟行為も本人を拘束する。
Q · 訴訟の途中で相手の社長が代わったら、もう前の社長を相手に手続を進めてはダメ?
正式な通知が届くまでは旧代表者を相手に進めて有効です
民事訴訟法36条により、法定代理権(法人なら代表権、37条で準用)の消滅は、本人または代理人から相手方に通知して初めて効力を生じます。したがって相手方に消滅の通知が到達するまでは、旧代表者がした送達の受領・期日のやり取り・和解・請求の認諾・訴えの取下げは、すべて有効に本人を拘束します。逆に自社の代表者を交代させた側は、通知を怠れば前任者の訴訟行為に縛られる危険を負います。第2項は選定当事者の選定の取消し・変更にも準用されます。
解説
訴訟の途中で、相手方会社の社長が解任された。あなたは「もう前の社長と話しても無駄だ」と思うかもしれない。逆である。民事訴訟法36条によれば、法定代理権(法人なら代表権、37条で準用される)の消滅は、本人または代理人から相手方に通知して初めて効力を生じる。つまり、会社が代表者交代をあなたに正式通知するまで、前の代表者が行った訴訟行為、和解、請求の認諾、訴えの取下げは、すべて有効にその会社を縛る。あなたが前の代表者に対してした送達や手続も有効だ。これは内部の人事異動を知りようがない相手方を不意打ちから守るための安全装置である。だから、相手の代表者が代わったらしいと噂で聞いても、正式な通知書が届くまでは、あなたは旧代表者を相手に手続を進めてよい。むしろ、自社の代表者を交代させた側こそ、通知を怠れば前任者の暴走に縛られる危険を背負う。
法的な位置づけ
民事訴訟法36条は法定代理権の消滅の効力発生時点を定める規定である。代理権が実体上消滅しても、本人または代理人から相手方へ通知が到達するまでは訴訟上その効力を生じない。第2項は選定当事者の選定の取消し・変更にこれを準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社が代表者・法定代理人を交代させたら即通知 社内決裁や商業登記の完了を待たず、何より先に代理権消滅の通知書を相手方へ到達させる。前任者の訴訟行為を止めるスイッチは通知の到達であって登記の完了ではない
- 2.通知は立証できる方法で行う 口頭ではなく、到達日時と内容を客観的に立証できる内容証明郵便等で通知する。送付控えと配達証明を保管し、到達日時を記録に残す
- 3.通知到達後は新代表者で手続を引き継ぐ 通知が相手方に到達した日時を起点に、以後の送達・期日対応・主張立証を新代表者(新法定代理人)の名で引き継ぐ。中断・受継が必要な場合は速やかに受継の申立てを行う
- 4.相手方の立場なら通知到達まで旧代表者を相手に進める 相手の代表者交代を噂で聞いても、正式な通知書が届くまでは旧代表者を相手にした送達・期日の手続を有効なものとして進めてよい。通知が来たら到達日時を記録し新代表者へ切り替える
よくある質問 AI による整理
Q1代理権消滅の通知とは何ですか?
法定代理権が実体上消滅しても、本人または代理人から相手方に通知しなければ訴訟上の効力が生じない、という民事訴訟法36条のルールです。
Q2訴訟中に会社の代表者が交代したらどうなりますか?
37条で36条が準用され、相手方への通知が到達するまでは旧代表者の訴訟行為が有効に会社を拘束します。通知後に新代表者へ手続が引き継がれます。
Q3代表者交代を商業登記すれば訴訟上も効力が生じますか?
登記による一般的公示だけでは足りません。36条が求めるのは相手方その人への通知であり、登記を信じて手続を止めると不利益を被るおそれがあります。
Q4代理権消滅の通知は口頭でもできますか?
理論上は可能ですが、到達と内容を立証できる内容証明郵便など書面で行うのが実務の鉄則です。立証できないと通知の効力が争われます。
Q5通知前に前任者がした和解は取り消せますか?
通知到達前の和解・認諾・取下げは有効に本人を拘束し、訴訟上は覆りません。前任者個人への善管注意義務違反の責任追及は別途検討します。
Q6選定当事者を交代させたら通知は必要ですか?
必要です。36条2項により、選定当事者の選定の取消し・変更にも通知主義が準用され、通知前は旧選定当事者の訴訟行為が全員を拘束します。
Q7未成年の原告が訴訟中に成人したらどうなりますか?
親の法定代理権は消滅しますが、相手方への通知前は親宛ての送達も有効です。手続中断・受継の問題は民訴124条以下で処理されます。
Q8法定代理権の消滅で訴訟手続は中断しますか?
原則として中断し、受継の申立てが必要になる場合があります(民訴124条以下)。通知の効力発生と中断・受継は別の論点として整理します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訴訟中にうちの会社の社長が代わったんですが、相手にどう知らせればいいんですか?
本人(会社)または前代表者から相手方に通知すれば効力が生じます(民訴36条1項、37条で法人代表者に準用)。口頭でも理論上は可能ですが、到達と内容を立証できる書面(内容証明郵便など)で行うのが実務の鉄則です。実務のポイント:商業登記で代表者交代を公示しても、それだけでは訴訟上の権限消滅の効力に直結しないと解されています。登記したから大丈夫と油断せず、相手方その人へ別途通知を到達させること
Q2前の社長が会社に無断で不利な和解をしてしまったら、もう取り消せないんですか?
相手方への消滅の通知が到達する前なら、その和解は有効に会社を縛ります(民訴36条1項)。訴訟上の効力は原則として覆りません。前社長個人に対して善管注意義務違反等の責任を追及する道は残りますが、それは別の戦いです。実務のポイント:だからこそ代表者を交代させた瞬間に通知を打つかどうかが分水嶺になります。退任者が会社に恨みを持つケースほど、通知の一日の遅れが致命傷になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「代表権や代理権が実際に消滅したら、訴訟でも自動的に無効になる」と思われているが、36条は通知して初めて効力が生じると定める。相手方に通知が到達するまでは、権限が消えたはずの旧代表者の訴訟行為が有効に本人を縛り続ける
- 通知が必要なことは知っていても、その通知前に前任者がした和解・請求の認諾・訴えの取下げまで本人を拘束するという深刻さを見落としがちだ。これらは訴訟を終わらせる効力を持つ行為であり、後から「権限がなかった」と言っても訴訟上は覆らない
- 「会社の登記で代表者交代を公示すれば足りる」と考える人が多いが、問いの立て方がずれている。36条が要求するのは登記による一般的公示ではなく、相手方その人への通知である。登記を信じて手続を止めると足をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する権限の種類 | 36条:法定代理権の消滅(通知主義の原則規定) | 37条:法人の代表者等の代表権消滅(36条を準用) 59条:訴訟代理権の消滅(36条1項を準用) |
| 効力発生時点 | 本人または代理人から相手方へ通知が到達した時 | 代表者交代の通知が相手方へ到達した時 訴訟代理権消滅の通知が相手方へ到達した時 |
| 通知前の旧権限者の行為 | 有効に本人を拘束(和解・認諾・取下げ含む) | 有効に法人を拘束 有効に本人を拘束 |
| 関連する中断・受継 | 民訴124条以下(法定代理権消滅による中断) | 民訴124条以下(代表者の死亡・資格喪失) 訴訟代理人があるときは中断しない(民訴124条2項) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は訴訟委任の終了は他造への通知がなければ効力を生じないとし、日本36条と同じ通知主義に立つ
ドイツは代理権の消滅・解約は相手方への通知(Anzeige)により初めて効力を生じるとし、本条の母法的発想に当たる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、訴訟係属中に相手方会社の代表取締役が背任で解任されたと小耳に挟んだら、どうなる? あなたはまだ正式通知を受けていない。このとき前代表者に送達した書面も、前代表者と交わした期日でのやり取りも、すべて有効に会社を縛る。慌てて手を止める必要はない
- あなたの会社が訴訟係属中に社長を交代させた。前社長は会社に恨みを残して退任した。あと数日で次の口頭弁論期日が来る。消滅の通知を相手方に到達させるまで、前社長が会社の名で不利な和解をしても有効になりうる。今日中に通知を出さなければ、その暴走を止められない
- 未成年で親が代理していた原告が、訴訟中に成人した。親の法定代理権は消滅する。だが相手方への通知前は、親宛ての送達も有効だ
- マンションの住民30人が共同で施工業者を訴え、3人を選定当事者に選んだ。途中でその1人を交代させたが、相手に通知しなかった。旧選定当事者がした訴えの取下げは、依然として住民全員に効力を及ぼす。2項がこの場面を直接カバーする
取るべき行動
被害を受けた側:相手方の代表者・法定代理人が交代した立場のとき。1. 正式な通知書を受け取るまでは、旧代表者を相手にした送達や期日の手続を有効なものとして進めてよい2. 通知が来たら到達日時を記録し、その後の手続は新代表者を相手に切り替える3. 法定代理権の消滅で手続が中断する場合(民訴124条)は、受継の申立てを促す4. 通知前に旧代表者と固めた自白や和解は、こちらに有利なら援用する余地がある
訴えられた側:自社の代表者・法定代理人を交代させた立場のとき。1. 何より先に、消滅の通知書を相手方へ到達させる。社内決裁や登記の完了を待ってはいけない2. 通知の到達日時を記録に残し、到達後は新代表者で手続を引き継ぐ3. 通知前に前任者が不利な訴訟行為(和解・認諾・取下げ)をしてしまった場合、訴訟上は有効に縛られるため、前任者個人への善管注意義務違反等の責任追及は別途検討する4. 法人の代表者交代は37条で36条が準用される点を社内法務で共有しておく
時効(請求できる期限):特定の時効はない。代理権消滅の効力は通知が相手方に到達した時に生じる(民訴36条1項)。なお、法定代理権の消滅により訴訟手続が中断した場合は、受継の申立て等を速やかに行う必要がある(民訴124条以下、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:36条は法定代理権消滅の効力発生時点を通知の到達に固定する規定であり、相手方の手続的信頼を保護する趣旨に立つ。商業登記による公示があっても、相手方への通知がない限り訴訟上の効力は生じないと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正(平成8年法律第109号)。旧民訴法の規定を整理し、法定代理権の消滅の通知主義を36条に置き、2項で選定当事者の選定の取消し・変更に準用する構造を明確化した。
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