民事訴訟法 第28条(原則)
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当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令に従う。訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする。
この条文の基本情報
原則とは何ですか?
定義原則とは、民事訴訟法第28条に定められた規定で、「当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令に従う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第28条(原則)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第28条の条文原文は「当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令に従う。」で始まります。
- 民事訴訟法第28条は第一節 当事者能力及び訴訟能力に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第28条の前の条は民事訴訟法第27条です。
- 民事訴訟法第28条の次の条は民事訴訟法第29条です。
- 民事訴訟法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法28条は、当事者能力・訴訟能力・法定代理を、特別の定めがある場合を除き民法その他の法令に従うと定める。能力を欠く者の訴えは法定代理人を立てなければ却下される。
Q · 認知症の親や、法人でない団体の名前で裁判を起こせますか?
原則は民法の定めに従い、能力を欠けば法定代理人が必要
民事訴訟法28条により、当事者能力・訴訟能力・訴訟無能力者の法定代理は、特別の定めがある場合を除き民法その他の法令に従います。権利能力のある自然人・法人は当事者能力を持ちますが、認知症が進んだ成年被後見人や未成年者は訴訟能力を欠き、法定代理人(成年後見人・親権者)を通さなければ有効に訴訟できません。法人でない社団でも、代表者の定めがあれば29条により団体名義で訴えられます。能力の不備は補正・追認が可能(民訴34条)なので、却下を恐れて取り下げる前に救済を試みるべきです。
解説
認知症が進んだ親の名義で、貸したお金を取り返す訴訟を起こそうとしたら、裁判所に門前払いされた。理由はこの28条にある。訴訟の世界には二つの「資格」があり、それを満たさない者の訴えは中身を審理される前に却下される。一つは当事者能力、つまり訴訟で原告や被告という当事者になれる資格。もう一つは訴訟能力、自分自身で有効に訴訟行為ができる資格だ。28条は、この二つを誰が持つかを民事訴訟法が独自に決めるのではなく、特別の定めがある場合を除き、原則として民法その他の法令に従うと宣言する。だから権利能力のある自然人・法人は当事者能力を持ち、行為能力を制限される未成年者や成年被後見人は訴訟能力を欠き、法定代理人を通さなければ戦えない。あなたが誰かの代わりに、あるいは団体の名前で訴えを起こす前に、まずこの入口の資格を確認しなければ、費用と時間をかけた訴え自体が空振りに終わる。
法的な位置づけ
民事訴訟法28条は、訴訟の当事者となりうる資格である当事者能力、自ら有効に訴訟行為をなしうる資格である訴訟能力、および訴訟無能力者の法定代理について、特別の定めがある場合を除き民法その他の法令に従う旨を定める準則規定である。実体法上の権利能力・行為能力の概念を訴訟法に取り込み、能力の基準を統一する役割を果たす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分(または本人)の当事者能力・訴訟能力を確認 訴える前に、原告となる者が当事者能力と訴訟能力を備えるかを確認する。本人が認知症等で判断能力を欠くなら、本人名義で進めず法定代理の手当てを先に行う
- 2.成年後見開始を家庭裁判所に申し立てる 本人が訴訟能力を欠く場合、家庭裁判所に成年後見開始を申し立て、選任された後見人を法定代理人として訴える。親族間に対立があると第三者の専門職後見人が選ばれる傾向があるため、申立て段階で紛争方針をすり合わせる
- 3.団体名義で訴えるなら29条の要件を整える 法人でない社団・財団の名で訴えるときは、規約・代表者選任の議事録・総会記録を揃え、代表の方法や財産管理が確定していることを示す。法人化登記をしなくても訴訟は可能
- 4.利益相反があれば特別代理人を選任 未成年者が当事者で親権者と利益が対立する場合(親が相手方、相続争いなど)は、家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てる。これを怠ると分割等が後に無効と争われる
- 5.能力の不備は取り下げず追認で救済 能力を欠く者の訴訟行為がそのまま進んでいた場合、却下を恐れて取り下げず、法定代理人を立てて追認を取り付ける。追認は事実審の口頭弁論終結時まで可能(民訴34条2項)
よくある質問 AI による整理
Q1当事者能力とは何ですか?
訴訟で原告・被告という当事者になれる資格のことです。権利能力のある自然人・法人は当事者能力を持ち、法人でない社団も代表者の定めがあれば認められます(民訴28条・29条)。
Q2訴訟能力とは何ですか?
自分自身で有効に訴訟行為ができる資格です。未成年者や成年被後見人は訴訟能力を欠き、法定代理人を通さなければ訴訟できません(民訴28条・31条)。
Q3権利能力なき社団は裁判を起こせますか?
起こせます。法人格がなくても、団体としての組織・代表の方法・総会運営・財産管理が確定していれば、代表者の名で団体として訴え・訴えられます(民訴29条)。
Q4認知症の親の代わりに子が裁判できますか?
勝手にはできません。本人が訴訟能力を欠く場合、家庭裁判所で成年後見人を選任し、その後見人が法定代理人として訴える形になります(民訴28条、民法838条以下)。
Q5成年被後見人の訴訟は誰がやりますか?
成年後見人が法定代理人として訴訟を行います。本人が直接した訴訟行為は原則無効ですが、後見人の追認があれば有効になります(民訴31条・34条)。
Q6未成年の子の訴訟は親が代理できますか?
原則は親権者が法定代理人として行います。ただし親子の利益が対立する場面では親は代理できず、特別代理人の選任が必要です(民法824条・826条)。
Q7訴訟能力を欠くと訴えは必ず却下ですか?
直ちに却下ではありません。能力の不備は補正可能で、法定代理人を立てて追認すれば訴えは救済されます(民訴34条)。事実審の口頭弁論終結時まで追認できます。
Q8当事者能力は職権で調べられますか?
はい。当事者能力・訴訟能力は訴訟要件であり、どの審級・どの段階でも裁判所が職権で調査します。相手方が能力を欠けば本案前に却下を求められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認知症の親の代わりに、私が親のお金のことで裁判を起こせますか?
あなたが子であっても、勝手に親の名義で訴訟はできません。親に訴訟能力がない場合、家庭裁判所で成年後見人を選任し、その後見人が法定代理人として訴える形になります(民訴28条、31条、民法838条以下)。実務のポイント:後見人にあなた自身が就任できるとは限りません。親族間に対立があると、裁判所は第三者の専門職後見人(弁護士・司法書士)を選ぶ傾向が強い。財産紛争を急ぐなら、申立ての段階で後見人候補と紛争方針をすり合わせておく
Q2うちのマンション管理組合、法人になってないけど管理費の滞納者を訴えられますか?
訴えられます。法人でない社団でも、代表者または管理人の定めがあれば団体の名で原告・被告になれます(民訴28条が指す特別の定め、29条)。管理規約・総会議事録・理事長の選任を示せば足ります。実務のポイント:区分所有建物の管理組合は法人化もできますが、未法人でも29条で訴訟は可能。わざわざ法人化登記をしなくても訴えられる点を知らず、登記費用と手間をかけてしまう理事が多い
Q3未成年の子の名前で示談や訴訟をする場合、親が代わりにやれば全部有効ですか?
原則、親権者が法定代理人として行います(民訴28条、民法818条、824条)。ただし親と子の利益が対立する場面(親が相手方、または兄弟間の相続争い)では、親は代理できず、特別代理人の選任が必要です(民法826条)。実務のポイント:相続で親と未成年の子が共同相続人になるのは利益相反の典型。親が子を代理して遺産分割すると、後でその分割が無効と争われる。特別代理人を立てる一手間が、十年後の紛争を防ぐ
間違えやすい点 AI による整理
- 「未成年者や認知症の本人は訴えられない」と知っている人は多いが、その却下が実は補正可能だという深刻度を知らない。法定代理人を後から立てて追認すれば、訴えは救済される(民訴34条)。知らずに諦めて取り下げている間に時効が進み、本当に権利を失う
- 「団体だから訴訟は無理」と問いを立てること自体が誤っている。町内会やマンション管理組合のような法人でない社団でも、代表者の定めがあれば団体名義で訴え、訴えられる(民訴29条)。問題は法人格の有無ではなく、組織としての実体と代表の定めがあるかだ
- 「弁護士に頼めば誰でも訴訟できる」と思われているが、当事者能力や訴訟能力を欠く者は、弁護士に委任すること自体ができない。委任は訴訟能力のある者がする行為だからだ。能力を欠く本人ではなく、その法定代理人が弁護士に委任する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する資格 | 民訴28条:当事者能力・訴訟能力・法定代理の準則(民法に従う) | 民訴29条:法人でない社団等の当事者能力 民訴31条:未成年者・成年被後見人の訴訟能力の特則 |
| 対象 | 能力一般の基準を民法その他の法令に委ねる | 法人格のない団体(町内会・管理組合等) 行為能力を制限される自然人 |
| 効果 | 権利能力・行為能力の有無で能力が決まる | 代表者の定めがあれば団体名義で訴え可 法定代理人を通さなければ訴訟無効 |
| 不備の救済 | —(基準規定) | 実体を示せば当事者能力を認められる 民訴34条の補正・追認で救済可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も当事者能力と訴訟能力を区別し、能力の基準を実体法(民法)に連動させる点で日本と同じ構造
韓国民訴51条も、当事者能力・訴訟能力等は特別の定めがなければ民法その他の法律に従うと規定し、日本28条とほぼ同一の準則構造
ドイツ ZPO は Parteifähigkeit(当事者能力)と Prozessfähigkeit(訴訟能力)を区別し、いずれも BGB の権利能力・行為能力に準拠させる。日本法の母法
米国は『Capacity to Sue or Be Sued』を Rule 17で規律し、原則として個人は住所地の州法、法人は設立準拠法により能力を判断する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、認知症と診断された親の名義で、貸したお金を取り返す訴訟を起こしたらどうなる? 答えは却下。家庭裁判所で成年後見人を選任し、その後見人が法定代理人として訴える形にしなければ、入口で止まる。本人にサインさせても、その訴訟行為は無効だ
- 町内会の会計を任されていたあなたが、横領した元会長を団体名義で訴えたい。法人格はないが、規約で代表者と総会の定めがあれば、28条が指す特別の定め(29条)で当事者能力が認められる。法人化登記をしていなくても訴えられる、その第一歩は組織の実体を示す資料を揃えることだ
- あなたを訴えてきた相手が、実体のない任意団体だった。代表者の定めも総会の記録もない。当事者能力を欠くと主張すれば、訴えは本案に入る前に却下されうる。
- 親が成年被後見人なのに、誰も気付かないまま本人が直接サインした委任状で訴訟が進んでいる。控訴期限まであと10日。後見人の追認(民訴34条)を急いで取り付けなければ、判決ごと覆る危険がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分が当事者能力・訴訟能力を持つか確認する。本人が認知症等で能力を欠くなら、家庭裁判所に成年後見開始を申し立て、後見人を法定代理人にする2. 団体名義で訴えるなら、代表者の定め・規約・総会記録を揃え、29条の要件を満たすことを示す3. 未成年者が当事者なら親権者を法定代理人とし、親子で利益が対立するなら特別代理人を選任する(民法826条) 4. 能力の不備は補正可能(民訴34条)。却下を恐れて取り下げず、まず補正・追認を試みる
訴えられた側:1. 相手の訴えに当事者能力・訴訟能力の欠缺がないか確認する。実体のない任意団体や、能力を欠く本人による訴えなら、本案前に却下を求められる2. 逆にあなた側に能力の問題があるなら、放置せず法定代理人を立てて追認し、判決の無効リスクを消す3. 未成年や被後見人が被告なら、法定代理人への送達が適法かを確認し、欠ければ手続違背を主張する4. 時機に後れず、第一審の早い段階で主張する
時効(請求できる期限):当事者能力・訴訟能力の欠缺は訴訟要件であり、特定の出訴期限はない。職権調査事項なので、どの審級・どの段階でも問題にできる。ただし能力を欠く者の訴訟行為は、法定代理人の追認(民訴34条2項)がない限り無効。追認は事実審の口頭弁論終結時まで可能だが、放置すれば訴え却下や判決取消しのリスクが残る
学説
通説:当事者能力・訴訟能力は実体法上の権利能力・行為能力に対応するが完全に一致せず、本条はその基準を民法に委ねる準則規定と解される。法人でない社団については29条が特則として当事者能力を拡張し、能力を欠く者の訴訟行為は34条の追認により遡及的に有効となると理解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、旧法下の当事者能力・訴訟能力に関する規定を整理し、現行28条として、能力および訴訟無能力者の法定代理を民法その他の法令に従わせる準則規定を置いた
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