介護保険法 第42条の3(特例地域密着型介護サービス費の支給)
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- 市町村は、次に掲げる場合には、要介護被保険者に対し、特例地域密着型介護サービス費を支給する。
- 一要介護被保険者が、当該要介護認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により指定地域密着型サービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
- 二指定地域密着型サービス(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を除く。以下この号において同じ。)の確保が著しく困難である離島その他の地域であって厚生労働大臣が定める基準に該当するものに住所を有する要介護被保険者が、指定地域密着型サービス以外の地域密着型サービス(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を除く。)又はこれに相当するサービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
- 三その他政令で定めるとき。
- 2.特例地域密着型介護サービス費の額は、当該地域密着型サービス又はこれに相当するサービスについて前条第二項各号の厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該地域密着型サービス又はこれに相当するサービスに要した費用(地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護及び複合型サービス並びにこれらに相当するサービスに要した費用については、食事の提供に要する費用、居住に要する費用その他の日常生活に要する費用として厚生労働省令で定める費用を除く。)の額を超えるときは、当該現に地域密着型サービス又はこれに相当するサービスに要した費用の額とする。)の百分の九十に相当する額又は同条第四項の規定により市町村(施設所在市町村の長が同条第一項本文の指定をした指定地域密着型サービス事業者から指定地域密着型サービスを受けた住所地特例適用要介護被保険者その他の厚生労働省令で定める者に係る特例地域密着型介護サービス費(特定地域密着型サービスに係るものに限る。)の額にあっては、施設所在市町村)が定めた額を基準として、市町村が定める。
- 3.市町村長は、特例地域密着型介護サービス費の支給に関して必要があると認めるときは、当該支給に係る地域密着型サービス若しくはこれに相当するサービスを担当する者若しくは担当した者(以下この項において「地域密着型サービス等を担当する者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該地域密着型サービス等を担当する者等の当該支給に係る事業所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 4.第二十四条第三項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は前項の規定による権限について準用する。
この条文の基本情報
特例地域密着型介護サービス費の支給とは何ですか?
定義特例地域密着型介護サービス費の支給とは、介護保険法第42条の3に定められた規定で、「市町村は、次に掲げる場合には、要介護被保険者に対し、特例地域密着型介護サービス費を支給する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第42条の3(特例地域密着型介護サービス費の支給)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第42条の3の条文原文は「市町村は、次に掲げる場合には、要介護被保険者に対し、特例地域密着型介護サービス費を支給する。」で始まります。
- 介護保険法第42条の3は第三節 介護給付に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第42条の3の前の条は介護保険法第42条の2です。
- 介護保険法第42条の3の次の条は介護保険法第43条です。
- 介護保険法第42条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第42条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第42条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/42_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法42条の3は、認定前の緊急利用や離島等での非指定サービス利用について、市町村が必要と認めれば特例地域密着型介護サービス費を支給すると定める。
Q · 介護認定が下りる前に使った地域密着型サービスの費用は、全部自己負担になるの?
市町村が緊急と認めれば、認定前の利用分も9割が給付される
介護保険法42条の3第1項第1号により、要介護認定の効力が生じる前に緊急その他やむを得ない理由で指定地域密着型サービスを受けた場合でも、市町村が必要と認めれば特例地域密着型介護サービス費が支給されます。額は厚生労働大臣の基準で算定した費用の100分の90を基準に市町村が定めます(所得により給付率は8割・7割)。原則は償還払いのため、一度全額を支払い、領収書とサービス提供証明書を添えて申請する必要があります(最新の改正状況をご確認ください)。
解説
介護保険には「認定が下りる前のサービスは全額自腹」という誤解が根強くある。42条の3はその誤解を正面から否定する条文だ。親が急に倒れて、要介護認定の申請すら出せないまま夜間対応型訪問介護や小規模多機能型居宅介護を使い始めた。認定の効力が生じる前に受けたそのサービスも、市町村が「緊急その他やむを得ない理由」と認めれば、特例地域密着型介護サービス費として9割が戻る。もう一つの扉が離島条項だ。指定事業者の確保が著しく困難な地域として厚生労働大臣の基準に該当する場所に住んでいるなら、指定を受けていない事業者のサービス、あるいは「これに相当するサービス」でも給付対象になる。ただし両方とも共通の落とし穴がある。現物給付ではなく償還払い、つまりあなたが一度全額を払い、後から申請して取り戻す構造だ。申請しなければ1円も戻らない。市町村は教えに来ない。
法的な位置づけ
特例地域密着型介護サービス費とは、介護保険法第42条の3に基づき、要介護認定の効力発生前の緊急利用、離島等における非指定サービス又は相当サービスの利用、その他政令で定める場合に、市町村が必要と認めるときに要介護被保険者へ支給される保険給付である。額は基準費用額の百分の九十を基準として市町村が定める。
手順
- 1.緊急利用の当日に市町村へ連絡する 緊急でサービス利用を始めたら、当日中に市町村の介護保険担当課へ電話し、利用開始の事情を伝えて相談記録を残してもらう
- 2.要介護認定をすぐ申請する 認定の効力は申請日に遡るため、申請を1日でも早く出すことで通常給付の範囲を広げ、特例給付に頼る期間を短くする
- 3.事業者に証明書類を依頼する 利用期間中に、事業者へ明細付き領収書とサービス提供証明書の発行を依頼する。担当者が変わる前に揃えておく
- 4.特例給付の支給申請を出す 認定結果の通知後、特例地域密着型介護サービス費の支給申請書を提出し、発症日時・手配者・認定を待てなかった理由を時系列で添付する
- 5.不支給なら審査請求を検討する 不支給決定が出たら、通知書の教示に従い介護保険審査会への審査請求を期限内に検討する
よくある質問 AI による整理
Q1特例地域密着型介護サービス費とは何ですか?
介護保険法42条の3に基づく特例給付です。認定前の緊急利用や離島等での非指定サービス利用について、市町村が必要と認めれば費用の原則9割が支給されます。
Q2要介護認定の申請前に使った介護サービスは保険がききますか?
認定の効力は申請日に遡りますが、申請日より前の緊急利用分も、市町村がやむを得ないと認めれば42条の3により特例給付の対象になりえます。
Q3特例給付の申請はいつまでにすればいい?
保険給付を受ける権利は2年で時効消滅します(介護保険法200条1項)。起算点は原則として費用を支払った日の翌日です。早めの申請が安全です。
Q4償還払いの申請に必要な書類は何ですか?
一般に支給申請書、領収書、サービス提供証明書が必要です。緊急利用の場合は発症日時や認定を待てなかった理由を示す資料を添えると判断されやすくなります。
Q5離島等の基準該当地域かどうかはどこで確認できる?
厚生労働大臣が定める基準に基づくため、住民の感覚ではなく保険者である市町村の介護保険担当課に確認するのが確実です。
Q6特例給付の支給額が市町村ごとに違うのは違法ですか?
違法ではありません。42条の3第2項は、基準額の100分の90等を基準に「市町村が定める」としており、一定の裁量が予定されています。
Q7特例給付の不支給決定に納得できないときは?
決定通知の教示に従い、都道府県の介護保険審査会に審査請求を検討します。期限があるため、通知を受け取ったら早めに動くことが大切です。
Q8事業者が市町村の報告命令や立入検査を拒むとどうなる?
42条の3第3項に基づく権限への非協力は、罰則規定の適用や給付の返還問題につながるおそれがあります。記録を整えて誠実に対応するのが基本です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親が急に倒れて、認定申請する前にショートステイを使いました。全部自費になりますか?
全額自費と決まったわけではない。42条の3第1項第1号は、認定の効力発生前に緊急その他やむを得ない理由でサービスを受けた場合、市町村が必要と認めれば9割相当額を支給すると定める。実務のポイント:この「必要があると認めるとき」は市町村の裁量だが、実務では緊急性の経緯が時系列で書かれているかが勝負を分ける。救急搬送記録や医師の意見書のコピーを添えると通りやすい。ケアマネが「自費です」と言っても、それは制度の全体像ではなく現場の慣行にすぎない
Q2うちの島には指定を受けた事業所が一つもありません。保険は使えないんですか?
使える可能性がある。第1項第2号は、指定地域密着型サービスの確保が著しく困難な離島その他の地域(厚生労働大臣が定める基準に該当するもの)に住所がある要介護被保険者について、非指定サービスや相当サービスにも給付を認める。ただし地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は除外される。実務のポイント:該当地域かどうかは告示で決まっており、住民の感覚ではなく市町村保険者が把握している。窓口で「離島等の基準該当地域ですか」と条番号を挙げて聞くと、担当者の対応の解像度が一段上がる
Q3支給額はどう決まるんですか。普通の給付と同じ9割ですか?
第2項により、厚生労働大臣が定める基準で算定した費用額(実費がそれを下回れば実費額)の100分の90が基準となり、その範囲で市町村が定める。食費・居住費など日常生活費は厚生労働省令で除外される。なお利用者負担は所得により2割・3割となる場合があり、実際の給付率は一律9割ではない(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:特例給付は市町村が額を定める構造なので、同じサービスでも市町村により結論が動きうる。住所地特例が絡む場合は施設所在市町村が定める点も見落とされやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「認定が下りる前に使ったサービスは全額自己負担」と多くの家族が信じている。だが介護保険の給付は原則として申請日に遡及し、さらに申請より前の緊急利用にも42条の3という受け皿がある。前提となっている問いが「いつから使えるか」になっているが、正しい問いは「市町村がやむを得ないと認める事情を、どう記録して示すか」である
- 特例給付の存在を知っている人でも、その深刻な性質を見落としている。これは償還払いであり、しかも「市町村が必要があると認めるとき」という裁量判断が入る。自動的に支給されるものではなく、申請と疎明がなければゼロ。知っていることと、申請書に事情を書けることの間には深い溝がある
- 利用者から見れば「サービスを受けた事実」があれば足りるように見える。だが市町村から見ると、判断材料は事業者が作った記録と、申請者が説明した緊急性だけだ。この落差が申請を潰す。倒れた日時、誰が手配したか、なぜ認定を待てなかったか、それが書面に残っていないと「やむを得ない理由」は認定されにくい
- 「離島条項は自分の島には関係ない」と決めつけている人が多い。基準に該当するかは厚生労働大臣の告示で決まっており、思い込みではなく市町村への確認事項だ。なお地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護はこの離島特例から除外されている点も見落とされやすい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象サービス | 42条の3:地域密着型サービス(及び相当サービス)の特例 | 42条:居宅サービス(ショートステイ等)の特例 42条の2:指定地域密着型サービスの本則給付 |
| 給付の前提 | 認定前の緊急利用、離島等での非指定・相当サービス等+市町村が必要と認めること | 認定前の緊急利用、基準該当サービス、離島等での相当サービス等 認定済みの被保険者が指定事業者から利用 |
| 支払方式 | 原則償還払い(一度全額負担して後から申請) | 原則償還払い 法定代理受領による現物給付が一般的 |
| 除外・特徴 | 離島特例から地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を除外、市町村長の検査権あり | 居宅サービス全般が対象 事前の事業者指定で質と財政を統制 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は保険方式ではなく租税財源の長照2.0で運用しており、認定前利用の償還払い特例という構造は存在しない
韓国には長期療養機関以外で受けたサービスに対する特例療養費の規定があり、指定外利用を例外的に救う発想は日本と近い
ドイツでは介護金庫と契約のない事業者を利用した場合に費用償還を認める仕組みがあり、償還率に上限が設けられている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 土曜の夜、一人暮らしの母が自宅で転倒して動けなくなった。ケアマネもまだいない、認定申請も出していない。地域包括支援センター経由で翌日から小規模多機能型居宅介護の宿泊を使い始めた。月曜に認定申請、認定が下りたのは3週間後。この3週間分は「認定の効力が生じた日前」に当たるが、申請日に遡って効力が生じるため大半は通常給付、それより前の緊急利用分がまさに42条の3第1項第1号の射程になる
- 離島で親を介護している。島内に指定地域密着型サービス事業者は一つもなく、社会福祉協議会が独自にやっている通所サービスしかない。「指定を受けていないから保険は使えない」と諦めていないか。厚生労働大臣が定める基準に該当する地域なら、その非指定サービスも「これに相当するサービス」として9割給付の対象になりうる
- あなたが事業者側だったら。市町村長から報告と帳簿書類の提出を命じられ、職員が事業所に立ち入って設備と記録を検査する。第3項の権限だ。特例給付は「指定」という事前審査を通っていない分、事後の検査が厳しい。記録の不備は返還請求に直結する
- 認定結果の通知を受け取ってから、緊急利用分の償還払い申請ができると気付くまで、あと何日残っているか。市町村の窓口は申請書を出すまで動かない。サービス提供証明書と領収書、この二つが揃わないと審査に入れない
- ケアマネに「認定前だから自費です」と言われた。その一言を鵜呑みにすると、数十万円が消える。ケアマネが特例給付の運用に詳しいとは限らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 緊急利用が始まったら当日中に市町村介護保険担当課へ連絡し、相談記録を残す。2. 要介護認定の申請を最速で提出する、効力の遡及範囲が決まる。3. 事業者にサービス提供証明書と明細付き領収書を依頼、利用期間中に頼むこと。4. 認定結果通知が届いたら特例地域密着型介護サービス費の支給申請書を提出、緊急性の経緯(発症日時、手配者、認定を待てなかった理由)を時系列で添付。5. 不支給決定が出たら、通知書末尾の教示に従い審査請求(介護保険審査会)を検討する。
訴えられた側:事業者側として市町村長から報告命令・立入検査(第3項)を受けた場合:1. 検査の根拠条項と対象期間を書面で確認、範囲外の資料提出は求めに応じる前に整理する。2. サービス提供記録、勤務表、利用者ごとの個別援助計画を時系列で整える。3. 記録の欠落がある場合は隠さず、補完できる資料(連絡帳、ヒヤリハット記録)を提示。4. 算定誤りが判明したら自主的に報告したほうが処分は軽くなる傾向がある。5. 返還請求や指定関係の不利益処分が出たら、行政不服審査法に基づく審査請求と取消訴訟の両ルートを弁護士と検討する。
時効(請求できる期限):特例給付の支給申請権(保険給付を受ける権利)は2年で時効消滅する(介護保険法200条1項)。起算点はサービス費用を支払った日の翌日が原則。要介護認定そのものの効力は申請日に遡るため、緊急利用が始まったら認定申請自体を遅らせないことが実質的なタイムリミットになる(最新の改正状況をご確認ください)。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法制定(平成9年法律第123号)。この時点では地域密着型サービスの類型は存在しない
- 2.平成17年(2005年) 新設:介護保険法改正により地域密着型サービスが創設され、その特例給付として本条が設けられた(2006年4月施行)
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