育成者権又は専用利用権の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
要点種苗法 39 条は、育成者権侵害で損害の発生は認められるが損害額の立証が性質上きわめて困難なとき、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から相当な損害額を認定できると定める。
Q · 無断で品種をパクられたけど、相手がいくら儲けたか全然分からない。それでも損害賠償って取れるの?
損害の発生さえ立証できれば裁判官が相当額を認定できる
種苗法 39 条により、育成者権侵害で損害の発生は認められるのに損害額の立証が性質上きわめて困難なとき、裁判所は口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から相当な損害額を認定できます。相手の販売記録が手に入らなくても、自分の栽培面積や苗の流通量、過去のライセンス料率を示せば、裁判官が合理的に推計した賠償を認めます。34 条の損害額推定と併用するのが実務の定石で、単独より認定額が安定します。
丹精込めて十年かけて新しいイチゴ品種を育成し、品種登録した。ところが隣県の業者が無断で苗を増やして売っていると分かった。侵害は誰の目にも明白だ。だが裁判で最大の壁になるのは「あなたがいくら損したか」の証明である。相手が何株売り、いくら儲けたか、その帳簿はあなたの手元にない。通常の民事訴訟の論理なら、損害額を立証できなければ、侵害が認められても賠償は限りなくゼロに近づく。種苗法39条は、この理不尽を裁判所の手で覆す。損害が生じたこと自体は認められ、かつその金額の立証が事の性質上きわめて困難なとき、裁判官は口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から「相当な損害額」を自ら認定できる。完璧な売上記録がなくても、栽培面積や流通量から合理的に推計した賠償を勝ち取れるということだ。育成者権という目に見えにくい財産を、登録証という紙きれで終わらせないための安全装置である。
種苗法 39 条は、育成者権または専用利用権の侵害訴訟における相当損害額認定の規定である。損害の発生が認められる一方で、損害額の立証に必要な事実の立証がその性質上きわめて困難な場合に、裁判所が口頭弁論の全趣旨および証拠調べの結果に基づき相当な損害額を認定できる旨を定める。民事訴訟法 248 条を知的財産分野で確認する特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
育成者権侵害の訴訟で、損害の発生は認められるのに損害額の立証が性質上きわめて困難なとき、裁判所が証拠に基づき相当な損害額を認定できると定める規定です。
34 条の損害額推定(譲渡数量×単位利益や実施料相当額)を基礎とし、立証が困難な部分を 39 条の相当損害額認定で補うのが実務の基本です。
損害額の厳密な立証ができなくても、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から合理的な賠償額を裁量で定める仕組みです。民訴 248 条の知財版にあたります。
34 条は譲渡数量や実施料から損害額を推定する規定、39 条は推定でも足りず立証が困難なとき裁判官が相当額を認定する規定で、両者は併用されます。
育成者権侵害として地方裁判所に民事訴訟を提起します。損害賠償のほか差止請求(種苗法 33 条)も可能で、知財を扱う専門部で審理される場合があります。
民法 724 条により、損害と加害者を知った時から 3 年、侵害行為の時から 20 年です。継続的侵害では古い分から時効が進むため早期対応が重要です。
2020 年改正後、登録品種は原則として育成者の許諾なく自家増殖できません。無断増殖は育成者権侵害となり損害賠償の対象になり得ます。
農林水産省の品種登録ホームページや品種登録データベースで登録番号と存続期間を確認できます。存続期間が切れていれば育成者権は消滅しています。
取れる可能性があります。種苗法39条は、損害が生じたこと自体は認められるのに金額の立証が性質上きわめて困難なとき、裁判官が口頭弁論と証拠調べの結果から相当な損害額を認定できると定めています。34条の損害額推定と併用するのが定石です。業界裏話ヒント:相手の販売記録は文書提出命令で出させる手があり、相手が隠せば隠すほど「立証困難」という39条の要件が満たされ、裁判官の裁量認定に正当性が生まれます。隠す行為が相手の不利に働く
認定額を上げるのは原告側の証拠の出し方次第です。ライセンス料相当額(種苗法34条の実施料相当額の考え方)が一つの底になり、過去の許諾実績や業界の標準料率を示せば推計の土台が上がります。何も出さなければ認定額も小さくなります。業界裏話ヒント:自社や同業の過去のライセンス契約書、料率表を証拠化しておくと、裁判官は「これより下げる理由がない」と判断しやすい。日頃から許諾条件を文書で残している育成者ほど、いざという時に強い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 機能 | 39 条:立証困難時に裁判所が相当な損害額を認定 | — |
| 適用の前提 | 損害の発生が認められ、かつ損害額の立証が性質上きわめて困難 | — |
| 効果 | 裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べから相当額を裁量認定 | — |
| 実務での使い方 | 34 条で足りない部分を補う二段構えで用いる | — |
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