要点種苗法 7 条は品種登録出願者の名義変更を定める。特定承継は農水大臣への届出が効力要件で、一般承継は届出なく効力が生じるが遅滞ない届出義務を負う。
Q · 種苗ベンチャーを会社ごと買収したら、開発中の新品種の出願も自動でうちのものになる?
特定承継は届出まで効力なし。相続・合併は自動移転
種苗法 7 条により、出願者の名義は変更できます。ただし売買・譲渡などの特定承継では、農林水産省令で定める名義変更届を農水大臣に提出しなければ効力が生じません(2 項)。届け出るまで法律上の出願者は売主のままです。一方、相続・合併などの一般承継では届出がなくても効力は自動的に生じますが、承継人は遅滞なく届け出る義務を負います(3 項)。事業譲渡や M&A で最も見落とされやすい無形資産がこの品種登録出願です。
新品種の苗を開発し、品種登録を出願した。その登録が下りる前に、事業を別の会社へ売却した、あるいは開発者本人が亡くなって相続が起きた。このとき「出願人の名義」はどうなるのか。種苗法7条が扱うのは、まさにこの局面だ。ポイントは二つに割れている。一つは売買や譲渡のような特定の承継。この場合、農林水産大臣に名義変更を届け出なければ効力が生じない。届け出ない限り、法律上の出願人は売主のままで、買主は何の権利も持っていない。もう一つは相続や合併のような一般承継。こちらは届出がなくても効力は自動的に発生するが、承継した側は遅滞なく届け出る義務を負う。この「届出が効力要件になるか、ならないか」の一線を知らずに事業譲渡契約を結ぶと、苗の権利を買ったつもりが、書類上は何も手に入れていなかった、という事態が現実に起きる。
種苗法 7 条は品種登録出願者の名義変更を定める規定であり、出願者の地位が移転できることを前提に、特定承継(売買・譲渡)については農林水産大臣への届出を効力要件とし、一般承継(相続・合併等)については効力を当然に発生させたうえで承継人に遅滞ない届出義務を課す。移転の性質に応じて届出の法的意味を書き分けている点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
農林水産大臣に対し、農林水産省令で定める様式で提出します。特定承継の場合は、この届出が効力要件になります(種苗法 7 条 2 項)。
株式取得で法人が存続するなら出願者は会社のままです。しかし事業譲渡で出願だけを移す特定承継は、名義変更届を出すまで効力が生じません。
相続は一般承継なので出願者の地位は自動的に相続人へ移ります。ただし相続人は遅滞なく名義変更を届け出る義務があります(7 条 3 項)。
一般承継では効力自体は失われませんが、名義が故人・旧法人のままだと審査通知や補正命令が届かず、見落として却下される危険があります。
売買・譲渡が特定承継で届出が効力要件、相続・合併が一般承継で届出なく効力が生じるが遅滞ない届出義務を負う点が違います。
違います。出願中(登録前)の名義変更が 7 条、登録後の育成者権の移転は別規定です。局面ごとに適用条文と手続が変わります。
合併は一般承継なので権利は自動承継されますが、新会社は遅滞なく名義変更を届け出て、登録手続の連絡先を切り替える必要があります。
特定承継では譲渡を証する書面、一般承継では戸籍・登記事項証明など承継を証する書面を、省令所定の様式に添えて提出します。
株式を買って法人格がそのまま残るなら、出願人は会社のままなので問題ありません。しかし事業譲渡として出願だけを移す特定承継の場合は別で、種苗法7条2項により農水大臣への名義変更届が効力要件です。届け出るまで法律上の出願人は売主のまま。業界裏話ヒント:M&A のデューデリで品種登録出願の名義変更まで詰めるアドバイザーは少ない。クロージング書類に届出を組み込んでおかないと、引き渡し後に売主の協力が取れず、最も価値ある権利が宙に浮く
相続は一般承継なので出願人の地位は自動的に相続人へ移り、届出をしなくても権利自体は失われません。ただし種苗法7条3項で相続人は『遅滞なく』届け出る義務を負います。業界裏話ヒント:本当の怖さは権利の喪失ではなく『連絡が来ない』こと。名義が故人のままだと審査の補正命令も故人宛てに送られ、相続人が気付かないうちに期限切れで出願が却下される。死亡を知ったらまず名義変更届を出すのが安全策です
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|---|---|---|
| 適用局面 | 種苗法 7 条:品種登録の出願中(登録前)の名義変更 | — |
| 特定承継の効力要件 | 農水大臣への届出が効力要件(届出まで効力なし) | — |
| 一般承継の扱い | 届出なく効力発生、遅滞なく届出義務(3 項) | — |
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