感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第36条の9(流行初期医療確保措置)
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- 都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表が行われた日の属する月から政令で定める期間が経過する日の属する月までの期間において、当該都道府県の区域内にある医療機関が第三十六条の二第一項第一号又は第二号に掲げる措置であって、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症の発生後の初期の段階から当該感染症に係る医療を提供する体制を迅速かつ適確に構築するための措置として厚生労働省令で定める基準を満たすもの(以下この項及び次条において「医療協定等措置」という。)を講じたと認められる場合であって、当該医療機関(以下「対象医療機関」という。)が医療協定等措置を講じたと認められる日の属する月における当該対象医療機関の診療報酬の額として政令で定めるところにより算定した額が、新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表前の政令で定める月における当該対象医療機関の診療報酬の額として政令で定めるところにより算定した額を下回った場合には、当該対象医療機関に対し、当該感染症の流行初期における医療の確保に要する費用(以下「流行初期医療の確保に要する費用」という。)を支給する措置(以下「流行初期医療確保措置」という。)を行うものとする。
- 2.都道府県知事は、前項の規定による流行初期医療確保措置に係る事務を医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(以下「基盤機構」という。)又は国民健康保険団体連合会(以下「国保連合会」という。)に委託することができる。
この条文の基本情報
流行初期医療確保措置とは何ですか?
定義流行初期医療確保措置とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の9に定められた規定で、「都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表が行われた日の属する月から政令で定める期間が経過する日の属する月までの期間において、当該都道府県の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の9(流行初期医療確保措置)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の9の条文原文は「都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表が行われた日の属する月から政令で定める期間が経過する日の属する月までの期間において、当該都道府県の…」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の9は第二節 流行初期医療確保措置等に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の9の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の8です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の9の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の10です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第36条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第36条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第36条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/36_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法36条の9は、流行初期に省令基準を満たす病床確保・発熱外来を講じた医療機関に対し、診療報酬が流行前の基準月を下回った減収分を都道府県知事が支給すると定める。
Q · 感染症の流行初期に発熱外来を開いて赤字になったら、都道府県は補ってくれるの?
協定に沿い省令基準どおり動いた医療機関なら減収分が対象
感染症法36条の9により、発生等の公表後に厚生労働省令の基準を満たす病床確保(36条の2第1項1号)や発熱外来(同2号)を講じたと認められる医療機関が対象です。措置を講じた月の診療報酬が、公表前の政令で定める月の額を下回った場合、都道府県知事が「流行初期医療の確保に要する費用」を支給します。物差しは確保病床数ではなく、流行前と比べた減収額です。
解説
パンデミックの初期に発熱外来を開け、病床を空けた病院は、一般の患者が離れて収入が一気に落ちる。コロナ禍では「感染症患者を受けるほど経営が傾く」という構造があった。そのため、多くの医療機関は手を挙げられなかった。本条は、この「損な役回り」に値段を付けた条文である。都道府県と医療措置協定(都道府県と病院が平時に結ぶ、有事の役割分担の約束)を結ぶ。発生の公表後、厚生労働省令の基準を満たす速さと規模で病床確保(36条の2第1項1号)や発熱外来(同2号)を立ち上げる。それでも診療報酬が流行前の基準月を下回った場合、都道府県知事が差額分を「流行初期医療の確保に要する費用」として支給する。ポイントは、補填の物差しが「確保した病床の数」ではなく「流行前と比べた減収」である点だ。協定を結んだだけでは足りず、初動で実際に動いた医療機関だけが対象になる。経営者が平時に何を約束するか、その判断材料はここにある。
法的な位置づけ
流行初期医療確保措置とは、感染症法36条の9に基づき、新型インフルエンザ等感染症等の発生等の公表後の一定期間に、厚生労働省令の基準を満たす病床確保または発熱外来の措置を講じた医療機関について、措置月の診療報酬が公表前の基準月を下回った場合に、都道府県知事が流行初期医療の確保に要する費用を支給する制度をいう。
手順
- 1.平時に協定内容を省令基準と突き合わせる 都道府県から医療措置協定の打診を受けたら、署名前に、協定に書く病床確保数・発熱外来の規模と立ち上げ日数が厚生労働省令の基準を満たすか確認する。基準未満の内容では、有事に動いても補填対象外になりうる
- 2.公表直後から措置を立ち上げ、日次で記録する 新型インフルエンザ等感染症等の発生等の公表が出たら、協定どおり病床確保・発熱外来を立ち上げる。立ち上げ日時、確保病床、受診者数を日単位で記録し、措置を講じた日を証明できるようにする
- 3.基準月と措置月の診療報酬を試算する 政令で定める公表前の基準月と、措置を講じたと認められる月の診療報酬額を比較し、減収の有無と規模を試算する。同時期に受け取る他の補助金との調整も合わせて洗い出す
- 4.都道府県へ必要書類を提出し、算定根拠を確認する 都道府県(または委託先の基盤機構・国保連合会)の案内に従い書類を提出する。支給額に疑問があれば、比較月・算定額・認定日を都道府県の担当課へ書面で照会する
よくある質問 AI による整理
Q1流行初期医療確保措置とは何ですか?
感染症法36条の9に基づき、流行初期に病床確保や発熱外来を講じて診療報酬が減った医療機関へ、都道府県知事が費用を支給する仕組みです。
Q2流行初期医療確保措置の対象期間はいつまで?
発生等の公表が行われた日の属する月から、政令で定める期間が経過する日の属する月までです。具体的な月数は最新の政令で確認が必要です。
Q3流行初期医療確保措置の支給額はどう決まる?
措置を講じたと認められる月の診療報酬と、公表前の政令で定める月の診療報酬を比べ、下回った場合に支給されます。算定方法は政令に委ねられています。
Q4診療所も流行初期医療確保措置の対象になる?
条文上の対象は「医療機関」で、病院に限られません。ただし省令基準を満たす病床確保または発熱外来の措置を講じたと認められることが前提です。
Q5流行初期医療確保措置の申請先はどこ?
支給主体は都道府県知事です。事務が基盤機構や国保連合会に委託される場合でも、要件認定の責任は都道府県にあります。
Q6医療措置協定を結ばないとどうなる?
本条の対象となる措置は協定に基づく病床確保・発熱外来が前提とされるため、協定がなければ流行初期医療確保措置の支給は原則見込めません。
Q7流行初期医療確保措置と病床確保料の違いは?
コロナ禍の病床確保料は空床数に応じた支給でした。本条は流行前と比べた診療報酬の減収を物差しにし、減収がなければ支給されません。
Q8流行初期医療確保措置の財源は誰が負担する?
公費と医療保険者の拠出で賄う設計とされます。負担割合や拠出の仕組みは関連条文と政令で定められるため、最新の改正状況の確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協定を結んでおけば、有事に赤字になっても全部補ってもらえるんですか?
全部ではない。本条は、措置を講じた月の診療報酬が、流行前の政令で定める月の額を下回った分を補う仕組みである。補填されるのは診療報酬ベースの減収分で、比較の物差しは政令で決まる。実務のポイント:同じ時期に受け取る他の補助金との調整が入るため、補填額を見込む際は補助金の受給予定も合わせて試算する。協定締結時の院内説明で、この調整を見落とす病院は多い
Q2支払いの窓口が国保連合会になっていたんですけど、文句を言う相手はそこですか?
違う。36条の9第2項により、都道府県知事は事務を基盤機構や国保連合会に委託できる。ただし、流行初期医療確保措置を行う主体はあくまで都道府県知事である。実務のポイント:委託先は事務処理をしているだけで、要件の認定を覆す権限はない。算定に疑問があれば、委託先に何度電話しても進まない。最初から都道府県の担当課に書面で照会するのが近道である
間違えやすい点 AI による整理
- 「補助金と同じで、病床を用意すれば一床いくらでもらえる」と思われがちだが、物差しが違う。本条は、流行前の基準月の診療報酬と、措置を講じた月の診療報酬を比べ、下回った分を補う仕組みである。減収が出なければ支給はない。コロナ禍の病床確保料のように「空床そのもの」にお金が出る設計ではない
- 協定を結べば自動的に対象になる、という理解は浅い。要件は「協定を結んだこと」ではなく、「流行初期に、厚生労働省令の基準を満たす措置を実際に講じたと認められること」である。平時の署名と有事の実行の間には、検証というもう一つの関門がある
- 医療機関の経営者は「行政が慈善で出すお金」と見るかもしれない。法律の側から見ると、これは有事の初動を買い取る対価に近い。財源の一部は医療保険者の拠出、つまり国民の保険料でまかなわれる設計とされる(最新の改正状況をご確認ください)。そのため支給の要件と事後の検証は甘くならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 36条の9:流行初期に措置を講じ減収した医療機関への費用支給 | 36条の3:都道府県と医療機関が平時に結ぶ医療措置協定 36条の2:病床確保(1号)・発熱外来(2号)など措置の内容 |
| 段階 | 有事の事後(減収の補填) | 平時(役割分担の約束) 平時〜有事(何をするかの定義) |
| 医療機関側の要件 | 省令基準を満たす措置の実施+基準月比の診療報酬減少 | 都道府県との協議・協定締結 規定された措置類型に該当すること |
| お金の流れ | 都道府県知事が流行初期医療の確保に要する費用を支給 | 協定自体は支給を直接定めない 措置の内容を定める規定で、支給は直接定めない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はコロナ禍で時限の特別条例により医療機関への補償・紓困を行った。日本のように平時の協定と減収基準を恒久法に組み込む設計とは異なる
韓国は感染症患者の治療・病床提供等で生じた医療機関の損失を補償する損失補償規定を恒久法に置く
ドイツはコロナ禍で空床確保に対する定額の調整支払いを導入。日本本条は空床数ではなく減収額を物差しにした点が対照的
米国は連邦の臨時基金で医療提供者の減収・費用を補填。恒久的な協定制度ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 協定を結んだのに、公表から立ち上げまで2週間かかってしまったら、補填はどうなる? 省令の基準は「速さ」も要件にしている(公表後おおむね1週間以内とされる。最新の厚生労働省令をご確認ください)。遅れれば、減収が出ていても対象外になりうる
- 200床の民間病院の事務長であるあなたは、理事会で「協定に病床確保まで書くと、有事に一般患者が逃げて赤字になる」と反対されている。本条の減収補填を数字で示せるかどうかで、理事会の結論は変わる
- 発熱外来を開いた月、外来収入が前年同月より3割落ちた。補填の対象になる
- 新型感染症の発生が公表されて5日が経った。協定どおり30床を空けるか、予定手術を優先するか。院長の決断に残された時間は、あと2日しかない
- 地元の開業医仲間から「協定を結んだら、有事に強制的に働かされるだけで損だろう」と相談された。義務の側面だけを見て、本条の補填を知らずに断る医療機関は少なくない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 補填が出ない、または想定より少ない場合、まず都道府県の担当課に算定の根拠(比較月、算定した診療報酬額、措置を講じたと認められた日)を書面で求める2. 自院の日次記録(病床確保日、発熱外来の受診者数)と照合し、認定日のずれがないか確認する3. 事務が基盤機構や国保連合会に委託されていても、支給主体は都道府県知事である。不服の申立て先を取り違えない4. 支給決定に処分性(取消訴訟の対象になる行政の決定としての性質)があるかは実務上、解釈が分かれうるため、早めに弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 都道府県から要件不充足や算定誤りを指摘され、返還を求められた場合、まず指摘の根拠条文と算定式を書面で確認する2. 措置の立ち上げ日、病床の実稼働、受診者数を示す一次記録(電子カルテのログ、勤務表)を保全する3. 他の補助金との重複調整が論点になることが多いため、受給した補助金の一覧を整理しておく4. 争うか応じるかは、返還額と自院の記録の強さを比べて判断する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。都道府県に対する金銭債権には、地方自治法236条の5年の消滅時効が問題になりうる(起算点は権利を行使できる時から。適用関係は要確認)。実務上の勝負は、発生の公表後、省令基準の期限内(公表後おおむね1週間以内とされる)に措置を立ち上げられるかにある(最新の厚生労働省令をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正、令和6年(2024年)4月1日施行 コロナ禍の教訓を受けた感染症法改正で、医療措置協定の仕組みとともに流行初期医療確保措置を定める規定として新設されたとされる。人的検証が必要
- 改正年要確認 第2項の委託先が「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」となっており、社会保険診療報酬支払基金の改組に伴う文言改正があったとみられる。改正年と施行日は要確認
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:新型コロナの経験を踏まえた感染症法改正(令和4年法律第96号)で、医療措置協定の仕組みとともに流行初期医療確保措置を新設。令和6年(2024年)4月1日施行
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