行政機関の長等は、利用停止請求があった場合において、当該利用停止請求に理由があると認めるときは、当該行政機関の長等の属する行政機関等における個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な限度で、当該利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしなければならない。
要点個人情報保護法 100 条は、行政機関等が利用停止請求に理由があると認めるとき、必要な限度で保有個人情報の利用停止義務を負うと定める。ただし事務に著しい支障があれば免除される。
Q · 役所に「私の個人情報を消して」と言えば、消してもらえるの?
消せるのは「利用停止」だけ。理由と限度が要る
第 100 条は「削除」ではなく「利用停止」の規定です。利用停止が認められるには、違法な取得や目的外利用など第 98 条各号の理由が必要で、「気に入らないから」では通りません。理由があっても、事務・事業の適正な遂行に著しい支障が生じると認められれば、役所は利用停止を拒めます。ただし拒否決定は行政処分なので、審査請求や取消訴訟で正面から争えます。
マイナンバー、住民票、生活保護の受給記録、税の申告。役所はあなたの情報を大量に握っている。それが「間違って使われている、消してほしい」と思ったとき、多くの人は個人情報保護法で削除を求められると考える。だが第100条が用意しているのは「削除」ではなく「利用停止」だ。しかも無条件ではない。前提として、違法な取得や目的外利用など限られた理由が要る(第98条)。そのうえ、この条文には強力なただし書がある。利用を止めることで役所の事務や事業の適正な遂行に「著しい支障」が出ると認められれば、役所は止めなくてよい。つまりあなたの請求に理由があっても、天秤のもう一方が重ければ覆る。だが諦めるのは早い。役所が下す利用停止の決定も、拒否の決定も、どちらも行政処分だ。処分である以上、審査請求と訴訟でひっくり返す道が残っている。
個人情報保護法 100 条は、行政機関等が保有する個人情報について、本人の利用停止請求に理由がある場合、適正な取扱いの確保に必要な限度で利用停止義務を負う旨を定める規定である。ただし、事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあるときは、その義務は免除される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関等が保有する自分の個人情報について、違法取得や目的外利用などを理由に、利用の停止・消去・提供の停止を求める請求です。個人情報保護法 98 条・100 条が根拠となります。
利用停止決定等は原則として請求のあった日から 30 日以内に行われます(101 条)。事案により延長される場合があり、その際は通知書で理由と期間が示されます。
情報を保有する行政機関等の窓口に行います。市区町村なら担当課、国の機関なら情報公開・個人情報保護の担当部署が受付です。開示請求と同じ窓口が多いです。
利用停止請求自体に手数料はかからないのが一般的です。ただし先行して行う開示請求では、写しの交付等に実費相当の手数料がかかる場合があります。
開示請求(76 条)は役所が持つ情報の中身を見せてもらう手続、利用停止請求(100 条)は違法な取扱いを止めさせる手続です。まず開示で事実を固めるのが実務の定石です。
できます。保有個人情報の内容が事実でないときは訂正請求が可能です。利用停止と並行して、間違った記載の訂正を求めることができます。
請求理由が 98 条各号に当たらない場合や、利用停止により事務・事業の適正な遂行に著しい支障が生じると認められる場合(100 条ただし書)は、認められません。
マイナンバーを含む特定個人情報も保有個人情報として対象になり得ます。ただし番号法(マイナンバー法)の特則も関わるため、複数制度をまたぐ点に注意が必要です。
第100条は「削除」ではなく「利用停止」の条文で、しかも違法取得・目的外利用など第98条各号の理由が要ります。「なんとなく不安だから消して」は通りません。業界裏話ヒント:実務では、利用停止より先に開示請求(第76条)で役所の保有状況を確定させてから請求するのが定石。中身を知らずに請求すると、役所の「著しい支障」の反論に具体的に反論できず、そのまま却下される
諦めるのは早いです。ただし書の「著しい支障」は抽象的な言い訳では足りず、具体的な業務への影響が必要です。拒否決定は行政処分なので、審査請求で情報公開・個人情報保護審査会に諮問させ、外部の目で支障の当否を審査させられます。業界裏話ヒント:審査会は役所の「支障」主張をかなり厳しく見る傾向があります。役所の内部判断だけで終わらせず、審査請求まで進めると評価が覆ることがある
別物です。民間は第35条の利用停止請求、役所はこの第100条で、根拠も限度も異なります。役所には「事務・事業への著しい支障」という抵抗手段があり、民間より止めにくい面があります。業界裏話ヒント:2021年の法改正で三本の法律が個人情報保護法に一本化され、公的部門は2023年4月から現行ルール。古い『行政機関個人情報保護法』を前提にした解説はもう条文番号が合わないので注意
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 求められること | 100 条:保有個人情報の利用の停止・消去・提供停止 | — |
| 発動の前提 | 98 条各号の理由(違法取得・目的外利用・違法提供) | — |
| 役所の抵抗手段 | ただし書の「著しい支障」+「必要な限度」で一部停止に絞る | — |
| 決定への不服 | 行政処分として審査請求・取消訴訟で争える | — |
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