要点個人情報保護法112条は、行政機関の募集に応じ、行政機関等匿名加工情報を事業に使いたい者が所定の書面で提案できると定める。誓約書と社会的意義を示す書面の添付が必要。
Q · 国が匿名化した行政データを、自分の会社の事業に正規ルートで使うことはできますか?
できます。112条の提案制度が正規の入口です
個人情報保護法112条により、前条111条の募集に応じて、行政機関等匿名加工情報を事業に使いたい者は、行政機関の長等へ提案できます。提案書には事業内容・利用目的・利用期間・加工の方法(116条1項)・漏えい防止等の管理措置を記載し、欠格事由(113条)に該当しない誓約書と、事業が新たな産業の創出や豊かな国民生活の実現に資することを示す書面を添付します。誰でも自由に取れるわけではなく、審査(114条)を通った者だけが利用できる制度です。
国や自治体に蓄積された膨大な行政データ、その中の個人情報ファイルを匿名加工した『行政機関等匿名加工情報』を、民間企業が自社ビジネスに使える正規の申請ルートが存在する。それが第112条だ。多くの経営者はこの制度の存在すら知らない。手順はこうだ。まず行政機関の長等が第111条で提案を募集する。あなたはその募集に応じ、事業内容・利用目的・利用期間・加工の方法(第116条第1項)・漏えい防止等の管理措置を記載した書面を提出して提案する。さらに欠格事由(第113条)に該当しない誓約書と、その事業が新たな産業の創出や豊かな国民生活の実現に資することを示す書面を添付する。つまり誰でも自由に国のデータを取れるわけではなく、社会的意義と適正管理を証明できた者だけが入れる扉だ。逆に言えば、要件を満たせば国の一次データに正規ルートで手を伸ばせる。この非対称性を知る企業と知らない企業とでは、データ戦略の起点そのものが違ってくる。
個人情報保護法第112条は、行政機関等匿名加工情報の利用提案制度を定める規定である。前条の募集に応じ、個人情報ファイルを加工して作成される匿名加工情報を事業に供しようとする者が、加工方法・利用目的・利用期間・管理措置等を記載した書面により、行政機関の長等へ提案を行う手続を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関等が保有する個人情報ファイルを、特定の個人を識別できないよう加工し、復元できないようにした情報です。民間の事業利用に供される点が特徴です(60条)。
対象の個人情報ファイルを保有する行政機関の長等に提出します。個人情報保護委員会規則で定める様式に従い、書面で行う必要があります(112条2項)。
事業内容・利用目的・加工方法・管理措置を記載した提案書に、欠格事由不該当の誓約書と、事業の社会的意義を示す書面を添付します(112条2項・3項)。
113条各号に定める提案者の不適格要件です。該当すると審査で不採用となるため、代表者・役員も含めて事前に点検する必要があります。
できません。前条111条の募集に応じて行うため、募集期間内に限られます。期間経過後は次の募集を待つことになります。
統計法36条・38条の匿名データは統計調査の個票を研究等に開く別ルートです。行政機関等匿名加工情報は行政保有の個人情報ファイルを事業利用に供する制度で、根拠法も窓口も異なります。
審査(114条)を通ると、行政機関の長等との間で利用に関する契約を締結し、加工された匿名加工情報の提供を受けて事業に利用できます。
提案書に記載した利用目的・期間・管理措置の範囲を超える利用や、本人を再識別する行為は第5章の規律や罰則の対象になり得ます。
使えます。第112条は『その事業の用に供しようとする者』と定めており、法人・団体だけでなく要件を満たせば広く提案できます。ただし募集(第111条)に応じ、審査(第114条)を通り、欠格事由(第113条)に触れないことが前提です。業界裏話ヒント:制度自体はオープンですが、実際に提案・契約に至る件数は多くありません。募集情報が各機関に分散し、気付く企業が少ないためです。早く気付いて雛形を準備した企業ほど、競合が少ないうちに扉を叩けます
自由ではありません。行政機関等匿名加工情報は利用目的・利用期間・管理措置を提案書に記載し(第112条第2項)、その範囲で使うのが前提です。目的を超えた利用や本人を再識別する行為は、第5章の規律や罰則の対象になりえます。業界裏話ヒント:匿名加工は『個人情報でなくなるから自由』ではなく『規律された利用への入口』です。契約後も管理措置の実施状況が問われる点を、申請段階から設計に織り込む企業とそうでない企業で、後のリスクが分かれます
全く別の制度です。情報公開請求(行政機関情報公開法)は既存の行政文書の開示を求めるもので、出てくるのは文書です。第112条は個人情報ファイルを匿名加工した『データ』を事業に使うための提案制度で、加工・審査・契約を経ます。業界裏話ヒント:『とりあえず情報公開請求で』と考える企業は多いですが、事業用の構造化データが欲しいなら入口を間違えています。目的がビジネス利用なら、最初から提案制度を検討するのが正解です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続上の位置づけ | 112条:事業者による利用提案(申請の本体) | — |
| 主体 | 事業に供しようとする者(民間事業者等) | — |
| 満たすべき要件 | 書面記載事項+誓約書+社会的意義の書面 | — |
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