要点個人情報保護法 60 条は、行政機関等が職務上作成・取得し組織的に利用する個人情報のうち、行政文書等に記録されたものを保有個人情報と定義する。
Q · 役所が持っている自分の情報は、どこまで開示請求できるの?
役所が組織的に扱い文書化した情報が対象です
個人情報保護法 60 条は、行政機関等の職員が職務上作成・取得した個人情報のうち、①職員が組織的に利用するものとして、②行政機関等が保有し、③行政文書等に記録されているもの、を「保有個人情報」と定義します。この三条件がそろえば、本人は開示請求(76 条)・訂正請求(90 条)・利用停止請求(98 条)を法的権利として行使できます。逆に、職員が個人的にとったメモにしかない情報は「組織的に利用するもの」に当たらないとされ、開示対象から外れる余地があります。
住民票、課税台帳、生活保護のケース記録、公立病院のカルテ、児童相談所の記録。役所はあなたについて膨大な情報を持っている。その多くについて、あなたには「見せろ」「間違いを直せ」「使うのをやめろ」と請求する法的権利がある。だがその権利が働くのは、対象の情報が60条のいう「保有個人情報」に当てはまるときだけだ。条件は三つ。職員が職務上つくったか取得した情報であること、組織的に利用されていること、そして行政文書等(役所が正式に管理する文書・図面・データ)に記録されていること。ここに落とし穴がある。職員が個人的にとったメモは「組織的に利用するもの」ではないとされ、開示の対象から外れうる。役所が「それは職員の個人メモです」と言った瞬間、扉は閉じる。この一線がどこに引かれているかを知る人と知らない人では、自分の情報にたどり着けるかどうかが変わる。
個人情報保護法 60 条にいう保有個人情報とは、行政機関等の職員が職務上作成し又は取得した個人情報であって、当該職員が組織的に利用するものとして行政機関等が保有し、かつ行政文書等に記録されているものをいう。本人による開示・訂正・利用停止請求の対象範囲を画する基礎概念である。
行政機関等の職員が職務上作成・取得し、組織的に利用するものとして保有し、行政文書等に記録された個人情報をいいます(個人情報保護法 60 条)。本人の開示請求の対象範囲を画します。
住民票、課税台帳、生活保護のケース記録、公立病院のカルテ、児童相談所の記録などが典型です。職員個人のメモにしかない情報は組織的利用に当たらず外れる余地があります。
その病院が地方独立行政法人なら、カルテは保有個人情報に当たり開示請求の対象になります。民間病院は個人情報保護法の別の章(民間部門)が適用されます。
福祉事務所が作成したケース記録は原則として保有個人情報であり、本人が開示請求できます。却下の根拠を先に確認してから不服申立てを検討できます。
保有個人情報を含む情報の集合物で、電子計算機や記述等により特定の情報を体系的に検索できるよう構成したものをいいます(60 条 2 項)。ファイル簿の作成義務(75 条)に関わります。
地方公共団体が条例で独自に定める、地域特性に応じて特に配慮を要する個人情報です(60 条 5 項)。要配慮個人情報とは別枠で、住む自治体により保護の設計が異なります。
個人情報ファイルを構成する保有個人情報を、116 条の基準に従い特定の個人を識別できないよう加工した情報です(60 条 3 項)。外部への提供・利活用の枠組みで使われます。
「組織的に利用するもの」に当たらないメモは対象外です。ただし複数の職員が参照し業務判断に使われていれば、名目がメモでも組織的利用と認定される余地があります。
窓口での口頭のお願いと、法律に基づく開示請求は別物です。60条の保有個人情報に当たるなら、正式な開示請求書を出せば役所は原則開示義務を負い(76条以下)、拒むには不開示情報に当たる理由が要ります。業界裏話ヒント:窓口担当者は開示請求制度をあえて案内しないことがある。「開示請求書の様式をください」と一言告げるだけで対応が変わる。断られたら、まず正式な書面請求に切り替える。
「組織的に利用するもの」でなければ保有個人情報に当たらず開示対象外というのは、条文上は正しい(60条1項)。だが実務ではその線引きが争われます。複数の職員が参照し業務判断に使われていれば、名目がメモでも組織的利用と認定されうる。業界裏話ヒント:メモか組織文書かは、審査請求や情報公開・個人情報保護審査会の答申で覆ることが少なくない。「個人メモ」と言われても、その情報が実際に業務でどう使われたかを具体的に主張すれば、扉が開くことがある。(最新の解釈状況をご確認ください)
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| 条文の役割 | 60 条:保有個人情報の定義(開示等の入口を画す) | — |
| 本人ができること | 対象該当性の判断基準を提供(それ自体は請求権ではない) | — |
| 使うタイミング | 請求前:対象になるかを確かめる段階 | — |
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