個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
要点個人情報保護法 23 条は、事業者に個人データの漏えい・滅失・毀損を防ぐ必要かつ適切な措置を義務づける。具体的内容は委員会ガイドラインが 4 類型に定める。
Q · 会社が個人情報を漏らしたら、何を根拠に責任を追及できるの?
個人情報保護法 23 条の安全管理措置違反が過失立証の柱になる
個人情報保護法 23 条は、事業者に個人データの漏えい・滅失・毀損を防ぐ「必要かつ適切な措置」を義務づけます。その中身は委員会のガイドライン通則編が組織的・人的・物理的・技術的の 4 類型に具体化しています。漏えい事故のとき、会社がこの 4 類型のどれを怠ったかが、損害賠償請求(民法 709 条)の過失立証の柱になります。ただし 23 条違反だけで即座に刑事罰が科されるわけではなく、罰則は委員会の是正命令(148 条)を無視した場合に限られます。
通販サイトに登録したあなたの住所とクレジットカード番号。その管理責任は、会社の善意ではなく、この一条が法的に義務づけている。個人情報保護法23条は、個人データを扱う事業者に、漏えい、滅失、毀損を防ぐため「必要かつ適切な措置を講じる」ことを命じる。ポイントは、その曖昧な言葉の中身がどこに書いてあるかだ。条文本体はスカスカに見えるが、個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)が、これを組織的・人的・物理的・技術的の4種類の安全管理措置に具体化している。アクセス権限の管理、従業員教育、施錠、暗号化。あなたの情報を預かる会社がこの4分類のどれを怠っていたか、それが漏えい事故のとき会社の過失を測る物差しになる。会社側にとっては、この物差しを満たしていなかった瞬間、民事賠償と委員会の命令、二つの砲口が同時に向く。
個人情報保護法 23 条は安全管理措置義務を定める規定であり、個人情報取扱事業者に対し、取り扱う個人データの漏えい・滅失・毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じることを義務づける。その具体的水準は委員会告示たるガイドライン(通則編)が組織的・人的・物理的・技術的の 4 類型に区分して示す。
AI 輔助整理,以條文原文為準
個人データの漏えい・滅失・毀損を防ぐため事業者が講じるべき措置です。個人情報保護法 23 条が根拠で、委員会ガイドラインが組織的・人的・物理的・技術的の 4 類型に具体化しています。
23 条違反だけで直ちに刑事罰はありません。委員会が是正命令(148 条)を出し、それを無視した場合に初めて罰則(178 条)の対象となります。民事賠償は別途生じ得ます。
組織的・人的・物理的・技術的の 4 類型です。体制整備、従業員教育、施錠・入退室管理、アクセス制御や暗号化を指し、いずれかの不備が漏えい時の過失の物差しになります。
一定要件に当たる漏えい等は、速報が事態把握後おおむね 3〜5 日以内、確報が原則 30 日以内です(26 条、施行規則)。最新の改正状況の確認が必要です。
責任者の設置、規程整備、取扱状況の点検・監査など、組織としての管理体制に関する措置です。退職者のアクセス権削除漏れはこの類型の典型的な不備です。
アクセス制御、アクセス権者の識別・認証、不正アクセス対策、通信・保存データの暗号化などです。セキュリティソフト導入はその一部にすぎません。
個人情報のうち、データベース等で検索できるよう体系的に整理されたものが個人データです。23 条の安全管理義務は個人データを対象とします。
必要です。自宅環境での端末管理、通信の暗号化、画面のぞき見防止など、テレワーク特有のリスクに応じた物理的・技術的措置が求められます。
裁判例では、単純な氏名・住所の漏えいで一人あたり数千円から1万円程度、クレジットカード番号や医療情報など機微な情報だと数万円になることもあります。不正利用などの実害があれば別途賠償です(民法709条、710条)。業界裏話ヒント:一件あたりは少額でも、大規模漏えいでは集団訴訟で会社の負担は莫大になる。だから会社は訴訟前に500円分のギフト券などのお詫び金を配って早期収束を狙う。受け取ると和解扱いになり後の請求権を失う場合があるので、実害があるなら安易に受け取らない。
関係あります。2017年の改正で、扱う件数による除外(旧5000件要件)は撤廃され、1件でも事業で個人情報を扱えば個人情報取扱事業者として23条の安全管理義務を負います。業界裏話ヒント:多くの零細事業者が自分は対象外と誤解している。顧客名簿をエクセルで管理しているだけでも対象だ。委員会は中小規模事業者向けに規模に応じた緩やかな措置例をガイドラインで別途示しているので、まずそれを読めば最低限のラインが分かる。
委託元には委託先を監督する義務(25条)があり、委託先の選定・契約・監督が不十分なら委託元自身の安全管理措置違反(23条)にもなるからです。業界裏話ヒント:クラウドや外注に預けただけでも、契約書に安全管理条項を入れ定期的に監査していないと監督義務違反を問われる。逆に、契約と監査の記録をきちんと残していれば、委託先の一方的な過失として自社の責任を切り離せる。この記録の有無が運命を分ける。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 23 条:個人データそのものの安全管理措置 | — |
| 義務の中身 | 漏えい等防止のため必要かつ適切な措置(4 類型)を講じる | — |
| 典型的な違反例 | 退職者のアクセス権削除漏れ、共有フォルダの無制限公開 | — |
| 違反時の連動 | 26 条(報告・通知)、148 条(勧告・命令)、民法 709 条(賠償) | — |
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