要点個人情報の保護に関する法律 71 条は、行政機関の長等が保有個人情報を外国の第三者へ目的外提供する際、原則として事前の本人同意を義務づける。同等水準国は EU と英国に限られる。
Q · 役所が私の情報を海外のサーバーで処理するとき、勝手に外国へ渡していいの?
原則として事前の本人同意が必要です
個人情報の保護に関する法律 71 条により、行政機関の長等が保有個人情報を外国にある第三者へ利用目的以外の目的で提供するには、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です。同意を求める前には相手国の個人情報保護制度等を本人に説明する義務もあります(2 項)。例外は、EU・英国のような同等水準国、相当措置の体制を整備した事業者、法令に基づく場合、緊急時(69 条 2 項 4 号)に限られます。米国や中国は同等水準国に含まれていません。
あなたが役所に提出した住民情報や申請書類。それが海を越えて外国の企業のサーバーに渡っているとしたら、どう感じるだろうか。2021 年、多くの自治体が住民サービスに使っていた LINE で、日本人の個人情報が中国の委託先から閲覧可能な状態にあったことが発覚し、大問題になった。個人情報の保護に関する法律 71 条は、まさにこの越境をめぐる行政のブレーキだ。役所や独立行政法人、地方公共団体が、あなたの保有個人情報を外国にある第三者へ目的外で渡すには、原則としてあなたの事前同意が要る。しかも同意を求める前に、その国の個人情報保護制度がどうなっているかを本人に説明する義務まで負う(2 項)。例外は、EU や英国のように日本と同等水準と認められた国、十分な保護体制を整えた相手、法令に基づく場合、緊急時(69 条 2 項 4 号)だけ。役所が「クラウドだから海外にあります」の一言で済ませられない仕組みが、この条文に埋め込まれている。
個人情報の保護に関する法律 71 条は、行政機関の長等による保有個人情報の外国にある第三者への越境提供を制限する規定である。利用目的以外の目的での提供には原則として事前の本人同意を要し、同意取得前には相手国の個人情報保護制度等の情報を本人に提供する義務を課す。同等水準国および相当措置の体制整備事業者への提供は例外とされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関の長等が保有個人情報を外国にある第三者へ目的外提供する場合、原則として事前の本人同意を求める規定です。2023 年 4 月施行の行政機関等向けの越境提供制限です。
個人情報保護委員会が指定する EU 加盟国と英国です。米国や中国は含まれていません。同等水準国への提供は本人同意なしの例外ルートになりますが、対象国は極めて限定的です。
国内の個人情報取扱事業者に求められる措置に相当する措置を継続的に講じる体制を、委員会規則の基準に適合して整備した外国の事業者です。この事業者への提供は本人同意の例外になります。
個人情報保護委員会による報告徴収・指導・勧告・命令の対象になりえます。違法な提供で損害が生じれば国家賠償法 1 条による賠償責任が問われる可能性もあります。
行政機関等に対し、法定の開示請求書で自分の保有個人情報の開示を請求します。越境提供の有無や根拠を確認する第一歩になります。
個人情報保護委員会の窓口へ申出ができます。行政機関の取扱いに疑義があれば、開示請求と併せて委員会への相談・申出を検討できます。
特定個人情報にはマイナンバー法(番号法)19 条の特則が優先します。71 条は保有個人情報一般の越境提供を規律し、番号法がより厳格な提供制限を定めています。
相当措置の体制整備事業者へ越境提供された場合、本人の求めに応じて行政機関はその継続的実施を確保する措置に関する情報を提供する義務があります。措置の中身を開示させる手段です。
国内の業務委託なら本人同意なしに個人データを扱えますが、相手が外国にある第三者となると話が変わり、71 条は越境の場合、委託であっても原則として同等国・相当措置体制でなければ本人同意を求めます。業界裏話ヒント:『クラウドだから』で済むかは、データに実際にアクセスできる主体が国内にとどまるか、外国のサーバー・外国事業者が実質的に扱えるかで判断が分かれる。契約書上の保管場所より、誰が本当に触れるかを見るのが実務の勘所
現在、個人情報保護委員会が同等水準国として指定しているのは EU 加盟国と英国です。米国は包括的な同等国指定には入っていません。71 条の例外に頼れる国は極めて限定的です。業界裏話ヒント:多くの人が『先進国なら大丈夫』と思い込むが、GAFA の本拠地である米国は同等国リストにない。米国クラウドを使う行政案件は、同等国ルートではなく『相当措置の体制整備』ルートで処理されているのが実情(最新の指定状況をご確認ください)
71 条 1 項の同意は越境提供のためのもので、サービス提供そのものの条件とは切り分けられるべきです。国内処理や同等国での処理が可能なら、越境しない選択肢を役所は検討する必要があります。業界裏話ヒント:『同意しないなら手続きできません』と迫られたら、それが本当に越境提供が不可欠なのか、国内代替がないのかを問い返す。多くの場合、越境は役所側の効率・コスト都合で、本人同意を人質にした押しつけは筋が悪い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人(誰を縛るか) | 71 条:行政機関の長等(役所・独立行政法人・地方公共団体) | — |
| 規律の対象 | 保有個人情報の外国にある第三者への目的外提供 | — |
| 越境の例外 | 同等水準国(EU・英国)/相当措置体制事業者/法令/緊急(69 条 2 項 4 号) | — |
| 本人への情報提供義務 | 同意取得前の相手国制度説明(2 項)+提供後の求めに応じた情報提供(3 項) | — |
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