人事訴訟法 第29条(民事訴訟法の適用関係)
クイックジャンプ
- 人事に関する訴えについては、民事訴訟法第三条の二から第三条の十まで、第百四十五条第三項及び第百四十六条第三項の規定は、適用しない。
- 2.人事訴訟に関する手続においては、民事訴訟法第七十一条第二項、第九十一条の二、第九十二条第九項及び第十項、第九十二条の二第二項、第九十四条、第百条第二項、第一編第五章第四節第三款、第百十一条、第百三十二条の六第三項、第一編第七章、第百三十三条の二第五項及び第六項、第百三十三条の三第二項、第百五十一条第三項、第百六十条第二項、第百六十一条第三項第三号、第百八十五条第三項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項、第二百三十二条の二、第二百五十三条第二項並びに第七編の規定は、適用しない。
- 3.人事訴訟に関する手続についての民事訴訟法の規定の適用については、別表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
この条文の基本情報
民事訴訟法の適用関係とは何ですか?
定義民事訴訟法の適用関係とは、人事訴訟法第29条に定められた規定で、「人事に関する訴えについては、民事訴訟法第三条の二から第三条の十まで、第百四十五条第三項及び第百四十六条第三項の規定は、適用しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第29条(民事訴訟法の適用関係)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第29条の条文原文は「人事に関する訴えについては、民事訴訟法第三条の二から第三条の十まで、第百四十五条第三項及び第百四十六条第三項の規定は、適用しない。」で始まります。
- 人事訴訟法第29条は第一章 総則に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第29条の前の条は人事訴訟法第28条です。
- 人事訴訟法第29条の次の条は人事訴訟法第30条です。
- 人事訴訟法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法29条は、離婚・認知などの人事訴訟に適用しない民事訴訟法の規定を列挙する条文。国際裁判管轄規定や督促手続が除外され、別表で文言の読み替えも定める。
Q · 離婚や認知の裁判にも、民事訴訟法のルールはそのまま使えるの?
原則使えるが、人訴29条が除外した規定は使えない
人事訴訟には原則として民事訴訟法が適用されますが、人事訴訟法29条がその例外を定めています。第1項は民訴の国際裁判管轄規定(3条の2から3条の10)などを除外し、代わりに人訴3条の2以下が適用されます。第2項は督促手続(民訴第七編)などを除外します。第3項は別表で民訴の字句を人事訴訟用に読み替えるため、条文を引くときは別表との照合が欠かせません。
解説
離婚や認知の裁判を起こそうとして民事訴訟法の解説書を買い込んだあなたは、実は半分近く無駄な勉強をしている。人事訴訟法29条は、民事訴訟法のうちどの規定が人事訴訟には「使えない」かを一括で指定する除外リストである。国際裁判管轄の基本規定(民訴3条の2から3条の10)は丸ごと適用除外。理由は単純で、人事訴訟には別に専用の管轄ルール(人訴3条の2以下)が用意されているからだ。さらに第2項では、訴訟費用の担保、補助参加、督促手続、少額訴訟など膨大な規定を排除する。ここが実務の急所になる。人事訴訟には支払督促も少額訴訟も存在しない。「離婚慰謝料を少額訴訟で簡単に取ろう」という発想は、条文レベルで最初から封じられている。第3項の別表は、民訴の条文の文言を人事訴訟用に読み替える対応表で、これを見落とすと条文を正しく引いたつもりで結論を誤る。
法的な位置づけ
人事訴訟法29条は、人事訴訟に関する手続について民事訴訟法の適用関係を調整する規定である。国際裁判管轄に関する民訴3条の2から3条の10等の規定、督促手続を定める民訴第七編等の規定を適用除外とし、さらに別表により民訴の規定中の字句を人事訴訟用に読み替える旨を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事件が人事訴訟に当たるか確認 離婚、婚姻無効、認知、嫡出否認など、人事訴訟法2条に掲げる類型に当たるかを確認する。当たる場合、民事訴訟法は人訴の特例と29条の除外・読み替えを経た形でのみ適用される
- 2.使いたい民訴の規定を除外リストと照合 主張や申立ての根拠にする民訴の条文を書き出し、人訴29条1項・2項の除外リストに含まれていないかを一つずつ確認する。督促手続(民訴第七編)と国際管轄規定(民訴3条の2から3条の10)は特に見落としやすい
- 3.国際的要素があれば人訴の管轄規定に切り替える 相手方が海外在住である等の場合、管轄の根拠を民訴3条の2以下ではなく人訴3条の2以下で組み立てる。関連請求の併合も人訴3条の3、17条の枠内で検討する
- 4.別表で字句の読み替えを確認して書面を確定 準備書面や申立書で民訴の条文を引用する前に、人訴29条3項の別表で読み替え対象になっていないかを確認し、読み替え後の文言を前提に主張を確定させる
よくある質問 AI による整理
Q1人事訴訟法29条とは?
人事訴訟に適用しない民事訴訟法の規定を列挙し、別表で民訴の字句を読み替える条文です。民訴を人事訴訟用に調整する役割を持ちます。
Q2人事訴訟で支払督促は使える?
使えません。督促手続を定める民事訴訟法第七編は、人事訴訟法29条2項により人事訴訟の手続では適用除外とされています。
Q3人事訴訟 国際裁判管轄 何条?
人事訴訟法3条の2以下です。民訴3条の2から3条の10は人訴29条1項で適用除外とされ、人事訴訟専用の管轄ルールが適用されます。
Q4人事訴訟の別表とは?
人訴29条3項に基づく読み替え表で、上欄の民訴規定中の中欄の字句を下欄の字句に置き換えて適用します。原文だけ読むと誤る原因になります。
Q5人事訴訟はどこの裁判所で行う?
人事訴訟は家庭裁判所の管轄です(人訴4条)。簡易裁判所の少額訴訟のような手続は、この構造上そもそも利用できません。
Q6離婚訴訟 いきなり起こせる?
原則できません。家事事件手続法257条の調停前置により、まず家庭裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります。
Q7人事訴訟 民事訴訟 違いは?
人事訴訟では自白の拘束力が排除され(人訴19条)、職権探知が認められる(人訴20条)など、当事者の処分に委ねない仕組みが採られています。
Q8人事訴訟 反訴 管轄 どうなる?
反訴や中間確認の訴えの国際管轄を定める民訴145条3項・146条3項は人訴29条1項で除外され、人訴3条の3以下の規律で判断します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1離婚の慰謝料だけなら、普通の民事訴訟で別に訴えてもいいんですか?
離婚そのものとは切り離した不法行為に基づく慰謝料請求(民法709条)は通常の民事訴訟で提起できます。ただし人訴17条により、離婚訴訟に関連請求として併合する道もあります。実務のポイント:併合すると同じ裁判官が離婚原因と慰謝料額を一体で判断するため、有責性の認定が慰謝料額に直結します。別訴にすると、離婚判決の認定を後の民事訴訟が事実上引きずる。どちらを選ぶかで最終的な回収額が変わるので、最初の設計が勝負です
Q2海外に住んでいる配偶者を、日本の裁判所で離婚訴訟に引っ張れますか?
人訴29条1項で民事訴訟法の国際管轄規定(3条の2以下)が適用除外となるため、判断基準は人訴3条の2です。被告の住所が日本にある場合のほか、夫婦の最後の共通住所地が日本であるなど独自の連結点が定められています。実務のポイント:日本で判決を得ても、相手国でその判決が承認されるかは別問題です。相手国の承認要件を先に調べないと、勝訴判決が紙切れになることがあります
Q3別表の読み替えって、普通の人が読んでも意味があるんですか?
あります。別表は民事訴訟法の条文中の文言を人事訴訟用に置き換える対応表で(人訴29条3項)、読み替え後の意味を知らないと、条文を正しく引いたつもりで結論だけ誤ります。実務のポイント:本人訴訟で戦う人が最も多く躓くのがここです。裁判所書記官は手続の進め方については説明してくれますが、どの条文をどう読み替えるかまでは代わりに判断してくれません
間違えやすい点 AI による整理
- 「人事訴訟も訴訟なのだから、民事訴訟法がそのまま適用される」と考えがちだが、実際には人訴29条によって国際管轄・督促手続・少額訴訟など多数の規定が切り離されている。人訴29条を読まずに民訴の基本書だけで手続を組むと、存在しない制度を前提にした主張になる
- 29条の存在自体は知っている人でも、第3項の「別表」まで確認している人は少ない。別表は民訴の条文中の文言を人事訴訟用に置き換える読み替え規定で、ここを飛ばすと、条文は正しく引いているのに適用結果だけが誤るという最も気付きにくい失敗が起きる
- 「除外されている規定が多い=人事訴訟は手続が緩い」という理解は逆である。除外の多くは、身分関係の確定に簡易手続や当事者の処分に委ねる仕組みを持ち込ませないための厳格化である。あなたから見れば制度が削られているが、法律から見れば身分関係を軽々に動かさないための防壁だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 人訴29条:民訴の個別規定を適用除外し、別表で字句を読み替える | 人訴1条:人事訴訟に関する民訴の特例を定める法律であることを示す総則 人訴19条:自白・擬制自白等に関する民訴の規定を適用しない |
| 対象となる民訴規定 | 国際管轄(3条の2から3条の10)、督促手続(第七編)など条文単位で列挙 | 個別列挙はなく、特例全体の位置付けを示す 裁判上の自白、擬制自白など弁論主義に関わる規定 |
| 狙い | 専用ルールへの置換と、簡易手続の遮断 | 人訴と民訴の一般的な適用関係の整理 当事者の処分で身分関係が確定することの防止 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は家事事件法で家事訴訟事件に民事訴訟法を準用する構造を採り、特則を家事事件法側に置く点で日本の人訴と民訴の関係に近い
韓国は家事訴訟法で民事訴訟法の適用を原則としつつ、自白の効力等について特則を置く。一般法と特別法の二層構造は日本と類似
ドイツは婚姻事件等について ZPO の総則・第一審手続規定を適用しつつ、同条で一部規定の不適用や読み替えを定める。適用と除外を一か所で整理する手法は人訴29条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 外国に住む配偶者を相手に離婚を求めたい。民訴3条の2(被告住所地の国際管轄)を根拠に日本で訴えようとしても、29条1項で適用除外。使うべきは人訴3条の2で、こちらは「夫婦の最後の共通住所地が日本」など独自の連結点を持つ。根拠条文を間違えると、訴状の段階で管轄の主張が空振りする
- 離婚訴訟の途中で、夫の不倫相手に対する慰謝料請求も同じ手続でまとめて審理してもらいたいと考えた。だが民訴145条3項・146条3項(中間確認の訴え・反訴の管轄特則)は29条1項で除外されている。併合のルートは人訴8条・17条という別の入口から組み立てる必要がある
- 夫が離婚訴訟を無視して一切応答しない。「それなら支払督促で慰謝料だけ先に取れないか」と考える。答えは否。民訴第七編(督促手続)は29条2項で全面的に適用除外。人の身分にかかわる事項を、書類審査だけの簡易手続で確定させることは制度上できない
- あなたが被告側で、原告が海外在住であるため訴訟費用の担保提供(民訴75条以下)を求めようとしたとしたら? この点は確認が要る。29条2項が排除するのは民訴71条2項や91条の2などの個別規定であり、除外リストの読み違いは主張の空振りに直結する。訴状を受け取ったら、まず除外リストと別表を照合するところから始める
- 第一回口頭弁論期日まであと10日。手元の民事訴訟法の基本書で手続を組み立ててきたが、人事訴訟法29条の存在に今気付いた。除外された規定を前提に書いた準備書面は、書き直しである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴えを起こす前に人訴29条1項・2項の除外リストを通読し、使おうとしている民訴の規定が生きているか確認する2. 国際的要素がある事件は民訴3条の2以下ではなく人訴3条の2以下を管轄の根拠にする3. 督促手続・少額訴訟は使えないため、慰謝料も含めて人事訴訟の枠内(人訴17条の関連請求併合)で組み立てる4. 別表の読み替えを確認したうえで準備書面の条文引用を固める
訴えられた側:1. 訴状を受け取ったら、原告の主張する手続根拠が29条で除外された規定でないかを照合する2. 除外規定に依拠した申立てがあれば、答弁書の段階で不適法を指摘する3. 管轄を争う場合、民訴の国際管轄規定ではなく人訴3条の2以下の連結点で争点を立てる4. 手続の可否判断に迷う点は、家事事件・人事訴訟の経験がある弁護士に早期に確認する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし各人事訴訟の類型ごとに出訴期間があり、例えば嫡出否認の訴えは民法777条の期間制限に服する。管轄違いの抗弁は民事訴訟法12条の時期的制約を受けるため、第一回口頭弁論期日で本案について弁論する前に申し立てる必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:人訴29条の適用除外は、身分関係の確定を当事者の処分や簡易な書面審理に委ねないための手続的防壁と理解される。国際管轄については、人事訴訟の特性に即した連結点を持つ専用規定(人訴3条の2以下)に置き換える趣旨とされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:人事訴訟手続法に代わり人事訴訟法が制定され、民事訴訟法の適用関係を調整する規定として本条が置かれた
- 2.平成30年(2018年) 改正:人事訴訟事件の国際裁判管轄規定(人訴3条の2以下)の新設に伴い、民訴の国際裁判管轄規定を人事に関する訴えに適用しない旨が第1項に置かれた
- 人事訴訟法 第1条民事訴訟法との一般的適用関係
- 人事訴訟法 第3条の2除外された国際管轄に代わる専用規定
- 人事訴訟法 第17条関連請求の併合、除外規定の代替ルート
- 人事訴訟法 第19条民事訴訟法の自白・擬制自白規定の不適用
- 人事訴訟法 第20条職権探知主義、処分権主義の修正
- 民事訴訟法 第3条の2本条1項が適用除外とする国際管轄の原則
- 家事事件手続法 第257条調停前置、人事訴訟提起前の必須手続
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める