要点破産法172条は、破産手続開始前に命じられた保全処分を破産管財人が続行できると定める。開始決定後1か月以内に続行しなければ、保全処分は自動的に効力を失う。
Q · 破産する前に相手が受け取った財産の凍結(保全処分)は、破産が始まったらどうなるの?
1か月以内に管財人が続行しないと保全処分は失効します
破産法172条により、破産手続開始前に命じられた保全処分(171条)は、破産管財人が開始決定後にその手続を続行できます。ただし開始決定後1か月以内に続行しなければ、保全処分は自動的に効力を失います(2項)。さらに担保が破産財団に属さない財産で立てられている場合、財団財産による担保へ変換しなければなりません(3項)。凍結された側にとっては、この開始決定日から1か月のカウントダウンが最大の分かれ目になります。
お金を貸していた相手が破産する直前、その人があなたではなく別の債権者にだけこっそり弁済した、あるいは財産を身内に贈与して逃がした。破産管財人はこうした「倒産前のずるい資産移動」を否認権で巻き戻し、財産を破産財団に戻せる。だが取り消すまでに財産が消えては元も子もないので、破産手続が始まる前に、その財産を凍結する保全処分(171条)が打てる。172条は、その凍結を破産開始後に管財人が引き継いで続行できると定めるブリッジ条文だ。ただし時限装置が仕込まれている。管財人が破産手続開始決定後1か月以内に続行しなければ、凍結は自動的に効力を失う(2項)。さらに担保が破産財団の財産でないなら、財団の財産による担保へ差し替えねばならない(3項)。あなたが凍結された側なら、この1か月のカウントダウンこそ最大の急所だ。
破産法172条は保全処分の続行を定める規定であり、破産手続開始前に否認権を保全するため命じられた保全処分(171条)を、破産管財人が開始決定後に引き継いで続行できる旨を規定する。続行は開始決定後1か月以内に行う必要があり、担保が破産財団に属さない財産である場合は財団財産による担保に変換しなければならない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
破産手続開始前に命じられた否認権保全のための保全処分を、破産管財人が開始決定後に続行できると定める規定です。1か月以内に続行しないと失効します。
開始前に裁判所が命じた財産凍結(保全処分)を、破産管財人が開始決定後に引き継いで維持することです。否認の対象財産が処分されるのを防ぎます。
破産管財人が破産手続開始決定後1か月以内に続行しないと、保全処分は自動的に効力を失います(破産法172条2項)。起点は開始決定日です。
破産手続開始決定後1か月以内です。この期間内に続行手続をしないと保全処分は失効し、凍結された財産の効力は失われます。
破産手続開始日から2年、または否認対象行為から20年で行使できなくなります(破産法176条)。172条の続行1か月とは別の期間です。
官報の公告で確認できます。172条の1か月起点はこの開始決定日なので、まず官報公告日を押さえることが重要です。
破産管財人が保全処分を続行する場合、担保の全部または一部が財団外の財産なら、財団財産による担保に変換する義務があります(172条3項)。
偏頗行為否認(破産法162条)の対象になり得ます。管財人が否認権を行使し、回収された財産は破産財団に戻って配当原資になります。
可能性があります。倒産直前に特定の債権者だけが弁済を受けると、偏頗行為否認(破産法162条)の対象になり、その入金に保全処分がかかることがあります。保全がかかっても、管財人が破産手続開始決定後1か月以内に続行しなければ172条2項で失効します。業界裏話ヒント:管財人は開始直後、財産調査や債権者対応で手一杯になりがちで、この初動の1か月に続行手続が漏れる例は実務で珍しくない。凍結された側の代理人は、起点日からの暦を数えて続行の有無を監視する
あります。保全処分やその続行は裁判所の手続記録に残り、当事者やその代理人は記録の閲覧・謄写を請求できます。あなたが保全の名宛人なら、続行の有無を確認できる立場にあります。業界裏話ヒント:管財人が続行する保全には民事保全法第18条等が準用され(172条4項)、保全異議や取消しの申立ての余地が残る。失効を待つだけでなく、保全そのものの当否を争う道もあることは、あまり積極的に説明されない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 役割 | 172条:開始前の保全処分を管財人が続行する | — |
| 時間軸 | 破産手続開始決定をまたぐ局面(決定後1か月以内) | — |
| 時限装置 | 1か月以内に続行しなければ失効(2項) | — |
| 担保の扱い | 財団外の担保は財団財産による担保へ変換(3項) | — |
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