破産手続開始の申立てをした者は、破産手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、第二十四条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、前条第一項の規定による保全処分、第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は第百七十一条第一項の規定による保全処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。
要点破産法 29 条は、破産手続開始の決定前に限り申立てを取り下げられると定める。ただし保全処分などの命令後は、債権者保護のため裁判所の許可が必要となる。
Q · 破産を申し立てた後、相手が払ってくれたら自由に取り下げられる?
決定前なら取下げ可、ただし保全命令後は裁判所の許可が必要
破産法 29 条により、破産手続開始の決定が出る前に限り、申立人は申立てを取り下げられます。ただし中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令のいずれかが発せられた後は、裁判所の許可がなければ取り下げられません。これらの命令は他の債権者の取立てや債務者の財産処分を止めているため、申立人だけが抜け駆け的に和解して取り下げると、止められていた他の債権者が不利益を受けるからです。開始決定が出た後は取下げ自体ができません。
取引先が代金を払わない。業を煮やしてあなたは破産を申し立てた。ところが申立てを知った相手が、慌てて全額を払うと言ってきた。もう破産させる必要はない、取り下げよう。ここで破産法 29 条が立ちはだかる。原則として、破産手続開始の決定が出る前なら、申立てをした者はいつでも自由に取下げできる。だが一度でも裁判所が中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令などを出した後は、勝手に取り下げられない。裁判所の許可がいる。なぜか。これらの命令は、相手の財産を凍結し、他の債権者の取立ても止めている。その状態で申立人だけが抜け駆け的に和解して取り下げれば、止められていた他の債権者が割を食う。あなたの取下げの自由は、保全命令が出た瞬間に、裁判所の管理下へ移る。
破産法 29 条は破産手続開始の申立ての取下げを定める規定であり、申立人は破産手続開始の決定前に限り申立てを取り下げることができ、かつ各種保全命令が発せられた後は裁判所の許可を要する旨を規定する。決定後の取下げは認められない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
破産手続開始の決定が出る前までです(破産法 29 条本文)。決定が出てしまうと、取下げ自体ができなくなります。決定前という時間の窓の中だけが取下げ可能期間です。
保全処分や中止命令は他の債権者の取立てや債務者の財産処分を止めているためです。申立人だけが抜け駆けで取り下げると他の債権者が不利益を受けるので、裁判所が許可で公平を担保します。
債権者申立てでも開始決定前なら取下げできます。ただし保全命令後は裁判所の許可が必要で、他の債権者の利益を害さないことを示す必要があります。
できません。取下げが認められるのは破産手続開始の決定が出るまでです(破産法 29 条、30 条)。決定後は手続が全債権者の清算の器として進行します。
他の強制執行や担保権実行などの手続を一時的に止める命令です(破産法 24 条)。これが出た後の破産申立て取下げには裁判所の許可が必要になります。
包括的禁止命令(破産法 25 条)が出た後は、決定前であっても取下げに裁判所の許可が必要です。すべての債権者の個別執行が禁止された状態だからです。
決定前なら可能ですが、裁判所の許可が必要です(破産法 29 条後段、91 条)。保全管理人が選任され財産が管理下にあるため、申立人の一存では取り下げられません。
弁済が完了したこと、他の債権者を害しないこと、全債権者の了解があることなどを具体的に書面で示します。これらを裁判所が認めれば許可されます。
破産手続開始の決定が出る前なら取下げできます(破産法 29 条)。ただし保全処分や保全管理命令が出た後は裁判所の許可が必要です。業界裏話ヒント:実務では、相手が弁済したからといって自動的に許可されるわけではなく、他の債権者の利益を害さないかが審査されます。複数の債権者がいる事案では、一人だけ抜け駆け弁済を受けて取り下げると許可が下りないことがある。和解は「裁判所に説明できる形」で組むのが鉄則です
下りる場合もあります。弁済が完了して他の債権者が存在しない、または全債権者が了解しているなど、取下げが誰の利益も害さないと裁判所が判断すれば許可されます(破産法 29 条後段)。業界裏話ヒント:許可の見込みは事案によって大きく分かれ、実務上、運用に幅がある論点です。単独の債権者による破産申立てなら通りやすく、自己破産や複数債権者がからむ事案では慎重になる。申請前に裁判所の書記官に運用を確認しておくと、無駄足を防げます
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| 取下げの可否を画する基準 | 破産法 29 条:開始決定前なら取下げ可、保全命令後は許可制 | — |
| 規律する局面 | 申立人による申立ての取下げ | — |
| 他の債権者への配慮 | 保全後の取下げに許可を要し抜け駆けを防ぐ | — |
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