法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百六十条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
要点不動産登記法 163 条は両罰規定で、従業者が業務に関し 160 条・162 条に違反したとき、行為者に加え法人または個人事業主にも各本条の罰金刑を科す。
Q · うちの社員が登記でやらかしたら、会社まで罰金を取られるんですか?
原則そうなる。ただし無過失を示せれば会社は免れる
不動産登記法 163 条は両罰規定を定めており、従業者が業務に関し同法 160 条または 162 条の違反行為をしたときは、行為者だけでなく、その法人または個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。もっとも判例は両罰規定を事業主の選任監督上の過失を推定した規定と解しており、相当の注意を尽くしたと事業主側が立証できれば処罰を免れる余地があります。決め手は事件後の弁明ではなく、平時に残された研修記録や二重チェックの運用実績です。
罰則章の最後、過料規定の直前に挟まれた一条。条文集をめくる人のほとんどが素通りするが、ここが個人の犯罪を法人の犯罪へ変換する装置である。司法書士法人の補助者が虚偽の登記名義人確認情報を作れば(160 条)、事業者の従業者が登記識別情報を不正に取得すれば(162 条)、行為者本人が罰せられるのに加えて、その法人または個人事業主にも各本条の罰金刑が科される。ここで多くの経営者が読み違える。会社の責任は自動的に発生する連帯責任ではない。最高裁は両罰規定の性質を、事業主の選任監督上の過失を推定したものと解している(最大判昭和 32.11.27)。つまり、従業者の選任と監督に相当の注意を尽くしたと会社側が示せれば、会社だけが責任を免れる余地がある。推定を覆せるかどうかは、事件後の弁明ではなく平時に積み上げた記録で決まる。
不動産登記法 163 条は両罰規定を定める条文であり、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し同法 160 条または 162 条の違反行為をした場合に、行為者を処罰するほか、事業主である法人または個人に対しても各本条の罰金刑を科すことを規定する。
違反行為をした行為者本人と、その事業主である法人または個人の双方を処罰する規定です。不動産登記法では 163 条が該当し、事業主には各本条の罰金刑が科されます。
判例は両罰規定を事業主の選任監督上の過失の推定と解しています。従業者の選任と監督に相当の注意を尽くしたことを客観的資料で示せれば、法人だけが免れる余地があります。
同法 160 条と 162 条の違反行為です。条文は「第百六十条又は前条」と限定しており、罰則章のすべての条文が両罰の対象になるわけではありません。
勤務場所は決め手ではありません。自宅から電子申請を代行した場合でも、外形上その事業の業務に結び付いていれば「業務に関し」に含まれ、法人の刑事責任が生じ得ます。
163 条は「各本条の罰金刑」と定めるため、160 条・162 条それぞれの法定刑の罰金額がそのまま法人にも科されます。金額は各本条の現行法定刑をご確認ください。
刑事手続が終わっても記録は残り、司法書士法上の懲戒判断の基礎事実や、取引先の与信審査・入札資格審査の場面で参照され続けることがあります。
法人に科されるのは罰金刑であるため公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項 6 号)。行為者と法人の時効は別個に進行します。
適用されません。163 条は 160 条と前条(162 条)のみを対象としており、161 条の違反は行為者個人の処罰にとどまります。
両罰規定は会社を連帯責任で縛るものではなく、従業者の選任と監督についての会社自身の過失を問う構造である(163 条、最大判昭和 32.11.27)。相当の注意を尽くしたと示せれば会社は免れる。業界裏話ヒント:この反証で効くのは社長の陳述書ではなく、日付の入った運用記録である。事件後に整えた規程は作成日で見抜かれる
安心できない。行為者が現に処罰されることは法人処罰の要件ではなく、行為者に犯罪が成立していれば法人だけを起訴することもできる(163 条)。逆に法人だけ不起訴となる例もある。業界裏話ヒント:検察が法人を落とすかどうかは再発防止策の提出時期で分かれる。処分が決まった後に出しても、量刑の材料にしかならない
関係する。条文は「法人又は人」と定めており、個人事業主も使用人の違反行為について罰金を科されうる(163 条)。法人格の有無は分岐点ではない。業界裏話ヒント:個人事業主の場合、本人が行為者として立件されるのか業務主として立件されるのかで前科の意味も防御方針も変わる。弁護人に最初に確認すべきはその区別である
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 163 条:各本条の罰金刑を事業主にも科す刑罰 | — |
| 責任を負う主体 | 行為者+その法人または個人事業主 | — |
| 免れる手段 | 選任監督に相当の注意を尽くしたとの反証で免責の余地 | — |
| 前科の有無 | 法人にも罰金前科が残り、懲戒・与信審査で参照され得る | — |
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