要点不動産登記法162条は、登記官の実地調査の検査拒否や虚偽陳述、筆界特定のための立入り拒否を三十万円以下の罰金で処罰する規定。ただし検査は日出から日没までに限られる。
Q · 登記官が土地を調べに来たとき、断ったらどうなるの?
要件を満たした検査の拒否は三十万円以下の罰金、前科も残る
不動産登記法162条により、29条2項の実地調査における検査を拒み・妨げ・忌避した場合、質問に陳述せず又は虚偽の陳述をした場合、137条5項に違反して筆界特定のための立入りを拒んだ場合は、三十万円以下の罰金に処されます。過料ではなく刑罰なので、確定すれば前科が残ります。ただし29条2項の検査は日出から日没までに限られ、137条2項の宅地等への立入りは三日前までの事前通知が必要で、正当な理由があれば拒めます。要件を欠く立入りの拒否は、そもそも本条の射程外です。
登記官が巻尺と身分証を持って敷地に現れる日がある。相続で見つかった未登記の建物を表題登記したとき、隣人が筆界特定を申し立てたとき、その二つが代表例だ。不動産登記法162条は、そこであなたが「入らないでください」と言った瞬間に何が起きるかを定める。三十万円以下の罰金。過料ではなく罰金であり、確定すれば前科として残る。ただしこの条文は、あなたを丸裸にする条文ではない。29条2項の検査は日出から日没までの間に限られ、137条の立入りは事前通知を要し、正当な理由があれば拒める。つまり「拒めば罰金」ではなく「要件を満たした調査を、理由なく拒めば罰金」である。目の前の立入りが要件を満たしているかどうかを玄関先で判別できるかが、その後の五年を分ける。
不動産登記法162条は、登記官の実地調査および筆界特定手続における立入りの実効性を刑罰で担保する罰則規定であり、同法29条2項の検査の拒否・妨害・忌避、文書等の不提示・虚偽提示、質問に対する陳述拒否・虚偽陳述、137条5項に違反する立入りの拒否・妨害を構成要件として、三十万円以下の罰金を科す。
登記官の実地調査の妨害と、筆界特定のための立入り拒否を処罰する罰則規定です。三十万円以下の罰金で、過料ではなく刑罰にあたります。
申請された面積・構造・所在が現地の実態と一致するかを確認するためです。表題登記や職権登記の正確性を支える手続で、29条2項が根拠です。
宅地または垣・柵等で囲まれた土地に立ち入る場合、137条2項により三日前までの事前通知が必要です。通知後に日程調整を申し出る余地があります。
162条の罰金は刑罰で前科になりますが、164条の過料は行政上の秩序罰で前科になりません。金額の差ではなく法的性質の差です。
法定刑が罰金のみなので三年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時(同法253条1項)となります。
あります。29条3項および137条4項が身分証明書の携帯と関係者への提示を定めています。提示を求めることは拒否ではなく確認行為です。
162条は「当該違反行為をした者」を処罰するため、実際に拒んだ本人がまず対象になります。申請名義人である法人の担当者とは一致しません。
29条2項の検査は日出から日没までに限られるため、時間外の検査に応じる義務はなく、断っても162条1号の構成要件には当たりません。
29条2項の要件を満たした検査を拒めば、162条1号で三十万円以下の罰金です。過料ではなく罰金なので、確定すれば前科として記録が残ります。実務では略式命令(刑事訴訟法461条)で書面処理されることが多い。業界裏話ヒント:罰金刑は執行終了から五年で言渡しの効力が消えますが(刑法34条の2)、検察庁の記録自体は残ります。帰化申請や一部の海外ビザ申請で申告を求められるのは、この記録の方です
正当な理由があれば断れます(137条5項)。裏返せば、理由なく拒めば162条3号の対象です。ただし宅地や塀で囲まれた土地への立入りは三日前までの事前通知が必要で、日出前と日没後は占有者の承諾がなければ立ち入れません(137条2項、3項)。業界裏話ヒント:正当な理由の中身は条文に書かれておらず、実務上も解釈が分かれます。全面拒否より、代替日を書面で提示した記録を残す方が、立件段階では圧倒的に強い
162条2号は、陳述をしない場合と虚偽の陳述をした場合の両方を処罰します。黙秘そのものが構成要件に書き込まれている点が重要です。もっとも行政調査での供述義務と憲法38条1項の自己負罪拒否特権の関係は実務上解釈が分かれる論点で、最高裁は税務調査について一律に特権が及ぶわけではないとしています(最大判昭和47.11.22)。業界裏話ヒント:虚偽陳述は沈黙より重く評価されます。記憶が曖昧な事項を断定形で埋めないこと
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 162条:罰金(刑罰、前科になる) | — |
| 処罰される行為 | 実地調査の検査拒否・妨害・忌避、陳述拒否・虚偽陳述、筆界特定の立入り拒否 | — |
| 暴行・脅迫の要否 | 不要(消極的な拒否・沈黙でも成立しうる) | — |
| 免れる方向の主張 | 時間帯要件・事前通知要件の欠如、137条5項の正当な理由 | — |
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